新田次郎のレビュー一覧
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武田勝頼といえば、信玄の息子で、長篠の戦いで信長・家康連合軍に大敗を喫し、結局武田を滅亡させた人物という印象である。新兵器と旧式の軍隊という対比の中で、若いのに旧体質の人物であるようなイメージもあった。
失礼な思いこみであったのかもしれない。
新田次郎のこの小説に出てくる勝頼は、颯爽とした若武者である。やや頼りない部分もあるけれど、むしろ新時代の担い手としてのイメージが強い。ただ、父親があまりにも偉大すぎ、それがハンディになっている部分もあるけれど。
この時代を描いた小説は、どうしても信長・家康を欠かせない。この小説も同じで、敵役と言うよりも主要登場人物として描き出す。むしろ、主 -
Posted by ブクログ
涼しくなる1冊。冬に読んではいけない。
ひたひたと近づいてくる寒さ。
小学校の遠足登山(とはいっても戦前)で、集団遭難。
遭難する前から、押し寄せてくる嫌な予感の連続攻撃で、寒いことこのうえなしです。子供がたくさん遭難しちゃうので、涙もろい人はご用心を。
題名だけだと、すばらしい教師の話のようなんだけど、それは個人、一場面のレベル。遭難しないように準備することがもっとあったんじゃないの?と突っ込みどころも満載なお話。
そんなに数読んでないんですが、山岳小説は夏に読むのがいいのかな。
寒くなれる山岳小説あれば教えてください。
よく覚えてないのですが『八甲田山死の彷徨』も、かなり寒かった記憶が -
Posted by ブクログ
全3巻。
大河ドラマ「風林火山」の原作の続編になる。
歴史における通説というか、固定観念について考えさせられた。
勝頼=凡将というのが一般的。それもわずか数年で滅亡へと導いたので致し方ないところだが・・・
「歴史とは、勝者によって作られるもの」というのが、これを読んでつくずく感じた。この本で書いてあることも真実かどうかわからないが、一般的な評価が真実であるかどうかもまた分らないことだ。
上杉謙信にしても武田信玄にしても、後継者を育てきる前に亡くなってしまったことが、一番の要因で一代で築き上げた偉大な父についてきた家臣団が、それも戦国時代の家臣団が、そのままついてくるわけもな