宇江佐真理のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大好きな宇江佐真理さんの作品。
生薬の問屋を営む与平は、息子たちに身上を譲り隠居となった。いつまでも口を出していては一人前にならない。
湯屋で、身の上話を耳にするたび、こうして聞いてくれる人がいる人はいいが、誰もいない人はどうしているのだろう?
「聞き屋」を始めようと店の裏口に机を出して商売が終わった時間から始めることにした。
与平はこの聞き屋で知った貧しい娘を救ってやろうとしたり、また、ただ聞くことで心を休ませる場所にした。
与平の父親は、生薬や問屋の番頭だった。
その店の一人息子はどうしようもない男で、店を潰しそうな浪費家だった。
ある時火事に巻き込まれ死んでしまった。
与平は