あらすじ
婿入りの祝言(じゅうげん)の席上、妻に思い人のあることを知った大身旗本の三男坊、紀藤慎之介。逆上して間夫(まぶ)を斬り捨て、妻女を自害に至らしめた彼は、婚家のつけ狙うところとなり本所「あやめ横丁」に匿(かくま)われる。だが堀に囲まれたこの町ときたら、場所も住人もみな何やら訳ありで……。練達の筆がさえる長編時代小説。(講談社文庫)
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原田康子「海霧」に続く新聞小説とのこと。宇江佐真理「あやめ横丁の人々」、2006.3発行、文庫。連作10話、455頁。旗本三男紀藤慎之介25歳とあやめ横丁の町娘伊呂波17歳のラブストーリーと言っていいと思います。読み応えがありました。ハッピーエンドで終わらないのは辛いですが、小説とはそういうものかもしれません。記憶に残る作品になりそうです!
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あやめ横丁の由来が花の名ではなく人を殺めるだったのは、予想もしていなかった。初めて聞く言葉がいくつも出て来て、どんどん引き込まれていった。10年後の結末は悲しさ半分、教え子の成長に希望が有り救われた。
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主人公の慎之介が精神的に大人になっていく物語。事件の多くは現代にもよくある悲しい話。登場人物の全てが切ないが、手習いの子供たちがまともに成長してくれたことが救いだ。
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やむを得ぬ理由で人を切ってしまった、主人公である旗本の三男が、ほとぼりが冷めるまで匿われることになった「あやめ横丁」に暮らす人々を描いた長編。うーむ、「あやめ」という言葉には別の意味があったのだなぁ。深い・・・・・。
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「あやめ横丁」の由来には本当に驚きました。切ない切ないお話です。が、人と繋がるのは悲しいこともあるけど、やはり人と繋がらなくては生きていけないのだなぁ・・・ということをサラッとした感覚で読ませる・・・スゴイ本です。
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解説とあとがきを読むのが好きなので、たまに本編の前にちらっと目を通す事がある。
今作に関しては本当にしくじった。
著者は題名をつけるのが巧いなー。
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おもしろいっ
史実的にこの『あやめ横丁』のような町が
存在したのかどうかは甚だ疑問だけれど、
物語的にはひきつけられる魅力満載。
登場人物の切ない想いがひしひしと伝わり
ところどころで涙涙。
もちろんこれは作者である宇江佐氏のメッセージであり・・・
またこの作品が新聞に連載されていたことにも
感慨深いものがあり・・・・
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うっかり映画より先に読んでしまいました。
わがまま(というか良くも悪くも武家社会で育ってきた)若様が町屋暮らしに馴染んでいく流れは秀逸。
最後はちょっと切ないです。
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2024/7/6
侍は嫁もらって女の子は生涯独身のまま火事で死んだんか。
って結末だけ書くとなんやそれ!やねんけど、読後感はそれだけじゃないんよ。
やりきれない感じもあるし、仕方ないという諦めもあるけど、あっぱれな感じさえあるのよ。
もらった嫁がいいしな。
あのまま親分の跡を継ぐのかと思ったし、その方が物語としてハッピーなんだけど簡単に終わらせないとこが小憎らしいよな。
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時代小説というよりファンタジー捉えて欲しいとあとがきで作者がいうように、江戸時代の人情物語を少しふんわりとした感じか。元々新聞の連載小説ということで少しずつ楽しめて、それでも最後は少々ドキドキするような仇討ちもあり。
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著者自身、あとがきで「時代小説というよりファンタジー」と言っているように、そんな馬鹿な、といったストーリーです。でも、そうはっきり割り切っているからでしょう、なかなか面白く読めます。そこいらは著者の力量でしょうね。
もう一つ、なんか読んでいていつもと雰囲気が違うと思ったのは、この作品が新聞小説として書かれたものだからのようです。連作短編のように、小さな盛り上がりが多数有って、その代わりに大きな盛り上がりは少ないのです。
余りしっとりした感じは無いですが、まずまず良く出来た時代小説でしょう。
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祝言の席で妻を奪われ逆上して、男を切り殺した紀藤慎之介
婚家に命を狙われ「あやめ横丁」に逃げる。
慎之助を匿う宇治屋の一家をはじめ、あやめ横丁にいるのは訳ありな人々ばかり…
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あやめ横丁に匿われた旗本の三男坊。徐々に町の暮らしに馴染む姿は微笑ましいが、あやめ横丁に住む人々の過去はとても悲しい。「あやめ」の云われもショッキングだが、プロローグに人生の儚さを感じる。宇江佐さんの巧さにはいつも感服します。
Posted by ブクログ
祝言の日に妻の想い人を斬った為、妻の実家から命を狙われる羽目になった主人公があやめ横丁で匿われる話。
色々な人と接するにつれ自分の犯した罪や他人を思いやる気持ちをを学んでいく話。あやめ横丁で相思相愛になった娘とは、結局旗本へ復帰する際に別れることとなる。