宇江佐真理のレビュー一覧

  • おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語

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    江戸の町の堀を舞台に、町人から武士まで、悲喜こもごもの人情を鮮やかに映し出す時代小説集。
    江戸時代、生活に密着していた堀。物質を運搬するだけでなく、人の心を時にはなだめ、時には悲しみを流していた。出会いがあれば別れもあり、時が過ぎ行くように、情も良くも悪くも静かに流れる。

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    2018年07月25日
  • 月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話

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    なんとなくひといき、といった感じの、物悲しさが
    あった一冊。
    手の届かない月なんて、誰のでもないのに。

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    2018年07月07日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    髪結い伊三次シリーズ、その2。

    こつこつと貯めてきた金を盗られ、力を落としていた伊三次に、思わぬ殺しの疑いが。
    詮議が甘くならぬよう、伊三次を同僚の緑川に委ねた不破。
    嫌疑は晴れたものの傷ついた信頼は戻らず、伊三次は不破の手下として働くことも、髪結い仕事も断ってしまう。

    また一方、芸は一流ながら、財力のある旦那がいないために芸者として見劣りしていると伊勢屋に看破され、傷つく文吉。
    下心なしに世話をするという伊勢屋の言葉に、援助を受ける。

    それを知った伊三次は、お文にも裏切られたと思い、別れを告げる…


    本作は、傷ついた信頼と裏切り、自らがまねいた孤独に苛まれる伊三次とお文。
    ううう〜〜

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    2018年05月24日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    髪結い伊三次シリーズ、その3。


    やっぱりね…という感じで、文吉に執心の伊勢屋が再登場。
    タイトルから、深川の人々からスッパリ縁を切らなければならない事態になるのかとはらはらしていたが、そこまでではなく、むしろ伊三次とお文にとっては土砂降り降って地固まる顛末。

    読むペースが先行して、感想書き忘れてた。

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    2018年05月24日
  • さんだらぼっち 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次シリーズ、その4。
    お文の住まいが放火で焼け落ちた事をきっかけに、ようやく伊三次とお文は夫婦となり、長屋で暮らし始めたところから始まる。


    物語が長くなるにつれて、ふたりのまわりの人々、お文の家で女中をしていたおみつや、不破の息子龍之介、掏摸の直次郎など、物語を彩る深川の人々も様々に成長し、変化していく。

    伊三次も、これまではお文のことや、不破の手先として働くことに引け目を感じては悶々としたりしていたが、そのあたりのことを消化して、男っぷりが上がっている感じ。
    その主役よりもさらに、お文がイイねぇ!気っ風の良さに加えて、意外なところで小娘のように純ないじらしさが、一際魅力的だっ

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    2018年05月24日
  • うめ婆行状記

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    2015年に亡くなられた宇江佐真理さんの遺作にして最後の長編時代小説。
    人生に同じ日はない。楽しいこと嬉しいこと、悲しいこと悔しいこと、全部含めて人生である。家族とは、良いことは共有して悪いことは分散できる有難いもの。うめは家族を捨てたのではなく、堅苦しい武家社会に反抗したかったのだろう。

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    2018年05月20日
  • 雨を見たか 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    2017/2/23
    シリーズ7作目。
    あとがきにもある通り龍之進多め。
    私としてはそっちに行くか~だな。
    龍之進まわりはちょっとでいいのに。
    自分が年食ったからだね。わかってます。

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    2018年03月04日
  • 深川恋物語

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    宇江佐さん初読み。なんか不思議な感覚。すーっと流れていく。もう少し引っかかるものがあってもいいかも。 好みは、「がたくり橋は渡らない」「さびしい水音」「仙台堀」。

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    2018年02月06日
  • 泣きの銀次

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    始めの話の持っていき方が、ミステリー・謎解きの感じだったのですが、その面では期待しない方が良いでしょう。人情物という見方が正しいと思います。
    まずは銀次とその恋人のお芳(岡引・弥吉の娘)のキャラクターですかね。泣きというキャラクターは新鮮ですし、お芳は宇江佐さんらしい、おきゃんな娘です。あと、強面の同心とその息子のやり取りも良いですね

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    2017年11月16日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    主人公の伊三次、恋人の深川芸者のお文、八丁堀同心の不破。3人のキャラクターで読ませる作品です。
    ミステリーとしての出来と言う目で見れば良くないと思います。最初は捕物として読み始めたので、チョッと肩透かしを食った気がしました。しかし読み進めるうちに、事件は単なる背景で、主題はいわゆる”人情物”だと判りました。その目でみれば、中々の作品です。特に最後の2編は気に入りました。
    ただ、どこと無く女性向けという感じは否めません。

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    2017年11月16日
  • 余寒の雪

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    出張帰りの飛行機と新幹線の中で、申し訳ないけれど、疲労困憊/時差ぼけの頭で読みました。それでも読みきれる読みやすい作品です。
    多くの作品は女性を主人公に据えたしっとりした雰囲気の時代小説ですが、その中で「蝦夷松前藩異聞」は著者には珍しい歴史小説です。なかなかしっかりした構成で、重厚な雰囲気に出来上がっています。こんな小説も書くのだと驚かされました。

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    2017年11月10日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    かわせみシリーズに続けて髪結い伊三次。
    女性作家の捕物系連作短編シリーズ同士ということで、どうしても比較してしまいます。
    かわせみはさすがにマンネリ。軍配は髪結いの方ですね。
    主人公の深川芸者・文吉はちょっと伝法過ぎて私の好みからは外れるのですが、おこなという変わったキャラが出てきて楽しめました。

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    2017年11月10日
  • 室の梅 おろく医者覚え帖

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    副題が付いていたのでシリーズ物かと思ったのですが、どうやら1巻物のようです。
    おろく医者はどうも実在の職業ではないようですが、美味い設定ですね。不自然さが無く物語りに入っていけます。
    しかし、この作品は宇江佐さんにしては情感が低い作品です。確かにお杏と正哲の絡みの場面では、少し「らしさ」が出るのですが、全体にしっとりとした感じがありません。流石に大きな破綻は見せませんが、やや平俗な捕り物帳です。

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    2017年11月08日
  • うめ婆行状記

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    201710/作者の人柄をほうふつとさせるようなうめ婆のキャラ、他の女性陣も生き生きとしてて、面白かった。残念ながら未完の作品だけど、もやもやが残る中途半端な終わり方ではないので、気にならなかった。もっと宇江佐作品を読んでいたかったとは思うけども。

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    2017年10月28日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    知り合いから勧められて読んだ作品。シリーズもので、さっくり読めるよとのことでした。
    多分、シリーズを重ねる毎に登場人物の人物像とか愛着とかが増していくのだろうなぁと思いました。

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    2017年09月22日
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし

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    僕が普段本を読む時、その本のタイトルや作者や背表紙にある要約文などを見て、
    事前に、あぁこの本はミステリーだなとか純文学だなとか自己啓発本だなとか、本の概要をあらかじめ予想し得る状態で読み始めるのですが、
    この作品については、そういう事前予想をほとんどしない状態で読み始めた本でした。
    「卵のふわふわ」というタイトルから、
    最初は、「男の作法(池波正太郎・著)や「料理の四面体(玉村豊男・著)」の様に、料理をテーマにした作品でその料理を文章力だけで読者のお腹を空かせる様な表現で描かれた作品なのかな、
    とぼんやり考えた程度だったのですが、読んでみると江戸の下町の人情味にあふれた物語で思わず引き込まれ

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    2017年03月29日
  • 通りゃんせ

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    江戸時代へのタイムスリップものですが、行きついた先が 農村というあまりない設定です。 しかも、天明の大飢饉の年。過酷な農村の実態を目の当たりにしながら現代に戻る望みを捨てずに必死で生きる主人公の姿勢には好感は持てたけど、後半のさなさんのあたりの主人公には納得がいかなかったです。太助が戻ってきたことにも。
    現代の生活があるのはこうやって身を粉にして働いてきた人々のおかげなのですね。

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    2017年02月27日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    宇江佐真理さんは久しぶりに手に取る作家さん。デビュー作だそうだ。
    捕り物を題材にしているぶん、やりきれなさが残るのは致し方なし、なのかなぁ。
    この本を読んでいるときのわたしはたぶん、出汁のないお味噌汁を飲んじゃったときのような顔をしているに違いない。
    できれば、物語は読んでいてしあわせになるほうが好い。

    伊佐次とお文の恋の行方は、気になるといえば気になるが、まぁ上手くまとまるんだろうな、と思ってもいるので続きを読むかは微妙なところ。

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    2017年02月24日
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし

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    優しいおじいさんだなと思いました。
    あんなにこじれていた夫婦が、こんなにすんなりいくものなのかな、という疑問も残りました。

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    2016年09月07日
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―

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    201605/優しいだけじゃなく、時にはハッとするほど容赦ない結末だったりするのも宇江佐さんのすごさ。

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    2016年06月04日