宇江佐真理のレビュー一覧

  • 昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ

    内容(ブックデータベースより)

    不破龍之進ときいとの間に長男が生まれ、伊三次一家も祝いのムードに包まれる。松前藩の屋敷に勤める龍之進の妹の茜は、嫡男の良昌に見初められ、側室に望まれていた。伊三次の息子、伊与太に思いを寄せる茜は、その申し出をかわしていたが、良昌の体調が刻一刻と悪くなっていくことに心を痛める。一方、伊与太は良い師匠に恵まれたものの、才気溢れる絵を描く弟弟子から批判され、自らの才能に悩んでいた。思い詰めた彼は、師匠と親交のある当代一の絵師、葛飾北斎のもとを訪れる――。人生の岐路を迎える息子や弟子に、伊三次は何を伝えられるのか。大人気捕物帖シリーズ第13弾。

    令和6年10月27日~29日

    0
    2024年10月29日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ

    内容(ブックデータベースより)

    デビュー二十年! 大人気シリーズ第十一弾

    伊与太が秘かに憧れて、絵にも描いていた女が死んだ。しかし葬式の直後、彼女の夫は別の女と遊んでいた……。江戸の人情を円熟の筆致で伝えてくれる大人気シリーズ第十一弾!

    令和6年10月14日~16日

    0
    2024年10月17日
  • 大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    料理茶屋の主人、清兵衛は、隠居を機に死の恐怖に取り憑かれるが、霊感のある幼馴染、甚助に救われる。その甚助に誘われ、怪異を語り合う「話の会」に参加するようになると、徐々に元気を取り戻していく。ところが、会の参加者が一人、また一人と、怪異と死に近付いて行ってしまい‥。

    最初は、登場人物たちが百物語を語っていく短編集かなと思っていたら、違った。実際に見聞きしたことを語り、その考察を参加者たちで重ねる。語られる怪異に派手な怖さはないものの、じわじわ、そろそろと、こちらの心に忍び寄ってくる。
    清兵衛と甚助、幼馴染同士の、くだけているけど信頼し合っているのが伝わるやり取りが、一服の清涼剤だ。

    会の参加者からは複数の死人が出る。ついには、甚助まで!でも清兵衛は、会の活動を通してあの世や死に触れてきたことで、死への恐怖を乗り越えたのだ。寂しいけど、怖くない。死は、生と地続きなのだと、読者である私もだいぶ考えさせられた。

    怖い話としても、十分楽しませてもらった。
    それにしても、清兵衛が53歳で隠居って‥。今の時代で70歳くらいの感覚だろうか?

    0
    2024年10月09日
  • 甘露梅 新装版~お針子おとせ吉原春秋~

    Posted by ブクログ

    吉原の風雅な情景と色恋の悲哀が見事なコントラストとなり、物語世界に惹き込まれました…!

    旦那の死や息子の結婚を機に吉原の遊郭でお針子となった「おとせ」を主人公に、吉原の美しい四季折々のなかで繰り広げられる様々な恋愛模様を描いた短編集。

    吉原の年功行事には驚かされると同時に当時の華やかさを感じました。
    例えば、巻頭の「仲ノ町•夜桜」では桜の木が葉桜になる前に根こそぎ刈り取り、また季節がきたら植え直すという吉原の習わしが出てきます。
    なんて贅沢な…と思ってしまいますが、その絢爛さが作中の悲恋をより際立たせ、それぞれの話を魅力的にしています。

    個人的にはそれが極まる「くくり猿」が好きで、江戸の風物詩とも言える火事の無情さと吉原文化の物悲しさがある恋の結末をより彩っているように感じました。

    巻末の解説からは物語をより楽しむヒントを得られるます。同時に収録されている諸田さんのエッセイからは作者の宇江佐さんがいかに人物を描く名手であり、同時に宇江佐さんがおとせと同じように人情に厚い人だったかが読み取れ感慨深くなりました。

    0
    2024年10月05日
  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ

    内容(ブックデータベースより)

    江戸の大火で住み慣れた家を失ってから十年。伊三次とお文は新たに女の子を授かっていた。ささやかな幸せをかみしめながら暮らすふたりの気がかりは、絵師の修業のために家を離れた息子の伊与太と、二十七にもなって独り身のままでいる不破龍之進の行く末。龍之進は勤めにも身が入らず、料理茶屋に入り浸っているという…。

    令和6年10月3日~5日

    0
    2024年10月05日
  • 雷桜 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    合縁奇縁という言葉あるが、気心が合わない環境にいるなかで気持ちの合う人と結ばれるのは微笑ましい。そしてそれが淡く哀しいラストになるのが好きな自分としては本作はとても良かったです…!

    本作のメインは山育ちの平民である遊と将軍の御子である斉道のラブストーリー。
    遊も斉道も尋常の男女ではないが、それ以上にどちらも環境に対して不服を抱いてる点でも共通している。

    遊は赤子の頃に誘拐され、自由奔放な山暮らしをしていた。そこから実の親のいる人里に戻り、山暮らしとは違う環境で周囲から浮き、社会の習わしや周りからの奇異の視線に窮屈さを感じている。
    その一方、将軍十七男で将軍の実子であることを証明しようとするプレッシャーを抱いている。また、幼いうちに母親から離されたことや将軍の御子であるために無償の愛を得られず、現状に不満を抱いている。

    本来の自分を受け入れられない環境に不満を感じていた二人。そんな二人が出会い、素の自分が受け入れられる関係に居心地の良さを感じ惹かれ合う。
    そして2人が運命に翻弄されていく終盤は心をキュッとされる思いになる。

    さらに遊の人情描写がより哀しさを引き立てる。

    タイトルの雷桜は遊が誘拐されたときに雷で折れた銀杏の木から芽を出した桜のことです。
    その雷桜はしばしば遊そのものとして語られる。
    遊は身分を気にしない態度やあけすけな態度をする。その中に敵意や挑発的なものは無く、ちょうど自然の前ではどんな人間も只の人間となるようなものに近い。

    読んでいると宇佐江さんの文章力もあって、木に向かい合うようなイメージを遊から受ける。
    そんな遊の人物評をするシーンがあり、身分や地位の高さによる窮屈さを感じる榎戸や鹿内のような武士ほどそれを心地よく感じているのが見受けられる。

    自分もそんな雷桜の化身である遊を読んでいると、読者という存在であることを忘れ心地よさに浸っていた。

    つまり、気付くと遊に惚れてしまっている。そんな遊の幸せを願えば願うほど切なさが募る。

    清々しさがありながらどこか物哀しい秋の青空のような作品でした!


    お気に入りフレーズ
    「殿は遊に癒されたのだ。見よ、瀬田。殿の幸せそうなお顔を」

    0
    2024年09月29日
  • 黒く塗れ 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ

    内容(ブックデータベースより)

    日本橋佐内町で夫婦水入らずで暮らす伊三次とお文。稼業の髪結いと捕物に明け暮れる中、やがてお文が出産の日を迎えた。

    令和6年9月13日~16日

    0
    2024年09月16日
  • 大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ

    Posted by ブクログ

    不思議を語り合う『話の会』に幼馴染の甚助に誘われて参加するようになった料理茶屋の隠居平野屋清兵衛。
    怪異についてははっきり怪談とは言わず不思議を語るというスタンスなのは参加者全員が妙に死に近い場所にいるからだったのかと読み終わってからめちゃくちゃ納得した。
    誰が引き金だったのかとかはっきりは分からないけど、執着についての物語だったんやなぁと理解した。生と死についての執着。あまりにも江戸時代の隠居が早すぎて80歳から年金と比較してしまうけど、現代じゃないホラー小説もなかなかおもしろかったです!

    0
    2024年09月14日
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりの時代小説〜
    知らない言葉などを引きながら読むのもまた楽しみの一つです。
    心があったかくなる人柄のいいキャラクターに癒されました。最後私も忠右衛門がどこかで生きている!という思いを捨てる事ができないまま本を閉じました!

    0
    2024年07月22日
  • ひょうたん 新装版

    Posted by ブクログ

    古道具屋の主人・音松と女房のお鈴。ガラクタ同様の品物を売り、細々と暮らしている。
    困っている人をほっとけない2人の店には色んな人々が集まってくる。古道具屋に持ち込まれる訳ありの品物をきっかけに事件がおこる。
    人を信じ、騙され、赦し、助けて助けられと江戸の人情物語だ。江戸の市井の人間模様や生活ぶりが温かく細かく書かれていて読みやすい。
    6話が収録されていて、悲しい話もあったがどれも興味深く読めた。
    最近、宇江佐真理の新装版が次々と刊行されているので、読んでない方はこれを機会に是非読んでみては?

    0
    2024年07月15日
  • あやめ横丁の人々

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2024/7/6
    侍は嫁もらって女の子は生涯独身のまま火事で死んだんか。
    って結末だけ書くとなんやそれ!やねんけど、読後感はそれだけじゃないんよ。
    やりきれない感じもあるし、仕方ないという諦めもあるけど、あっぱれな感じさえあるのよ。
    もらった嫁がいいしな。
    あのまま親分の跡を継ぐのかと思ったし、その方が物語としてハッピーなんだけど簡単に終わらせないとこが小憎らしいよな。

    0
    2024年07月14日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ


    作者の宇江佐真理さんの環境の変化もあり、優しい雰囲気が増しています。

    あやめを丹精することが生きがいの老婆が、庭で頭を打って亡くなってしまう。彼女の部屋から高価な持ち物が消えていることを不審に思った息子は、伊三次に調査を依頼する。暗い過去を持つ、花屋の直次郎が疑われるが……。(「あやめ供養」)
    伊三次の弟子、九兵衛に縁談が持ち上がる。相手は九兵衛の父親が働く魚屋「魚佐」の娘だが、これがかなり癖のあるお嬢さんだった。(「赤い花」)
    浮気性で有名な和菓子屋の若旦那は、何度も女房を替えているが、別れた女房が次々と行方知れずになるとの噂があった。このことを聞いた伊三次は同心の不破友之進に相談する。(「赤いまんまに魚そえて」)
    伊三次の息子、伊与太が心惹かれ、絵に描いていた女性が物干し台から落ちて亡くなった。葬式の直後、彼女の夫は浮気相手と遊び歩いていた。一方、不破家の茜は奉公先の松前藩で、若様のお世話をすることになっていた。(明日のことは知らず)
    仕えていた藩が改易になった男。知り合いの伝手を辿って再仕官しようとするが、なかなか上手くはいかず、次第に困窮していく。(「やぶ柑子」)
    「不老不死の薬」を研究していた医者が亡くなった。彼の家には謎の物体が残されていたが、ひょっとしたらそれが高価なものかもしれないと思った家主は、伊三次に調べてもらうことに。(「ヘイサラバサラ」)
    伊三次の周りの人々が、さらに身近に感じられる一冊。

    0
    2024年07月07日
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    目次
    ・落ち葉踏み締める
    ・雪まろげ
    ・紅唐桟
    ・こぎん
    ・鬼
    ・再びの秋

    古手屋というのは、今でいう古着屋。
    江戸時代の庶民は、今よりもはるかに古着に対する抵抗がなかったので、それほど儲かる商売ではないにしても、食うには困らなそう。
    そして、古手屋のかたわら、同心の手下でもある。

    面白いのは、普通の時代小説では、同心、岡っ引き、下っ引きは、心をひとつにして事件の真相解明に奔走するのだけど、この喜十は、っていうか、同心の上遠野(かどの)平蔵が、ケチでしみったれで人の心を逆なでにする発言を多発する男で、喜十は必ずしも上遠野に絶対的な信頼を置いていない。
    しょっちゅう心の中で悪態をついている。(ということは、何か後ろ暗い過去の因縁で同心を手伝うことになったのか?)

    最初の『落ち葉踏み締める』がとにかく良くて。
    14歳の新太は、父親亡き後5人の弟妹を母と二人で食わせて行かなくてはならない。
    本当は寺子屋で勉強をするのが好きだったけれど、苦手なしじみ採りをしながら、毎日をなんとか食いつないでいた。
    けれど母親が、まだ赤子の捨吉を「どこかにやってくれ。育ててはいけないから」と新太に言ったことから、運命が狂い始める。

    新太はとにかく、弟妹を自分が責任もって食わせていかなければと思いつめていたので、捨吉を捨てたりすることなんて考えられなかったのだけれど、子どものいない優しそうな夫婦者を見つけ(それが喜十とおそめ夫婦)、そっと彼らの店の前に捨吉を捨てる。
    どこに捨てたかを母に知られたら面倒なことになると、自分ひとりの胸に閉まっては心を痛めていた新太は、今度はすぐ下の妹が売られていったことを知らされる。

    多分吉原に娘を売ったのであろう母は、その後昼間から友だちと酒浸りになり、働かなくなる。
    一層弟妹に対して責任を感じる新太。
    時折り、そっと捨吉がきちんと育てられている姿を見るだけで、満足だったのに…。
    もう新太が不憫で不憫で、途中から決して幸せになれないであろう新太の未来を予想しながら、なんとか幸せな未来を祈りながら読んだのに。

    短編集なので、一応それぞれの話は独立しているのだけど、最後の話はまた、彼ら兄弟の運命を大きく変える話となっている。

    捨吉が回らぬ口で話す言葉がとてもとてもかわいい。

    「今朝のお菜は何だ」
    「なっと」
    「それから?」
    「めそしり(味噌汁)」
    「味噌汁の実は何よ」
    「たふ(とうふ)とあばらえ(油揚げ)」
    「よく言えた。捨吉はお利口だ」
    「お利口、お利口」

    もう得意げに胸を張っている捨吉のつやつやしたほっぺたが目に浮かんでしまう。

    「雪まろげ」とは、雪玉のこと。
    捨吉の笑顔のためなら、喜十もおそめも、なんだってする。
    それは実の兄も姉も同じ事なので。
    やっぱり泣けて泣けてしょうがなかった。

    でもきっと、彼らの未来には笑顔があふれていると信じている。

    0
    2024年06月28日
  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ

    髪結伊佐次捕物余話シリーズ第9作、今日を刻む時計です。8作から10年の歳月が経過して物語は始まります。伊佐次は42歳に。あの大火事の後に文吉との間に女の子も生まれています。今回は不破龍之進を中心に進行しました。面白かった。

    0
    2024年06月25日
  • 雨を見たか 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ


    廻り髪結で北町奉行定廻り同心の小者を務める伊三次の物語第7段。前作に続き同心見習いとなった同心の嫡男の活動ぶり、伊三次一家の息子、同心一家の同じ年の娘の成長を感じさせるエピソード・・・。やっぱりおもしろい。

    0
    2024年05月24日
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草

    Posted by ブクログ

    薬種屋のご隠居、与平が始めた『聞きや』という商売。身内や友達より、他人の方が話しやすい、というのは何となくわかる。
    自分の事を全く知らないから詮索されることもなくて楽だ。
    与平に語りかける様々な人達の話と、与平の家族のゴタゴタ。癖の強い客に対してもトラブルに巻き込まれても常に鷹揚に対応する与平に人としての器の大きさを感じるがそんな与平には誰にも明かせない秘密があった。本当に心の内を誰かに聞いて欲しかったのは、与平自身だったのではないだろうか。

    0
    2024年05月15日
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―

    Posted by ブクログ

    同名の舞台を観たことがあったから手にとりました。
    が、違った…。
    それでも読み進めていくうちに面白くなり一気に読めました。
    江戸の庶民?の人情ある暮らしが描写されてていいですね。
    これ、作者が亡くなりもう続きが読めないんですね。残念。

    0
    2024年03月19日
  • 君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話

    Posted by ブクログ

    髪結い伊三次捕物余話の第六弾。不破の息子が同心見習いとして出仕となり、そこから物語は進みます。妖刀などホラー的な物語も入ります。

    0
    2024年03月14日
  • ウエザ・リポート

    Posted by ブクログ

    私が現在函館在住で、宇江佐真理さんは高校のOGでいらっしゃるので、母校の話や函館人の様子など、とても楽しく読めました。

    宇江佐さんの気質はいわゆる「函館の女」っぽいと思います。
    派手に暮らしたり、人脈を広げるのは好きではなく。
    でも地域やご近所の人とは仲良く、行きつけのお店で飲んだりするのも好き…という感じ。
    函館人にはとりわけ読んでもらいたい一冊。

    0
    2024年02月15日
  • 十日えびす〈新装版〉

    Posted by ブクログ

    現代にもあるような家族やご近所さんとの付き合いなど、様々な問題を江戸時代に置き換えてあるような作品で、共感したりあるよな〜と頷きながら読めました。主人公の八重さんの人柄がなんとも良いです。こんな人が家族やご近所さんに居てくれたらなと思います。

    0
    2024年02月03日