宇江佐真理のレビュー一覧

  • 君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    シリーズ6作目。同心・不和友之進の息子で、見習い同心になった龍之進の話を中心に進む。伊三次の出番が少なくなったのはちょっと寂しいけど、龍之進とあぐりの話は良かったです。あぐり、騙されてるぞ!お嬢様だからなあ・・・って。龍之進、強くなれ!

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    2011年06月08日
  • さんだらぼっち 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    お文は激しい気性だなあ・・・と再認識させられたこの巻。でも、折檻された子供を前におんどりゃああ!って気持ちも、後に引けない気持ちも良く分かる。今回の離れ離れは前と違って、読者もちょっとだけ安心して見てられるのが、2人の関係性を丁寧に積み上げて来た著者の力量かな。直次郎もなんだか切ないよね。良い方向にいきかけたのに・・・。ここには人生がつまってる。そんな一冊。

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    2011年06月08日
  • 余寒の雪

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    短編集。
    平成7年にデビュー後、3年間連載したという初期のもの。
    作者の地元・函館に近い松前藩の記録を元にしたものなど、かっちり描かれています。
    松前藩は日本最北の藩だそう。
    松前藩に忠誠を誓うアイヌ12人の「夷酋列像」という絵があり、見事な絵だが、実像とは違うという説もあり、いつか取り上げたいと思っていたとのこと。「蝦夷松前藩異聞」という作品にまとめた。

    「藤尾の局」は商家の後妻になって、なさぬ仲の息子達の狼藉に悩まされる女性。
    末娘がなぜ怒らないのかと話を聞くと、大奥奉公で苦労した経験があり、それに比べれば大したことはないから、と。その時一度だけやり返したが、実は後悔が残ったのだという。

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    2011年06月19日
  • 泣きの銀次

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    妹の死をきっかけに、江戸の大店の跡取りの地位を捨て岡っ引きになった「泣きの銀次」が主役の長編。あまり厚くない本でもあり、さらさらり〜っと読めました。捕り物を中心とした人情噺ですが、市井のいろんな職業のヒトビトが登場して、いつものようにとても面白いお話でした。「伊三次シリーズ」とはまた少し趣の異なるカンジで、なかなか良いです。「続」もすでに手元にあるので、楽しみであります。むひひ。

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    2011年09月26日
  • さんだらぼっち 髪結い伊三次捕物余話

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    人気の「髪結い伊三次捕物余話」4作目。
    流れるような文体で、時代色たっぷりなのに、わかりやすい。

    前作でお文の家が火事になって焼け出され、やっと夫婦になった伊三次とお文。
    深川芸者の文吉として鳴らしたお文に長屋暮らしは無理があったが、お文のほうも、すぐ引っ越したいとは言わなかった。
    長屋のおかみさん連中は皆よってたかって、炊事の面倒まで見てくれたのだ。
    ところが、思いがけない事件の余波で、お文は長屋を飛び出すことに…
    これっきりになってしまう仲ではないけれど、ここは自分の居場所でなかったと道に立ち尽くすお文の心情が哀しい。

    伊三次が手伝いをしている奉行所の不破が「お文に無理をさせたんじゃな

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    2011年05月25日
  • おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語

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    かつて江戸の街のあっちこっちにあった「堀」にまつわる人情噺の短編集。宇江佐センセはホントは江戸のヒトに違いない!と思うほどの、相変わらずの風景描写の濃さ。こういうモノを書かせたら、まず間違いないですね。キーワードは、血はつながってないけどそれ以上のつながりを感じさせる家族。かな?

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    2011年09月26日
  • あやめ横丁の人々

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    あやめ横丁に匿われた旗本の三男坊。徐々に町の暮らしに馴染む姿は微笑ましいが、あやめ横丁に住む人々の過去はとても悲しい。「あやめ」の云われもショッキングだが、プロローグに人生の儚さを感じる。宇江佐さんの巧さにはいつも感服します。

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    2011年04月13日
  • 我、言挙げす 髪結い伊三次捕物余話

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    シリーズの・・・・・何作目だったっけ?今回もジュニア世代の活躍が目立ちますが、従来のシニア(?)世代もまだまだ主役で頑張っています。そんなこんなで読み進めたところ、最後の最後で・・・、なんとゆうことでしょう!そりゃーヒドイよ、宇江佐センセ!とゆうラストで今回は幕を閉じます。コレを読んでる今のご時世と照らし合わせ、何ともフクザツな思いがします。まあ、これをお書きになっている頃には、2011年の日本がこんなことになってるとは思いもしなかったのでしょうが。でも、そんな中でも強く生きようとする人々の姿もあり、ちょっと救われました。また続編をお待ちしております。

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    2011年09月26日
  • 三日月が円くなるまで 小十郎始末記

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    江戸時代を選んで書いているのは、名もない一人の庶民と自分が繋がっているかも知れない、という思いからだと著者の宇江佐さんは語っているそうです。また、今の時代の便利さやスピードに対する疑問からともおっしゃっているそうです。

    今の時代、スマートフォンなどが登場し、どんどん便利になり、さまざまなものの流れが速くなっています。

    人と人との関係も、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアがコミュニケーションに欠かせなくなりつつあります。情報の伝播力はすさまじく、中東では革命に一役買っていたという。

    ネットを中核にしたコミュニケーションの領域には、もはや国境は見当たりません。

    今回の

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    2011年03月25日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次と深川芸者のお文のシリーズ3冊目。
    粋な江戸下町の情緒と、不運や罪にまみれつつも繋がりゆく人の縁。
    「因縁堀」
    廻り髪結いの伊三次は、北町奉行所の同心・不破友之進の小者(手先)もつとめていたが、前作で不破から離れる。
    その後も、不破の妻のいなみの危機を救う急場にひそかに駆けつけたりと、関わりもあったが、元に戻る決心はつかなかった。
    お文が女掏摸に財布をすられ、そのやり口が地元の者ではないと気づく伊三次。
    岡っ引きの増蔵がその女と何か関わりがあるらしい?
    「ただ遠い空」
    お文の女中のおみつは結婚が決まっている。
    お文を慕い、後が決まらないと辞められないというおみつ。
    そんな所へ、事件

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    2011年02月07日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次シリーズの3作目。今作でも、登場人物さんたちが、みんないい仕事をしています。不破のダンナもかっこいいとこ見せてます。しかし、あの材木屋の陰湿で意地悪なこと!そんなこんなで、このシリーズに2年越しでハマっておりまする。

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    2011年09月26日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    本業は髪結いで、岡っ引き的な副業を持つ伊三次が主人公の、時代モノ連作短編集。宇江佐センセの作品に初めて手を出してみましたが、長く続いているシリーズものなので、まずは間違いなかろうと思い読んでみました。江戸情緒というか風情というか、なかなか心地よく面白いです。最初の方の話では、少しばかりギクシャクしている印象もありはしましたが、話が進むにしたがって登場人物同士がスムーズに絡み合って、なんともいい味わいです。んで、主役の脇を固める人物たちが、これまた良いですなぁ。こりゃ長く続くわけだ。うん。

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    2011年09月26日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    シリーズ2冊目。
    江戸時代に生きていたの?と思うような自然な書きっぷり。
    芸者と間夫という仲の文吉と伊三次。
    廻り髪結いの伊三次は、同心の不破の髪を毎朝結いに行き、時おり手伝いもしていました。
    伊三次は貯めておいたお金を盗まれて店を持つ夢が遠のき、所帯を持ちたいと思いながらも、文吉こと、お文にはっきりしたことを言えずにいます。
    深川芸者で自前で出ている文吉には、ふたたび旦那の話が。
    張り合う芸者より着物がみすぼらしいと比較された文吉は、思わず…
    二人の間には危機が。
    一方、伊三次はたまたま昔のご贔屓の所に立ち寄った後で、老人が殺され、思わぬ強盗の疑いを掛けられてしまいます。
    不破はかばいきれず

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    2010年11月24日
  • アラミスと呼ばれた女

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    通詞の娘で長崎で育った女性・田所柳が子供の頃から語学に興味を持つ。
    父はもとは職人だったが、オランダのカピタンがみやげにする櫛や簪などを買いに来る店だったためにオランダ語を覚えたのが評判となり、通詞として認められ、幕府から長崎に派遣される。
    安政三年、お柳が10歳の時から始まります。
    お柳は特にフランス語に堪能で、女だてらに通詞になるのが夢。出島に出入りできる女性は遊女のみなので当面は無理だったのだが。
    父を認めてくれていた榎本の御前の息子・榎本釜次郎(武揚)と幼なじみだったという。
    釜次郎が海軍伝習所に2年学んでいた間、休みには家に来る関係だった。
    父を亡くした柳は江戸に戻り、母親と二人で生

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    2010年11月13日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

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    お店を息子に任せ隠居した与平は五と十のつく日に、ただ人の話を聞く、という聞き屋を開いている。
    お客が話す内容は様々で、人間とはこんなにもたくさんのことを身の内に抱え込んでいるのかと改めて思い知らされた。
    聞き屋の客が話す秘密や愚痴、聞く側の与平が抱える秘密が丁寧に描かれてラストはじんわりとした優しさがあふれてくる一冊。

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    2014年01月21日
  • 三日月が円くなるまで 小十郎始末記

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    藩主の敵討の手伝いをすることになった刑部小十郎。父親の伝手を頼って江戸市中の借家に住まうことになる。その大家であり古道具屋「紅塵堂」の娘・ゆたとふたりは互いに惹かれあう。周囲に翻弄されつつ不器用に生きるふたりを中心とした青春時代小説。
    * * *
    この話は別のお話『銀の雨』と設定を共有しています。『銀の雨』に出てきたゆたがヒロイン。正直、『銀の雨』を読んでいると、あのゆたが恋なんて(笑)と思ってしまいます。ごめんなさい。
    もどかしいような切ないようなそんなお話です。主人公が藩に仕える武士で(嫌々ながらも)仇打ちの為に奔走する為、かなり武士について踏み込んでいるかなと思います。
    個人的に賢龍のそ

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    2010年07月09日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    作家さんとの文章の相性というものがあるとすれば、きっと私はこの作者さんと合うのだと思う。読みやすいのもあると思うが、読んでいてとても気持ちがよい。他の作品も読みたくなった。

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    2010年06月11日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    等身大の伊三次がいる。
    我慢がならず上役に楯突いたり、でも情で動いたり男気があって。

    新作で買った本が山積みなのに、この伊三次シリーズの再読を優先してしまっている。

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    2010年06月10日
  • アラミスと呼ばれた女

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    タイトルから想像するのはハードボイルドだが、内容はまったく違って、幕末のフランス語の通訳を(男装して)務めた女性の話だった。
    そういう人物がいたことは史実らしいが、内容はフィクションとのこと。
    榎本武揚との一生をかけた恋模様が長崎弁で語られるのが、なんだか心に沁みる。

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    2011年05月07日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    やっぱりアベレージが高いですね。
    この巻の最後は、すごい大きい転換になっているのかな?次を読まないとわからない。次も続けて読んでみようかしら。

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    2010年04月20日