【感想・ネタバレ】劔岳〈点の記〉のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年07月07日

登山好きにはとても興味深くて面白いお話でした。
明治の終わり頃の登山の装備は、今と比べると性能も劣り、重く嵩張る物ばかりで、それらを使いながら山に籠り、未踏の地を目指すことはどんなに大変だったことか。そんなことを想像しながら、当時の観測官ら偉業を興味深く読み進めることができました。

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Posted by ブクログ 2022年11月18日

明治時代の剱岳登頂と測量の過酷さが、リアルに、わかりやすく伝わってくる小説でした。勉強になる内容も多いです。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

点の記:三角点の設置記録を記した資料。劔岳は一般登山ルートとしては最難関として知られる岩稜険しい山であり、測量官、柴崎芳太郎によるこの山への初登頂、三角点設置の記録が描かれている。基本は史実に則した内容だが、ドキュメンタリーに留まらない苦難や緊迫感が伝わってきた。これを読むのと読まないのでは剱岳を登...続きを読むる際の解像度が遥かに違ってくるだろう。

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Posted by ブクログ 2022年03月20日

崇高で清々しい気持ちとなる話。立山の歴史に触れて、5月の黒部名水マラソンへのモチベーションがさらに増加した。立山連峰と剱岳を目にするのが本当に楽しみ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月19日

未踏の地、劒岳山頂。今でも覚悟や経験値を持っていないと登れない山に、当時の技術と三角点設置のための機材を持って登る物語。登ったか登ってないか、1番か1番ではないかで全くの価値が変わることを知りつつも挑む山物語。人柄や熱意で人を巻き込んでいき、達成するプロフェッショナル。

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Posted by ブクログ 2021年10月23日

今は当たり前に存在する地図を作る為、自らの栄誉ではなく職業として未踏の地へ赴く測量官等の熱い思いに引き込まれる。白い地図を埋める為に命懸けで任務をこなす男達に頭が下がると同時にどこか羨ましくも感じる。

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Posted by ブクログ 2021年09月14日

この本を読んでから三角点への見方が変わった。山へ行って三角点を見た時にこの本の物語が思い浮かぶし、これを設置した方への敬意を忘れない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月11日

明治40年に剱岳に有史以来の初登頂を達成した柴崎隊の記録.柴崎隊,といっても登山隊ではない.参謀本部直属の測量部が,三角点設置のために登頂するのである.日本における登山はまだ黎明期で,山岳会がようやく数年前に結成されたばかりであった.測量のためなので,登山は手段でしかなく,測量機器を背負って登るので...続きを読むある.しかも山岳会に先を越されては軍隊の沽券に関わる.柴崎氏自身は文官であるが,軍の体面にも振り回されながら,前代未聞の難題を成し遂げた,その記録である.

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Posted by ブクログ 2021年05月25日

点の記:三角点設定の記録
明治40年に測量隊柴崎芳太郎らによって成し遂げられた剱岳初登頂の小説。
長い間本棚に積読になっていたのを、この春は剱岳を目前に滑ったのをきっかけに色んなところで剱岳のことを目にすることがあって読んでみた。

当時まだ日本では山岳会という民間の会は発足しておらず、ほとんどの山...続きを読むは役所の測量部によって登頂されていたそう。しかも道なき道を行っていたのだからすごい。先人は偉大です。立山は何度か行ったことのある山域で山の名前や地名も知っていたから、割にするする読み進められた。物語としてもとても面白い。

三角点ってほとんど興味なかったんだけど、今度見かけたらタッチしたくなりそう。

2021.5.24

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Posted by ブクログ 2021年03月07日

前人未踏といわれ、地元でも長らく登ってはならない霊山とされてきた劔岳。それまで、越中奥山の地図には立山以外の山は等高線すら入っていなかったが、日露戦争後、その空白地域の地図を完成させるため、測量官の柴崎芳太郎が三等三角網完成の仕事の命を受ける。
陸軍の陸地測量部に属する柴崎は、国の年度予算に縛られる...続きを読むなか、優秀な案内役、宇治長次郎らとともに、1年のうちごく限られた時期にしか登れない劔岳に挑み、多くの苦労の末、初登頂に成功する。

当時は今のような山登りの装備があるわけでもなく、時に命がけとも言える挑戦をしなければならない、測量官の仕事のハードさに驚き、改めて尊敬の念を抱いた。

当然のように目にする地図も、最初にそれを完成させるときには並々ならぬ苦労があったことを思いながら眺めると、もっと細部まで見なければいけないような気持ちになってくる。

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Posted by ブクログ 2021年02月21日

山岳小説の白眉といわれる本書をついに手を取りました。柴崎芳太郎らの測量班により明治40年7月に登頂に成功した剣岳と立山連峰周辺の測量記録に基づく小説であり、山の厳しさと地図の奥深さに一層の興味を抱かせてくれる一冊でした。

明治時代には測量の基本であった三角測量についての知識(選点・造標作業)やその...続きを読む過酷さを理解することができました。常に危険と隣り合わせで山の中で天幕を張って数週間過ごさないといけないのは、想像を絶します。

さらに物語を楽しむためには剣岳周辺の詳細な地図や何より実際に上ってみることが一番だと感じました。

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Posted by ブクログ 2021年02月11日

地形図がどのようにして作られているのか、その過程と苦労がつぶさに分かる、読み応えのある一冊でした。
柴崎測量官の遺族や関係者から聞いた実話がもとになっていますが、淡々とした記録ではなく、この先どうなるのか気になる展開があって面白かったです。
同じ新田次郎の『孤高の人』と違って、剱岳初登頂の主要メンバ...続きを読むーが全員実名で出ていて驚きました。
古来からの立山信仰によって山麓の村が栄えていたことも興味深かったです。
立山連峰の山々に登りに行く際の見どころが増えました。

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購入済み

2020年09月26日

剣岳に興味があり、読んでみることにしました。
フィクションとノンフィクション織り交ぜてあるので、
かなり真実味を感じつつ読み進められました。

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Posted by ブクログ 2024年03月29日

未踏であると思われていた剱岳に、登山の為でなく、測量の為に、挑む 黙々とした積み重ねと直感の日々が、面白かった。ドラマチックな事が起こるわけでもないのだが、
自然の中で、自然と駆け引きしながら黙々と仕事を進めてく技術者と地元の長次郎さん達の静かなパワフルさにひかれました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月07日

今年は剱岳に登るぞ!って友人に誘われ、そして勧められた本書。
新田次郎は初めて読んだが、丹念な取材に基づく測量や登頂の描写、様々な確執や柴崎が感じたであろう心の動きが、丁寧に描かれる。
彼を支えるはずの組織が体面を気にして功績をうっすら無視していく様は怒りを覚えた。
一方競争相手だと思っていた山岳会...続きを読むが実は一番の理解者だったというラストは、じーんとくるものがあった。
山岳小説、結構いいかもって思った。
映画も見てみたい。

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Posted by ブクログ 2023年09月26日

地学に関する本を読んでいて気になって読んだ。
何気なくみている地図、1箇所ずつ測量していた時代があったんだなと、改めて実感した。今みたいにヒートテックがあるじゃなし、装備も揃わなかった頃に切り立った山に測量の為に入る。
なかなか見つからなかった登頂路の謎を解いて?初めて山頂にアタックするシーンは息が...続きを読む詰まるほどの緊張。

今だと人工衛星とかから測定したデータで地図を作れるんだよね。Google マップをその当時の人達が見たらさぞ驚く事だろう。

先日読んでいた宗教本につながる部分もあった。さいきん読書量が増えたので思わぬところでつながる。
山岳信仰に絡んで曼荼羅や大日如来の話も。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月18日

R5.5.23~6.18

(きっかけ)
・作者好き
・古本屋で100円で発見

(感想)
新田次郎の山岳小説、安心の面白さですね。

明治の終わり頃、剣岳の測量に挑んだ軍人測量官の物語です。最後に簡単な取材記があって、どのようにこの物語を作り上げていったかが分かってなかなか良かったです。資料が少な...続きを読むいようなので、細かな描写はかなりがフィクションなんでしょうね。

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Posted by ブクログ 2023年02月03日

映画で見ていたが初めて新田次郎の山岳物を読んだ。小説というよりはドキュメンタリーか伝記といった感じ。添付の地図をたびたび睨みながら丁寧に読み進める。子供の頃に読んだ探検家の伝記小説を思い出す。長次郎の人物描写が優れている。飛ばして読んでも味はわからない作品である。

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Posted by ブクログ 2022年10月05日

「新田次郎」の長篇山岳小説『劒岳 〈点の記〉』を読みました。

『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』、『孤高の人』に続き「新田次郎」作品です。

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山岳小説の頂点といわれる名作!
日露戦争直後、北アルプス立山連峰の劒岳山頂に三角点埋設の命を受けた...続きを読む測量官「柴崎芳太郎」たちの困難を極めた記録を描く山岳小説。

日露戦争直後、前人未踏といわれ、また、決して登ってはいけない山と恐れられた北アルプス、劒岳山頂に三角点埋設の至上命令を受けた測量官「柴崎芳太郎」。
器材の運搬、悪天候、地元の反感など様々な困難と闘いながら「柴崎」の一行は山頂を目ざして進んでゆく。
そして、設立間もない日本山岳会隊の影が。
山岳小説の白眉といえる。
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明治時代末期、陸軍参謀本部陸地測量部(現在の国土地理院)によって実際に飛騨山脈(北アルプス)の立山連峰で行われた山岳測量プロジェクトを扱った物語、、、

日本地図を完成させるために信念と勇気をもって困難な山岳測量に取り組んだ男たちが描かれています。

 ■第一章 未踏の霊峰
 ■第二章 地形偵察
 ■第三章 測量旗
 ■第四章 日暈
 ■越中劔岳を見詰めながら
 ■参考文献

1906年(明治39年)、参謀本部陸地測量部の測量官「柴崎芳太郎」に未踏峰とされてきた剱岳への登頂と測量の命令が下った… それは日本地図最後の空白地帯を埋めるという重要かつ困難を極める任務であった、、、

山麓の山案内人「宇治長次郎」等とともに測量に挑んだ男たちは山岳信仰から剱岳を畏怖する地元住民の反発、ガレ場だらけの切り立った尾根と悪天候・雪崩などの厳しい自然環境、日本山岳会との登頂争い、未発達な測量技術と登山装備など様々な困難と戦いながら測量を行う… そして、「行者」から与えられた「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」という謎めいた言葉からヒントを得て、東側の雪渓から劔岳のピークへ挑む。

苦難の末、剱岳にピークに到達するが… そこには奈良時代のものと思われる錫杖と剣が残されていた、、、

陸軍の威信にかけて測量部による剱岳初登頂という至上命令を下したにも関わらず、その結果を知った軍上層部は初登頂で無ければ意味が無いと公表を渋り、「柴崎」等の成果を正当に評価しない… 彼等を評価したのは、現場のことを知る「柴崎」の上官で三角科班長の「玉井工兵大尉」や、初登頂を競った日本山岳会の「小島烏水」等だった。

面子にこだわる軍上層部の古き体質が描かれていました… これって、現代のビジネスマンの仕事にも通じるところがある感じがしますね、、、

今でこそルートが開かれ、登山者であれば登ることのできる劔岳ですが、当時の貧弱な装備やウェアで、登るだけではなく測量をするという目的を持った登山は大変だったでしょうね… 登攀するのが精一杯で、四等三角点という公的な記録に残らない結果だったようですが、その苦難が伝わってきて、思いっ切り感情移入しながら読める作品でした。

そして、劔岳の美しさや自然の情景が巧く描かれており、劔岳に行ってみたい!という気持ちになるような… そんな素敵な描写が愉しめる作品でもありましたね、、、

若き測量官「柴崎芳太郎」をはじめ、測量の補助を担う測夫である「木山竹吉」と「生田信」、案内人の「宇治長次郎」と「岩木鶴次郎」、そして彼らを支えた荷揚げ人夫たち… 彼らの命懸けの挑戦に胸を打たれました。

本作品は平成21年(2009年)に映画化されているんですよね、、、

ヒューマンドラマとしての評価も高いようですが、劔岳の素晴らしい眺望を愉しめる作品に仕上がっているらしい… 今度、観てみたいですね。



以下、主な登場人物です。

《測量隊》
「柴崎芳太郎(しばざき よしたろう)」
 参謀本部陸地測量部測量手。
 山形県大石田町出身で、日本山岳会に勝ちたいと焦りを見せる生田をたしなめる際に山形弁を披露している。
 測量士として厳しい教育を受け、剱岳測量を命じられる。

「宇治長次郎(うじ ちょうじろう)」
 近代登山の黎明期に活躍した山案内人。
 現在も「長次郎谷」として剱岳にその名を残す。
 小さい時から山仕事に励み、山に通じている。

「生田信(いくた のぶ)」
 測夫。静岡県千頭(現在の榛原郡川根本町)出身。
 最初は若気の至りで剱岳の初登頂を日本山岳会に奪われまいと柴崎や長次郎をせかしていたが、
 様々な苦難に出合う中で自然の厳しさや仲間の大切さ・謙虚さの必要性を学んでいく。

「木山竹吉(きやま たけきち)」
 測夫。鳥取県東伯郡市勢村浦安出身。
 経験豊かなベテランの測夫で、測量隊の精神的な支えとなる。

「宮本金作(みやもと きんさく)」
 人夫。山登りの名人。現在も薬師岳東面の金作谷カールにその名が残る。

「岩本鶴次郎(いわもと つるじろう)」
 人夫。剱沢一帯の地理に詳しく、長次郎の懇願で測量隊に加わる。

「山口久右衛門(やまぐち きゅううえもん)」
 人夫。最初は剱岳登頂に乗り気ではないが、
 測量隊と苦難を共にするうちに誰も欠けてはならないという意識を持つようになる。


《日本山岳会》
「小島烏水(こじま うすい)」
 日本山岳会を率いてヨーロッパ製の登山装備と合理的な姿勢で剱岳登頂を目指す。
 当初は柴崎たちに対して挑発的な態度を取っていたが、純粋に任務を全うしようとする測量隊の姿に触れ、
 最後は測量隊の功績を誰よりも理解し、最大級の敬意と賛辞を表する。


《陸地測量部》
「大久保徳明(おおくぼ のりあき)」
 陸地測量部長(陸軍少将)。
 陸軍の威信にかけて測量部による剱岳初登頂という至上命令を下す。

「樋口誠三郎(ひぐち せいさぶろう)」
 三角科長(工兵大佐)。

「玉井要人(たまい かねと)」
 三角科班長(工兵大尉)。柴崎直属の上官。

「水本輝(みずもと あきら)」
 古参の測量手。経験豊富で上官からの信頼も厚い。剱岳登頂に柴崎を推薦した。


《その他》
「柴崎葉津よ(しばざき はつよ)」
 柴崎の妻。測量という過酷な任務に向かう夫を尊敬し、穏やかに見守る。

「岡田佐吉(おかだ さきち)」
 立山温泉の宿の主人。

「牛山明(うしやま あきら)」
 富山日報記者。

「佐伯永丸(さえき ながまる)」
 立山山麓に位置する集落・芦峅寺の総代。曼荼羅図を使って巡礼者に立山修験道を説く。

「行者」
 過酷な修行を続け山と共に生きており、地元の人々の尊敬を集める。
 剱岳山頂への登り口を探す柴崎たちに「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」と謎めいた言葉を与え、
 柴崎ら測量隊の剱岳登頂を心待ちにしながらこの世を去る。

「古田盛作(ふるた せいさく)」
 元陸地測量部測量手。
 柴崎の先輩で、かつて剱岳の登頂を試みたが断念した経験を持つ。柴崎に助言し、山案内に長次郎を推薦する。

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Posted by ブクログ 2020年10月31日

測量という仕事を知ったうえで読むと、さらに面白く読めたのかもしれない。登山と測量のことを少しかじった上で再読してみたい。

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Posted by ブクログ 2020年05月12日

剱岳山頂に三角点設置の使命を受けた測量官柴崎芳太郎の歩み。さまざまな困難の中で、雪渓を進む道で頂上にたどり着く。ただ、数百年も前に修験者によって登られていた。測量官のチームとしての動きを描く。剱岳に登りたくなる。

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Posted by ブクログ 2019年06月13日

点の記とは、山の頂によく設置されている「三角点」の設定記録のこと。1888年以降の点の記が国土地理院に保管されているそうですが、「点」を追い求めて道なき道を開いた測量官たちの、まさに命懸けの仕事の証なんです。

「地図に載っているのに今は廃道になっている」からって軽々に文句を言ったらバチが当たります...続きを読むね(^^;)。
(もっとも、今の2万5千図の登山道などは航空写真を参考に描かれているようですが)

ところでこの小説は、明治40年、柴崎芳太郎という測量官(実在)が、険峻であり、また宗教上の理由で登ってはならないとされていた劔岳に苦難の末に登頂を果たし(この時、山頂で遠く奈良時代のものと思われる錫杖と剣が発見され、「初登」ではないことがわかった)、立山一帯の地図作製に目途をつけた物語です。

さて登頂は果たしたものの、三等三角点設置のための資材を担ぎ上げることができず、四等三角点を設置するにとどまりました。ところが四等…は、「点の記」としては残らないのです。そこで新田氏が勇躍登場し、かれの功績を現代によみがえらせた、というわけなんですね。

やはり、綿密なファクトの積み重ねによる物語の密度と迫力は魅力的です。最後まで一気に読みました。

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Posted by ブクログ 2019年01月14日

三等三角点埋設とともに剣岳初登頂の至上命令を受けた柴崎芳太郎の物語。剣岳初登頂だけに争点を置かず、山岳会との競争、県庁や軍幹部との確執、立山信仰といった土着文化など、複合的な要素を交えることで本作を重厚な物語に仕上げている。主人公を測量官という特殊な職業にすることで、所々「測量」という観点で描写され...続きを読む、ほかの山岳小説とは一線を画す作品となっている。仕事に誇りを持ち寡黙に職務を果たし部下を労る姿は勇ましい。

著者あとがきにあたる登山記「越中劔岳を見詰めながら」も著者の着想の一端に触れながら物語当時の剣岳が偲ばれ興味深いものであった。

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Posted by ブクログ 2023年09月04日

映画版で。
なぜ陸軍に測量部があったのかと疑問を抱きつつ、剱岳という自然の広大なスケールが画面に映し出される。

小説ではなく、映画で見てしまったからか、「過酷なロケだったんだろうな」という思いが先行してしまい、物語そのものをあまり味わうことができなかった。

いつか小説を読まねば。それまでは積読。

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Posted by ブクログ 2023年07月18日

明治時代、日本国土唯一の地形図空白地帯
奥州山地の地形図作成のために奮闘する男たちの物語

ひたすらに山の描写が美しく、険しい
ひたすらに地形図作成のために山を巡る描写がハード
読んでいるだけで疲れる
登山描写も疲れるが、テントで休んでいても疲れる
雨にやられて、風にやられて、雪のうえで僅かな装備で...続きを読む体を休める
・・・とても休まらない。(^^ゞ

地形図作成(仕事)のためにここまで情熱をもてるのか
読んでいて羨ましく思えた

黒部ダム建設当時の古い映像に断崖絶壁を機材を担いで歩いている人たちがいて戦慄したのを覚えている。
まさに命を賭して国土事業が成してある今の生活

あって当たり前の物も先人たちのおかげだと改めて思い知らされた

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Posted by ブクログ 2023年03月25日

自分は山登りについて、自然に触れるとか非日常の体験をしたいという動機で興味があるのだが、あまりというかほとんど取り組めていない。そんな中でこの本を読んで、現代の山登りは柴崎測量官が剱岳に登った明治の当時と比べると、自然と言ってもそれなりに整備されているし非日常の度合いも断然易しいのだなと思った。現代...続きを読むの生活は先人の勇気と努力のおかげで安泰なものとなっているとも言えるし、開拓とか初挑戦の余地が乏しくなっているとも言えると感じた。柴崎さんらの測量活動における都度の判断事項はまさに命懸けのリスクを負っている。現代の生活とかビジネスとか社会活動においても大きなリスクを負う場面はもちろんあるけど、生死を賭けるような判断を迫られる場面がどれだけあるだろうかと考えさせられる。自分にとっても子育てにおいても、いろいろなシーンでよく考えてリスクもとって生き抜く力を養える経験を多く積んでいきたいと思った。

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購入済み

映画を観たくなる

2023年02月04日

正直、他の新田次郎作品と比べると、テーマに対して文章の面白さは欠けるかな。資料を読んでいる感じ。器具やルートの説明が、ただひたすらに文章のみだと、想像しきれないところがあります。
これを読んで、映画を観て、あー、そういうことかと思いたい。

#感動する #ドキドキハラハラ

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Posted by ブクログ 2021年05月02日

登山の楽しみと大変な部分を多少なりとも知ってるため、とても楽しめた。
過酷な部分は想像するしかないけれど、道なき道を拓いていくことや自然を相手にすることの苦労を擬似体験でき、響いてくるものがあった。
それにしても、現場を知らない背広組は身勝手でひどいものだ。上官といい、富山の土木課の職員といい。
...続きを読むれらを反面教師にしつつ、柴崎測量官の偉業と山を知るものへの尊敬を持って本を閉じた。

また、完全に無知であった山岳信仰についてなんとなく知るとこができたのも良かった点。

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Posted by ブクログ 2021年04月11日

前人未踏の針の山といわれ、立山信仰でも決して登ってはいけない山と恐れられた劒岳。
そこに三角点設置を命じられた測量官の話。
時代からしても、測量が軍隊だったことからも、大変な苦労だったんだろう。

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Posted by ブクログ 2020年12月05日

測量の仕事はすごい。テント一つ取っても進化してるから快適さが違うだろうなとか。立山信教についてや地元の人の劒岳の関わりなども興味深い。

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Posted by ブクログ 2018年08月16日

岩壁に阻まれ明治40(1907)年7月まで三角測量が出来なかった北アルプスの剱岳(2999m、富山県)。そこに登頂と測量を命令された陸軍参謀本部陸地測量部の柴崎芳太郎の物語だ。幾度ものルート探しと挑戦の末に攻略。上司が心配していた山岳会との登頂競争には勝ったが、1000年昔の修験者が使う錫杖(しゃく...続きを読むじよう)の頭と剣が残され初登頂とは言えなくなった。それでもその偉業は大きい。測量資材を担いであの山を登ったかと思うと驚きだ。もっとも祝福してくれたのがライバルの山岳会だったというのが心地よい。剱岳に登ってみたくなった。

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Posted by ブクログ 2018年06月09日

山岳の測量方法など、全く知識になく、どんなものか読んでいても想像できなかった。
そのために、なかなか感情移入できず。
少し、読み進めづらかった。

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