新田次郎のレビュー一覧

  • 劔岳〈点の記〉

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    登山好きにはとても興味深くて面白いお話でした。
    明治の終わり頃の登山の装備は、今と比べると性能も劣り、重く嵩張る物ばかりで、それらを使いながら山に籠り、未踏の地を目指すことはどんなに大変だったことか。そんなことを想像しながら、当時の観測官ら偉業を興味深く読み進めることができました。

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    2023年07月07日
  • 芙蓉の人

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    ネタバレ

    R5.3.5~3.11

    (きっかけ)
    ・好きな作家
    ・富士山測候所について知りたくて
    ・古本屋で100円

    (感想)
    新田次郎さんの八甲田山死の彷徨を読んでいたので「壮絶な山岳小説」はよくわかっているつもりでしたが、別の角度からの「壮絶」がここにありました。
    到の決意の深さと千代子の夫への情熱、目的のためなら「死」を厭わない二人のようすがよく描かれており、心身を崩す二人の心に引き込まれて、読んでいて少々気分が悪くなるほどです。
    二人は生きて地上を踏めるのか、最後の一ページまでドキドキの1冊でした。

    補足:ページ構成は、1冊のうち半分が登山準備編、少しだけ登山、残りの半分が富士観測編です。

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    2023年03月11日
  • アラスカ物語

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    時代が違うという大前提はあるけど、主人公の体験に比べたら、自分の思い悩んでることなんてちっぽけなことだなと思えた。大自然の描写がすばらしい。

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    2023年01月05日
  • 劔岳〈点の記〉

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    明治時代の剱岳登頂と測量の過酷さが、リアルに、わかりやすく伝わってくる小説でした。勉強になる内容も多いです。

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    2022年11月18日
  • 強力伝・孤島

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    「強力伝」 凄まじい、想像を超える話しだ。体力よりも精神力、頑固力の塊のような人だ。

    「八甲田山」雪の恐ろしさ、正気を失っていく人の不気味さが本を閉じたくさせる。

    「山犬物語」「孤島」自然と自然の中に生きる生き物と比べてひとのか弱さ。

    全編を通して自然の中に取り残された時、自分だったら生きていける自信が無くなるような過酷な状況が読んでいて辛かった。

    だけと、また他の作品も読んでみたいと思った。

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    2022年10月09日
  • 孤高の人(下)

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    「新田次郎」の長篇山岳小説『孤高の人』を読みました。

    『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』に続き「新田次郎」作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    【話題のコミック!】「坂本眞一」 『孤高の人』原案。
    なぜ彼は単独で山に登るのか――。

    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎” 。
    その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した「加藤文太郎」の、

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    2022年10月05日
  • 孤高の人(上)

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    「新田次郎」の長篇山岳小説『孤高の人』を読みました。

    『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』に続き「新田次郎」作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    【話題のコミック!】「坂本眞一」 『孤高の人』原案。
    なぜ彼は単独で山に登るのか――。

    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎” 。
    その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した「加藤文太郎」の、

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    2022年10月05日
  • 劔岳〈点の記〉

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    点の記:三角点の設置記録を記した資料。劔岳は一般登山ルートとしては最難関として知られる岩稜険しい山であり、測量官、柴崎芳太郎によるこの山への初登頂、三角点設置の記録が描かれている。基本は史実に則した内容だが、ドキュメンタリーに留まらない苦難や緊迫感が伝わってきた。これを読むのと読まないのでは剱岳を登る際の解像度が遥かに違ってくるだろう。

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    2022年09月11日
  • 強力伝・孤島

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    6つの短編集で多くが山に関係する小説です。
    実話が題材のものが多く、日本の山の歴史を勉強できる。伝記と小説が合わさった感じがしました。
    無数にある山々に登山道が整備されていることに、山に行くたび先人達の仕事に感心していましたが、この作品を読んで改めて感謝の念が強くなった。
    山好きに是非読んでもらいたい。
    少し昔の作品ですが、昭和の純文学と違って物凄く読みやすいです。
    「強力伝」、「凍傷」が特に好きでした。
    「強力伝」は、180キロもの石の風景指示盤を、富士山の強力が白馬山頂まで担ぎ上げる話
    「凍傷」は、富士山頂観測所を設立するまでの困難を描いた作品です。

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    2022年09月08日
  • 銀嶺の人(上)

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    昔一度読みましたが、再度購入して読んでみました。細かい所は殆ど覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。美佐子曰く「自分の生命を賭けて惜しくないほどの対象があった場合、それが生きる目的になるのではないでしょうか、私にはそれがあるのです」これは生きるヒントになる名言だなと思いました。生命を「懸ける」ではなく「賭ける」と表現しているのにはきっと意図がありますね。

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    2022年08月02日
  • 栄光の岩壁(上)

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    昔一度読みましたが、再度購入して読んでみました。細かい所は殆ど覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。「岩壁に向かったあの真剣な気持、身体中の神経が音を立てて鳴るほど張りつめたあの瞬間」わかる気がします。

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    2022年07月29日
  • 孤高の人 17

    購入済み

    苦しい、そして素晴らしい

    読み進める毎に苦しい、でも読みたい。もっとじっくり読みたいのだけど先に進みたい欲望が勝ってどんどん読んでしまいました。
    最後は原作と違いますが、そこにも坂本先生の想いがあり、読者の私は救われたと思います。

    #切ない #深い #感動する

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    2022年06月26日
  • 孤高の人(下)

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    結末を知りながら、文太郎が幸せになっていく姿を見るのが悲しかった。
    必ずまた読み返したい一書になった。

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    2022年06月24日
  • 孤高の人(上)

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    今でも登山界で単独行のレジェンドである加藤文太郎。働きながら、厳しいトレーニングと休日の山行に励む生活は、超人だと思った。
    新田次郎の山岳小説は、山と人の心が、研ぎ澄まされた無骨な言葉で表現されている。山で感じる言葉にできない感動や恐怖をありありと思い出した。

    槍ヶ岳の描写で素敵だと思ったところ
    槍ヶ岳の岩は、彼が想像していた岩ではなく地球の骨であった。地球の骨の突出部が歳月と風雪を越えて彼の前にさらけだされているさまは、むしろ悲愴でさえあった。

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    2022年06月24日
  • 武田信玄 火の巻

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    円熟期を迎え、いよいよ太平洋側(駿河)への進出を図る信玄。一方で、嫡子である義信との仲が難しく、結局は義信を失ってしまう。やがて正室の三条の方との別れも突然にやってくる。第3巻では、信玄の親としての悩み、年を取ることの悲しみもしっかりと描かれています。

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    2022年06月17日
  • 芙蓉の人

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    野中到(のなか-いたる),千代子(ちよこ)夫妻の実話。新田次郎の書く本編はもちろん、最後の解説を含めて面白い作品。最後にエピローグ的に出てくる到と娘の会話に感動させられた。
    『第66回NHK放送コンテスト 朗読部門』の課題図書にもなった。

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    2022年06月16日
  • 武田信玄 林の巻

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    第二巻「林の巻」。桶狭間の戦い、そして川中島合戦。両軍の動きの描写が詳細かつ生々しい。著者は何度も現地にいって取材をしたらしいが、さもあらんというところ。
    川中島合戦では霧の存在が勝敗の一つのポイントになったそうだが、気象台勤務経験のある著者らしく、説得力のある記述がされていました。

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    2022年06月09日
  • 武田信玄 風の巻

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    長い間、積読になっていた、新田次郎の「武田信玄」を読み始めました。
    父、信虎を追放し、甲斐の領主となった晴信。愛妾に対する情熱や、甲斐に抵抗する佐久に対する非情な対応など、若き日の信玄の様子が伝わってくる。
    歴史小説ですが、きちんと史実を辿ろうとする姿勢が伝わってきます(あとがきにあるように、山本勘助だけは別)。新田次郎の文章は、しっかりと骨太かつ読みやすいですね。

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    2022年05月30日
  • 銀嶺の人(下)

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    マッターホルン登頂後、世界を驚かせた2人の女性は全く違った歩みに。医者、そして鎌倉彫の藝術家としての活躍。そして山への取組も大きく変わる。山岳会を退会した美佐子。一方、淑子たちのグループのアイガー北壁登頂成功の瞬間の開放感!そして谷川岳での美佐子のあわや遭難とそれを救った杉山たち。美佐子が救われる場面、淑子との出会いはあまりにも劇的な感動のシーンでもらい泣き。クライマックスは淑子のグランドジョラス北壁と同時並行の美佐子のドリュー西壁登頂。2人の女性の運命的な繋がりから、2人の最後の結末へ向けた緊張感の高まりにはぐいぐいと惹きつけられた。2人の登山家女性モデルの実像がどうだったのか、関心は尽きな

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    2022年04月28日
  • 銀嶺の人(上)

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    淑子と美佐子という2人の若い登山家が吹雪の八ヶ岳で避難した山小屋で出会うことから物語は始まる。そこへ3人組の岩登りの専門家、佐々木、杉山、白瀬の男性、この偶然の出会いから、女性たちの運命は大きく変わっていく…。今井通子と若山美子という実在の女性クラマーをモデルにし、多弁な淑子と無口な美佐子は対照的な存在だが、2人は共通する点も多く、2人は山、特に岩登りの魅力に取りつかれていく。医者と鎌倉彫の専門家であるということも、実話に近いようだ。マッターホルン北壁の2人の挑戦場面は手に汗を握る緊張感で、頂上に着いたときに読者までホッとする。世界を驚かせた2人のへ。日本人女性の活躍談の裏話しの現実性が圧倒的

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    2022年04月28日