新田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
有名な冬の八甲田山での冬季遭難事件を扱った本。
冬山の知識も経験もない上司の思いつきの行動、事前の知識と準備不足、もう全てフラグ立ちまくりで、読みながらクラクラしました。
これぞ日本陸軍の真髄!という感じですね。
本作品では、悲劇の青森第五連隊に対して、同時期に11日間の冬季訓練を無事に成し遂げた弘前第31連隊を対比しているので、より青森の部隊の上層部のダメダメさが際立ち、青森連隊の現場メンバーが可哀想でならないです。
ほんと、これぞ日本陸軍!
「悲劇」といわれる遭難でも、同じ時期にほぼ同条件で成功しているグループが存在することも多いんですよね。(例えばトムラウシの大量遭難とか)
後世の -
Posted by ブクログ
新田次郎 つぶやき岩の秘密
私は少年ではないが、まだ白髭さん程でもない。
教師ではないし、漁師でも、軍人になった事もない。親になったことのない大人だ。
これまでの人生を振り返ることにより、少年にアドバイスをあげることはできる。
私からのアドバイスを素直に実行することにより、短時間に良い人間になれるような気がする。
白髭さんのように、少年と話をしてみたいと思う。
小学生の頃に、この本読みなさい。
私は、新田次郎作品初めましてでしたが、読んでない大人にもおすすめできる小説です。
ミステリーばかり読んでいる私が、この本の題名を見て、カバーを見て、あらすじを読んで、ビビってきたのです。さて、少年文学 -
購入済み
真っ直ぐなる筆で語られる戦国絵
新田次郎の作品はこれと有名な八甲田山〜を読んだきりだがこちらの方が好みであった。表題作の、何ということもない筋立てだが素朴で素直で気持ちの良いキャラクターと少しの寂しさを滲ませる幕切れが忘れ難い。
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Posted by ブクログ
新田次郎さんの遺作短編集。
特に、表題作を含む巻頭の2作品はとても読み応えがあった。激動の歴史に翻弄された2つの都市、マカオとヴァンクーヴァー。二度と母国日本の地を踏むことは無いことを覚悟した移民たち。人種差別もある過酷な環境で力強く生きた当時の生活を想像することができた。
現代は交通通信環境が発達したため、簡単に人の捜索ができて、会うことも用意だが、昔は物理的に離れ離れになることは「今生の別れ」に相当するものだったのだろう。そのような時代がつい半世紀前まで続いていたことが分かる。
行方知れずになった人の消息や生きた証を探すなかで手紙・伝言・風景といった「手掛かり」に辿りつくだけでも本当に