宇江佐真理のレビュー一覧
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ネタバレようやく伊三次とお文の間の子が無事に産まれた。お産が始まった日に限って伊三次の仕事はなかなか終わらないし、逆子という心配事もあるし、ひやひやした。しかし、無事に生まれてからは、 徐々に、お文の母親としての姿が変わっていくのがとても微笑ましかった。 途中、伊三次との何気ない会話の中で、お文の変化が描かれている。『お文は伊与太を産んでから少し変わったと伊三次は思う。むやみに意地を通そうとしなくなった。 芸者の意地も何も、頑是ない赤ん坊には通用しないことを悟ったせいだろうか』 。こう言うことがさりげなく描かれているのも、女性作家らしさだな、と思う。 女性は子供を産んで強くなる、怖くなるみたいな、あり
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前巻で火事で家を失い.深川を去ることになったお文。 良いきっかけではなかったが、なかなか結婚に踏み切れずにいた二人が、それがきっかけとなり、芸者は辞めて、伊三次と一緒に暮らすことになる。これで、伊三次が自分の店を構えるのは、 また少し先になってしまうかもしれないが、それでも慎ましくも幸せな日が続くのだろう、と淡い期待をするも、、、
今回もまた色々と起こる。今回は特に、悲しい話が続いた。それも、伊三次とお文たち当人や身近な人に関わる事件が続いたので、より感情移入してしまった。
それにしても、 最後のおみつの発言には、まるで自分がお文になったようにショックだった。 おやす (おみつの姑) の発言な -
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今回は本のタイトルが「さらば深川」だ。 これは嫌な予感しかしないではないか。寂しい理由なのか悲しい理由なのか、もしかしてもしかして嬉しい理由なのか、 、、
結果、悲しいし、悔しくて腹も立つけど嬉しさもあったりして。 何とも複雑な気持ちでエンディングを迎える。
さてここから、次巻以降、伊三次とお文はどんな展開を迎えるのだろうか。
ところでこの巻にも宇江佐さんご本人による"文庫のためのあとがき”が収録されていた。 (これはこの後の文庫本も毎回収録されているのかな?
そこに、『すでにお気づきの方もおられると思うが、本一冊につき、 伊三次に一歳、年を取 らせている。 同い年のお文も当然、そ -
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ネタバレとうとう本当にこれで最後です。
最初で最後の長編が描いているのは、シリーズ中で飛ばされた10年の出来事。
家事で焼け出され、すべてを失ったことから伊与太は何を見ても「これは誰のもの?」と聞くようになった。
自分は何も持っていないことを確認するかのように。
そんな伊与太が「月は誰のもの?」と聞いた相手は…。
火事の後妊娠に気づき、出産までの間今まで以上にお座敷仕事をすることにしたお文。
そこで知り合った老人が、実の父親だと知りながら、父親の家族を思い知らぬふりをするお文。
そんなお文の気持を受け入れる父だが、伊与太にはこっそり「伊与太のお爺ちゃんは、このわしだ」と言っていた。
そして、お文の -
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ネタバレ目次
・共に見る夢
・指のささくれ
・昨日のまこと、今日のうそ
・花紺青
・空蝉
・汝、言うなかれ
収録作を書いていた頃はまだ癌告知をされていなかったそうだけれど、何か感じるものがあったのだろうか、生まれ来る者と死にゆく者の話が心に残る。
龍之進は父となり、ますます地に足の着いた仕事ぶりを見せるが、反対に友之進は、シリーズ当初持ち合わせた癇癪などどこへやら、すっかり孫バカの爺になっている。
しかし友之進の同僚の妻は、まだ40代になったかならぬかのうちに病死する。
人の命などはわからないものなのだ。
茜にしても、決して恋愛感情を持っているわけではないのだが、弱りゆく良昌を励ますために側室にな -
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ネタバレ目次
・俯かず
・あの子、捜して
・手妻師(てづまし)
・名もなき日々を
・三省院様御手留(さんせいいんさまおてどめ)
・以津真天(いつまでん)
作者が作中の10年をすっ飛ばして書きたかったことというのは、もしかして松前藩のことなのだろうか。
茜が屋敷奉公をすることで、松前藩の特殊性が書かれ、今は江戸詰めであるけれど、そのうち蝦夷の国元にも連れていかれそうな気がしてくるような展開。
だとすると、伊与太と茜の仲はいよいよ絶望的。
表紙の茜、「お嬢」と声を掛けた伊与太の方に振り向いた時か。
本筋とは別に、伊与太の暮らしぶりを見るため、師匠の留守中、うきうきと伊与太の奉公先に出かけるお文と、それ -
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ネタバレ目次
・あやめ供養
・赤い花
・赤のまんまに魚(とと)そえて
・明日のことは知らず
・やぶ柑子(こうじ)
・ヘイサラバサラ
掏摸から足を洗い雑貨屋の親父として真っ当に生きている直次郎。
意に添わぬ結婚話から逃れるために屋敷奉公に出た茜。
絵師の修業中の伊与太。
いつの間にか26歳、結婚話もある九兵衛。
作中の時間も確実に流れている。
さて、意味不明のタイトル「ヘイサラバサラ」とは、ポルトガル語で動物の腹の中に出来る石のことなんだそうだ。
孤独死した元医師が、なぜそのようなものを持っていたのか。
彼は、進んでいく時間を止めようとしていたのだろう。
しかし、それは出来ないことであり、止められな -
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ネタバレ目次
・気をつけてお帰り
・雁が渡る
・あだ心
・かそけき月明かり
・凍て蝶
・心に吹く風
龍之介と祝言を挙げ、不破家の嫁となる”きい”の話から始まる。
一時期武家の養女になっていたとはいえ、もともと町人の娘であるきいが武家の家になじむのは、本当ならかなり難しいことなのだろう。
しかし、まず家長の友之進がきいを気に入った。
苦労人のいなみが、嫁として受け入れた。
茜だけが面白くない。
17歳の茜は、自分も年頃の娘であるが、剣の稽古以外に興味はなく、しかし道場で持て余されていることにも気づき…。
一方、絵の修業をしていた伊与太は、師匠の家から逃げ戻ってくる。
当面は不破家の中間(ちゅうげん)