宇江佐真理のレビュー一覧
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時代は幕末から明治。
江戸の錺職人の父平兵衛は、外人の国への土産の簪
などを依頼されて作っていた。名人。
意匠を依頼主の外国人と通詞を介して話すのに、
江戸っ子の父親は回りくどいと感じて、
自分でオランダ語会話を独学で習得。
そんな錺職人を幕府の役人が放っておくわけがない。
通詞の最下級の「稽古通詞助」の少し上「小通詞並」
として出島に派遣される。
もともと外国語習得が得意な父平兵衛はみるみるうちに、
英語、フランス語にも意欲を見せる。
平兵衛の娘「柳」もフランス語を学びたいと父に教わる。
平兵衛と江戸時代から懇意にしていたのが榎本釜次郎。
子供の頃から密かに釜次郎に思いを寄せる柳は
フ -
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日に日に夫の正一郎が苦手になる。
融通が利かなく短気である夫は物言いも冷たい。
隠密周りの同心で、颯爽と歩く姿に一目惚れして、
嫁いだはずなのに。
いまだに、独身時代に惚れた相手が忘れられないのだろうか。
それに比べて、食いしん坊の舅、忠右衛門はいつも優しく
「おのぶ、おのぶ」と可愛がってくれる。
愉快な話をしては笑わせてくれる。
姑は、気っ風がいい女性で、
裏も表もない気持ちのいいさっぱりとした性格。
忠右衛門はそんなおひでに頭が上がらない。
食べ物に好き嫌いが多く食べれる物が少ないおのぶは、
いつも夫に叱られる。全てがそうだ。
だが、口答えせずに嵐が過ぎるのを我慢してるうちに、辛くなり -
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ネタバレ伊三次が、行き違いで文吉と仲違いをする。
そんな折、幼い女の子のいたずら目的のかどわかしが続いた。伊勢忠の娘の手を引き桜見物をして居た文吉の所の女中おみちの気がそれたところ、かどわかされた。
事件は直ぐに解決し犯人も捕らえられた。
長く修行した板前の仕事を、大工にならなきゃ娘はやれぬ、と言う一言で幼馴染が慣れない大工の修行も半ば、死んでしまう。
糸惣の隠居した旦那惣兵衛が殺された。
息をひきとる時に伊三次の名前を言ったと言う女中の証言で、殺人犯として捕らえられる。
最後まで信じ庇ってくれなかったことに腹を立てて、不破の小者をやめた。
ヤクザにならずに済んだ恩義がある不破の女房の、仇討ち未 -
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ネタバレこの本が受賞作で、デビュー作でもある。
北海道に居ながら江戸の時代物を書く作家。宇江佐真理の文章は、湖のさざ波のように、穏やかだ。小さな波が繰り返すうちに、登場人物の像は深くくっきりと生き生きと動き出す。江戸の市井の人情と粋とやせ我慢。
みんなみんな一生懸命生きている。
ワクワクするようなドラマティックなストーリー展開ではないが、しみじみと読むうちに、ハマる宇江佐ワールド!
連作はまだまだ続くが、この作家さん、今はもう生きては居ない。新作ができないことが悲しくなる。
この本からシリーズ化されるのは、『髪結伊三次捕物余話シリーズ』文庫本サイズで読みたいシリーズ。 -
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「髪結い伊三次捕物余話」も終盤にさしかかっています。
お気に入りのシリーズ、ゆっくり読んでいます。
伊三次は義兄の髪結い床(床屋さんですね)も手伝いつつ、廻り髪結いの仕事も続けています。
伊三次と芸者のお文の息子・伊与太は、絵師に弟子入りしていましたが、師匠が急逝。
すぐには落ち着き先が決まらず、ひそかに恋する茜のことに思いを馳せます。
不破友之進の娘・茜は松前藩の奥女中となっていますが、剣の腕を生かすための警護役なので男装。表紙の若衆髷のきれいなお兄さん?が茜なのです。
藩では跡継ぎが病弱なため、お家騒動が持ち上がりかけていて、若君に好かれている茜は巻き込まれていきます。
そんなとき‥?