新田次郎のレビュー一覧

  • 孤高の人(下)

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    故郷で出会った少女に思いを寄せ、数年後彼女と結ばれる加藤文太郎。結婚を機にそれまで題名通り孤高の人であった彼は周囲との付き合いを見直し、打ち解けるようになっていった。
    一方、娘も生まれ家庭が尋常のものになっていくにつれ、山からは遠ざかっていく。そんな折彼を師として慕う登山家・宮村から、思い人を吹っ切るためにパーティーを組んで槍ヶ岳からの北鎌尾根へと最後の登山をしたいと懇願された。
    加藤が生涯で初めて単独行でないその登山を行った時に悲劇が訪れる。
    彼の「決心したら疑わない」との信念が最後の最後で悪い方に出てしまったように思えた。
    恋愛の話はやや通俗的だけれど、それが読みやすさに繋がっているのかも

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    2019年03月18日
  • ある町の高い煙突

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    新聞の書評で紹介されて読んでみた。日立に住んでいた事もあったがこの煙突の事は知らなかった。企業が地元と共存していく上での参考事例になるお話。

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    2019年02月02日
  • 孤高の人(下)

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    「単独行の加藤文太郎」として著名な彼の生涯を綴った作品。会社員という立場で山行を重ねる彼の生き方は共感が持てた。彼が抱く決意、山では自分しか自分の身を守ることはできないという登山における根本的な要素が浮き彫りにされて描かれてあり、読むたびに引き込まれた。

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    2018年12月01日
  • 武田信玄 火の巻

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    信玄の戦略のすごさと長男のワガママ、親を超えたいがために命令を無視して重臣を死なせるなど度重なる違反で信玄は親子の縁を切る。
    勝頼を跡継ぎとし、勝頼のたくましさに親バカになりそうなのを必死で隠すなど、信玄の人間らしさも描かれている。
    勝頼も期待を裏切らない戦略で期待の跡取りだったんだなぁ。
    戦闘部分は飛ばして読む。。。

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    2018年11月15日
  • 武田信玄 林の巻

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    ネタバレ

    上杉謙信との闘いで双方の衝突がメイン。
    女たらしだった信玄の男らしい決断と生き方にため息の連続
    成長を見守るような感じで読んでいたけど他の小説と並行して読んでいたのでやたらに〜した。の連続で読みづらさが出てきて、速度が遅くなる。
    作者によって文章が違うと校閲している人は大変なのかなぁ❓と最近読んだ本まで頭に浮かんできて川中島の戦いが霞んでしまった。。。

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    2018年11月04日
  • 縦走路

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    昭和37年(1962年)に書かれた作品
    山登りが趣味の会社員たちを描いた恋愛小説だが
    いまや時代劇とそのことば回しがたいしてかわりなく感じる
    それでも登場人物の造形と話立ての面白さはさすがの実力

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    2018年10月26日
  • 芙蓉の人

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    ありえない。。明治でしょ、富士山で?山頂で越冬??そんなの絶対無理無理。と思って、そんな非現実的なことなんて全然無理無理と思って読み始めた。
    そして二人とも高山病と寒さで11月にはすぐ死んでしまいそうになるのも、そりゃ頷ける。でもでも、あの時代にトライしようとしたのが本当にありえなくてすごすぎる。
    また、結末を知らないで読み進んだんだけど、12月の年末に?救助隊が富士山に上がって行って、二人を担ぎおろしてきた?すごいな!本当にびっくり。
    年末の富士山なんて、現代で、十分装備を整えて、プロが行ったって危ないのに、明治でしょ、アイゼンとかピッケルとか、ろくに無いんでしょ、それで担ぎおろしたのか!と

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    2018年10月24日
  • 栄光の岩壁(上)

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    冬季岩壁を登るだけでも凄いが、足の無い足でチャレンジする事が凄い。しかも、トップクラスのクライマーである意思の強さには感服

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    2018年10月14日
  • 聖職の碑

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    大正時代に駒ヶ岳で起きた中学校修学旅行の遭難事故(11人死亡)を題材とした小説.自然相手の活動を行う際,どんなに事前準備をしても,自然の急変等により事故が起きる可能性がある.このことは常に肝に銘じるべし.事故後の教育会(今でいう教育委員会?)の対応も示唆的.現在ではこのような対応は難しいかも.

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    2018年10月09日
  • 孤高の人(上)

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    実在の人、加藤文太郎による前人未到の日本列島の縦断単独踏破までの上巻。
    登山小説における、究極の状態における人間心理や素晴らしい景観、そして死と隣合わせの冒険という特有要素が満載で、大正、昭和における登山行の考え方や道具等細かに描かれており、興味深い。主人公、加藤文太郎の寡黙な人柄は、この小説によって山男の象徴的なものとして人々に記憶されたのではないかと思えるほどにインパクトがある。
    プロローグで、加藤か遭難したことを語る人物が、単独で登山していれば間違いはないと述べたことがこの本の確実なラスト展開につながってしまうのを感じてストーリーにやや興味を失ってしまう。山行の合間に描かれる恋愛や会社で

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    2018年06月17日
  • 武田信玄 風の巻

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    のっけから、信玄の葛藤がある。
    この本の中に、葛藤していない信玄はひとかけらもいない。
    父に苦しみ、正妻に苦しみ、仕事に苦しみ、病に苦しみ、思い上がりから家臣を死なせ……
    溺れても仕方のないほどの才を自身で操り切れず、才が大きい分、痛みも大きい。
    でも葛藤しながら、自分で運命を引き受けるから、こんなに魅力があるんだな。
    自分の思い通りにならない理不尽なことに、ぐずぐず思い悩むのは、もう本当にやめよう、立ち向かわない人間に魅力なんかない。それって気持ちよくない。自分も立ち向かおう、切り拓こう、葛藤はして当たり前。そんなふうに力を分けてもらえる本。

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    2018年02月04日
  • 芙蓉の人

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    作者の登山(?)ものはよいですね。過酷な環境に置かれた人の限界の挑戦の物語は引き込まれます。
    明治の時代においてつつましくあらねばならぬ女性が表舞台に立って活躍をした事実は日本における女性の地位を高めることに役立ったのでしょうね。
    他の作品も追々読みます。

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    2017年07月21日
  • 孤高の人 2

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    原渓人 ゴメンね…でもこの一瞬を逃したくなかったんだ だって人はいつ死ぬかわかんないじゃん 全てのしがらみから逃れるように鬱積したエネルギーを山にぶつけていた…初登攀がニュースで流れる時代だった…山では誰もが英雄になれるチャンスがあったんだ 谷川岳 厳冬期の滝沢第三スラブ 深い谷底の万年雪の中 グレード5・13 ニーバーで支えやがった!!! オンサイト上に行きたいなら限界を決めるな ハングを登れたお前は新しいお前なんだ 今まで何があったかなんて問題じゃない…これからどう生きていくのかが問題なんだ 何かをやらずにはいられない…‼︎ 何でもいいから始めないと爆発しそうだ…‼︎ 物欲の塊 ビルの窓拭

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    2017年07月09日
  • 孤高の人 1

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    森文太郎 横須賀 握力 とりつくシマもない 転校早々エスケープ 意外と粘着質 腕がパンプ ハンドジャム 楔 上にいくんだ… 柔軟性 うぜぇ 跳んだぁ…!!! ランジ決めやがった…!!! ヒールフックマントリング 未踏 私の不徳の致す次第であります ザイルパートナー 自分は今生きてるぞって…!!! 高鳥山 ビギナーズラック フリーソロ クライミングシューズ インドアクライミングのコンペ 脳内に焼き付けられている 正確に記憶 格の違いカラビナにロープを通しながら 競技の公平を期するため オンサイト=初めて見たルートに挑戦する オブザベーション=下見 超回復 一度腕を限界までパンプアップさせると回復

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    2017年07月09日
  • 孤高の人 1

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    これは面白い。山登りのテク満載で、描写も丁寧。絵もキレイだ。山登りものはいろいろあったけど、まずはインドアクライミングの大会から。

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    2017年05月12日
  • 芙蓉の人

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    確か映画化されたんだよなぁと思い、手に取りました。
    明治時代に富士山頂に気象観測所を建てるために尽力する夫について冬の富士山に登り共に観測小屋に籠った妻・千代子の物語。
    まだ女の人の地位も低かった頃に千代子はしっかりと自分の意思を持ち、行動力を発揮するのだけど、その根底には夫に尽くし愛する気持ちがあってこそなのです。
    千代子は本当に強くて聡明な女性。冬の富士山頂の様子は凄まじく、雪と氷に覆われた小屋での生活は寒さとの闘いで、本当に壮絶。普通の人にはとてもとてもできない。もちろん私にも無理だけど、これをやってのけた女性が本当にいたなんて、すごすぎる。
    所々で出てくる手紙や報告書の文章が当時のまま

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    2017年05月10日
  • アルプスの谷 アルプスの村

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    新田次郎の文章は安心して読める。シンプルだけどあたたかみがあって、着眼点もすき。地名がたくさんでてきて勉強にもなった。
    いつかスイスへ行こうと決意。

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    2016年05月11日
  • 孤高の人 3

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    気になるところで終わっちゃった。
    大西先生どうなっちゃうのか。

    迫力に飲まれてすぐ読んじゃうし面白いんだけど、何度も気軽に読める感じではない。

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    2016年03月10日
  • 芙蓉の人

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     気象に詳しく、富士山頂での観測経験のある著者ならではの自然の厳しさが伝わってきた作品。
     自費をも投じて富士山頂での越冬観測に臨んだ野中到の夫人、千代子さんの目線で描いている。
     明治、士族の家、嫁という束縛が強く、形だけでも整えようとする親世代との確執が、例えば、冬山に籠るのに、男装はダメ、モンペもダメ‥今なお共感を呼ぶ。
     新たな時代の幕開け、そして列強諸国と、肩を並べたいがための国の威信をかけ
    夫を支える千代子さんの不屈で、鋭意ある行動に、明治女性の芯の強さが読めた。

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    2016年01月31日
  • 芙蓉の人

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    読み終えたとき 芙蓉の人ロスになるくらい面白かった。
    少し冬山登山の経験があるのでそれを思い出しつつ読み進めたが、雪の季節の富士山の厳しさは想像しきれない。しかも明治時代の装備…
    健気だけど頑固に到に尽くす千代子すごい。

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    2016年01月07日