宇江佐真理のレビュー一覧

  • 深川恋物語

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    江戸時代であっても、男と女の関係なんてものは皆同じ。
    時代小説なのに古めかしさを感じさせず、今の男女と同じような感覚の登場人物に共感します。

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    2010年03月29日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

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    私の大好きな時代小説の中の一つ。

    主人公の薬問屋の御主人、
    与平さんが隠居後に始めた 『聞き屋』
    誰でも一人じゃ抱えきれず誰かに聞いてもらいたい話の一つや
    二つある。
    答えを教えて欲しい訳でもなくただ聞いてもらいたいだけ。
    自分は何故聞き屋という生業にひかれていくのだろう....
    色々な人々話を聞いて行くうちに、次第に与平さんの過去もあきらかに....

    全6話の短編の短い話ですが、個人的にはもっとシリーズ化して
    与平さんの客の話も聞きたかったです。

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    2010年02月08日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

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    人々の話をただ黙って聞いていく「聞き屋」を営む隠居・与平の話。古い古い秘密を抱えながら人々の悩みや人生を聞くその姿は、人の孤独や人の弱さ、人のたくましさを黙って示してくれているようだ。悩みを解決するためでなくて、他人に黙って聞いてもらうだけで悩みが軽くなる気分になるし、口に出してみると案外たいした悩みじゃないような気になったり…それすらできない「聞き屋」は因果な商売だとは思うが、それもまた余生の過ごし方かも。しんみりしみじみした良い話だった。

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    2011年09月17日
  • 余寒の雪

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    江戸のさまざまな人々を描いた短編集。元遊女の内儀、若旦那、お庭番、元大奥老女、家老女剣士など、読んでいてじんわりしてスッキリするようなそれぞれの生き様が楽しめた。まだ宇江佐さんの初期の頃の作風を感じるけれど、やっぱり読んでいて心にグッとくる。

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    2011年09月17日
  • 室の梅 おろく医者覚え帖

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    検屍を行う医者と、産婆の女房。死者の姿からその真相をさぐりあてる医師の姿、日々生命の誕生に立ち会う産婆の姿。生々しいまでの生死の営みが江戸の時代に描き出されていた。面白いんだけど、結構リアルに想像できてしまうのがちょっときたかな(笑)

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    2011年09月17日
  • 雨を見たか 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次シリーズ最新刊。
    相変わらずですが、龍之進より
    伊三次とお文のせつなーいかんじがよかったのになー。
    まあ結婚しちゃったしね・・。
    ってか、勝手にこの人若い女の人だと思ってたら、
    還暦なんだってね。びっくりしつつ納得。

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    2011年05月20日
  • 雨を見たか 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次シリーズ第7弾。次世代も見習い同心としてなかなか活躍するようになってきて喜ばしい限り(笑)伊三次とお文も良い夫婦になっているし、不破のやんちゃ娘茜ちゃんの子育てに追われているいなみさんも忙しそう。少しほろ苦いけれどしっとりしんみり江戸情緒に浸れた。このシリーズやっぱり好きだなあ☆

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    2011年09月17日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    わくわくするようなお話ではないけれど、シリーズをずっと読んで行きたいです。
    伊三次は男前とのことで確かに心惹かれる主人公ではあるけれど、なんだかちょっと草食系?なイメージ。文吉姐さんのが男らしい気がする。

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    2009年10月07日
  • 三日月が円くなるまで 小十郎始末記

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    仙石藩士の刑部小十郎は、藩の汚名をそそぐ、助太刀を命じられた。

    町屋の娘、ゆたとの淡い恋。
    雲水の賢龍との友情。
    小十郎の成長。などなど。



    「人間、何が幸いし、何が不幸になるか知れたものではない。徒に落ち込むことはないのだ。そのうちに解決の糸口はきっと見つかる」(本書 298頁より)


    読後感がよかったです。どうなるのかハラハラして、引き込まれる、宇江佐作品はおすすめです。

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    2009年10月04日
  • 斬られ権佐

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    さいしょっからさいごまで
    きもちわるくならない、いいほんでした。

    ひとついうとしたら
    としをとったあさみさんがシャキっとかんがへっていたのが
    かなしかったかな。
    まぁあたりまえなのかな。

    えどにんじょう。だいすきです。

    なにかじだいせっていにぎもんにおもったところがあったんだけど
    どこだったっけ、わすれちゃった。

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    2009年10月04日
  • 君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次シリーズ。元服した一連の不破龍之心くんの話を中心に収められていますが、タイトルの言葉、「君を乗せる舟」にたどり着く一篇は特に秀逸で、泣けました。

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    2009年12月09日
  • 深川恋物語

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    短編集。
    「下駄屋おけい」は、切ないけれどしあわせな身分違いの恋でした。
    全体的に切ない話が多いかな。「がたくり橋は渡らない」のつくす女ぶりには、涙が出ます。

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    2009年10月04日
  • 君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次最新作!やっぱいいねぇ。なんかこれはひとシリーズきっちり確立してて、ほんといい。江戸人情モノ。登場人物全員きっちり江戸を背負ってカッコよく生きてます。いいかんじです。好きです。

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    2011年05月20日
  • 深川恋物語

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    最初は気付かなかったのですが、3篇目あたりで「あれ、この短篇なんかのアンソロジーで読んだか?」。
    違いました。ダブル購入の再読でした。
    感想も見事に同じ。宇江佐の欠点であるストーリー立ての破綻(よく最後にドンデン返しを掛けて、かえって失敗する)が無く、どっしりと、しかも爽やかです。
    ===========================
    04-072 2004/09/13 ☆☆☆☆
    良いですね。今まで読んだ宇江佐さんの作品の中では一番ではないでしょうか。
    元々、美味い作家さんだと思います。情景描写も良いし、物語の破綻もないし。でも何かが足りない、そんな感じがしてました。この作品で何が変わった

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    2016年08月07日
  • 斬られ権佐

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    良かったです。
    しっとりした情緒を感じさせる作品です。途中、数馬があさみに言い寄るシーンがあって、ちょっと生臭くなるのですが、美味くリカバーしてます。でも元々不要ではなかったかな。
    暫く宇江佐さんの作品から離れていたのですが、これなら良いなと。どうも男性を主人公にした作品のほうが波長が合うようです。
    ===ここからネタバレ===
    主人公の権佐。なかなか味があります。
    最後には傷の後遺症から死んでしまうのですが、そのせいでしょうね。どこか切ない雰囲気を持った作品です。

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    2016年08月16日
  • 深川恋物語

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    どれも心にしみいるお話。「さびしい水音」はどちらの気持ちもわかるだけに切ない話でした。でも、佐吉は熱しやすく冷めやすい性格なので、すぐに忘れて普段の生活に戻るんだろうなあ。余計に切なかったです。この方の本、おもしろいのですが、他の方の時代小説に比べると甘い印象なので、ときどき、ストーリーが弱いとたたかれてしまうんだろうなあ。私はそれはそれでよしだと思うんですが。

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    2011年09月12日
  • 室の梅 おろく医者覚え帖

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    宇江佐作品を読んでいて『おろく』という言葉が
    度々登場する。
    それが遺体のことを示すのは読んでいればすぐわかる。
    それでも『おろく』という言葉はどこからきたのか。
    「南無阿弥陀仏」の唱えが六字であることから
    そう呼ぶのだとこの作品で説明してあった。
    なるほど。

    死を扱う「おろく医者」の正哲と
    生を扱う産婆の妻・お杏との対比がいい。
    そのせいで多少全体が重く固い雰囲気になりがちだが
    正哲とお杏の夫婦としての成長ぶりが
    それをやわらかくさせ、バランスを保っている。

    ミステリーにはちょっと物足りないけれど
    このお話はそこに重点を置いていないので
    夫婦ってこういうもんだよね?的な読み方をすると

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    2009年10月04日
  • 泣きの銀次

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    この作品は宇江佐氏の本になった順番で言うと二番目。
    に、してはというすばらしい出来である。

    江戸の市井といい、登場人物の細かな表情といい
    まるで映像が見えるようだ。

    こと細かに考えて見ると、
    銀次やその周りの人間に起きた事件は
    悲惨そのものである。
    それでも登場人物の描写がそんな事件を
    あまりどろどろとしたものに感じさせず
    最後まで惹きつけて離さず、そしてすっきりと幕引き。

    見事。

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    2009年10月04日
  • 深川恋物語

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    江戸時代ものが読みたくて買ってみました。
    時代背景と、それに沿った心理描写はとても素敵でした。江戸時代の人々の生き方がよく表れているなあ、と。
    江戸時代ものの王道といった感じです。江戸へ行きたければぜひ。

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    2009年10月04日
  • 室の梅 おろく医者覚え帖

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    江戸時代版、法医学教室の事件簿という感じでしょうか。

    主人公は死を扱う「おろく医者」、恋女房は生に立ち会う産婆、というところに作者の気持ちを感じます。

    テンポもよく、かなり面白く読みました。

    作者あとがきに、

    どうか読者の皆様には存分に生きて、人生を謳歌してほしいと切に祈っております。(略)私もよい小説が書けるよう一層の努力をする覚悟でおります。これからもよろしくお願いします。

    とありました。こんなあとがき初めて見ました。作者の人柄が偲ばれ、親近感が涌きました。

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    2009年10月04日