宇江佐真理のレビュー一覧
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ネタバレ前作から10年、龍之介坊ちゃんは立派にぐれてました。
おかーさん譲りの剣の腕と容貌なのに、嫁の来手がないからです。
しかもその原因は大好きなおかーさんの過去にあったからです。
それに関してはお文姐さんがびしっとしめてくれますが、いなみさんの普段を見ていればわけがあるのだろうなというのは分かりそうなもんだけれど。
そういうことがわからないあたり、若いな坊ちゃん。
もともと女の趣味悪いしな!
1巻のころのかわいいあの子はどこにいったのかと思うほど、おとーさんの悪いところだけそっくりになってきています。
その彼が立ち直り、無事嫁取りをするまでのこの巻。
魅力的な御嬢さんが幾人か出てきます。
作者ご -
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北原亜以子の「澪つくし-深川澪通り木戸番小屋」に続く、「髪結い伊三次捕物余話」を読んで、江戸市井の雰囲気をたっぷりと堪能した。
この「髪結い伊三次・・・」は、「深川木戸番・・・」と並び、お気に入りのシリーズの一つです。(あと一つは、諸田玲子の「お鳥見女房」シリーズ)。
第1作から愛読しているが、最近は時代が進んで、主人公だった伊三次・お文よりも、その子の世代が活躍しており、これもまた彼ら家族を作者と一緒に見守っているということで、一つの楽しみといえるか。
この十巻では、龍之進の妻女となった「きい」のパーソナリティが印象的だった。
作者の文庫あとがきによると、癌と闘いながらの執筆だという。一日 -
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久しぶりの髪結い伊佐次シリーズを堪能した。
推理小説の主人公が次々と事件を解決しながら、たいがい年をとらずにシリーズが何年も続くのに対し、時代小説シリーズの登場人物たちが、それぞれに年を重ねるのは、スッキリと納得できる。
この伊佐次シリーズは、いつのまにか10年も過ぎてしまった(笑)
今回の主役は、不破の息子龍之進で、伊佐次やお文は脇役に退いている。捕物も背後に退き、もっぱら登場人物たちの日常や結婚話が主題である。
著者自身の解説で、このシリーズに対する思いを書いているが、読者としても、これからも伊佐次シリーズを見守っていきたいし、応援したい。