あらすじ
川中島の大会戦に勝利を得た信玄は、天下に号令する道を一歩一歩確実に歩んでゆく。しかし、正室・三条氏が生んだ長男の義信との仲が思わしくない。息子が父を追い落とそうとするまで悪化した関係の一方で、信玄の体をむしばむ宿痾(しゅくあ)が命をけずる。苦悩のすえ、信玄は義信と親子の縁を断ち、愛する側室・湖衣姫との間にできた勝頼を自らの後継者と決めた。そして強敵・北条氏を追いおとすために、関東に軍を進め、小田原城に迫る。傑作歴史小説、第3巻。
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円熟期を迎え、いよいよ太平洋側(駿河)への進出を図る信玄。一方で、嫡子である義信との仲が難しく、結局は義信を失ってしまう。やがて正室の三条の方との別れも突然にやってくる。第3巻では、信玄の親としての悩み、年を取ることの悲しみもしっかりと描かれています。
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織田信長の台頭しつつある世においての、今川家の衰退、義信の反抗、信玄自身の病気と老いとの戦い。最高の頭脳と仲間をもってしても時代に流されてゆく。しかしこの小説の信玄、いい人すぎないだろうか!?
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前半は義信事件、中盤以降は駿河侵攻と北条との戦いが話の中心。
武田信玄というととかく川中島にスポットが当てられるが、実際には川中島後と言うよりも晩年の西上作戦の方が重要だったのかもしれない。
本巻はその布石となっている。
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再読2020.7.19~
2020.8.7完了
義信の悲劇と勝頼の頼もしさが載る。
武田家を扱う小説を読むと、いつも勝頼が活躍し出すと武田家の終わりが近いことを覚り何とも言えない悲しい気持ちになる。
駿府を取り上り調子真っ只中であるのに悲しいものだ。
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信玄の戦略のすごさと長男のワガママ、親を超えたいがために命令を無視して重臣を死なせるなど度重なる違反で信玄は親子の縁を切る。
勝頼を跡継ぎとし、勝頼のたくましさに親バカになりそうなのを必死で隠すなど、信玄の人間らしさも描かれている。
勝頼も期待を裏切らない戦略で期待の跡取りだったんだなぁ。
戦闘部分は飛ばして読む。。。
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今川氏の崩壊したのがメイン。
サブで、忍びのあかねが活躍が目立つ。
信玄は、老いてくるが精神的には高揚ぶりと歳の戦いが年齢と共に熟知してくる。
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林の巻まではまだ若々しさが残っていた
信玄公もすっかりおっさんになってしまった。
信玄や勝頼に好意的な人物は好意的に描かれ、
彼らに敵対的な人物は貶されているのに少々違和感を感じるが、
それはそれとして、とても面白い小説である。
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信玄も中年となり、地盤も固めた感のある「火」の巻。
子義信との確執、周辺国の領主たちとの駆け引き。戦国の世の困難は、戦ばかりではない。
信玄を読みながら、信長の地理的有利さ、日本人の京に持つ感情など、様々な要因が積み重なったのが歴史なのだろうという思いが強くなった。信玄や、他の武将がいくら優れていても、きっと超えられない事実があったに違いない。
関連する、他の武将たちの事も知りたくなるのが、時代小説の面白さ。
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歴史小説初心者の私ですが、かなり楽しめました。歴史小説では「これは著者が考えたことなのか、実際にあったことなのか」私は時々分からなくて困ってしまうのですが、この本では一段落おくとそこらへんが丁寧に説明されてたりするのがよかった。例えば「甲陽軍艦では○○と書いてあったが○○ではこう書いてあった。私は自分の武田信玄像を崩したくないので○○の説をとった。」と言うように書いてある。合戦の様子もよく書かれていて読み応えがある。100ヶ月かかって書き上げた著者の気合いが伝わる作品。
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火の巻は駿河上陸と今川家・北条家との戦い。
「義信逆心」は戦国時代らしいお話しだったなぁ。義信とんでもないことやらかしてる!と思いつつ、信玄の優しさが出ちゃってて読めば読むほど不思議な人だなぁと思う。虎...?
義信の性格はどうしようもないにせよ、他の兄弟が愛されているのを目の当たりにしてたらそりゃ反逆心も芽生えるよな。しかも母である三条氏も徹底的に嫌われて...。だからこそ「御先陣を賜る」がとても切なかった。
いつも通り徹底的に策は講じているものの、相次いで戦を仕掛ける姿にやはり信玄らしくない、という感じはした。信玄と信長、お互いにお互いを脅威と思っているなんてこの時は知る由もなかっただろう...。
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川中島決戦からの駿河侵攻。武田信玄が主役とすると大概の話では息子義信が不出来で勝頼が有能となってるパターンになる気がする。前巻でも2人の力量の差が描写されていたので間違いはないだろう。冷静に考えると自分の妻の実家であり同盟相手の今川義元を死に追いやる工作をしているので道理でいうと信玄の方が悪党なのにそうは見えないところがマジック。それでも本書は義信に対しての理解も示しているといえる。
本巻はに限った話でもないが武田信玄というと男の寵臣に未練がましい恋文を書いたとされる程に男好き(寧ろ戦国時代は両刀使いが多い)なはずが本書ではその辺は上杉謙信で信玄は女好きという事になっている。勿論女好きだったのは確かだろうが次から次へと女をモノにしていくような描写に島耕作シリーズに通じるものがある。