新田次郎のレビュー一覧

  • 武田信玄 火の巻

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    再読2020.7.19~
    2020.8.7完了
    義信の悲劇と勝頼の頼もしさが載る。
    武田家を扱う小説を読むと、いつも勝頼が活躍し出すと武田家の終わりが近いことを覚り何とも言えない悲しい気持ちになる。
    駿府を取り上り調子真っ只中であるのに悲しいものだ。

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    2020年08月07日
  • 武田信玄 林の巻

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    本巻のメインは川中島の合戦(それから大きな事件として桶狭間の戦い)。

    「風」とは違い、信玄は正に“名将”として描かれている。

    川中島の合戦で最も大規模な戦闘が繰り広げられた第四次合戦で本巻は終わるが、物語はまだ半分である。

    そして後の“義信事件”を示唆するトラブルも終盤に出てくる。

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    2020年07月19日
  • 武田信玄 風の巻

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    戦国最強の名将というイメージのある武田信玄、若い時は、苛烈なやり方で、手に入れた土地の人々の反感を買ったりもしていたのだなと意外に思った。何十年も前の作品だけど、面白い。

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    2020年06月30日
  • 武田信玄 林の巻

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    再読2020.6.26~
    2020.7.19完了
    武田家の隆盛の時期を多く迎える。
    三国同盟、義元上洛、川中島…
    これらの年月を20年近くかけて成る武田家。
    織田家の歩み寄りが垣間見えてくるが、その織田家との成長のスピードは歴然としている。
    やはり差は大きかったよう。

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    2020年07月25日
  • 武田信玄 風の巻

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    話の展開が少々早い。新田はおそらく、武田信玄が信濃の大部分を制圧してから後、すなわち上杉謙信との戦いから先を重視しているからだろう。

    武田信玄といえば政治、軍略いずれも秀でた名将として知られており、実際そうなのであろうが、本巻で描かれている信玄は、確かにその一端は見えるが、短絡的なところも多い。戦に大敗もしている。また、残酷な側面も覗かせている。ただし戦国時代は信玄に限らずこれが普通だったのだろう。

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    2020年06月21日
  • 孤高の人(下)

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    ネタバレ

    私も山は好きだ。北アルプスにも行く。雪の山にも登る。

    結局は無謀だったのだ。

    孤高の人は孤高を捨てていた。
    家族を想い、山を想った。

    最後に自分の登山を貫くことができなかった加藤。
    読みながら宮村を疑い、加藤の甘さに怒りを覚えた。
    しかし、後味の悪さだけではない不思議な感情も残った。

    登山家とは常人には理解できない世界に生きているんだろう。儚くも輝かしい、孤高の世界に没した加藤文次郎に敬意を表する。

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    2022年10月28日
  • 武田三代

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    武田信虎、晴信、勝頼の三代にまつわるスピンオフ的な作品。
    信虎の最期、異説 晴信初陣記、消えた伊勢物語、まぼろしの軍師、孤高の武人、火術師、武田金山秘史の7篇。

    いろんな説があっていいではないか。こうであったら面白い、と思わせた作者の勝ち。

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    2020年05月14日
  • ある町の高い煙突

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     新田次郎が他界して早くも40年。中高生の頃、わたくしは吉村昭・城山三郎・有吉佐和子そしてこの新田次郎を秘かに「ストオリイテラア四天王」と呼んでゐました。単にわたくしの好みです。
     で、何故『ある町の高い煙突』か。随分前に(30年位前か)、公害関連の書物を色色漁つてゐまして、その中に紛れ込んだのがこの一冊。富国強兵時代の日本で躍進したある鉱山と、その煙害に苦しむ地元農民たちの物語であります。これはフィクションですけどね。
     フィクションといつても実話が元になつてゐます。明治から大正にかけて発展を遂げた日立鉱山がそのモデル。日立製作所の母体となつた企業であります。

     公害を垂れ流す企業と地元住

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    2020年04月29日
  • ある町の高い煙突

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    日立鉱山の煙による公害が解決されるまでを描いたノンフィクション小説。村を束ねる主人公のほか、日立側も公害解決に向けて尽力していく。
    たまたま日経新聞の夕刊で紹介されていた一冊。村、公害の描写が非常にリアルで、平易な説明で今読んでも古臭さは感じない。それぞれのリーダーが声を聞き、立場を超えて協力していく姿勢は、なかなか実践が難しいが学ぶものがある。

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    2020年04月06日
  • 新装版 風の遺産

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    新田次郎によくある山男をめぐるふたりの女性の心理劇。
    婦人生活に連載したとのことで、片方が既婚者というところが新しい。
    登場する山は以下の通り
    夏の乾徳山の岩
    鷹取山の岩トレ
    晩秋の丹沢48瀬川の沢
    年末の茂倉小屋での停滞

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    2020年01月08日
  • 孤高の人(上)

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    不世出の登山家、単独行の加藤文太郎を主人公とした伝記的小説。

    風評だけを聞くと、加藤文太郎はストイックな単独行の鬼のように思えるが、この小説で書かれている文太郎は、人並みに人肌を求め、しかして生来の不器用さから孤独を運命づけられていくように状況から単独行の代名詞へと祭り上げられ、文太郎自身も孤独に安らぎを持つようにすらなっていく。

    ストイックな山男とは真逆の、繊細でいじましい健脚の男の物語が描かれているように思う。

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    2019年10月27日
  • 縦走路

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    懐かしの新田次郎であり、表現こそ古いが、小説としての面白さは現代でも減じていないと思う。徹底して不器用な男の視点だけれども。

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    2019年10月14日
  • アラスカ物語

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    昔、著者の「銀嶺の人」を読み、いたく感動して「登山したい!」と思った記憶が蘇った。
    この度は、アラスカで、オーロラを観たい!ユーコン川が凍っていく様を観たいと、思わず駅にあるアラスカオーロラツアーのパンフレットを手に取ってしまった。
    でも80年近く前のこの物語の風景は既に幻か。それにマイナス40℃ムリ。

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    2019年10月07日
  • 縦走路

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    女流登山家に美人なし、といいながら美人ばかりが出てくる新田次郎の山岳小説。
    女:千穂、美根子
    男:蜂屋、木暮

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    2019年09月18日
  • 武田信玄 山の巻

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    あぁ、4巻読み終わってしまった。。
    何と言うか、ここまで延々と信玄の凄さを読んでしまうと、「嘘でも良いから西上を達成して!!」と思ってしまうのですが、学校で習った歴史にそんなコト書いてないですもんね。歴史は変えられない。
    でも、それだけ感情移入させられた作品でした。だからこそ読後の寂寥感と言ったら。なんかラストだけでも美しい救いがあったら…とも思ったんですが、そこは新田次郎。あくまで信玄のカリスマと、残酷ではありますがその後の「事実」を描いたのでしょう。

    不思議だったのが武田勝頼です。
    どうにも最後まで、「やる気があるけど…なお坊ちゃま」の域を脱せなかった感があります。オトンもあぁ言ってるん

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    2019年09月08日
  • ある町の高い煙突

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    現日立市の煙害に対し住民が戦ったことをテーマにした作品。

    映画化を契機に読んでみました。

    現在、高い煙突は折れてしまって3分の1しか残っていないそうだが、一度見に行ってみようと思います。

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    2019年07月07日
  • 孤高の人(下)

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    ネタバレ

    孤独を愛した登山家というイメージで読み始めたからか、孤独で寂しいとか、人とうまく話せないもどかしさもあったりして、そういう部分は普通の人と同じだったのかなと感じた。

    最期に単独行でなく、パーティを組む選択をしたこととか、その他諸々の選択の結果死ぬことになってしまつて、どんな言い訳しても結局選んだのは自分で、結果は全部自分に帰ってくる厳しさを感じた。

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    2019年05月17日
  • 孤高の人(下)

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    ひと息に読んだ。
    新田の山岳小説ならではのストイックな主人公だが、脇役が昼ドラみたいな展開で笑ってしまう。
    サラリーマンの悲哀滲む部分はリアリティがあるが。 新田作品には珍しく、内面にかなり迫っていたり、幻覚パートがややくどい。

    最後の相方が死神ぽく描かれているが、事実は異なるともされる。

    個人的には遭難死する話は後味わるく好きではないが、ひとつ評価するとしたら、学閥主義や堕落めいた社交、若者の無鉄砲さ、左翼活動への批判だろうか。

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    2019年04月21日
  • 孤高の人(下)

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    「孤高の人」が気高く険しい孤高から降りたったとき、なんと哀しい結末が待ち受けているものだろうか。以前の加藤文太郎であれば山で生きる鍛錬を繰り返しながらも「山男は山で死ねば本望」などと思っている節もあったが、花子と結婚し生きる喜びを見つけた加藤にとって人生とは如何に不合理なものか。ヒマラヤの地を踏むことなく生涯を遂げた。

    本作品は『八甲田山』や『剣岳』のような登攀描写は全体的に少なく加藤文太郎の人生に焦点が当たられている。そのため登山小説というより登山「家」小説であるが、社会人登山家として彼が切り開いた道の功績は大きい。決してハッピーエンドではないが新田次郎氏の傑作といえよう。

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    2019年04月08日
  • 孤高の人(上)

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    ネタバレ

    本作品は山岳小説の大家である新田次郎氏が「加藤文太郎」という登山家に焦点を当てた山岳小説である。そこに描かれているのは外山三郎ら庇護する者や影山ら乱す者との人間ドラマであるとともに、大正から昭和へと変わる不穏な雰囲気、関東大震災や5.15事件の軍国化、共産主義の暗躍といった出来事である。「単独行の加藤文太郎」の気骨がどうやって生まれ形成されていったか、新田次郎の詳細な調査と創作が入り交じり「加藤文太郎」に色を与えている。

    ひとつだけ疑問は山に興味が薄かった加藤氏がどうしてヒマラヤに執着するようになったのか。作品内でのきっかけや動機が薄弱のような気がする。もう少し詳述が欲しかったように思う。

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    2019年03月24日