新田次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻では山行記録よりも人間模様が更に浮き彫りにされていく。ちょっとびっくりする様な下宿のお隣さん界隈の繋がりが見えたりするけど、何より宮村健の豹変っぷりが恐ろしい。
加藤氏はと言うとまるで人が変わったかの様に良い方に向かう。良き配偶者に出会えたからこそ。
でも、加藤氏が幸せになればなるほど、不安が募るのは上巻での出だしがあるから。
園子が去って安心したかと思えば、もっと太刀の悪いのが宮村…。なぜ自殺願望がある人は、誰かを伴おうとするのだろう。その自殺願望に宮村自身気が付いていなかったかもしれないが、明らかに異常である。
ヒマラヤ貯金するも、きっとヒマラヤには行けずに終わるんだろうなと言う -
Posted by ブクログ
ネタバレ今や登山には色々な技術が駆使されたウェアやギアが揃っているが、昭和4年という時代の、限られた素材を創意工夫して雪山に臨んでいる加藤氏の姿はただただ尊敬に値する。
自分も山登りをするが、加藤氏の様に石を背負って通勤し、甘納豆とら揚げた小魚で長く動ける様に体を慣らし…と日々の鍛錬から怠らない、加藤氏と同じ努力は中々出来るものではない。
山は上流のもの…と言う時代背景も私には新しいが、そんな時代があったのかと変化後の今に感謝したくなる。
それにしても影村のようなヤツはどの時代にもいるんだな。
これだけ褒めてはいるけれど、やはり実際に加藤氏に会ったとしたら言葉少なに引きつった笑みを浮かべる姿に親近感 -
Posted by ブクログ
新田次郎が他界して早くも40年。中高生の頃、わたくしは吉村昭・城山三郎・有吉佐和子そしてこの新田次郎を秘かに「ストオリイテラア四天王」と呼んでゐました。単にわたくしの好みです。
で、何故『ある町の高い煙突』か。随分前に(30年位前か)、公害関連の書物を色色漁つてゐまして、その中に紛れ込んだのがこの一冊。富国強兵時代の日本で躍進したある鉱山と、その煙害に苦しむ地元農民たちの物語であります。これはフィクションですけどね。
フィクションといつても実話が元になつてゐます。明治から大正にかけて発展を遂げた日立鉱山がそのモデル。日立製作所の母体となつた企業であります。
公害を垂れ流す企業と地元住