宇江佐真理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ髪結い伊三次シリーズ、その2。
こつこつと貯めてきた金を盗られ、力を落としていた伊三次に、思わぬ殺しの疑いが。
詮議が甘くならぬよう、伊三次を同僚の緑川に委ねた不破。
嫌疑は晴れたものの傷ついた信頼は戻らず、伊三次は不破の手下として働くことも、髪結い仕事も断ってしまう。
また一方、芸は一流ながら、財力のある旦那がいないために芸者として見劣りしていると伊勢屋に看破され、傷つく文吉。
下心なしに世話をするという伊勢屋の言葉に、援助を受ける。
それを知った伊三次は、お文にも裏切られたと思い、別れを告げる…
本作は、傷ついた信頼と裏切り、自らがまねいた孤独に苛まれる伊三次とお文。
ううう〜〜 -
Posted by ブクログ
髪結い伊三次シリーズ、その4。
お文の住まいが放火で焼け落ちた事をきっかけに、ようやく伊三次とお文は夫婦となり、長屋で暮らし始めたところから始まる。
物語が長くなるにつれて、ふたりのまわりの人々、お文の家で女中をしていたおみつや、不破の息子龍之介、掏摸の直次郎など、物語を彩る深川の人々も様々に成長し、変化していく。
伊三次も、これまではお文のことや、不破の手先として働くことに引け目を感じては悶々としたりしていたが、そのあたりのことを消化して、男っぷりが上がっている感じ。
その主役よりもさらに、お文がイイねぇ!気っ風の良さに加えて、意外なところで小娘のように純ないじらしさが、一際魅力的だっ -
Posted by ブクログ
僕が普段本を読む時、その本のタイトルや作者や背表紙にある要約文などを見て、
事前に、あぁこの本はミステリーだなとか純文学だなとか自己啓発本だなとか、本の概要をあらかじめ予想し得る状態で読み始めるのですが、
この作品については、そういう事前予想をほとんどしない状態で読み始めた本でした。
「卵のふわふわ」というタイトルから、
最初は、「男の作法(池波正太郎・著)や「料理の四面体(玉村豊男・著)」の様に、料理をテーマにした作品でその料理を文章力だけで読者のお腹を空かせる様な表現で描かれた作品なのかな、
とぼんやり考えた程度だったのですが、読んでみると江戸の下町の人情味にあふれた物語で思わず引き込まれ