新田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全3巻。
大河ドラマ「風林火山」の原作の続編になる。
歴史における通説というか、固定観念について考えさせられた。
勝頼=凡将というのが一般的。それもわずか数年で滅亡へと導いたので致し方ないところだが・・・
「歴史とは、勝者によって作られるもの」というのが、これを読んでつくずく感じた。この本で書いてあることも真実かどうかわからないが、一般的な評価が真実であるかどうかもまた分らないことだ。
上杉謙信にしても武田信玄にしても、後継者を育てきる前に亡くなってしまったことが、一番の要因で一代で築き上げた偉大な父についてきた家臣団が、それも戦国時代の家臣団が、そのままついてくるわけもな -
飽くまでも「フィクション」
未だ「リーダー論」とやらのテキストにされている様だが、その異なった目的を持った両隊を比較するのは如何なものかと思う。
況して五連隊側を「敗者」呼ばわりし、「悪役」として描かれた山田少佐のモデルになった山口少佐の御子孫は肩身を狭くしておられた。
神田大尉のモデルになった神成大尉もまた浮かばれないと思う。
一方、徳島大尉のモデルになった福島大尉は、猛吹雪の中を命懸けで案内してくれた民間人七名を暗闇の山中に取り残してきた。
それを「勝者」「理想のリーダー」として讃えるのには甚だ腑に落ちない。
この「史実を基にしたフィクション」を、あたかも史実の如く描いた新田氏は流石である。