新田次郎のレビュー一覧

  • 孤高の人(上)
    山を登るのが好きだから登山家になる。登山はそんな簡単でシンプルなものではない。文太郎のように自分の肉体や精神がどこまで耐えれるかを極限状態まで試し、日常生活でも全て登山のことを考えて鍛える。自己を証明するために山に登る。かっこいい。でも私は景色を楽しむために登る登山でいいな。
  • 栄光の岩壁(下)
    最後まで思っていたよりは面白く、時間もかからずに読むことができました。
    下巻では途中でなんと恋愛小説に転換。最後、また山の話に戻っていよいよクライマックスと思ったら、久々の悪役復帰。いろんな展開があったけど、娯楽要素を詰め込もうとしたのかな?
  • アラスカ物語
    高校時代の国語教師に勧められた。丹念な取材と冒険家への敬意がいかにも新田次郎らしい。アラスカのモーセと言われながらほとんど知られていないフランク安田の存在がもう少し知られても良いと思う。しかし、新潮文庫から廃版にならないのはそれだけ心動かされる作品ということ。巻末の藤原ていとのやり取りが微笑ましい。
  • 怒る富士 下
    新田次郎の力作、長編。
    宝永年間の富士山噴火を中心に、駿東郡の村と幕閣の駆け引き、農民の生活改善に取り組む、伊那代官の活躍が中心に書かれていく。

    富士山に因縁の深い新田次郎の大作で、とても面白い内容だった。

    この本に出てくる、駿東郡や足柄郡などは市町村合併などでその名前も消えてきている現在の状況...続きを読む
  • 孤高の人 14
    孤高の人、加藤文太郎をモチーフとした現代版山岳漫画。

    全体的に暗い雰囲気ですが、楽しめます。
    全17巻
  • 強力伝・孤島
    時代設定がさすがに古いが面白い。
    ただ、専門的すぎるのか描写から情景がイメージしづらく、なかなか入り込めなかったのが残念。
    小手先の工夫ではない表現は好感。
  • アラスカ物語
    結構なボリュームだった。
    白人の乱獲によりクジラやアザラシが捕れなくなったアラスカに住むエスキモー達を引き連れてアラスカ内地に移動し村を作った日本人フランク安田の話。当時はジャパニーズモーゼと言われアメリカの新聞にも載ったらしい。
    と言っても、彼は宗教家では無くエスキモーの嫁をもらい、エスキモーに信...続きを読む
  • 武田信玄 風の巻
    風林火山で有名。天下取り間際まで行くが病死。戦国時代で一番強い兵力があると言われた。でも、それだけでは、天下は取れない・・・
  • 芙蓉の人
    体力的には難しい、とか
    女は家庭を守るものだ、などと
    周囲から反対されながらも
    過酷な環境で気象観測を続ける夫「到」を支えるために後を追った
    「千代子」という女性のお話です。

    強いです。

    私だったら、ここまでして自分の意思を貫き通せるだろうか、と
    千代子の静かな強さに感動を覚えました。

    それだ...続きを読む
  • 銀嶺の人(下)
    最後は事実と異なって良いから下山させて欲しかった。女性の描き方はさすがに古臭いが、山の表現についてはさすがという感じ。山には行ってみたいけど、こういう登り方はしなくていいや。
  • 孤高の人 1
    1巻と最終巻の雰囲気が違いすぎて驚き。中盤から象徴的な表現が増え、独自の世界観がぐいぐい読者を引き込みます。
    小説や史実とはまた違う結末のようですが、私は「文ちゃん死なないでー!」と思いながら読んでいたので、これはこれでいいのかなと。愛する人を守ることと、極限まで夢を追い続けることの間で葛藤する文太...続きを読む
  • アラスカ物語
    遠い昔に読みました。
    今でも所々覚えています。アザラシ食べてるところとか。
    もう一度読みたい作品です。
    「砂の器」と「アラスカ物語」と「氷点」は子供ながらに読んで印象深い作品でした。
  • 栄光の岩壁(上)
    最後にマッターホルン登頂に成功するが上下2巻は長すぎる感あり。1巻に纏めればよかったかも。しかし力作には間違いなし。
  • アラスカ物語
     辺境にすむ日本人女性なるテレビ番組を見て、100年以上前にエスキモーを率いた日本人がいたことを知り、その人のことを知りたくなり、当然のごとく本を手に取った。

     第二次世界大戦前にアメリカに渡り、仕事で乗船していたアラスカへの食料運搬船が思いもよらず早くにおそってきた氷によって身動きがとれなくなっ...続きを読む
  • 冬山の掟
    大山で雪崩が発生し大学生が巻き込まれた。
    幸いにも無事救出されて、本当に良かった。
    昨年末、同じところを私も歩いただけに人事ではない。
    そんなニュースの影響か、書店でこの「冬山の掟」が
    目に飛び込んできた。そして、迷わず購入。
    この本の解説を書いた角幡氏の文章の中に
    「登山というのは判断を繰り返すゲ...続きを読む
  • 冬山の掟
    山の遭難は、無理や無謀から発生する。それを、小説という形で示したとも言える作品。静かな心で山に登りたい。そうも思うのです。
  • 武田信玄 林の巻
    第4次川中島決戦まで進みました.

    桶狭間の戦いなども含めて,策謀家としての信玄が凄みを増してきています.

    大河ドラマ「風林火山」はこの巻までの時代で終わったので,この先は私はよく知らない信玄の話になります.
    なので,楽しみに読み進めていこうと思います.
  • 武田信玄 風の巻
    題名の通り「武田信玄」のお話です. かつて大河ドラマの原作にもなってます.

    この巻では長尾景虎との戦いが始まる前まで話が進みました.武田信玄が出てくる小説などはいくつも読んでましたが,主人公として扱われているものは私にとっては初めてです.

    続刊も楽しみに読み進めていこうと思います.
  • 栄光の岩壁(下)
    山の描写がきれいでいいな。
    最後の津沼はもうなんかお約束感があって逆におもしろい。「やっぱきたー!」みたいな。作者は狙って書いてるねこれ。
    結婚の章もなんか少年雑誌の恋愛マンガみたいでおもしろい笑
    もうピンチに次ぐピンチの連続でどのていどピンチなのかわからないピンチのゲシュタルト崩壊が起きていた。広...続きを読む
  • 怒る富士 下
    長年、富士山頂観測所勤務であった新田次郎氏の宝永・富士山大噴火を題材にした1972年作品の2007年新装。
    宝永4(1707)年富士山大爆発の降砂により餓死寸前の農民に関東郡代「伊奈半左衛門忠順」は農民の窮状を救うべく立ち向かう。だが、彼が見たものは被災農民を道具にした幕府内の醜い政権争い。農民救済...続きを読む