新田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初は難しそうな言葉がたくさん並んでいて、身構えたが、物語の中に入ってみると、ぐんぐん引きずり込まれて行った。
第5聯隊が、生き延びられる結末はあったのだろうか?
過ぎたことに「もし」を考えても仕方ないが、この物語の中では、最悪の事態を回避できたかもしれない「もし」を、たくさん感じた。
もし、予定通り案内人を立てていたら…
もし、永野軍医の言葉を聞き入れて引き返していたら…
もし、神田大尉が指揮権の全てを握っていたら、結末は違ったのだろうか。
しかし、階級や身分が色濃く残る軍のなかで、平民出の神田大尉が山田大隊長の意見を翻すことは、今考えても無理だったのではないかと思う。
神田大尉と、徳 -
Posted by ブクログ
ネタバレ明治時代の青森県八甲田山への雪中行軍の訓練で起きた世界最悪規模の遭難事故の史実を元にしたフィクションです。新田次郎の本は初めて読みましたが、情景が本当に見てきたのではないかと思うほど、読んでいて場面が見えるようでした。読み始めたら本当に先が気になって、次にまた読み始めるのが楽しみになるような本です。
感動した箇所
「『疲れたろう。休んだらいい。苦労話を聞きたいが、後の楽しみに取って置こう。おれはこの汽車で帰って、歓迎の準備をしなければならないからな』
と門間少佐が言った。
『いや話は聞いて帰って下さい』
徳島大尉は話し出した。弘前から三本木までは概略を話して、三本木から増沢まで行軍して、そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ未曾有の異常気象による天災でもあったが、基本的には雪の脅威を過小評価し自分たちの能力を過大評価したこと、軍隊特有の階級構造とそれに基づく権威主義、競争意識、指揮系統のあり方がもたらした人災だった。
第5聯隊上層部が第31聯隊への競争意識や上層部へのアピール意識で目の前の気象条件を客観的に意識できなくなっていったが、行軍強行突破の引き金となったのは下士官の根性論発言だった。
現代でも雪の脅威は克服できていない。今年も雪害による死者が発生している。
そんな中解散総選挙が目論まれている。
自然の驚異を知りながらわざわざ飛び込むのか、私たち市民の態度が問われている気がしてならなかった。