宇江佐真理のレビュー一覧

  • 君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話

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    目次
    ・妖刀
    ・小春日和
    ・八丁堀純情派
    ・おんころころ……
    ・その道 行き止まり
    ・君を乗せる舟

    ちょっとオカルトっぽい話もありましたが、伊三次のビビりっぷりが愉快でした。
    そして、特別子ども好きなわけではなかったという伊三次が、子煩悩ないい父親になっている様子を見て、江戸時代、「イクメン」という言葉はなくても「子煩悩」という言葉があったなと思う。
    仕事から帰ると当たり前のように子どもを受け取り、夜は親子川の字で寝る喜び。
    家族の縁が薄かったからこそ、今が幸せなのかもしれない。

    この巻では不破友之進の嫡男・龍之介改め龍之進の話がどれもよかった。
    自分の証言により父親を殺人犯としてなくすこ

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    2020年09月24日
  • 黒く塗れ 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    目次
    ・蓮華往生
    ・畏れ入谷の
    ・夢おぼろ
    ・月に霞はどでごんす
    ・黒く塗れ
    ・慈雨

    今回捕物が少ないなと思ったら、作者があとがきで「捕物」ではなく「余話」を書いているのだといっている。
    というわけで、伊三次が出会うあれこれの出来事が書かれているのだけど、やはり後味苦い作品が多い。
    特に『畏れ入谷の』は、なんだかんだ言って上手くいくんだろうなあと思いながら読んでいたので、如何ともしがたい結末に、それでも目を逸らしてはならないという伊三次に、胸を突かれた。

    多分始めは善意からの行為だったはずが、いつの間にか姥捨て山で金儲けの話になってしまった『蓮華往生』。江戸時代、武家の一人娘の生きる道は、

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    2020年09月05日
  • さんだらぼっち 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    目次
    ・鬼の通る道
    ・爪紅
    ・さんだらぼっち
    ・ほがらほがらと照る陽射し
    ・時雨てよ

    家を焼け出されたお文は芸者をやめて、伊三次の女房になる。
    が、今まで女中を雇って家のことをやってもらっていたお文には、家事は難しいばかり。
    見かねた長屋のおかみさんたちがあれやこれやと面倒を見てくれていたうちはよかったが、子どもをめぐるいくつかの事件が重なって、お文は近所とトラブルを起こし家を飛び出してしまう。
    やれやれ、なかなか落ち着かない二人である。

    それにしても、ずっとお文の家で身の回りの世話をしていたおみつは、あんなにお文を慕っていたのに、いくら流産して気が高ぶっていたとはいえ、あんなひどい事をい

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    2020年08月20日
  • うめ婆行状記

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    内容(「BOOK」データベースより)
    北町奉行同心の夫を亡くしたうめは、堅苦しい武家の生活から抜け出して独り暮らしを始める。気ままな独身生活を楽しもうと考えていた矢先、甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことを決意決意するが…。遺作にして最後の長篇時代小説。

    令和2年8月3日~5日

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    2020年08月05日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    目次
    ・因果堀
    ・ただ遠い空
    ・竹とんぼ、ひらりと飛べ
    ・護持院ヶ原
    ・さらば深川

    伊三次とお文はよりを戻し、それ以上にこじれていた伊三次と不破の関係も修復した。
    おみつが嫁ぎ、お文の家に新しい女中・おこなが来るのだが、この娘がまたキャラクターが強くて面白い。
    もしお文が芸者をやめたなら、彼女の出番はなくなってしまうのだろうか。
    だとしたら、ちょいと惜しいな。

    前妻や生みの親など、家族の話が多かった気がするが、「護持院ヶ原」である。
    幻術使いのでてくる、ちょっと今までとは毛色の違う話なのだが、これがホラーのようなでも切ないような絶妙な読後感。
    そして、伊三次が髪結いであること、不破が剣の使

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    2020年08月01日
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    目次
    ・紫紺のつばめ
    ・ひで
    ・菜の花の戦(そよ)ぐ岸辺
    ・鳥瞰図
    ・摩利支天横丁の月

    作者によると、このシリーズの狙いは「変化」にあるのだそうだ。
    なるほどこの巻だけでも、伊三次はお文と別れ、幼馴染みに先立たれ、同心の小者であることをやめる。

    誰かが悪いというわけではない。
    それぞれが、それぞれの立場で考え、行動した結果、気持ちがすれ違ってしまうのだ。
    読者からするとどちらの気持ちも分かるので、余計にもどかしい。

    けれど、シリーズ名が「捕物余話」と言っているのだから、まあ、そのうち戻るのだろう。
    人の気持ちは簡単に変われないのならば、ゆっくりじっくり捻じれが解けるのを待つことにし

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    2020年07月05日
  • 余寒の雪

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    宇江佐真理さんの著作を読むたびに、気持ちがほっとします。
    哀しく泣ける話もあるけれど、殆どの作品で優しい読後の気分が味わえます。
    違う作家の重い作品を読んだ後の宇江佐さんには、気持ちを楽にして貰えます。

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    2020年06月21日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    目次より
    ・幻の声
    ・暁の雲
    ・赤い闇
    ・備後表
    ・星の降る夜

    デビュー作だし、髪結いだし、短編だし、これは読み終わった後ほっこりとよい気持ちになれる人情ものなんだろうと思って読み始めたのだけど、違った。

    表題作の「幻の声」は、ろくでもない男にたぶらかされた女が、男の罪を全て被って刑に服す(死罪)のは、なぜかという話なのだが、最後まで読んでも男は改心しないし、女も罪をかぶったままだ。
    何故かというと、それは幻の声のためなのだけど。

    二作目は、伊佐治の恋人のお文が事件の謎を解くのだが、これもまた切ない幕切れで。

    伊佐治もお文も家族との縁が薄い。
    だから余計に安っぽい人情ではなく、

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    2020年06月18日
  • あやめ横丁の人々

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    時代小説というよりファンタジー捉えて欲しいとあとがきで作者がいうように、江戸時代の人情物語を少しふんわりとした感じか。元々新聞の連載小説ということで少しずつ楽しめて、それでも最後は少々ドキドキするような仇討ちもあり。

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    2020年06月11日
  • 通りゃんせ

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    内容(「BOOK」データベースより)
    平凡な25歳のサラリーマン、大森連はツーリングに出かけた先で道に迷い、滝の裏に落ちてしまう。目覚めると、そこはなんと天明6年の武蔵国中郡青畑村―!?時次郎とさな兄妹の許に身を寄せ、川の氾濫や重い年貢が招く貧困等、江戸の過酷な現実を目の当りにしていく連。天明の大飢饉のさなか、村の庄屋が殺害される事件が起こり、連は思い悩みながらも自らの運命を切り拓いてゆく―。感動の長編時代小説!

    令和2年5月12日~14日

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    2020年05月14日
  • なでしこ御用帖

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    八丁堀の町医者の娘、17歳のなでしこちゃんことお紺の捕物帖。
    お紺を取り巻く人々の人生、人情が描かれていて、江戸時代も現代も、恋に仕事に嫉妬に恨みに親心に義理に身分に、悩みは尽きないと思わされます。
    お紺の祖父は、斬られ権左。今も語り継がれる捕物の匠。
    読んだ。知ってる、権左。好きだった、確か。でもすっかり忘れている。ので、再読します。
    久々の宇江佐真理さん。優しい眼差しが感じられて、読むとほっとします。

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    2020年04月17日
  • 深川恋物語

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    ネタバレ

    2019/12/28
    読み終わってからずいぶん経って忘れてしまった。
    面白かったけど短編だしもう纏めた感想は書けない。
    でも
    「滅法界もなく乙粋だと思わねェか、親父」
    「極上上吉の凧だわな」
    っていうやり取りがかっこよすぎて覚えとこう&使いたい。
    滅法界もなく
    乙粋
    極上上吉の
    なんとかして日常会話に紛れ込ませてやろう。

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    2020年01月06日
  • 古手屋喜十 為事覚え

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    内容(「BOOK」データベースより)
    お江戸は浅草のはずれ、田原町で小さな古着屋を営む喜十。恋女房のおそめと二人、子がいないことを除けば日々の暮らしには不満はない―はずだったのに、何の因果か、たまりにたまったツケの取り立てのため、北町奉行所隠密廻り同心・上遠野平蔵の探索の手助けをする破目になる。人のぬくもりが心にしみて、思わずホロリと泣けてくる、人情捕物帳の新シリーズ、いよいよスタート!

    令和元年12月14日~16日

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    2019年12月16日
  • 竈河岸 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次と深川芸者・お文の恋から始まった長寿シリーズの感動の最終巻。人は子供を生み育て、そして歳を重ねる。こうして人の世は続いてゆく。
    全15巻を読み終えて、感謝と寂しさが果てしなくこみあげてくる。若かった伊三次とお文が二人の子供を立派に育て、そしてその二人の子も自立し自らの道を歩んでいく。また、不破家の二人の子も誰もが認める独立した人となった。宇江佐さんがまだまだ描きたかった物語の続きは、読者の勝手な想像で楽しみたい。

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    2019年12月04日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

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    髪結い伊三次捕物余話シリーズ。

    伊三次とお文、不破友之進の世代から、最近は伊与太、龍之進、茜の世代に移ってきたシリーズだけれど、今作の六つの物語は久々に「伊三次」の「捕物余話」らしいエピソードだった。
    とはいえ、荒事などはない。
    若さ故の苛立ちもいつしか家族との幸せに洗われて、涙もろくなり、情に厚くなった伊三次に合わせるように、生前の姿を知る人々からの言葉や、店子同士の交流が、事件を解決する糸口になる。

    お文は相変わらずカッコイイ。
    離ればなれになった、伊与太と茜の心の行方が気になる〜。

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    2019年03月17日
  • 通りゃんせ

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    連が江戸時代の人間らしくなっていくのをみてなんだかしみじみとした気持ちになった
    個人的に時次郎がかっこいい。

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    2019年02月13日
  • 深川恋物語

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    短編集
    切ないお話もあるが、温かくて救いがある。そこが宇江佐さんの好きなところ。
    気っ風のいい台詞まわしもいいな。

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    2019年02月04日
  • 昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    2019/1/19
    大事に読むシリーズ。
    茜が心配だよー
    早く帰っておいで。
    伊与太が一人前にならないとダメか。
    え?この裏表紙のあらすじよ。
    「側室になることを決意した不破茜だが…」って決意してないよね?
    なぜこんなこと書くの?ちゃんと読んでないの?

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    2019年01月20日
  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

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    はじめてこのシリーズを読みました。入門編としてはどうだったのかな。
    ほんわかとするね。
    他も読んでみます。

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    2018年12月13日
  • アラミスと呼ばれた女

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    時代は幕末から明治。

    江戸の錺職人の父平兵衛は、外人の国への土産の簪
    などを依頼されて作っていた。名人。
    意匠を依頼主の外国人と通詞を介して話すのに、
    江戸っ子の父親は回りくどいと感じて、
    自分でオランダ語会話を独学で習得。

    そんな錺職人を幕府の役人が放っておくわけがない。
    通詞の最下級の「稽古通詞助」の少し上「小通詞並」
    として出島に派遣される。
    もともと外国語習得が得意な父平兵衛はみるみるうちに、
    英語、フランス語にも意欲を見せる。
    平兵衛の娘「柳」もフランス語を学びたいと父に教わる。

    平兵衛と江戸時代から懇意にしていたのが榎本釜次郎。
    子供の頃から密かに釜次郎に思いを寄せる柳は

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    2018年11月25日