新田次郎のレビュー一覧

  • 銀嶺の人(上)

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    勝ち気の女医と静かな鎌倉彫職人、正反対のように見える女性2人が厳冬期の八ヶ岳で出会う。避難小屋で過ごす数日間、寒くて恐ろしい時間が身に迫るようだった。
    天才クライマーとして育てられた2人は女性だけのパーティでマッターホルン北壁に挑む。学生時代憧れたマッターホルン、しかも北壁が舞台になってるなんて!と前のめりで読んだ。
    2人に共通するのは全てを克服していく意思だと思う。登攀シーンで描かれる果てしない氷壁とそれに挑む精神力は凄まじい。
    なぜ山に登るのか、そこに山があるから。という以外の答えを2人は持っている。 

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    2022年04月16日
  • 蒼氷・神々の岩壁

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    短編集。メインのドロドロ山岳昼ドラ(山描写パない)を皮切りに、先が気になって仕方なかった山岳ミステリ、山岳ホラー、登攀スポ魂実話と盛り沢山で内容濃すぎてクラクラして★5w

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    2022年04月06日
  • 劔岳〈点の記〉

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    崇高で清々しい気持ちとなる話。立山の歴史に触れて、5月の黒部名水マラソンへのモチベーションがさらに増加した。立山連峰と剱岳を目にするのが本当に楽しみ。

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    2022年03月20日
  • アラスカ物語

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    ジャパニーズ・モーゼと讃えられ、
    全滅寸前だったエスキモー達を救ったフランク安田。
    「世界ナゼそこに日本人」のテレビ番組が当時にもあれば、
    間違いなく高視聴率とれるネタであろう。
    世界がどんどん発展していく中で、
    白人社会が作り出した外部環境の変化に翻弄され、
    生き場を失っていくエスキモー達。
    迷惑なほどにリーダーに担ぎ上げられるフランク安田、
    文化の違う世界で、
    誰も見捨てることなく、
    エスキモーの方々に寄り添って生きる姿、
    エスキモーの嫁さんとの愛に涙します。

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    2022年03月15日
  • 孤高の人(下)

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    男の友情を狂わすのは女。壊れた宮村に対しても最後まで優しかった加藤。世間から見ればおかしな人、言い方を変えれば孤高であった。

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    2022年02月19日
  • 劔岳〈点の記〉

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    ネタバレ

    未踏の地、劒岳山頂。今でも覚悟や経験値を持っていないと登れない山に、当時の技術と三角点設置のための機材を持って登る物語。登ったか登ってないか、1番か1番ではないかで全くの価値が変わることを知りつつも挑む山物語。人柄や熱意で人を巻き込んでいき、達成するプロフェッショナル。

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    2022年02月19日
  • 孤高の人 1

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    何故山に登るのか。それは内なる情熱である。決して感動を与えたいとか、有名になって人気者になりたいとか、お金持ちになりたいからではない。人に自慢したいからでもない。
    健村が栗城史多とだぶる。健村の方が登山の実力は上であるが。

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    2021年11月17日
  • 劔岳〈点の記〉

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    今は当たり前に存在する地図を作る為、自らの栄誉ではなく職業として未踏の地へ赴く測量官等の熱い思いに引き込まれる。白い地図を埋める為に命懸けで任務をこなす男達に頭が下がると同時にどこか羨ましくも感じる。

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    2021年10月23日
  • 孤愁〈サウダーデ〉

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    ところどころで涙が出た。読んで良かった。
    今でも思い出しただけで目が潤む。

    主人公は外国人なのに、ところどころで自分が日本人であることを再認識させられる不思議。(私の場合は『思い出させてくれる』の方が近いかも)
    それほどモラエスさんの日本にい対する知識や適応力はずば抜けていた。(よくよく考えたら明治・大正・昭和の日本を生きている!)

    亜珍の存在。昔だったら彼女の暴走に腹を立てていただろうけど、出自や身の上を考えると、どちらの気持ちも分からんでもないんだよなー…
    それでも睨むようにこちらを見る彼女の写真を見ると、やっぱりこの人苦手…に切り替わる笑

    坂の上を目指す日本と、もはや小国への末路を

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    2021年10月21日
  • 銀嶺の人(上)

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    登山だけの話しにとどまらず、男どもを虜にしていくところもあってやっぱりそうなるんだなあ、と思うところもあって面白い。物語の登攀技術ややってる登山は全てが超ハイレベルな事ばかりだけど恋愛となるとそこはやっぱり想像の範疇で親近感が湧く。

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    2021年09月14日
  • 銀嶺の人(下)

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    2人の女性登山家を対比しながら物語は終盤へと進む。どちらかの方が亡くなってしまうのか!っていう描写がどんどん出てきてハラハラして読みました。

    またこれは毎回の事なのですが、とても深刻な場面でちょくちょく面白い表現が出てきます。例えば、ザイルのダルマ、ザイルの化け物みたくなってなど。必死になって登ってくる男性を女性が心の中で思っている表現なのですが、他にも色々あります。

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    2021年09月14日
  • 劔岳〈点の記〉

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    この本を読んでから三角点への見方が変わった。山へ行って三角点を見た時にこの本の物語が思い浮かぶし、これを設置した方への敬意を忘れない。

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    2021年09月14日
  • 芙蓉の人

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    ネタバレ

     ♪~芙蓉の雪の精を取とり 芳野の花の華を奪い 清き心の益良雄が 剣と筆とをとり持ちて 一たび起たば何事か 人生の偉業成らざらん~♪ 新田次郎「芙蓉の人」、2014.6新装版文庫、1975.5刊行。読み応えがありました。そして深い感動を覚えました。富士山の頂上での気象観測に命をかけた野中到、そして、その夫を支えるために富士山に登り、観測を共にした妻、千代子の物語。二人にまかせっきりの気象台幹部の情けなさには憤りを。野中夫妻に感謝の気持ちでいっぱいです。

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    2021年07月24日
  • 劔岳〈点の記〉

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    ネタバレ

    明治40年に剱岳に有史以来の初登頂を達成した柴崎隊の記録.柴崎隊,といっても登山隊ではない.参謀本部直属の測量部が,三角点設置のために登頂するのである.日本における登山はまだ黎明期で,山岳会がようやく数年前に結成されたばかりであった.測量のためなので,登山は手段でしかなく,測量機器を背負って登るのである.しかも山岳会に先を越されては軍隊の沽券に関わる.柴崎氏自身は文官であるが,軍の体面にも振り回されながら,前代未聞の難題を成し遂げた,その記録である.

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    2021年07月11日
  • 孤高の人(下)

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    ネタバレ

    加藤文太郎は感受性が高すぎて、
    自他に壁を作っているようだった。

    孤高とされるも、その内面は人間臭い。
    不器用ゆえに、ひとりになってしまう。

    理性は下山を勧める。
    しかし、頂に魅了され、登る。

    合理性を超えた魅力を、山に感じてしまった男の物語。

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    2021年06月08日
  • 劔岳〈点の記〉

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    点の記:三角点設定の記録
    明治40年に測量隊柴崎芳太郎らによって成し遂げられた剱岳初登頂の小説。
    長い間本棚に積読になっていたのを、この春は剱岳を目前に滑ったのをきっかけに色んなところで剱岳のことを目にすることがあって読んでみた。

    当時まだ日本では山岳会という民間の会は発足しておらず、ほとんどの山は役所の測量部によって登頂されていたそう。しかも道なき道を行っていたのだからすごい。先人は偉大です。立山は何度か行ったことのある山域で山の名前や地名も知っていたから、割にするする読み進められた。物語としてもとても面白い。

    三角点ってほとんど興味なかったんだけど、今度見かけたらタッチしたくなりそう。

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    2021年05月25日
  • 孤高の人(下)

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    これまでに新田次郎の作品で、聖職の碑と八甲田山死の彷徨を読んできたが、孤高の人がダントツで面白いと思った。
    登山描写を求めて読み始めたのだが、読んでいるうちに登山そのものよりも、加藤文太郎の人付き合いの苦手な性格と、それに根差す不器用かつストイックな生き方に引き込まれた。

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    2021年03月17日
  • 武田勝頼(三) 空の巻

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    武田家臣団が崩壊していく様が物悲しい。新田次郎の気持ちが伝わってきて、なかなか物語を先に進められなかった。機会があれば武田勝頼終焉の地を訪れたい。

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    2021年02月23日
  • 武田勝頼(二) 水の巻

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    何年も前に武田信玄を読んで最後は物悲しかったのを思い出す。勝頼の物語も、辛いところから始まる。設楽ヶ原の合戦は負けるのは分かっているけど、名将が次々に討たれるのは辛かった。武田勝頼をきちんと描いていて、さすが新田次郎。

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    2021年01月31日
  • 孤高の人 4

    購入済み

    絵も話も

    絵が綺麗だったので試し読みからはじめたら、おもいっきりはまりました。登山にも興味がわきました。映画や小説も見たい。

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    2020年12月23日