宇江佐真理のレビュー一覧

  • 室の梅 おろく医者覚え帖

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    隅田川に女の水死体が上がった。これは自殺か、それとも・・・? 「死人はただ死に顔を晒しているだけじゃねェんだぜ。ちゃんとな、手前ェはこんなふうに死にましたと言っているのよ」 ・・・そう嘯くのは、容貌魁偉だがどことなく愛嬌のある江戸八丁堀の検屍医、人呼んで“おろく医者”美馬正哲。産婆の女房・お杏とともに殺しの痕跡を解き明かす!

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    なんてね、久しぶりに虚構を読みましたな。

    山で死んだ人を“おろく”というのはなぜ・・・なんてぇことを調べているうちにたまたま行き当たった本なんでござんすが、なかなか面白うござんしたよ。人物も立ってますし、時代の風俗や検屍の目のつけどころなんかもしっかと描かれており

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    2019年06月10日
  • 口入れ屋おふく 昨日みた夢

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    実家の口入れ屋に出戻ったおふく。助っ人女中として出向く奉公先のあらゆる事情を垣間見る。市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。
    宇江佐真理版『家政婦は見た!』。ただし上品さは本作が断然上である。現代も江戸の時代も、人間の欲望の先には金と権力。そして最低でも隣のあの人より上でいたいという優越感。人間の心の進化はない。シリーズ化される予定だったとか。作者の急逝が本当に残念です

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    2019年05月11日
  • 泣きの銀次

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    ネタバレ

    2019/4/21
    被害者を見て号泣する岡っ引きっていうのは素敵なんだけど、時々登場人物の感情について行けない場面があった。
    家族が毒殺されたのなんか、大事件の割には軽めに流された。
    おかん復活してるのすげぇ。
    嘆いてる場面もなく喧嘩とかしてるし。お芳追い出してるし。
    お家が大事やし、今より人の命が軽かったからかなぁとか思ったけどなんか肩すかし。
    こっちはモヤモヤしてるから一緒に先に進めなくて置いてけぼりやった。

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    2019年04月21日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次捕物余話シリーズ。

    伊三次とお文、不破友之進の世代から、最近は伊与太、龍之進、茜の世代に移ってきたシリーズだけれど、今作の六つの物語は久々に「伊三次」の「捕物余話」らしいエピソードだった。
    とはいえ、荒事などはない。
    若さ故の苛立ちもいつしか家族との幸せに洗われて、涙もろくなり、情に厚くなった伊三次に合わせるように、生前の姿を知る人々からの言葉や、店子同士の交流が、事件を解決する糸口になる。

    お文は相変わらずカッコイイ。
    離ればなれになった、伊与太と茜の心の行方が気になる〜。

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    2019年03月17日
  • 昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

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    亡き著者の人気シリーズ第14弾。人生の岐路に立つ若者たちの苦悩と葛藤。伊三次ほか先人たちは何を伝えることができるのか。
    宇江佐さんが亡くなって早くも三年が経つ。我が子のようにも思っていた伊与太ら子供たちも、すっかり大人である。親と子の関係も職業を持つ者としても、苦しみも悲しみも悩みどころも現代人と同じである。昔のCMの「みんな悩んで大きくなった」はまさにその通り。

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    2019年02月05日
  • 糸車

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    蝦夷松前藩の家臣だった夫が,内紛に巻き込まれ突然の殺された。その折、まだ12歳だった嫡男勇馬が、行方不明となった。その嫡男を探すため、裏店長屋に住むことになったお絹は,長屋の持ち主の小間物屋の行商をして生計を立てている。深川の暮らしもいつの間にかしっくりとして,そこに住む人々も好きになった。

    行商に歩くのは、一つは勇馬を探すため、、、。馴染みの客や、息子探しを手伝ってくれる同心。

    関わりあう人々との絆。

    淡い恋心。

    しっとりとした宇江佐ワールド。

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    2019年01月30日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

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    三人の息子はそれぞれ商売も順調で、家族にも孫にも恵まれている与平が主人公。
    そんな与平が、本人曰く「毒にも薬にもならない」、人の話をただ聞くだけという聞き屋なるものを始めた。
    終盤になって、そうせざるを得ない与平の過去が明らかになるというミステリー性も加味された心温まる時代小説。
    江戸情緒たっぷりなこのような小説も、新作はもう望めない。合掌。

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    2018年12月29日
  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    髪結い伊三次シリーズ。

    前作から一気に10年後に「ワープ」した物語。
    その理由は、作者あとがき参照。
    ワープという言葉も、既にやや古びてしまって、今の若者には通じないかもしれないと思いつつ…

    最近は伊三次やお文、不破友之進といなみの世代から、すっかりジュニア世代の龍之進たちが主役になって、フレッシュな読み心地になったと思っていたら…
    あんなに清々しく青少年をしていた龍之進が、茶屋に入り浸って若い芸者といい仲になっているとは!!!

    伊三次はすっかり大人の風格で、龍之進からは初めから仕事もできて美人の妻と可愛い子供達がいて、カッコイイ大人に見えているようだけれど、いやいや〜、シリーズが始まっ

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    2018年10月11日
  • アラミスと呼ばれた女

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    安政3年、肥前長崎。出島で働く父から英語や仏語を習う10歳のお柳。「うち、お父ちゃんのように通詞になりたかとよ」。女人禁制の職に憧れる幼いお柳の運命は、釜次郎、のちの榎本武揚との出会いによって大きく変わっていく。攘夷運動、大政奉還から戊辰戦争へ。激動の時代に消えた1人の「男装」の通詞。

    ラジオ(BOOK BAR)で紹介されていて、気になったので読んでみた。

    時代が大きく変わる中で、フランス語の通訳として男たちを支えた女性の話。
    1つの秀でた才能、自分の武器と言えるものがある人は強いと思う。
    歴史に疎いので、細かな情勢の描写はすっ飛ばして読んだが、それでも十分楽しめた。
    長崎に縁があるので、

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    2018年08月10日
  • おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語

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    江戸の町の堀を舞台に、町人から武士まで、悲喜こもごもの人情を鮮やかに映し出す時代小説集。
    江戸時代、生活に密着していた堀。物質を運搬するだけでなく、人の心を時にはなだめ、時には悲しみを流していた。出会いがあれば別れもあり、時が過ぎ行くように、情も良くも悪くも静かに流れる。

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    2018年07月25日
  • 月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話

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    なんとなくひといき、といった感じの、物悲しさが
    あった一冊。
    手の届かない月なんて、誰のでもないのに。

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    2018年07月07日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    髪結い伊三次シリーズ、その2。

    こつこつと貯めてきた金を盗られ、力を落としていた伊三次に、思わぬ殺しの疑いが。
    詮議が甘くならぬよう、伊三次を同僚の緑川に委ねた不破。
    嫌疑は晴れたものの傷ついた信頼は戻らず、伊三次は不破の手下として働くことも、髪結い仕事も断ってしまう。

    また一方、芸は一流ながら、財力のある旦那がいないために芸者として見劣りしていると伊勢屋に看破され、傷つく文吉。
    下心なしに世話をするという伊勢屋の言葉に、援助を受ける。

    それを知った伊三次は、お文にも裏切られたと思い、別れを告げる…


    本作は、傷ついた信頼と裏切り、自らがまねいた孤独に苛まれる伊三次とお文。
    ううう〜〜

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    2018年05月24日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    髪結い伊三次シリーズ、その3。


    やっぱりね…という感じで、文吉に執心の伊勢屋が再登場。
    タイトルから、深川の人々からスッパリ縁を切らなければならない事態になるのかとはらはらしていたが、そこまでではなく、むしろ伊三次とお文にとっては土砂降り降って地固まる顛末。

    読むペースが先行して、感想書き忘れてた。

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    2018年05月24日
  • さんだらぼっち 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次シリーズ、その4。
    お文の住まいが放火で焼け落ちた事をきっかけに、ようやく伊三次とお文は夫婦となり、長屋で暮らし始めたところから始まる。


    物語が長くなるにつれて、ふたりのまわりの人々、お文の家で女中をしていたおみつや、不破の息子龍之介、掏摸の直次郎など、物語を彩る深川の人々も様々に成長し、変化していく。

    伊三次も、これまではお文のことや、不破の手先として働くことに引け目を感じては悶々としたりしていたが、そのあたりのことを消化して、男っぷりが上がっている感じ。
    その主役よりもさらに、お文がイイねぇ!気っ風の良さに加えて、意外なところで小娘のように純ないじらしさが、一際魅力的だっ

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    2018年05月24日
  • うめ婆行状記

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    2015年に亡くなられた宇江佐真理さんの遺作にして最後の長編時代小説。
    人生に同じ日はない。楽しいこと嬉しいこと、悲しいこと悔しいこと、全部含めて人生である。家族とは、良いことは共有して悪いことは分散できる有難いもの。うめは家族を捨てたのではなく、堅苦しい武家社会に反抗したかったのだろう。

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    2018年05月20日
  • 雨を見たか 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    2017/2/23
    シリーズ7作目。
    あとがきにもある通り龍之進多め。
    私としてはそっちに行くか~だな。
    龍之進まわりはちょっとでいいのに。
    自分が年食ったからだね。わかってます。

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    2018年03月04日
  • 深川恋物語

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    宇江佐さん初読み。なんか不思議な感覚。すーっと流れていく。もう少し引っかかるものがあってもいいかも。 好みは、「がたくり橋は渡らない」「さびしい水音」「仙台堀」。

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    2018年02月06日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    主人公の伊三次、恋人の深川芸者のお文、八丁堀同心の不破。3人のキャラクターで読ませる作品です。
    ミステリーとしての出来と言う目で見れば良くないと思います。最初は捕物として読み始めたので、チョッと肩透かしを食った気がしました。しかし読み進めるうちに、事件は単なる背景で、主題はいわゆる”人情物”だと判りました。その目でみれば、中々の作品です。特に最後の2編は気に入りました。
    ただ、どこと無く女性向けという感じは否めません。

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    2017年11月16日
  • 泣きの銀次

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    始めの話の持っていき方が、ミステリー・謎解きの感じだったのですが、その面では期待しない方が良いでしょう。人情物という見方が正しいと思います。
    まずは銀次とその恋人のお芳(岡引・弥吉の娘)のキャラクターですかね。泣きというキャラクターは新鮮ですし、お芳は宇江佐さんらしい、おきゃんな娘です。あと、強面の同心とその息子のやり取りも良いですね

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    2017年11月16日
  • 余寒の雪

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    出張帰りの飛行機と新幹線の中で、申し訳ないけれど、疲労困憊/時差ぼけの頭で読みました。それでも読みきれる読みやすい作品です。
    多くの作品は女性を主人公に据えたしっとりした雰囲気の時代小説ですが、その中で「蝦夷松前藩異聞」は著者には珍しい歴史小説です。なかなかしっかりした構成で、重厚な雰囲気に出来上がっています。こんな小説も書くのだと驚かされました。

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    2017年11月10日