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歴史・時代 2位
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めでたく番方若同心となった不破龍之進は、隠密廻り同心・小早川瑞穂の伴につくことになった。優秀な小早川にあこがれる龍之進だが、幕府の密偵が小早川の身辺を監視しているという噂を聞く…「委細かまわず」。某藩の姫君、かがり姫が行方不明に。探せと命じられた若同心たちだが、そこにはお家騒動が関わっていて…「黒い振袖」。伊三次の女房お文が、夜道で奇妙な辻占に出会う「明烏」。自らの正義に殉じた人々の残像が、龍之進の胸に刻まれてゆく。人気シリーズ第8弾!
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Posted by ブクログ
2016.8.2 シリーズが面白くなってきた。 龍之進やいよたが好ましい。 かのじの〔姫)あれこれや袖の下をいっさい受け付けないその理由など興味深かった。 先が知りたいとどんどん読めた。
髪結い伊三次捕物余話、8作目。 2011年には出ていたんですね。 主人公はシリーズ名どおり、廻り髪結いの伊三次。 町方同心不破友之進の手伝いもしているのですが、息子の龍之進の力になる機会も増えています。 じつは‥若い世代の話ばかりで、伊三次以上にごひいきだった妻で芸者でもあるお文の出番が少ないので...続きを読むちょっと飽きてきて、しばらく読むのを休んでいましたが。 やっぱり、好きなシリーズです☆ 龍之進も番方若同心になり、進境を見せるところがすがすがしく、頼もしい。 「委細かまわず」では、上役の小早川と対峙して成長していく。 「黒い振袖」では、ある藩の姫が行方不明となった事件を若手で捜査することに。 お家騒動の渦中にあり、喪服がわりに黒い振り袖を着た、かがり姫。 ひととき危機を共にしたことで、忘れられない相手に。 「明烏」は、久々にお文が主役。 夢の中、異界へ迷い込んだような形で、生みの母のいる美濃屋に引き取られた場合の生活ぶりが描かれます。 嬉しさと違和感と寂しさと。 そして、今の幸福をかみしめる。 いい味わいの話でした。 「我、言挙げす」という題は、内容が想像できませんでしたが、いい言葉ですねえ。 龍之進は、かって上司の不正を告発しようとして閑職に追いやられた人物・精右衛門へ、「言挙げなさった」という言葉で、共感を伝えるのです。 ラストは火事で家が焼けてしまうという衝撃的な結末ですが、この続きで暮らしが立ち直っていく様子もちゃんと出版されているので、続けて読みつなぎましょう☆
伊三次シリーズ第8弾。近作では、伊三次が脇役にまわり、不破の息子・龍之進を主役とする作品が増えてきた。志だけ高かった龍之進も段々と御役目が地に足が着いてきて、頼もしくなってきた。 それでも、伊三次の登場シーンには安心感があるし、お文の心の揺れを描いた「明烏」は長期シリーズならではの名作である。 「我...続きを読む、言挙げす」・・・。奥の深いいい言葉です。
第八弾 発刊ペースは知らないが、展開、構成は本当に変化ない。 段々と登場人物が年をとっていき、若者の成長がメインになっていくのか?
シリーズの・・・・・何作目だったっけ?今回もジュニア世代の活躍が目立ちますが、従来のシニア(?)世代もまだまだ主役で頑張っています。そんなこんなで読み進めたところ、最後の最後で・・・、なんとゆうことでしょう!そりゃーヒドイよ、宇江佐センセ!とゆうラストで今回は幕を閉じます。コレを読んでる今のご時世と...続きを読む照らし合わせ、何ともフクザツな思いがします。まあ、これをお書きになっている頃には、2011年の日本がこんなことになってるとは思いもしなかったのでしょうが。でも、そんな中でも強く生きようとする人々の姿もあり、ちょっと救われました。また続編をお待ちしております。
八丁堀の面々もすっかり世代交代してしまって、なんだか寂しい気持ちもするけど、若同心の個性がハッキリしてきてそれもまた良い。そして最後の表題にもなった「我、言挙げす」は、なんてこった!!!このままで言い訳がない。急いで次を読まねば!!!ということで、注文していた新刊本を買いに走るのだ。
話は、まだまだ続く….….
龍之進を中心とした、若い人達の話になった、仲間の結婚、失意の友人を慰め、お姫様を助け、日々成長していく。家事で焼け出された伊三次達の、これからは?話は、まだまだ続く。
下戸の亭主伊三次とうわばみ女房お文のカップル、今夜もなかよし(^-^) 言挙げとは、自分の意志をはっきり口に出して言うことだそうです。不破龍之進、男らしく成長しました。宇江佐真理「我、言挙げず」、髪結い伊三次捕物余話№8、2011.3発行。粉雪、委細かまわず、明烏、黒い振袖、雨後の月、我言挙げず ...続きを読むの連作6話。神田須田町、呉服屋「美濃屋」のおりうが病に。お文は母親おりうに会いに美濃屋に。大店の暮しを少しした後、稼ぎの少ない伊三次のもとに。
目次 ・粉雪 ・委細かまわず ・明烏(あけがらす) ・黒い振袖 ・雨後の月 ・我、言挙(われ、ことあ)げす 以前、伊三次にガセを掴ませ、龍之進に大いに恥をかかせた船頭は、実は尾張屋押し込みの際に一味を手伝った者だった。 真犯人「薩摩へこ組」もまた、「本所無頼派」と同じ、武家の次男三男たちだった。 ...続きを読む幕末というにはまだ間のある文化文政期、既に武家の鬱屈は積もり始めていたのかもしれない。(粉雪) そう言った意味ではお家騒動というのもまた、飼い殺されるかどうかの生存競争なのだろう。 自分の運命は自分だけのものではない。 大勢の人たちの生活が、命がかかっているのだ。 与えられた運命を自分の足で歩きだした姫の決意。 そばで支えることも許されない龍之進との身分の壁が切ない。(黒い振袖) 自分で選んだ人生だって、後悔する時はある。 大店のお内儀になっている生母の元へ帰ったら、今とは違う理想の暮らしができたのではないかと思うお文。 しかし、今のお文の幸せは、伊三次と伊与太の元にある。(明烏) お文が深川芸者だったころ、お文の女中をしていたおみつ。 当時はしっかり者で、よくお文を助けていたが、最初の子を流産した時まだ子どもの居なかったお文にひどいことを言ってから疎遠になっていた。 でも、いつの間にか付き合いが戻ったようで、安心した。 だけどおみつ、失ったもののことばかりを思いわずらっても幸せにはなれないんだよ。 幸せって、今、自分が持っているもののところにあるのだから。 徐々に事件は龍之進が扱うものが多くなってきているが、伊三次はあくまでも友之進の小者。 ただ、人の心の機微や、法や善意だけでは如何ともできない世の中のことなど、龍之進の経験だけでは測れない時に、セイフティーガードとして伊三次が付く。 まだよく口が回らなくて、伊三次のことを「たん」としか呼べなかった伊与太が、いつの間にか「ちゃん」と呼べるようになっていてほっこり。 お文のことは「おかしゃん」 いつかは「おっかさん」などと呼ぶようになるのだろうか。うう…。 不破家に行くと「おはよさんです」と頭を下げるところも可愛い。 言挙げの最古の出典は古事記のヤマトタケルの項。 神様に不遜なセリフを吐いたため、病気になって結局死んでしまう。 つまり、ヤマトタケルの頃から、日本人は目上の人に物を申してはいけない文化があったということ。 深いなあ。
もし、あの時違う選択をしていたら別な人生があったのではないか…。誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。 お文も生活に追われる忙しない日々の中、辻占いの女に声をかけられ、もし大店の娘という選択をしていたらと思ってしまいます。そして頭を打った拍子にお文は大店の娘という生き方を選んでいたことに...続きを読むなっていました。果たして幸せな人生が待っていたのでしょうか…。 そんな不思議な出来事の話『明烏』を始め、番方若同心となった不破龍之進の成長していく日々を描く『委細かまわず』『黒い振袖』等々、心に残る話が多かったです。 そして何より表題作『我、言挙げす』。 またまた火事に巻き込まれ、家を失った伊三次。気の毒すぎて声をかけられない父達を横目に、幼い時から自分を励ましてくれた伊三次にこれからも頑張って生きて欲しいと願い、声をかける龍之進。胸がつまります。表題作で終わったこの巻。次の巻ではどうなっているのか、すごく気になります。 作者のあとがきもとても共感できました。 宇江佐さんの作品、これからももっと読みたかったなぁ…。
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