宇江佐真理のレビュー一覧

  • 竈河岸 髪結い伊三次捕物余話

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    終わってしまった…

    宇江佐真理さんは最終回まで描くことにこだらわないと仰っていた
    始めはどうあっても最後まで書かねばと思っていらしたようだが、途中で「いつ自分が命尽きてもそれはそれ」と仰るようになった
    ご自身の未来を予言したかのような

    本当に最後まで描かないうちに身罷られてしまった
    残念でならない

    上品で情緒ある文章や情景描写
    江戸弁のお文のキレの良い啖呵
    江戸に生きる、普通の人たちの温もりあるやり取りや、悩みや、事件や
    物語の底にはいつも温かさがあった

    失敗してもいいんだよとそっと肩を抱いてくれるようなぬくもりがあった

    色んな話を収束させるような短編もあるものの、伊与太は絵師として

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    2026年08月23日
  • 昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

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    共に見る夢
    妻に先立たれた同僚に、いなみを大切にしようと思う不破友之進
    ここまで読んできて思うのは、気難しく感じていたが友之進は実は単に少し短気なだけの、家族思いで単純な人なんだなあと微笑ましい
    でも「いなみを妻に迎えた自分は果報者かもしれない」といいつつ、そんなことは間違っても口にしないとも言う
    言ってやれよ…
    それって現代的なのですかね?

    指のささくれ
    九兵衛の話
    雨降って地固まる、おてんちゃんとめでたしめでたし、に至るまでのあれこれ

    昨日のまこと、今日のうそ
    三省院(鶴子)の得体のしれなさを感じる一篇
    ただただ、大人になった茜の聡明さが切ない
    そして良昌
    きっと初めて心から信頼できる

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    2026年08月22日
  • 名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話

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    俯かず
    義兄弟の、小平太と龍乃進の絆が深まった回

    あの子、捜して
    行方不明の子どもの探索をする伊三次
    見つかった子どもについて、お吉が「うまくいくのか」と疑問を呈す
    ラストがいい
    親となった身ならみんなグッとくる
    はず

    手妻師
    当時の最大のエンタメの一つだったのか
    芝居小屋よりは格下になるのかもだけど、見世物小屋での手妻(手品)
    イケメンなのか、鶴之助にお吉も夢中になるが…
    江戸時代は男性優位
    不幸な女も子どももたくさんいたんだろうと思わされる
    鶴之助もその一人
    ラストで死罪になった鶴之助の髪を伊三次が結ってやる
    その時に伊三次に「おれもあんたみてェなてて親がほしかった」と言う鶴之助
    今も

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    2026年08月30日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

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    あやめ供養で、久しぶりの直次郎登場
    言葉遣いから、最初は蔭間かともおもったけれど、いまやお佐和とのあいだに4人の娘がいるという
    掏摸から足を洗い、かたぎとして生きているが、関わったところで盗みからの殺人が起きて…
    伊三次が直次郎を信じきれない気持ちも描かれる

    九兵衛と魚佐の末娘おてんちゃんとの馴れ初めが描かれた赤い花

    赤のまんまに魚そえて
    松浦医師があやめ供養の話で伊三次に尽力してもらったお礼に九兵衛に台箱を誂えた、その道具開きの料理を下手人(本当は違う)に伊三次が差し入れることで、流れを変える話
    人の優しさは心をほぐす
    ましてや、江戸時代の女中などはつらい思いのほうが多かったことと思う

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    2026年08月22日
  • 月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話

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    この巻は長編の体を取っているが、いくつかの話が折り混ざっている

    江戸の大火で家を焼け出されてからの10年が描かれている、という共通のテーマがあるのみの長編だ

    今日を刻む時計でお吉が急に現れ、それも十歳になっている
    そこに至るまでの年月を描いている

    お文の父親とのこと
    お吉が生まれるときのこと
    龍乃進が自堕落になっていた時に割りない仲になっていた小勘、本所無頼派の一人次郎衛との再会
    お文と伊三次の別居(火事の影響で)の間のこと

    いやいや、盛りだくさん
    心が動きまくる1冊

    世の中の嫁姑に違わず、いなみもきいに色々思っていたのだと苦笑もしたが、きいはそこがいいところだと
    まあそれはきっとい

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    2026年08月12日
  • 心に吹く風 髪結い伊三次捕物余話

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    なんとかの一つ覚えで星5つしかないけど
    だって面白いんだもの、仕方ない

    伊与太も大人になった
    前巻の「今日を刻む時計」で一気に10年が過ぎていて、赤ちゃんだった伊与太は絵師の元へ修行に出ていた
    それが今回色々あって逃げ帰ってきた…

    お文と伊三次も互いに切ない恋心を抱き合っていたのが、すっかり伊与太とお吉の父と母になり
    心を乱す中身が子どものことになってきた
    でもお文も伊三次も思うところはあるだろうに、伊与太を受け止め気が済むまで休ませてやってる

    えらいなあ


    そして、きいと名を改めた徳江と龍乃進の睦まじさも折々に描かれていた
    また、茜のきいに対する複雑な思い(兄が好きってことだよね)、

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    2026年08月09日
  • 我、言挙げす 髪結い伊三次捕物余話

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    明烏は伊三次と添ったことをかすかに後悔してしまったお文が、辻占い氏の導きでもう一つの人生を体感するお話
    右に行ったら「左に行ったらどういう人生だったんだろう」と思うし、逆も然り
    いいことばかりの人生なんて待ってはいない
    今ある幸せを大切にしなければ、と私も思った

    黒い振袖を今読み終えたのだけれど、ここまで読んできた伊三次シリーズのなかで一番好きかも
    かがり姫が本当に素敵で、かすかに心惹かれる龍乃進の切ない気持ちが伝わってくる
    姫は姫で思うようにいかない人生であろうが、貝之助が耳は不自由でも立派な藩主になれるであろう予感を残した最後で、後味も良かった

    伊三次とお文の話をその前の明烏で満喫した

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    2026年08月02日
  • おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語

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    宇江佐真理、9冊目は読んで後悔しない短編小説。
    藤沢周平を尊敬する作家として最も充実していた時期の作品群は、駄作なしの傑作揃いです。
    本作も6篇の短編集なので勝手にランク付してみる。寸評は評価A以上の作品のみ。
    【S=傑作、A=秀作、B=並、C=駄作 】
    ♦「ため息はつかない」A-  奉公先の器量の悪い娘との縁談話。「豊吉は笑っておふみの肉付きのよい肩に自分の腕を回した」豊吉が、奉公人から若旦那への昇格の瞬間だが、生真面目な豊吉の性格から、この展開は早すぎる
    ♦「裾継」A 苦しくても今より悪くなければ幸せ。諦念が幸せには肝心
    ♦「おはぐろとんぼ」S  珍しく(?)タイトル作品が傑作。
    ♦「日向

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    2026年08月01日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    伊勢忠、そこまでやるか…
    転んでもただでは起きないと称される伊勢屋
    商売だけではなかったのね

    お文に岡惚れはいいけれど、手に入らないとなったら、金は返せというわ、挙句に火付けまで!

    お文が死んでもいいとすら思ったんだものね
    可愛さ余って憎さ百倍とはよく言ったもの
    今のストーカー殺人を彷彿とさせる…

    ここに鬼平がいてくれたらと思わずにいられなかった

    でもまあ、これがきっかけでやっと伊三次がプロポーズしたので、災い転じてなんとやら

    ちょっとファンタジー要素ありのお話もあったりして、バラエティに富んだ1冊(個人的には好まないけど)

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    2026年07月13日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    いいですねえ

    江戸に生きてたことはないんだけど(当たり前)
    江戸情緒たっぷり感じられる

    篠綾子さん、坂井希久子さん、からの宮部みゆきさん、池波正太郎さん、そして今宇江佐真理さんにたどり着いたわけですが

    篠綾子さんは特に、時代小説のラノベに近いかな
    時代小説のとっかかりとしては最適解でした
    坂井希久子さんもそこに近い

    宮部みゆきさんも人情味あるお話しですが、より宇江佐真理さんのほうがしっとり
    宮部みゆきさんはユーモアある言い回しも多くて、さっぱりしている感じかな
    ますます時代小説にハマりそうです


    と、他との比較はこの辺にして

    髪結い伊三次シリーズ二作目
    この巻では、文吉(お文)と伊

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    2026年07月11日
  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

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    時代は変われど、人が生きていくための心構えは変わらないと考えられている宇江佐真理さん。
    時代小説によくある長屋暮らしのお節介やめっぽう強い善人な主人公が悪を懲らしめスカッとする話ではない。
    日々の暮らしの為に働き、隣人や家族を愛し、心配し、我が子の成長を楽しみに生きていく。そんなごくありふれた日常に焦点を置いている。それは現代に生きる私達の姿と変わらない。
    派手なアクションや笑いや涙ありと言った類ではなく読んでいて心にスッと入ってきて心地が良い作品です。

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    2025年11月08日
  • ウエザ・リポート

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    宇江佐先生の作品はどれも日常がしっかり書かれていて好き。その理由がエッセイから垣間見えた気がした。宇江佐先生のような作家になりたい。

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    2025年10月23日
  • 日本橋本石町やさぐれ長屋

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    長屋を舞台にした連作短編。「みそはぎ」の話で、隣の男に勝手に「お前は俺の嫁」みたいな感じで決めつけられ、男の母親まで「嫁になるんだから」と洗濯物を押し付けられるシーンがホラーだった。

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    2025年08月26日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

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    江戸を舞台とした物語を読んだのは、2作目で、この物語ではじめて宇江佐真理氏という作家さんを知りました。人の話を聞くということをする与平。自身には、人には言えない過去の経験がある。人情物語のようだが、サスペンスの要素もあり、最後まで、吸い込まれるように読みました。江戸言葉を調べながら読むので、進みは遅かったですが、その分、読み終わった時は、読んだ達成感がありました。

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    2025年08月06日
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―

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    内容(ブックデータベースより)

    浅草は田原町で小さな古着屋を営む喜十は、北町奉行所隠密廻り同心の上遠野(かとの)のお勤めの手助けで、東奔西走の毎日。店先に捨てられていた赤ん坊の捨吉を養子にして一年、喜十の前に、捨吉のきょうだいが姿を現した。上遠野は四人の子どもも引き取ってしまえと無茶を言うが……。日々の暮らしの些細なことに、人生のほんとうが見えてくる。はらり涙の、心やすらぐ連作人情捕物帳六編。

    令和7年4月17日~21日

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    2025年04月21日
  • 雷桜 新装版

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    ネタバレ

    すごく面白くて読み応えがあって、切なくて悲しい物語だった。主人公?の遊のさっぱりした素直な物言いが素敵で、話し方が好き。嘘も言わない、自分の気持ちをはっきりと相手に伝えるし、案外相手のことも気遣う優しさがあるし。自分の道を行くのもかっこいいと思う。遊が実母と梅を付けている時に、実母に対して思ってる好意を言うシーンが何度読んでも泣ける。良い子なのに、別に連れ去られて山育ちで狼女みたいな姿、言動なのは遊のせいじゃないのに。育ての親が遊を思っていたというのが出てくるシーンも泣ける。殿とのシーンも切なくて泣ける。2人一緒に暮らせたら幸せだったろうに。でも、不幸せでもないんだろうけど。遊がどう過ごして死

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    2025年02月21日
  • 深川恋物語

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    権威ある新人賞を受賞した作品であることが頷ける珠玉の物語の数々。若い頃に読んでも良いが、今の還暦直前に読むのも味があって良かったと思う。自分未だに読書はあまり好きではないが、読書に対する考えが一変するような素晴らしい作品に出会えて本当に嬉しい。

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    2024年12月02日
  • 名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    惜しくも逝去した著者の大人気シリーズ最新刊

    伊三次の息子、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜。だが彼女の奉公先、松前藩の若君も茜に好意を持ち始めていた。人気シリーズ12巻。

    令和6年10月20日~27日

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    2024年10月27日
  • 大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ

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    やっぱり宇江佐さんの話はいいなぁ。
    平野屋、清兵衛が自身の病をきっかけに幼なじみ甚助に連れられた百物語の会。
    怖い話を聞いて、受け入れて死の恐怖をなくそうというのだが、この会の話が絶妙に怖い。
    じわっと、ふと怖くなる感じ。
    日常に近いところにふとある見たら引き返せない暗い穴に気づいたような感じ。
    ただの百物語が続くと思いきや、彼ら自身が不思議な事象に遭遇していく。
    菓子屋の主人の話は怖かったなぁ。
    救いがない。
    物語は予想外の結末で、最後までぞくっとしてしまった。

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    2024年10月21日
  • 心に吹く風 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    大人気シリーズ、10巻に到達!

    絵師の修業に出ていた一人息子の伊与太が、兄弟子と喧嘩をして実家に帰ってきた。伊三次とお文の心配をよそに伊与太は働きだすが…。

    令和6年10月10日~11日

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    2024年10月11日