宇江佐真理のレビュー一覧
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江戸時代のじんわり人情物語短編集。
『ため息はつかない』
子供の頃両親を亡くし、叔母に引き取られた豊吉だが、クセのある叔母を煙たく思っていた。
ある日豊吉に縁談の話が来る。
母と子の情が染みるが、豊吉の縁談相手がユーモラスで楽しい。
『裾継』
遊女屋の女将が主人公。
妻に駆け落ちされた男の後妻となったが、継子とうまくいかなくなった上、夫に浮気疑惑が持ち上がる。
『おはぐろとんぼ』
父の働く料理茶屋で幼い頃から厨房に親しみ、父の死後も女ながら料理人として働く主人公。
大阪からやってきた料理人を最初は煙たく思っていたが、だんだん親しくなっていく話。
割かしベタな恋愛話だけどこういうの好き -
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廻り髪結いの伊三次は、お文と所帯を持って数年。
伊与太は病気もしたが、すくすく育っている。
元深川芸者のお文は一度は芸者をやめたが、今は桃太郎という名で日本橋で芸者をやっている。
何かあってもお文がいれば安心と、若い芸者にも頼りにされていた。
正月には黒紋付きに裾模様のある着物で座敷に出る。
呉服問屋のお座敷で年増扱いされて気を悪くするが、じつは…?
伊三次は、町方同心の不破友之進の手伝いもしている。
伊与太と同じ年頃の幼い娘・茜は、大人しい伊与太と違って手が掛かるやんちゃ娘。
行方不明になって大騒動となるが…?
不破の長男・龍之進は元服して、父もいる北町奉行所の同心見習いとなった。
こ -
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シリーズ6冊目。
お文と所帯を構えた髪結いの伊三次は、赤ちゃんの伊与太を育てつつ、とりあえず安定した生活をしています。
「妖刀」は、いわくつきの刀が盗まれた事件を探るため、問題の邸へ髪結いに出向く伊三次。
目の前で、凶事が…
伊三次が手伝いをしている定廻り同心の不破友之進の息子が元服することになり、少年の視点での話が多くなりました。
龍之助あらため龍之進として、同心見習いになったのです。
同じ年頃の仲間達六人と、まごまごしながら取り組む仕事の様子が面白い。
その頃、「本所無頼派」と呼ばれる六人組の若い男らが無茶をする事件が起きていて、彼らを自分たちでつかまえられないかと思うようになる。
高 -
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頑固な夫婦が、別居して、仲直りをする、という現代でもありそうなことが、江戸時代を舞台に繰り広げられるお話。
主人公も、主人公の旦那も、はたから見るとまぁ頑固なんだけど、周りの登場人物のキャラクターが良くて、それほどギスギスせずに読み進められる。
とくに、舅のキャラが抜群に良い。読者アンケートとか取ったら、絶対主人公押さえて一位になりそうな気配(笑)
タイトルにもふわふわ卵とあるように、お舅さんがグルメで、色んな料理かが出てくる。卵料理好きの私にとっては、たまりませんでした。あとがきを書いた方がふわふわ卵を作ったと書いてあったので、私も試しに作ってみようかな。
読み終わると、心が暖かくな