新田次郎のレビュー一覧

  • アラスカ物語

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    アラスカについては星野道夫の書籍や写真でしか馴染みがなかったけど、この本を読まなければ、おそらくフランク安田という偉大な日本人を知ることはなかったと思う。人物像だけでなく、アラスカの自然やエスキモーの歴史・文化・生活習慣など、そしてゴールドラッシュ、白人やインディアンとの関わり合いなど深く書かれていて、勉強になった。

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    2019年10月08日
  • アラスカ物語

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    まるで創世記を読んでいるようだった。
    世界の北の最果ての地に、エスキモーのために生涯を捧げた日本人がいたなんて驚きを通り越して感動を覚えた。
    新田次郎お得意の雪山の描写もたっぷりで、山岳小説としても大満足。
    2015/11

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    2015年11月07日
  • 孤高の人 7

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    本当に悲しい時にしか出ない涙を森くんは流している…森くんが感じている人がまとわりつく感覚は解る…一人の方が楽に思える。彼はどういう人間になって行くんだろうか。
    『孤高の人』が頭から離れない…原作になった小説の方読もうかなぁ。漫画とは違うと解ってはいるけれど、坂本眞一さんが漫画として描きたいと思った訳だから、世界観に触れたい、と言う気持ちがふつふつと…人間は本当に孤独になるのは逆に難しいんだ、と言う事とかずーっと考えてる。未踏のK2東壁シュミレーションで北アルプス全山縦走チーム内で、元来一人を好む性格もあるが仲間との距離が解らず、それでも文五郎なりにチームの為に、と考えた矢先に舌の根も乾かないう

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    2016年01月16日
  • 聖職の碑

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    登山の参考に

    当時の登山がいかに過酷であったのかが良く分かる作品です。木曽駒ヶ岳に何度も登っていたので以前より興味がありました。読了して当時の状況が現況と照らし合わせることができ、とてもリアルに伝わってきました。

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    2015年08月02日
  • 孤高の人 17

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    はじめはなんか絵が苦手かもと読み進めるうちに主人公の登ることへの執着。
    登ることをエンターテイメントな描写。一気に読んですっきりしたのは久しぶりのマンガでした。

    なんとなくボルダリングやってみたいなぁと思いました。

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    2015年07月31日
  • 珊瑚

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    山岳小説家として名高い新田次郎氏の小説はこれまで山岳小説しか読んだことはなかったのですが、海を題材にされた小説とのことでこちらもまた興味深く感じました。
    恥かしながらこれまで日本地図を見ても意識したことのなかった長崎県の五島列島にて、明治時代に発見されてから昭和にかけて盛んに行われていたという珊瑚漁のお話です。
    大変な犠牲者数を出す遭難を何度も繰り返す中でもあきらめず美しく大変高価なモモイロサンゴを追い求めた主人公たち。
    なぜそれほどまでに追い求めるのか、それは高い値が付くからということではなく珊瑚の奥深い魅力につい惹かれてしまうというお話が、なぜ山に登るのかという質問に対しそこに山があるから

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    2014年12月18日
  • アラスカ物語

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    何十年振りかで再読。現在の宮城県石巻市に生まれた安田恭輔の波瀾に満ちたアラスカでの生涯を描いた傑作記録文学である。

    外国航路の船員となり、アラスカに赴いたフランク安田は、数奇な運命に導かれ、エスキモーと共に暮らす。白人による海獣の乱獲による食糧不足と疫病に苛まれるエスキモーたちを救うべく、フランク安田が取った行動は…

    明治時代にアラスカに渡り、エスキモーのためにその生涯を捧げた日本人が居た事に驚きを感じるとともに彼の行動力、運命を享受する逞しい生き方には感服した。

    巻末に『アラスカ取材記』が収録されており、この記録文学を描いた経緯が分かる。

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    2014年06月02日
  • 怒る富士 上

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    生まれも育ちも神奈川県は足柄上郡で、我が家のベランダからは富士山がよく見えた。富士山の頬をザックリとえぐった宝永火口は美的観点から疵だよなぁという印象しかもっておらず、まさか自分の故郷がその宝永噴火で最も被害を受けた地域だったとは迂闊にも知らなかった。
    1707年の宝永大噴火は、駿東郡と足柄上郡に降灰による大被害を与えた他、その後の大雨が灰を押し流し酒匂川の堤が決壊、足柄下郡に深刻な洪水被害も与えた。その結果、これらの地域の農民は飢餓の危機にさらされた…
    本書は、政府から見棄てられた飢民を救うために命を懸けて働く代官を中心にして、富士山噴火という大災害のその後を描いた物語だ。全国から集めた救済

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    2013年12月27日
  • 孤高の人 17

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    疲れるし、寒いし、危険だし。
    お家大好きな自分には山の魅力はわからないし、わかることは一生ないと思います。
    でも、山に行かずにはいられない、その衝動と渇望の理由は理解出来なくもない…かな?
    下界の煩わしさから逃れ、絶対的孤独を愛す。
    圧巻の画力で描かれる壮麗で凶暴な山々。
    極限状態の描写は多彩で凄味があり、絵に説得されてしまいます。
    下界での生活はいろいろ不憫で女難の相もあった文太郎。
    良い嫁が見つかり、人間社会に馴染むことが出来ました。
    悲劇の英雄ではなく、普通の人になれて良かったと思います。

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    2013年11月26日
  • 孤高の人 3

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    ネタバレ

    改めて主人公は山にとり憑かれているなぁと感じた巻。軽装で登山して吹雪にあった主人公。どうなってしまうのかハラハラしながらページを繰った。特に遭難中休んでいるシーンは一番怖かった・・・!

    あとは大西先生と黒沢さんの山での因縁話。
    山の非情なこと・・・胸が熱くなった。

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    2013年10月29日
  • 武田勝頼(三) 空の巻

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    長篠の戦いで敗れた武田軍は名将、勇将を失いながらも世代交代で新たな人材を登用し名誉挽回の機を伺っていた。そして織田軍牽制で利害の一致した上杉氏や北条氏と手を組み、自領の安全は確保した。高天神城はまだ抑えており、家康もうかつには侵入してはこなかった。

     しかし、家康は勝頼に対してゆさぶりをかける。地方の小さな城にちょっかいを出しては勝頼の動向を見定めた。援軍を出さなければ、武田は苦しい台所事情が見透かされる。人を割くのも厳しかったが、援軍を出せば出すだけ戦費は嵩み、何度も動員をかけられる領民には不満が募った。


     人心は武田を見限り始めていた。


     もともと信玄という強力な統率者がいたため

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    2017年08月15日
  • 武田勝頼(二) 水の巻

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     長篠城を包囲した武田軍は、落城はもはや疑いなしというところで一旦攻城を止める。落とすのは簡単だが、そうすると高天神城を落とした時のように信長が進軍してこない可能性が高い。勝頼の出陣の主目的は家康とともに信長の勢いを削ぐことにあったから、信長が家康の援軍に出てきてくれないことには目的を達成できなかった。

     そして設楽ヶ原で両軍は対峙したわけだが、馬防柵や鉄砲隊の情報などから合戦に及んだ場合、相当の損害が考えられた。戦わずに引き上げるという手も武田軍には考えられた。しかし勝頼のもとには敵将の佐久間信盛が信長を裏切り、時期を見て武田軍に加勢する、との密書が届いていた。その証として部隊の配置などの

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    2017年08月15日
  • 武田勝頼(一) 陽の巻

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     長篠の合戦において、信長・家康連合軍の鉄砲隊に騎馬での無謀な突撃を繰り返し、散々な負け戦で勢力を弱めた武田勝頼。  
     近代兵器の鉄砲三千丁を三段打ちという効率的な活用を考えだした天才・信長と、時代の変化に追いつけず、前近代的な騎馬による突撃しかできなかった愚かな勝頼という対比で語られることが多く、武田氏が滅亡した原因は勝頼が馬鹿だったからだという説が今も多くの人に信じられている。

     確かに自分も高校の日本史の授業で、そう教わったし、教科書にもそう書いてあった。(馬鹿とは書いてなかったけど、そんな意味に受け取れた)
     歴史的事実を教科書から学ぶのは大事だが、歴史観には批判の目を向けて見るの

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    2017年08月15日
  • 孤高の人(下)

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    初レビュー

    山へ行くなら必読でしょう。

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    2013年09月26日
  • 富士に死す

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    断食をして死を迎えられる人がどれだけいるだろうか。

    作中に、瞑想をして時には自分だけのこと、時には父だけのこと母だけのこと兄や弟だけのことを考えてみなさいという教えが出て来るがたまにはそうやってみるのもいいかも。

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    2013年08月18日
  • 雪のチングルマ

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    1979年刊行の新装版。
    かわいいタイトルと表装に惹かれて手にしましたが、山登りする人間にとっては身が引き締まるような内容でした。登山家に読み継がれてきた伝説の名作というだけあって、山を登られる方には是非読んでもらいたい一冊です。
    最近は登山ブームもあり私のような人間でも山登りを愉しんでいますが、この本を読むといかに有名な登山家でも常に危険と隣り合わせであるかを思い知らされます。
    山の天気はかわりやすく、どんなに強靱なクライマーであっても、天候一つで死に至ってしまうことがあるということを実感しました。
    あくまでもフィクションでありますが、同様の事故や遭難が実際にあったことは想像できます。
    山で

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    2013年08月07日
  • 銀嶺の人(下)

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    新田次郎3部作の一つ。読み応えのある、感動的な小説でした。
    今井道子、若山美子という実在の二人の女性登山家をモデルにしていると知り、一層引き込まれました。

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    2013年03月01日
  • 銀嶺の人(上)

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    ふたりの女性登山家が主人公。
    淑子は医者を両親に持ち、自らも医師を志す、気の強い女性。
    美佐子は天才的な芸術家で、無口で涙もろい女性。
    正反対な性格な二人が、はじめは相対することもあるが、徐々に信頼し合い、世界で初めて女性パーティだけによるマッターホルン北壁制覇を成目指し・・そこで上巻はおわる。
    ふたりの生い立ちと、成長とあいまって、山に没頭する展開は気持ちいい。

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    2013年02月26日
  • 強力伝・孤島

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    第34回の直木賞を受賞した「強力伝」を含む短編集である。昭和30年代に書かれた古さは感ずることなく、冬山の怖さが伝わってくる。
    「強力伝」の他に、「八甲田山」、「凍傷」、「おとし穴」、「山犬物語」、「狐島」があり、「おとし穴」については、人が危機を脱して安心した時ほど危険である事、’’勝って兜の緒を締めよ’’とは良く言ったものだと思った。

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    2013年02月10日
  • 栄光の岩壁(下)

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    上巻のワイルドさとは打って変わり、現実に戻された会社員生活。
    結婚するくだりは山岳小説は思えない、別の意味でハラハラとさせらせました。
    ハッピーエンドを願いながら読みました。

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    2013年03月02日