宇江佐真理のレビュー一覧

  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

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    時代は変われど、人が生きていくための心構えは変わらないと考えられている宇江佐真理さん。
    時代小説によくある長屋暮らしのお節介やめっぽう強い善人な主人公が悪を懲らしめスカッとする話ではない。
    日々の暮らしの為に働き、隣人や家族を愛し、心配し、我が子の成長を楽しみに生きていく。そんなごくありふれた日常に焦点を置いている。それは現代に生きる私達の姿と変わらない。
    派手なアクションや笑いや涙ありと言った類ではなく読んでいて心にスッと入ってきて心地が良い作品です。

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    2025年11月08日
  • ウエザ・リポート

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    宇江佐先生の作品はどれも日常がしっかり書かれていて好き。その理由がエッセイから垣間見えた気がした。宇江佐先生のような作家になりたい。

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    2025年10月23日
  • 日本橋本石町やさぐれ長屋

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    ネタバレ

    長屋を舞台にした連作短編。「みそはぎ」の話で、隣の男に勝手に「お前は俺の嫁」みたいな感じで決めつけられ、男の母親まで「嫁になるんだから」と洗濯物を押し付けられるシーンがホラーだった。

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    2025年08月26日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

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    江戸を舞台とした物語を読んだのは、2作目で、この物語ではじめて宇江佐真理氏という作家さんを知りました。人の話を聞くということをする与平。自身には、人には言えない過去の経験がある。人情物語のようだが、サスペンスの要素もあり、最後まで、吸い込まれるように読みました。江戸言葉を調べながら読むので、進みは遅かったですが、その分、読み終わった時は、読んだ達成感がありました。

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    2025年08月06日
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―

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    内容(ブックデータベースより)

    浅草は田原町で小さな古着屋を営む喜十は、北町奉行所隠密廻り同心の上遠野(かとの)のお勤めの手助けで、東奔西走の毎日。店先に捨てられていた赤ん坊の捨吉を養子にして一年、喜十の前に、捨吉のきょうだいが姿を現した。上遠野は四人の子どもも引き取ってしまえと無茶を言うが……。日々の暮らしの些細なことに、人生のほんとうが見えてくる。はらり涙の、心やすらぐ連作人情捕物帳六編。

    令和7年4月17日~21日

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    2025年04月21日
  • 雷桜 新装版

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    ネタバレ

    すごく面白くて読み応えがあって、切なくて悲しい物語だった。主人公?の遊のさっぱりした素直な物言いが素敵で、話し方が好き。嘘も言わない、自分の気持ちをはっきりと相手に伝えるし、案外相手のことも気遣う優しさがあるし。自分の道を行くのもかっこいいと思う。遊が実母と梅を付けている時に、実母に対して思ってる好意を言うシーンが何度読んでも泣ける。良い子なのに、別に連れ去られて山育ちで狼女みたいな姿、言動なのは遊のせいじゃないのに。育ての親が遊を思っていたというのが出てくるシーンも泣ける。殿とのシーンも切なくて泣ける。2人一緒に暮らせたら幸せだったろうに。でも、不幸せでもないんだろうけど。遊がどう過ごして死

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    2025年02月21日
  • 深川恋物語

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    権威ある新人賞を受賞した作品であることが頷ける珠玉の物語の数々。若い頃に読んでも良いが、今の還暦直前に読むのも味があって良かったと思う。自分未だに読書はあまり好きではないが、読書に対する考えが一変するような素晴らしい作品に出会えて本当に嬉しい。

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    2024年12月02日
  • 名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    惜しくも逝去した著者の大人気シリーズ最新刊

    伊三次の息子、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜。だが彼女の奉公先、松前藩の若君も茜に好意を持ち始めていた。人気シリーズ12巻。

    令和6年10月20日~27日

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    2024年10月27日
  • 大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ

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    ネタバレ

    やっぱり宇江佐さんの話はいいなぁ。
    平野屋、清兵衛が自身の病をきっかけに幼なじみ甚助に連れられた百物語の会。
    怖い話を聞いて、受け入れて死の恐怖をなくそうというのだが、この会の話が絶妙に怖い。
    じわっと、ふと怖くなる感じ。
    日常に近いところにふとある見たら引き返せない暗い穴に気づいたような感じ。
    ただの百物語が続くと思いきや、彼ら自身が不思議な事象に遭遇していく。
    菓子屋の主人の話は怖かったなぁ。
    救いがない。
    物語は予想外の結末で、最後までぞくっとしてしまった。

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    2024年10月21日
  • 心に吹く風 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    大人気シリーズ、10巻に到達!

    絵師の修業に出ていた一人息子の伊与太が、兄弟子と喧嘩をして実家に帰ってきた。伊三次とお文の心配をよそに伊与太は働きだすが…。

    令和6年10月10日~11日

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    2024年10月11日
  • 雨を見たか 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)


    伊三次とお文は伊与太の成長が一番の楽しみ。不破の息子、龍之進は同心見習いとして無頼派の調べに奔走。

    令和6年9月27日~30日

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    2024年09月30日
  • 君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    伊三次が仕える不破の息子、龍之進が元服して見習い同心になり、朋輩たちと「八丁堀純情派」を結成。本所の無頼派と対峙した。


    令和6年9月16日~18日

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    2024年09月18日
  • 深川恋物語

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    短編集で、しかも江戸物で、こんなにも心を動かされたのは初めてでした。切ないのに仄かな暖かさがある不思議な心持ちになりました。

    江戸は深川を舞台にした6つの切ない恋物語が収められた本作。江戸期では埋立地として木材問屋や蔵があり、船が行き来する深川。

    そんな深川の情景が想像しやすく、また当時の人々の風俗をまるで見てきたかのような自然さで描かれていました。
    そのためにより物語に没入でき、当時の人々も貧しさや人生について悩み、こんな風に心をキュッとしたのかもしれないと感じました。

    個人的に『がたくり橋は渡らない』がお気に入りです。若い花火師が自身を裏切った女性と心中しようとし、女性のお隣さんに諭

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    2024年09月13日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    伊三次と縒りを戻したお文に執着する伊勢屋忠兵衛。袖にされた意趣返しが事件を招き、お文の家は炎上した――。急展開の第三弾!

    令和6年9月1日~3日

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    2024年09月03日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)


    伊勢屋の旦那からの申し出に心揺れるお文。廻り髪結いの伊三次との心の隙間は広がってゆく。そんな時、伊三次に殺しの嫌疑が……

    令和6年8月28日~30日

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    2024年08月31日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    町方同心の下で働く伊三次は、事件を追って今日も東奔西走。江戸庶民の人間関係をきめ細かに描いた珠玉の五話。オール讀物新人賞

    令和6年8月14日~17日

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    2024年08月17日
  • 十日えびす〈新装版〉

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    江戸の街中、飾職人の後妻に入って間がない八重が亭主を失くすところから話が始まる。
    前妻の末娘と暮らし、小間物屋でやりくりする八重に、義理の長男夫婦からの無心、迷惑な隣人との諍い、と次から次へと揉め事が起きる。
    裏店で自分の始末をきちんとして、誰にも迷惑をかけずに亡くなっていった老女にも、出ていった育ての娘が遺産目当てにやってくる。
    江戸時代が終わってから200年という月日が流れても人の生活周りはなんら変わってない。
    そして…小さな幸せが訪れそうな気配の先に、取り返しのつかない不幸が待っている。
    宇江佐真理の本は手放しで幸せにはしてくれない。
    それでも人は前を向いてどうにか生きていくのだと、諭さ

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    2024年02月11日
  • 日本橋本石町やさぐれ長屋

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    『やさぐれ長屋』とも呼ばれている弥三郎長屋に住む人達のすったもんだ、いろいろな人情物語。遠くの親戚より近くの他人、そんなことわざがぴったりな長屋なのである。噂好きもお節介な人も理屈っぽく面倒くさい人も役者は勢揃い。それぞれに事情を抱えて、助けたり助けられたり。生活の音が、井戸端会議の話し声が、子供達の笑い声が聞こえてきそうな。

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    2023年12月22日
  • 日本橋本石町やさぐれ長屋

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    慶次が好きでずーっと読んでて、亡くなった。書店から一気になくなったのが衝撃的、どうして何だよ。本は永遠に残るのに。何年か振りで新刊出ました。長屋、色んな家庭があって江戸の助け合う暮らしが見られてよかった。何度でも読み返した慶次をまた始めようかな

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    2023年11月01日
  • 深尾くれない

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    かやの章とふきの章とまるで印象が違うと思った。かやが首を斬られた所からずーっと角馬を腹正しくて、何を偉そうに人の生殺与奪を語るのか、武士がそんな偉いのか、武士なんか存在する意義も意味もないのに、そこから間違いだと思い、離縁状で済むのに。ふきの章で娘の無念を晴らす角馬に賛同する自分もいたのかです。流儀が事細かに書かれていて歴史教科書に思えて、また角馬が実在するとか驚きました。出だしの池田家に鳥取藩にややこしいかなと思いきやすんなり読めてしまった。武士の鏡と宇江佐さんはいいますが武士の存在は理解したくない

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    2023年11月01日