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Posted by ブクログ
目次
・妖刀
・小春日和
・八丁堀純情派
・おんころころ……
・その道 行き止まり
・君を乗せる舟
ちょっとオカルトっぽい話もありましたが、伊三次のビビりっぷりが愉快でした。
そして、特別子ども好きなわけではなかったという伊三次が、子煩悩ないい父親になっている様子を見て、江戸時代、「イクメン」という言葉はなくても「子煩悩」という言葉があったなと思う。
仕事から帰ると当たり前のように子どもを受け取り、夜は親子川の字で寝る喜び。
家族の縁が薄かったからこそ、今が幸せなのかもしれない。
この巻では不破友之進の嫡男・龍之介改め龍之進の話がどれもよかった。
自分の証言により父親を殺人犯としてなくすことになった娘に、淡い恋心を抱きつつ何も言えない龍之進。
その娘・あぐりは、世間を騒がせている「本所無頼派」のリーダー(次郎衛)に思いを寄せていることを龍之進は知る。
あぐりに15歳年上の、あったこともない男との縁談が持ち上がる。
最初は、後妻でもしょうがないと諦めていたあぐりだが、やはり次郎衛のことが忘れられない。
最終的にあぐりは次郎衛の正体を知り、黙って嫁いでいくのだが、それをそっと見送る龍之進が切ない。
「わたしは舟になりたいと思いました」
自分が舟となって、あぐりを自由な世界へ連れて行ってやりたいということなのかと思った。
しかしそれは、現代の考え方である。
龍之進は、見も知らぬ男の元へ嫁ぐあぐりを、せめて自分が送りとどけたい、と、そう言うのだ。
元服したての、現在で言うならまだ中学生の年齢の龍之進にはあぐりを幸せにすることはできない。
けれどもいつまでも下町の裏店の長屋住まいをしていても、あぐりにいいことはひとつもない。
あぐりを幸せにするだろう場所へ、せめて自分が連れて行きたいと。
くう~。
Posted by ブクログ
シリーズ6冊目。
お文と所帯を構えた髪結いの伊三次は、赤ちゃんの伊与太を育てつつ、とりあえず安定した生活をしています。
「妖刀」は、いわくつきの刀が盗まれた事件を探るため、問題の邸へ髪結いに出向く伊三次。
目の前で、凶事が…
伊三次が手伝いをしている定廻り同心の不破友之進の息子が元服することになり、少年の視点での話が多くなりました。
龍之助あらため龍之進として、同心見習いになったのです。
同じ年頃の仲間達六人と、まごまごしながら取り組む仕事の様子が面白い。
その頃、「本所無頼派」と呼ばれる六人組の若い男らが無茶をする事件が起きていて、彼らを自分たちでつかまえられないかと思うようになる。
高い所に登って雄叫びをあげるなどの人騒がせな行為だが、逃げ足が速く、おそらく相当な修練を積んでいる。まだ犯罪というほどでもないのだが。
旗本の次男三男が、行き場のない不満をぶつけているのではないかと。
不破の下の子で茜のやんちゃぶり。
女の子なのに、伊与太よりずっと手が掛かるんですね。
伊三次の手伝いをしている九兵衛が、本格的に髪結いをめざすことになります。
九兵衛と龍之進の微妙な張り合いもあったり。
伊与太が重い病気にかかり、皆が必死の看病。
当時は赤い物が効くというので、家は赤い物だらけに。
龍之進のほのかな初恋も初々しい。
表題作はそのエピソードから。
龍之進の将来が楽しみだというお文は、さすがに深川芸者だった目利き?
単行本は2005年3月発行。
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