新田次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
引き締り緊張感のある文体。まるで目の前で事が展開されているような緊迫感。
まさしくこれはよく出来た短編ハードボイルド小説集。
直木賞を取った「強力伝」も良いが、思わぬ事で落とし穴に落ち、狼と相対する事になった男を描いた「おとし穴」が秀逸。二進も三進も行かない状況でも、お金の事を考える人間の性と狼との対決の緊迫感はただものではない。また、そのラストにも衝撃を受ける。
今まで新田次郎の長編作品は何作か読んできたが、短編集は初めて。もしかしたら氏の本分は短編にあるかもしれないと感じさせる作品集であった。氏の気象官としての経験も存分に発揮されている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『単独行の加藤文太郎』と呼ばれる登山家が、どのようにして山に導かれ進んでいくのかを追った物語。
序盤の神港造船所の技術研修所に、研修生として五年間在籍している間の話は非常に面白かった。木村敏夫は影村一夫からの嫌がらせや罵倒に嫌気が差し出ていく。地図の読み方などを教えてくれた新納友明は肺結核にかかり死に、金川義助は主義者として逮捕され…。彼と共に過ごす人達は何らかの形で不幸な道を辿ってしまい、加藤は俺といない方がいいと考え、孤独に生きていく。
冒頭からずっと彼を気にかけている外山三郎の存在も大きいと思う。山岳会に入らないかと仕切りに勧めるが、加藤はそれを拒絶する。しかし、外山から本を借り -
Posted by ブクログ
ネタバレR5.3.5~3.11
(きっかけ)
・好きな作家
・富士山測候所について知りたくて
・古本屋で100円
(感想)
新田次郎さんの八甲田山死の彷徨を読んでいたので「壮絶な山岳小説」はよくわかっているつもりでしたが、別の角度からの「壮絶」がここにありました。
到の決意の深さと千代子の夫への情熱、目的のためなら「死」を厭わない二人のようすがよく描かれており、心身を崩す二人の心に引き込まれて、読んでいて少々気分が悪くなるほどです。
二人は生きて地上を踏めるのか、最後の一ページまでドキドキの1冊でした。
補足:ページ構成は、1冊のうち半分が登山準備編、少しだけ登山、残りの半分が富士観測編です。 -
Posted by ブクログ
「新田次郎」の長篇山岳小説『孤高の人』を読みました。
『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』に続き「新田次郎」作品です。
-----story-------------
〈上〉
【話題のコミック!】「坂本眞一」 『孤高の人』原案。
なぜ彼は単独で山に登るのか――。
昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎” 。
その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した「加藤文太郎」の、 -
Posted by ブクログ
「新田次郎」の長篇山岳小説『孤高の人』を読みました。
『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』に続き「新田次郎」作品です。
-----story-------------
〈上〉
【話題のコミック!】「坂本眞一」 『孤高の人』原案。
なぜ彼は単独で山に登るのか――。
昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎” 。
その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した「加藤文太郎」の、 -
Posted by ブクログ
6つの短編集で多くが山に関係する小説です。
実話が題材のものが多く、日本の山の歴史を勉強できる。伝記と小説が合わさった感じがしました。
無数にある山々に登山道が整備されていることに、山に行くたび先人達の仕事に感心していましたが、この作品を読んで改めて感謝の念が強くなった。
山好きに是非読んでもらいたい。
少し昔の作品ですが、昭和の純文学と違って物凄く読みやすいです。
「強力伝」、「凍傷」が特に好きでした。
「強力伝」は、180キロもの石の風景指示盤を、富士山の強力が白馬山頂まで担ぎ上げる話
「凍傷」は、富士山頂観測所を設立するまでの困難を描いた作品です。