新田次郎のレビュー一覧

  • 劔岳〈点の記〉

    Posted by ブクログ

    軍上層部からの実質的には強制で剣岳への人類初の登頂を命じられた柴崎芳太郎。
    宇治長次郎など優秀な仲間を得、過酷な自然に勇敢に立ち向かう。
    想像を絶する苦難を乗り越えて、剣岳を征服するが、頂上には奈良時代の修験者が残した刀剣と錫杖があった。
    軍部は「初登頂」でないことが世間に知れるのことを恐れて、柴崎らの業績を大々的には報じない。むしろその業績に対して関心が薄れたような反応さえ見せる。
    現代でも組織のマネージメント層が自分たちの都合や無理解で現場で苦労をしながらも結果を出した人を正当に評価しないがままあると思う。残念なことだ。
    「命をかけろ」との命令を遂行したが、満足な評価を得られなかった柴崎達

    0
    2025年05月05日
  • 劔岳〈点の記〉

    Posted by ブクログ

    『劒岳 点の記』は、自然への畏怖、人間の挑戦心、歴史の重みを感じられる一冊であり、静かに心を揺さぶられる作品でした。

    0
    2025年04月29日
  • 劔岳〈点の記〉

    Posted by ブクログ

    山で何気なく見かける三角点だが、これからは違う見え方をしてくるだろう。

    測量という仕事は存在を知るだけで詳しくは知らなかった。

    地図をつくるために危険を冒して山へ登っていた人たちの苦労を知ることができて、読んで良かったと思う。

    山には色々な楽しみ方がある。

    日常から離れて癒しを求める人もいれば、辛くても山頂を目指す人もいる。

    そんな中、こうした本からその山や、それにまつわるものの歴史、背景を知ることで、より山そのものを楽しめるようになると私は思う。

    0
    2025年04月14日
  • 孤高の人(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    神戸アルプスから始まり、冬の北アルプスにつながる。
    山の描写は楽しめるが、日常生活部分は一般人の私生活を覗き見るようで微妙。
    主人公が伝説化され、心理的距離感がもっとあれば気持ちよく読めたかも。
    神戸アルプス縦走は面白そう。

    0
    2025年03月21日
  • 新装版 風の遺産

    Posted by ブクログ

    硬派な登山小説ではなく恋愛中心の展開に驚く。登場する人物関係を説明する前半のパートが少々間延びする。作者のあとがきによれば昭和36年頃の執筆で、昭和の時代事情を楽しむことはできる。登山し、遭難するところからは流石に作者らしいスリリングでリアルな展開で楽しく読んだ。恋愛の結末は心理描写が薄く、何となく納得性にかける。やはり遭難シーンを中心に据えての作品が好みです。

    0
    2025年03月18日
  • 強力伝・孤島

    Posted by ブクログ

    直木賞受賞の強力伝を含む6編。
    作者の初期作品群とのことだが、登場人物の心理描写がリアルで、自然現象についても氏の体験したことであろう、ただの想像では書けないような描写が凄い。
    「八甲田山」は後の作品であろう長編とは違う凝縮した展開でテンポよく読める。「孤島」については実際に観測に参加した観測員に取材したのだろうか、淡々としているが人の心理描写が面白い。「凍傷」のような過酷な場所の中で比較的安全な場所で立てこもるシチュエーションが何故か好きだ。

    0
    2025年03月14日
  • 雪のチングルマ

    Posted by ブクログ

    山岳遭難短編小説5編+アラスカ旅行もの。
    死と隣り合わせになり、自然に抗う人間の戦う術は読んでいてとても引き込まれる。それは自己を守る本能かは分からないが、絶望的な状況に貶めるシチュエーションとしては山岳物はとてもすぐれており、作者のように山岳を知悉してよりリアルな描写をする人により面白さは倍増すると思う。
    ミステリー仕立てで、当時のスキー場と宿泊所の雰囲気を伝える「コブシの花の咲く頃」、実話に基づく遭難物「春富士遭難」が特に面白いと思った。

    0
    2025年03月02日
  • 孤高の人(下)

    Posted by ブクログ

    単独行登山家、加藤文太郎の生涯が閉じるまで。全編を通じて、主人公に寄り添う形での展開だった。視点が離れたのは、彼を慕う宮村と園子のやり取りの場面くらいだったように思う。最期となる登山では長い紙数が取られており、あえて予め死の予感を感じさせるようなストーリー展開だった。主人公は実名で、ほぼノンフィクションに近い筋書きという。主人公の人柄がよく表れた小説だった。宮村は悪役にされてしまったが、この人も実在したのだろうか。2025.1.18

    0
    2025年01月18日
  • 栄光の岩壁(下)

    Posted by ブクログ

    舞台がヨーロッパに移ってからは夢中で読んだ。特にマッターホルン北壁で足の出血に耐えながら登攀する場面は最もハラハラし、また登頂時は本当に嬉しかった。

    0
    2025年01月15日
  • 八甲田山死の彷徨

    Posted by ブクログ

    いつぶりか分からないほど期間を開けての再読。
    5連隊の組織がなっていない事や寒さの中での彷徨ばかり覚えていて、31連隊の状況がここまで書かれているとは思ってなかった。
    この両連隊の比較は、なるほど組織論・リーダー論として教材に使われるわけだ。
    それにしても日本は世界の中でも豪雪だと言われるのが分かる作品だな。そして当時の軍部でも柔軟な組織があったのも驚いた。
    段取り大事!組織の指揮命令系統大事!物事への柔軟な対応大事!

    0
    2025年01月14日
  • アルプスの谷 アルプスの村

    Posted by ブクログ

    昭和37年頃に訪ねたスイスの
    山 美しい神々しい山々を
    新田次郎の目を通して
    描いている

    スイスの美しさは人の手によるという
    作者の意見にはうなずかされた
    これも長野出身で
    山村の生活が分かるからだろう

    行きずりの人に対する感じ方や
    表現が著者の人柄を偲ばせる
    アルプスはフランスからスイスへ
    入ったが素晴らしかった
    私ももう一度行ってみたい

    0
    2024年11月10日
  • 孤愁〈サウダーデ〉

    Posted by ブクログ

    時代に翻弄された一人のポルトガル人の話し。日本と日本人の妻を愛し、日本の土となった。『孤愁』という訳語がじんわりと心に染みる。物語全体に漂うメランコリーな雰囲気が好き。

    0
    2024年10月09日
  • P+D BOOKS つぶやき岩の秘密

    Posted by ブクログ

    新田次郎 つぶやき岩の秘密

    私は少年ではないが、まだ白髭さん程でもない。
    教師ではないし、漁師でも、軍人になった事もない。親になったことのない大人だ。
    これまでの人生を振り返ることにより、少年にアドバイスをあげることはできる。
    私からのアドバイスを素直に実行することにより、短時間に良い人間になれるような気がする。
    白髭さんのように、少年と話をしてみたいと思う。
    小学生の頃に、この本読みなさい。
    私は、新田次郎作品初めましてでしたが、読んでない大人にもおすすめできる小説です。
    ミステリーばかり読んでいる私が、この本の題名を見て、カバーを見て、あらすじを読んで、ビビってきたのです。さて、少年文学

    0
    2024年09月10日
  • 孤高の人 3

    購入済み

    辛いです

    3巻まるまる大西先生のお話しでした。素晴らしい作画で山の風景が見事です。まるでその場にいるような空気感。美しいだけではなく恐ろしさをも感じます。
    苦しいお話でした。ほんの救いを求めて先ほど4巻、購入いたしました。

    #深い #ドキドキハラハラ

    0
    2024年08月03日
  • P+D BOOKS つぶやき岩の秘密

    Posted by ブクログ

    石川セリの歌(林美雄パックオープニングM)で気になっていた。ドラマ自身はリアルでなく再放送か何かで断片的に見た覚えがあった。いま原作を読んで、最近のドラマやラノベアニメと違い重厚に伏線が張られ、人物造形もしっかりできているのに驚く。ドラマでも再見探そうと思う。

    0
    2024年07月29日
  • 孤高の人(上)

    Posted by ブクログ

    山岳小説の草分けの作品。
    神戸から六甲山系が描かれていてgood。
    大正から昭和の不穏な空気感はあるが、時代を超えて普遍的な人間の感情に浸れるのが凄い。
    下巻へ進む。

    0
    2024年07月18日
  • 武田信玄 風の巻

    Posted by ブクログ

    1550年あたりの話。当時の名前が長すぎて覚えられず、読み進めるのが困難だ。でも、読み始めてしばらくすると文章に慣れるものである。聞き覚えのある湖衣姫や上杉景虎が出て来た。

    0
    2024年07月12日
  • きびだんご侍

    購入済み

    真っ直ぐなる筆で語られる戦国絵

    新田次郎の作品はこれと有名な八甲田山〜を読んだきりだがこちらの方が好みであった。表題作の、何ということもない筋立てだが素朴で素直で気持ちの良いキャラクターと少しの寂しさを滲ませる幕切れが忘れ難い。

    0
    2024年06月13日
  • アラスカ物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    明治時代にこんな人生を送った日本人もいたのかと驚き。エスキモーの文化も垣間見ることができて興味深かった。(現代では色々と変わっているかもしれないが)
    臨月のネビロが狼の襲撃と立ち向かうところはどきどきした…

    0
    2024年06月02日
  • P+D BOOKS マカオ幻想

    Posted by ブクログ

    新田次郎さんの遺作短編集。
    特に、表題作を含む巻頭の2作品はとても読み応えがあった。激動の歴史に翻弄された2つの都市、マカオとヴァンクーヴァー。二度と母国日本の地を踏むことは無いことを覚悟した移民たち。人種差別もある過酷な環境で力強く生きた当時の生活を想像することができた。

    現代は交通通信環境が発達したため、簡単に人の捜索ができて、会うことも用意だが、昔は物理的に離れ離れになることは「今生の別れ」に相当するものだったのだろう。そのような時代がつい半世紀前まで続いていたことが分かる。

    行方知れずになった人の消息や生きた証を探すなかで手紙・伝言・風景といった「手掛かり」に辿りつくだけでも本当に

    0
    2024年04月09日