新田次郎のレビュー一覧

  • 劔岳〈点の記〉
    地形図がどのようにして作られているのか、その過程と苦労がつぶさに分かる、読み応えのある一冊でした。
    柴崎測量官の遺族や関係者から聞いた実話がもとになっていますが、淡々とした記録ではなく、この先どうなるのか気になる展開があって面白かったです。
    同じ新田次郎の『孤高の人』と違って、剱岳初登頂の主要メンバ...続きを読む
  • 武田勝頼(二) 水の巻
    何年も前に武田信玄を読んで最後は物悲しかったのを思い出す。勝頼の物語も、辛いところから始まる。設楽ヶ原の合戦は負けるのは分かっているけど、名将が次々に討たれるのは辛かった。武田勝頼をきちんと描いていて、さすが新田次郎。
  • 孤高の人 4

    絵も話も

    絵が綺麗だったので試し読みからはじめたら、おもいっきりはまりました。登山にも興味がわきました。映画や小説も見たい。
  • 武田信玄 山の巻
    武田信玄の西上作戦が描かれている。
    三方ヶ原の戦いは武田軍が一気に徳川軍を蹴散らしたイメージだったけど、徳川軍をおびき寄せる作戦を立てて実行したこと、それが時間との戦いであったこと等、面白かった。
    信玄ほどの武将も病には勝てず。進軍していると思わせて信玄の体のために古府中に連れて帰ろうとした重臣たち...続きを読む
  • 劔岳〈点の記〉
    剣岳に興味があり、読んでみることにしました。
    フィクションとノンフィクション織り交ぜてあるので、
    かなり真実味を感じつつ読み進められました。
  • 孤高の人(上)
    厳格な性格と思いながら読み進むと、えれえこった、えれえこったと言いながら登山する加藤氏に心が奪われる。
    地図遊びや孤独な心情が自分の心にも入ってくる。
  • 孤高の人(下)
    単独登山の信念が結婚と幸せな家庭で揺れ動く様が読んでいて何とも言えない。
    読み終わって何とも言えない寂しさに包まれた。
  • 武田信玄 風の巻
    甲斐の虎、武田信玄(晴信)の若き日々。父との軋轢に悩み苦しんだ末に、自分を押し潰す父を跳ね除ける晴信の雄飛が清々しい序章。晴信が父を追放する駆け引きは手に汗にぎるほどスリリング。史実を調べ尽くした上で、人間を軸にドラマチックに読ませる新田次郎の小説ならでは。

    厳しく育てられた晴信の猛々しさと知性、...続きを読む
  • 武田信玄 山の巻
    すごく面白かった。ますます信玄が好きになった。

    ・父、信虎追放の経緯
    ・山本勘助が間者という事
    ・川中島や三方ヶ原の戦いの見解
    ・長男、義信の離反の解明
     
    は創作
  • アラスカ物語

    「ある町の高い煙突」を読んで以来
    すっかり新田次郎ファンになってしまった

    緻密な取材と、骨太な文体で
    the昭和な感じが良い

    数ある著作の中で、本書を選んだ理由は

    日本では殆ど知られてないけど
    アラスカでは、今でも超有名人である
    日系1世 フランク安田の物語だというトコ

    以前に読んだ
    「M...続きを読む
  • ある町の高い煙突
    久しぶりの新田次郎作品。かつて日本で起こった銅精錬の煙害事件の実話を基にして昨年映画化。日立グループ社員は全員読むべきである。一農村と企業とが誠意を持って公害に立ち向かった歴史。近年あの煙突は取り壊されたが、日立市の歴史象徴だったことがよくわかる。
  • ある町の高い煙突
    煙害問題解決の象徴ともいうべき「大煙突」。環境問題解決の先駆者というだけでなく、当時「世界一の高さ」「日本人だけで建設」というオプション肩書まで付いてるから市民の大煙突愛もハンパない。でも自分は田中正造愛がハンバないし、足尾銅山鉱毒事件がどうしても重なってしまい、手放しで美談化できない。正の歴史と負...続きを読む
  • アラスカ物語
    米国沿岸警備船のキャビンボーイとして渡米し、海獣の乱獲によって飢餓に瀕していた海岸エスキモーを率いて民族移動を達成し、ビーバー村を設立。フランク安田こと安田恭輔。東北での腕白な子供時代の安田恭輔とアラスカでジャパニーズモーゼと謳われたというフランク安田の数奇な人生を新田次郎が綴った小説。

    100年...続きを読む
  • 孤高の人(上)
     山岳小説の代表作とも言える作品です。昭和初期に活躍した単独行の加藤文太郎、その凄さはもちろんですが、新田次郎の山の描写がそれはそれは見事で、まるで詩を詠んでいるようです。
     加藤文太郎が辿った山道には、私が歩いた所もあり、その情景を懐かしく思い描くことができました。そして文太郎の心境がダイレクトに...続きを読む
  • 強力伝・孤島
    短編集。八甲田山、凍傷などどれも冬を題材としており冬休みに読むのにとっても適していた。それぞれの主人公の固執、執着が伝わってくる内容であった。あとがきに記載されているように筆者はきらびやかな記述はないがシンプルな表現で文章を作成しており大変勉強になった。物語のラストもあっさりと記載されており、内容の...続きを読む
  • 冬山の掟
    冬山で遭難する系の短編小説集。男女の色恋に起因する話とかが多い。解説も、戦後にスポーツとしてポピュラーになっていく登山というものを捉えていて面白い。
  • 芙蓉の人
    途中から読むのが辛くなるほど壮絶で過酷。
    でも読まずにはいられない熱量があった。

    ちなみに、
    あとがきや解説ってあまり面白く感じないことが
    自分の場合殆どなんだけど、この本はあとがきまで
    読んで完結したって感じました。
  • アラスカ物語
    後世に語り継ぎたい日本人の偉人である。
    新田の綿密な取材と筆力あふれる大作。昔ながらの気質ながらやりとげる意思のある人物が魅力。女性も頼もしくてよろしい。失われた美徳を見るのはいいことだ。
  • ある町の高い煙突
    日立グループとのお取引があり、小平記念館をご案内頂いた際に映画化されると紹介された。自らはまず選ばないタイトルと表紙の本。でも読んでみたら本当に感動しました。馬に乗って学校に通うなど時代背景が今とずいぶん違うが、読んでるうちにその時代と場所に自然と入り込めます。恋愛小説としても面白かったです。
  • 芙蓉の人
    意義深く、偉大な仕事に打ち込めること。
    その想いに寄り添ってくれる人がいること。

    この二つ、自分の人生に出逢えれさえすれば。
    その人は大成功したと言えるんだと、思いました。

    ありきたりですが。
    一人で戦うのはある意味簡単で。
    自分に続く二人目を得れること。
    この二人目の熱さで。
    翻って己の人生が...続きを読む