新田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレR5.3.5~3.11
(きっかけ)
・好きな作家
・富士山測候所について知りたくて
・古本屋で100円
(感想)
新田次郎さんの八甲田山死の彷徨を読んでいたので「壮絶な山岳小説」はよくわかっているつもりでしたが、別の角度からの「壮絶」がここにありました。
到の決意の深さと千代子の夫への情熱、目的のためなら「死」を厭わない二人のようすがよく描かれており、心身を崩す二人の心に引き込まれて、読んでいて少々気分が悪くなるほどです。
二人は生きて地上を踏めるのか、最後の一ページまでドキドキの1冊でした。
補足:ページ構成は、1冊のうち半分が登山準備編、少しだけ登山、残りの半分が富士観測編です。 -
Posted by ブクログ
「新田次郎」の長篇山岳小説『孤高の人』を読みました。
『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』に続き「新田次郎」作品です。
-----story-------------
〈上〉
【話題のコミック!】「坂本眞一」 『孤高の人』原案。
なぜ彼は単独で山に登るのか――。
昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎” 。
その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した「加藤文太郎」の、 -
Posted by ブクログ
「新田次郎」の長篇山岳小説『孤高の人』を読みました。
『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』に続き「新田次郎」作品です。
-----story-------------
〈上〉
【話題のコミック!】「坂本眞一」 『孤高の人』原案。
なぜ彼は単独で山に登るのか――。
昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎” 。
その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した「加藤文太郎」の、 -
Posted by ブクログ
6つの短編集で多くが山に関係する小説です。
実話が題材のものが多く、日本の山の歴史を勉強できる。伝記と小説が合わさった感じがしました。
無数にある山々に登山道が整備されていることに、山に行くたび先人達の仕事に感心していましたが、この作品を読んで改めて感謝の念が強くなった。
山好きに是非読んでもらいたい。
少し昔の作品ですが、昭和の純文学と違って物凄く読みやすいです。
「強力伝」、「凍傷」が特に好きでした。
「強力伝」は、180キロもの石の風景指示盤を、富士山の強力が白馬山頂まで担ぎ上げる話
「凍傷」は、富士山頂観測所を設立するまでの困難を描いた作品です。 -
Posted by ブクログ
マッターホルン登頂後、世界を驚かせた2人の女性は全く違った歩みに。医者、そして鎌倉彫の藝術家としての活躍。そして山への取組も大きく変わる。山岳会を退会した美佐子。一方、淑子たちのグループのアイガー北壁登頂成功の瞬間の開放感!そして谷川岳での美佐子のあわや遭難とそれを救った杉山たち。美佐子が救われる場面、淑子との出会いはあまりにも劇的な感動のシーンでもらい泣き。クライマックスは淑子のグランドジョラス北壁と同時並行の美佐子のドリュー西壁登頂。2人の女性の運命的な繋がりから、2人の最後の結末へ向けた緊張感の高まりにはぐいぐいと惹きつけられた。2人の登山家女性モデルの実像がどうだったのか、関心は尽きな
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Posted by ブクログ
淑子と美佐子という2人の若い登山家が吹雪の八ヶ岳で避難した山小屋で出会うことから物語は始まる。そこへ3人組の岩登りの専門家、佐々木、杉山、白瀬の男性、この偶然の出会いから、女性たちの運命は大きく変わっていく…。今井通子と若山美子という実在の女性クラマーをモデルにし、多弁な淑子と無口な美佐子は対照的な存在だが、2人は共通する点も多く、2人は山、特に岩登りの魅力に取りつかれていく。医者と鎌倉彫の専門家であるということも、実話に近いようだ。マッターホルン北壁の2人の挑戦場面は手に汗を握る緊張感で、頂上に着いたときに読者までホッとする。世界を驚かせた2人のへ。日本人女性の活躍談の裏話しの現実性が圧倒的