宇江佐真理のレビュー一覧

  • なでしこ御用帖

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    ネタバレ

     「斬られ権佐」の孫、麦倉紺17歳の物語。宇江佐真理「なでしこ御用帖」、2012.9発行、連作6話。

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    2022年10月17日
  • 糸車

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    江戸・深川で独り暮らしをするお絹は、3年前までは
    蝦夷松前藩の家老の妻だった。お絹は商いを通じて
    町の人々と親交を深めるうちに、行方不明の
    息子と夫の死にまつわる噂を耳にして…。

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    2022年06月09日
  • 余寒の雪

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    2022年5月15日
    初期の作品なのかな。
    男まさりの知佐が騙し討ちのように江戸の祝言にやって来て、故郷に帰るすべもなく、居残りするほかない。
    そこでうまれる情。
    大女の大滝。容姿に似合わない女らしさ。
    幸せを掴むのに臆病な人たち。
    今現在も通じる心の機微。
    その世界で幸せ者が増えて嬉しい。

    武家ものの2篇は読みづらくて最後までは
    読んでいない。
    参考文献も書いてあり、解説にあった通り,実験的な作品なのだろう。
    かたくて、説明的で。
    町民と武士の違いなのか、町民の話の方が好き。

    2023年9月9日
    再読
    梅匂う、大女の大滝
    余寒の雪 男まさりの知沙
    で既視感。
    やはり読んでいたのね。
    やは

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    2022年05月16日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    昨年夏に、16冊(うち1冊はシリーズとは別の10年を描いた文庫書下ろしの長編とのこと)あるシリーズものと知りながら、手を出してしまった。シリーズものなので、一気に揃えて一気に読むのも1つなのだが、読みたい本が山積みで、シリーズ2冊目、ようやく読んでみた。前作から半年くらいたってしまったな、、、先は長そうだ(苦笑)

    今回は、始まって早々に、伊三次とお文が別れてしまうのか、とひやひやしたり、伊三次の子供の頃からの知り合いが亡くなったり、おみつが事件に巻き込まれたり。てんこ盛りと言うのか、せわしないと言うのか。
    でも、結婚ってなんなのだろう、お金ってどれくらいあれば人は安心できるのだろう、仕事とか

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    2022年02月16日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    時代小説のお薦めとして、時々目にしていた、髪結い伊三次捕物余話シリーズ。知ったのが、割と最近で、巻数としても多めなので、なかなか手を出せていなかったが、ようやくシリーズ1巻目を読んでみた。

    1話1話が短いので読みやすく、伊三次も不破もお文も魅力的で、2巻以降も読んでみようかな、と思っているところ。しかし、15巻あるとのことで、ちょこちょこ読んでいくつもりなので、先は長そう(苦笑)

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    2021年11月15日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    富岡八幡のことを深川八幡と言っているのが解せない。神社で深川の名前を付けても良いのは、深川神明宮だけのはずです。そして男名を付ける芸者は辰巳芸者でしょう。

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    2021年08月12日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    前から勧められていた、髪結い伊三次シリーズ。
    ようやく第1巻にいきあった。

    髪結いとしての確かな腕はありながら、師匠との諍いで店を飛び出した伊三次は、髪結い道具を持って客先で仕事をする廻り髪結い。
    深川芸者のお文とは良い仲だが、お文と所帯を持つまでの蓄えはまだない。
    髪結いのかたわら、同心の不破の手先として、市井の事件に関わる情報を集めている。

    現代風にいえば、地取り捜査と情報屋を兼ねている伊三次の物語には派手な立ち回りはなく、実際の捕物は同心の役回り。
    だからこそ、『捕物余話』なのだろう。


    宇江佐真理さんの他の短編集は読んだことがあったけど、シリーズもののせいか、物語の本筋よりも市井

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    2021年01月10日
  • 桜花(さくら)を見た

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    実在する人物を題材にした時代小説集。宇江佐真理の小説は初めてだったが、しみじみとさせられる落ち着いた雰囲気が時を感じさせて良い。次はもう少し軽いものを読んでみよう。

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    2020年05月23日
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし

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    登場人物、かなえ以外基本良い人

    おひでさんまじかよ

    たまご料理食べたくなる

    漢字が多くて読むに至らない自分の教養の無さを痛感

    昔設定の話だが、今も昔も通ずるところが多々ある

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    2020年03月01日
  • 斬られ権佐

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    純粋に(?)時代小説を手に取るのは、生まれて初めてだった。

    少年時代に好きだった漫画の原作ということで読んだ隆慶一郎(「一夢庵風流記」ほか)は、時代劇というより一種の冒険活劇。少年漫画のまんまの世界観だった。

    映画の原作だった「たそがれ清兵衛」(藤沢周作?山本正五郎?)は、筆者名すら自信をもって挙げられない。

    好きな作家が書いた時代劇、宮部みゆきやら佐々木譲やら百田直樹やらは当然面白かったけれども。

    時代小説を時代小説として選んで、購入したのは初めてだった。

    古書店の百円本コーナーで探し、なんとなくあらすじに曳かれただけで買った一冊だったが、思いのほか楽しく読めた。

    権佐の精々しい

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    2019年12月02日
  • 桜花(さくら)を見た

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    遠山の金さんのおとしだね。
    常磐津の死傷をしていた母の父なしごである英助は、亡くなる母親から、その証拠である守刀と印籠を持たされる。だが商家の手代となって、武家にはならない意思を持った英助は、一目だけ会いたいという夢だけ持つ。
    片足の障害を持ち出戻りとなった商家の娘。前から狩る愚痴を言い合える仲良しだった。真面目な仕事ぶりと、娘に対して偏見もなく、大事に思う英助を店主は出店を持たせてやろうとする。そこで娘は夢だけで終えるはずだった栄輔の望みを思わぬ方法で叶える。

    葛飾北斎が関係する2篇。
    筆屋の娘の恋心。

    北斎の娘の話。

    松前藩の家老でもある絵師の話など。。。

    情けが通う短編集。

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    2019年10月22日
  • 室の梅 おろく医者覚え帖

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    隅田川に女の水死体が上がった。これは自殺か、それとも・・・? 「死人はただ死に顔を晒しているだけじゃねェんだぜ。ちゃんとな、手前ェはこんなふうに死にましたと言っているのよ」 ・・・そう嘯くのは、容貌魁偉だがどことなく愛嬌のある江戸八丁堀の検屍医、人呼んで“おろく医者”美馬正哲。産婆の女房・お杏とともに殺しの痕跡を解き明かす!

    *
    なんてね、久しぶりに虚構を読みましたな。

    山で死んだ人を“おろく”というのはなぜ・・・なんてぇことを調べているうちにたまたま行き当たった本なんでござんすが、なかなか面白うござんしたよ。人物も立ってますし、時代の風俗や検屍の目のつけどころなんかもしっかと描かれており

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    2019年06月10日
  • 口入れ屋おふく 昨日みた夢

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    実家の口入れ屋に出戻ったおふく。助っ人女中として出向く奉公先のあらゆる事情を垣間見る。市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。
    宇江佐真理版『家政婦は見た!』。ただし上品さは本作が断然上である。現代も江戸の時代も、人間の欲望の先には金と権力。そして最低でも隣のあの人より上でいたいという優越感。人間の心の進化はない。シリーズ化される予定だったとか。作者の急逝が本当に残念です

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    2019年05月11日
  • 泣きの銀次

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    ネタバレ

    2019/4/21
    被害者を見て号泣する岡っ引きっていうのは素敵なんだけど、時々登場人物の感情について行けない場面があった。
    家族が毒殺されたのなんか、大事件の割には軽めに流された。
    おかん復活してるのすげぇ。
    嘆いてる場面もなく喧嘩とかしてるし。お芳追い出してるし。
    お家が大事やし、今より人の命が軽かったからかなぁとか思ったけどなんか肩すかし。
    こっちはモヤモヤしてるから一緒に先に進めなくて置いてけぼりやった。

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    2019年04月21日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次捕物余話シリーズ。

    伊三次とお文、不破友之進の世代から、最近は伊与太、龍之進、茜の世代に移ってきたシリーズだけれど、今作の六つの物語は久々に「伊三次」の「捕物余話」らしいエピソードだった。
    とはいえ、荒事などはない。
    若さ故の苛立ちもいつしか家族との幸せに洗われて、涙もろくなり、情に厚くなった伊三次に合わせるように、生前の姿を知る人々からの言葉や、店子同士の交流が、事件を解決する糸口になる。

    お文は相変わらずカッコイイ。
    離ればなれになった、伊与太と茜の心の行方が気になる〜。

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    2019年03月17日
  • 昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

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    亡き著者の人気シリーズ第14弾。人生の岐路に立つ若者たちの苦悩と葛藤。伊三次ほか先人たちは何を伝えることができるのか。
    宇江佐さんが亡くなって早くも三年が経つ。我が子のようにも思っていた伊与太ら子供たちも、すっかり大人である。親と子の関係も職業を持つ者としても、苦しみも悲しみも悩みどころも現代人と同じである。昔のCMの「みんな悩んで大きくなった」はまさにその通り。

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    2019年02月05日
  • 糸車

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    蝦夷松前藩の家臣だった夫が,内紛に巻き込まれ突然の殺された。その折、まだ12歳だった嫡男勇馬が、行方不明となった。その嫡男を探すため、裏店長屋に住むことになったお絹は,長屋の持ち主の小間物屋の行商をして生計を立てている。深川の暮らしもいつの間にかしっくりとして,そこに住む人々も好きになった。

    行商に歩くのは、一つは勇馬を探すため、、、。馴染みの客や、息子探しを手伝ってくれる同心。

    関わりあう人々との絆。

    淡い恋心。

    しっとりとした宇江佐ワールド。

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    2019年01月30日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

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    三人の息子はそれぞれ商売も順調で、家族にも孫にも恵まれている与平が主人公。
    そんな与平が、本人曰く「毒にも薬にもならない」、人の話をただ聞くだけという聞き屋なるものを始めた。
    終盤になって、そうせざるを得ない与平の過去が明らかになるというミステリー性も加味された心温まる時代小説。
    江戸情緒たっぷりなこのような小説も、新作はもう望めない。合掌。

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    2018年12月29日
  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    髪結い伊三次シリーズ。

    前作から一気に10年後に「ワープ」した物語。
    その理由は、作者あとがき参照。
    ワープという言葉も、既にやや古びてしまって、今の若者には通じないかもしれないと思いつつ…

    最近は伊三次やお文、不破友之進といなみの世代から、すっかりジュニア世代の龍之進たちが主役になって、フレッシュな読み心地になったと思っていたら…
    あんなに清々しく青少年をしていた龍之進が、茶屋に入り浸って若い芸者といい仲になっているとは!!!

    伊三次はすっかり大人の風格で、龍之進からは初めから仕事もできて美人の妻と可愛い子供達がいて、カッコイイ大人に見えているようだけれど、いやいや〜、シリーズが始まっ

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    2018年10月11日
  • アラミスと呼ばれた女

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    安政3年、肥前長崎。出島で働く父から英語や仏語を習う10歳のお柳。「うち、お父ちゃんのように通詞になりたかとよ」。女人禁制の職に憧れる幼いお柳の運命は、釜次郎、のちの榎本武揚との出会いによって大きく変わっていく。攘夷運動、大政奉還から戊辰戦争へ。激動の時代に消えた1人の「男装」の通詞。

    ラジオ(BOOK BAR)で紹介されていて、気になったので読んでみた。

    時代が大きく変わる中で、フランス語の通訳として男たちを支えた女性の話。
    1つの秀でた才能、自分の武器と言えるものがある人は強いと思う。
    歴史に疎いので、細かな情勢の描写はすっ飛ばして読んだが、それでも十分楽しめた。
    長崎に縁があるので、

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    2018年08月10日