【感想・ネタバレ】幻の声 髪結い伊三次捕物余話のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月14日

 遅ればせながら、宇江佐真理さんのデビュー作に着手します。「幻の声」、髪結い伊三次捕物余話№1、1997.4刊行、2000.4文庫。幻の声、暁の雲、赤い闇、備後表、星の降る夜の連作5話。伊三次25歳を中心に、両サイドを芸者のお文25歳と同心不破友之進30歳が固めています。

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Posted by ブクログ 2022年03月21日

江戸情緒、人情。庶民のつましい暮らしの中の悲喜こもごも。
大きな謎や快刀乱麻などはないが、心に染みる。
伊三次とお文のカップルの今後を見守りたい!

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Posted by ブクログ 2021年04月25日

どの話も良いが、「備後表」が良かった。
幼い頃に両親と死別し、姉の婚家へ身を寄せて使用人のような扱いを受けていた主人公に母と呼ばれるほど優しかった畳表の職人が口にした最後の願いにまつわる話である。

藺草の問屋だったという私の母の実家に畳表の織機が残されていた事もあり、惹かれた。あれを個人の家に置い...続きを読むたら他の生活空間を確保するのは大変かと思うが(重量も結構あるらしい)、とにかく誰もが優しく、母の願いを叶えようとする主人公に手をさしのべる。


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Posted by ブクログ 2013年02月18日

宇江佐真理の書くキャラクターはどうしてこんなにも魅力的で、そして哀しいのでしょう。「あやめ横丁の人々」で惹きこまれてから、久々に著者の作品を読みましたが、ストーリー運びも素晴らしいのですが、やはりキャラクターがハンパ無くいいのです。
主役の廻り髪結いの伊三次、彼のいい女の文吉、伊三次の主不破。
三人...続きを読むともそれぞれ人としていろいろな過去があり、それでも今の環境を精一杯、真摯に「生きて」いる。
それをいろいろな出来事と共にサラッと明らかにしていく著者の手腕には、本当に魂鷲掴みされる状態です。
このシリーズはまだまだあるみたいなので、これからお楽しみが待ってると思うとうれしいです。

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Posted by ブクログ 2014年01月17日

人から1巻もらった。
ら。
現在進行形で続いてる息の長いシリーズものだった。
うそん。

現状12巻まで出てる。
文庫化されてんのは10巻まで。
なんでまだ10巻までしか読んでないけどとりあえず。


一話完結の人情捕り物。
著者が女性ってのもあって
「御宿かわせみ」シリーズとちょっと似たイメージ。...続きを読む
でも中味は真逆に近い設定かも。

主人公がヒーローじゃなくて、
身分が低く、いまいち冴えない普通の男。

で、
一話一話が割としっかり書いてあって、
かわせみシリーズよりも、ややじっとりと生臭く、
主人公達の設定と相まって、より庶民の暮らしな感じ。

長い間続くマンネリ防止の為に
たまにオカルティックなとんでも話とか出てきたり、
1巻につき登場人物達が1歳年をとる面白い設定だったり、
子供達の世代がだんだん主人公になってきたりと
いろいろ工夫してる感じが目につく。
なんで、
マンネリをむしろ愛したいタイプの時代ものが好きな人は
ちょいちょい癇にさわるかも。

逆に、
物語の大きな流れのうねりが大きいので、
飽きずに読んでられる気もする。


16年続いてて、かつ、現在進行形だし、
著者が書けるまで書き続けると言ってるので、
かわせみシリーズと同じく、
全部読める頃にはきっと自分もいい年だろうと苦笑い。
続編を楽しみに待ってます。

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Posted by ブクログ 2012年03月18日

お文の伝法なもの言いに最初面喰ったけれど,同い年の対等な男と女の関係がいい。
その他の登場人物も,簡単にイイモン,ワルモンが決められないところがいい。

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Posted by ブクログ 2023年10月31日

宇江佐真理の髪結い伊三次捕物余話シリーズの一作目になります。本当に面白いです。伊三次と文吉に幸あれ。

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Posted by ブクログ 2023年09月12日

読み応えのある、読後感のよい時代ものがいいなあ、という願いを叶えてくれる宇江佐真理さんのシリーズ。
再読だけど、すっかり忘れているので、楽しく読めた。
文吉ねえさんがかわいい。いなみさんもいい。

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ネタバレ購入済み

しみじみと….….

2023年07月04日

色々な事件、犯人と、それに纏わる哀しみや喜び何かを、
なんだか、しみじみと感じてしまった。中でも「備後表」の話が良かった。

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Posted by ブクログ 2023年02月03日

髪結い伊佐次シリーズ一弾。
廻りの髪結伊佐次がもう一つの仕事である下っ引きとして関わった事件を描いた捕物帖。
恋人である深川芸者、お文との恋模様や、同心不破との関わりなども描かれている。
捕物帖だが市井ものでもあり、江戸の人情咄として楽しめる。
捕物咄ではないけど、畳職人の老女の話「備後表」がしみじ...続きを読むみと良い。

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Posted by ブクログ 2022年06月10日

髪結い伊三次シリーズ記念すべき第一弾江戸が舞台。店を持たない廻り髪結い伊三次の副業は口が悪い北町同心不破友之進の小物。年上恋人の人気芸者お文との絡みもあり短編人情噺がいい感じです。このシリーズをライフワークとされていた宇江佐真理さんは2015年66歳でお亡くなり続編読めずとても残念です。

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Posted by ブクログ 2021年05月15日

宇江佐真理作品。2作品目。

髪結い伊三次と同心不破の捕り物こぼれ話?、連作短編5話。

ミステリーでも人情話でもない。ただ、考えさせられる話

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年06月18日

目次より
・幻の声
・暁の雲
・赤い闇
・備後表
・星の降る夜

デビュー作だし、髪結いだし、短編だし、これは読み終わった後ほっこりとよい気持ちになれる人情ものなんだろうと思って読み始めたのだけど、違った。

表題作の「幻の声」は、ろくでもない男にたぶらかされた女が、男の罪を全て被って刑に服す(...続きを読む死罪)のは、なぜかという話なのだが、最後まで読んでも男は改心しないし、女も罪をかぶったままだ。
何故かというと、それは幻の声のためなのだけど。

二作目は、伊佐治の恋人のお文が事件の謎を解くのだが、これもまた切ない幕切れで。

伊佐治もお文も家族との縁が薄い。
だから余計に安っぽい人情ではなく、もっと芯の通った生き様を通して人と繋がろうとするのかもしれない。

己を貫くことで自分が不利になる女がいる。
真っ当に生きてきた自分の人生を、ようやく振り返ることができる女がいる。

人生の転機にしようと貯めていた金を盗まれた伊佐治は、犯人を獄門送りにしなければ気がすまないくらい怒っているのだが、結局は許すのである。
大金の重みを知ったうえで、「たかが金」と許さざるを得なかった裏には、上司である不破の奥方のこれまた重い人生の矜持があるのだった。

人生はおおむね大変なものかもしれないけれど、考えようによってはいい人生になり得ると、満足して本を置くことができたのだった。

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

この本が受賞作で、デビュー作でもある。
北海道に居ながら江戸の時代物を書く作家。宇江佐真理の文章は、湖のさざ波のように、穏やかだ。小さな波が繰り返すうちに、登場人物の像は深くくっきりと生き生きと動き出す。江戸の市井の人情と粋とやせ我慢。
みんなみんな一生懸命生きている。
ワクワクするようなドラマティ...続きを読むックなストーリー展開ではないが、しみじみと読むうちに、ハマる宇江佐ワールド!
連作はまだまだ続くが、この作家さん、今はもう生きては居ない。新作ができないことが悲しくなる。

この本からシリーズ化されるのは、『髪結伊三次捕物余話シリーズ』文庫本サイズで読みたいシリーズ。

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Posted by ブクログ 2017年11月01日

2017/11/1
おもしろかった。
最初はなんかヤな奴と思った不破さんだけど、妻いなみさんの話で見直しておばあちゃんの畳の話で「大好き!」となった。
単純な私。
初めに印象悪かった人のほうがひとたび「好き!」となったときにすごく好きになるのはいつものこと。
今では不破さんが一番好き。奥さんも好き。...続きを読む
続きがいっぱいあるようでうれしい。
そして散髪してもらいながら髪結いの話を読むシチュエーションに一人ほくそ笑んだ。

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Posted by ブクログ 2016年12月04日

宇江佐さんの本は『雷桜』に次いで2冊目です。デビュー作ということですが、素晴らしいです。
髪結いの本業の傍ら、町方同心の手先をつとめる伊三次。そして伊三次と“いい仲”の芸者のお文。二人の周りで起きた事件はどれも切ないです。特に『赤い闇』『備後表』は胸が痛くなりました。『星の降る夜』も不運の伊三次にと...続きを読むっては厳しい結末だったかもしれません。でも「銭で済むことなら…」という同心不破の妻いなみの言葉に私も伊三次同様、はっとさせられました。そういう人間の深みを感じさせる物語を淡々とした文章で綴られる宇江佐さんに感嘆!

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Posted by ブクログ 2016年08月03日

デビュー作とは思えない安定感。
人物描写が丁寧で生き生きしていて、人情噺でほろっときたりクスッときたり。
作者の逸材ぶりがうかがえます。

読み終わった時すでに書店の開いている時刻ではなかったのですが、今すぐこのシリーズの先が読みたくてうずうずしてしまいました。
「明日 朝イチで買いに行こう・・・」...続きを読む

ただ何気なしにこのシリーズのことを調べていたら、この先の話で伊三次に殺人の疑惑がかかった時、信頼していた不破友之進が信じてくれなかった、とか、想い人の文吉と別れる、ということを知ってしまい(その後 よりを戻したり仲直りするようですが)、ちょっと読むのを躊躇っています。
信じている人に裏切られる話は苦手。
我儘なのは承知ですが、信用している人には信用に値する人であってほしいと願ってしまうのです。
続きを読むの、どうしましょうか。

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Posted by ブクログ 2013年02月26日

Tさんのお勧め。

面白かった。
泣かせるような人情ものは好きではない。
でも心がひりっとくるような人間の弱さを見せるつけられる話や、
謎が残りもやっとした、でもじっくりとした余韻を味わえる話の中に、
ぐっとくる話が入っているのは良いものだ。

これが大人っていうもんだ。

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Posted by ブクログ 2012年03月12日

本業は髪結いで裏で同心の小者をやっている伊三次の物語。
最初は登場人物たちのきつい感じの物言いに慣れなかったけれど、だんだん小気味良くなってきた。
伊三次は確かにお金持ちでもないし、同心に便利に使われているかもしれないけれど、なんかカッコイイ。
相手の芸者文吉も芯があってカッコイイ。可愛い部分がある...続きを読むのもいい。
備後表が良かった。
シリーズだそうなので、続きが楽しみ☆

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Posted by ブクログ 2011年09月19日

これが著者のデビュー作品なのかと驚いた。伊三次の魅力は満点で、シリーズ作品になりドラマ化したのは納得できる。

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Posted by ブクログ 2011年09月05日

第一弾
このときから展開のパターンは変わってないのか。
派手さはないが、コツコツと続いていく短編集
結構面白く読める

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Posted by ブクログ 2011年09月26日

本業は髪結いで、岡っ引き的な副業を持つ伊三次が主人公の、時代モノ連作短編集。宇江佐センセの作品に初めて手を出してみましたが、長く続いているシリーズものなので、まずは間違いなかろうと思い読んでみました。江戸情緒というか風情というか、なかなか心地よく面白いです。最初の方の話では、少しばかりギクシャクして...続きを読むいる印象もありはしましたが、話が進むにしたがって登場人物同士がスムーズに絡み合って、なんともいい味わいです。んで、主役の脇を固める人物たちが、これまた良いですなぁ。こりゃ長く続くわけだ。うん。

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Posted by ブクログ 2011年09月17日

髪結いにして同心の小者を勤める伊三次が活躍する捕物帖シリーズ第一弾。江戸の庶民の暮らしぶりがよくわかって面白い。恋人の芸者とケンカしたり、上司である同心にこき使われたり捕り物以外でもいろいろと楽しめる。

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Posted by ブクログ 2021年11月15日

時代小説のお薦めとして、時々目にしていた、髪結い伊三次捕物余話シリーズ。知ったのが、割と最近で、巻数としても多めなので、なかなか手を出せていなかったが、ようやくシリーズ1巻目を読んでみた。

1話1話が短いので読みやすく、伊三次も不破もお文も魅力的で、2巻以降も読んでみようかな、と思っているところ。...続きを読むしかし、15巻あるとのことで、ちょこちょこ読んでいくつもりなので、先は長そう(苦笑)

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Posted by ブクログ 2021年01月10日

前から勧められていた、髪結い伊三次シリーズ。
ようやく第1巻にいきあった。

髪結いとしての確かな腕はありながら、師匠との諍いで店を飛び出した伊三次は、髪結い道具を持って客先で仕事をする廻り髪結い。
深川芸者のお文とは良い仲だが、お文と所帯を持つまでの蓄えはまだない。
髪結いのかたわら、同心の不破の...続きを読む手先として、市井の事件に関わる情報を集めている。

現代風にいえば、地取り捜査と情報屋を兼ねている伊三次の物語には派手な立ち回りはなく、実際の捕物は同心の役回り。
だからこそ、『捕物余話』なのだろう。


宇江佐真理さんの他の短編集は読んだことがあったけど、シリーズもののせいか、物語の本筋よりも市井の人々や風俗の描写に多くを割いている感じがして、ちょっとじれったい。
伊三次とお文もじれったいったらありゃしない。
まぁ、ぽつぽつ気長に読み進めていこうかな。


…などと、読書メモに書いておいて投稿を忘れていたことに気づいて、今さらながらの書き込み。

いまは宇江佐真理さんも空の上に行ってしまったけれど、今からでもシリーズを読み始める人に、「この先どんどん面白くなるから、読んで!」とお勧めしたい。

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Posted by ブクログ 2017年11月16日

主人公の伊三次、恋人の深川芸者のお文、八丁堀同心の不破。3人のキャラクターで読ませる作品です。
ミステリーとしての出来と言う目で見れば良くないと思います。最初は捕物として読み始めたので、チョッと肩透かしを食った気がしました。しかし読み進めるうちに、事件は単なる背景で、主題はいわゆる”人情物”だと判...続きを読むりました。その目でみれば、中々の作品です。特に最後の2編は気に入りました。
ただ、どこと無く女性向けという感じは否めません。

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Posted by ブクログ 2017年09月22日

知り合いから勧められて読んだ作品。シリーズもので、さっくり読めるよとのことでした。
多分、シリーズを重ねる毎に登場人物の人物像とか愛着とかが増していくのだろうなぁと思いました。

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Posted by ブクログ 2017年02月24日

宇江佐真理さんは久しぶりに手に取る作家さん。デビュー作だそうだ。
捕り物を題材にしているぶん、やりきれなさが残るのは致し方なし、なのかなぁ。
この本を読んでいるときのわたしはたぶん、出汁のないお味噌汁を飲んじゃったときのような顔をしているに違いない。
できれば、物語は読んでいてしあわせになるほうが好...続きを読むい。

伊佐次とお文の恋の行方は、気になるといえば気になるが、まぁ上手くまとまるんだろうな、と思ってもいるので続きを読むかは微妙なところ。

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Posted by ブクログ 2013年08月26日

髪結い師でありながら、八丁堀の同心・不破友之進の部下として活躍する伊三次。そして男勝りの深川芸者・文吉とのさっぱりした愛情。そして不破・いなみの夫婦などの魅力的な人物に溢れ、読後の爽快感は格別です。いずれも言葉は荒っぽいのですが、それが一層江戸情緒を引き立てているように思います。登場する罪を犯してし...続きを読むまう人たちも弱さをもった愛するべき人たちとして描かれています。悪人は全く登場しないかのようです。特に文吉の先輩おなみの不幸を描いた「暁の雲」章。不破の隣家の奥方ゆきの火事好きからの事件を描いた「赤い闇」章など、ユーモアもありながら哀しみを感じさせ素晴らしい章です。山本周五郎、藤沢周平などの系譜に繋がる江戸・深川の人情物語りです。この小説でもやはり隅田川(大川)は舞台装置として、情緒に富んだ背景を演出してくれているように思います。

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Posted by ブクログ 2012年02月07日

主人公が正義感から出なく、岡引業をイヤイヤやっているのが現実味を帯びていて、江戸時代の風習に沿っているようで好感持てる。

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Posted by ブクログ 2011年09月11日

いい時代物発見。みんなそれぞれ欠点があるところがいい。だめなところや嫌なところもちゃんと出している。汚い裏長屋で自分が作る畳表がお城の化粧の間に使われていることを知ったばあちゃんが、ひと目見たいとたたみ職人の息子や伊佐次とともにお城に入る「備後表」がとてもよかった。職人の矜持もよく描かれている本であ...続きを読むる。

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