宇江佐真理のレビュー一覧

  • 雷桜 新装版

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    随分前に映画化されていたのは知っていたが、未視聴。
    2人の恋の話が主かと思いきや、後半まで2人は出会わなく、ほぼそれぞれの生い立ちや生活を描いていた。2人の恋の時間はほんのひと時。それでもずっと心は添い遂げたんだと、そういう人と出会えたのは凄いと思う。

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    2025年04月17日
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話

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    ネタバレ

    幻術遣いが出てきて、なかなかに面白かった。幻術遣いに御経を唱えて対抗するのがかっこよかった。さらば深川という題名からして、文吉と伊佐次にケリが着くとは思っていたけど、こういうケリの着き方だと思わなかった。良い方向に向かうと良いけど…。

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    2025年04月15日
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話

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    江戸情緒満載!泣ける短編の数々。ディテールの細かさ。様子の良さ。ノンストップに次々読んでいってしまう。次が楽しみ。

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    2025年03月23日
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし

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    美味しそうな料理が紹介され、食べたくなります。舅の最後釣りで退場は、すごく寂しい。帰ってきて欲しかった。のぶの感情の動きを見事に描ききった作家の腕前に感服した。

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    2025年03月10日
  • 余寒の雪

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    2003年に刊行された小説、ちょっと古いかな、と思って読んだがそもそも時代小説にはその概念が当てはまらない事を痛感した。7編の物語から構成されており、それぞれの内容はどれも至極の内容だった。特にタイトルと同じ章の余寒の雪は主人公の知佐と松之丞の絆と主人公が成長する姿が描かれておりとても暖かく感じられた。

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    2025年02月13日
  • 為吉 北町奉行所ものがたり 新装版

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    ネタバレ

    時代小説を夢中になった初期の作家は宇江佐真理
    先生が乳がんで亡くなられた時に全ての作品を読
    了していたと思っていたが・・・あれから十年近
    い時が過ぎて、思わぬクリスマスプレゼントです
    高級料亭の様な材料の処理に淡泊な口当たりに見
    えるけど、実は食材の旨みを存分に引き出した料
    理の腕を感じる・・・この世界、良い

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    2024年12月25日
  • 蝦夷拾遺 たば風

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     決してハッピーエンドではない。だけど、いつまでも心に残る。

     「たば風」は純愛を美しく魅せてくれた。

     何処にでもいる市井の人。大きな時代の流れの中で、そう生きるしかなかった人。
    「柄杓星」も両想いなのに添えない。

     生きているといろんなことで心に傷を負う。一生携えて何処かに眠る傷もある。

    解説の文章の「たとえ樹木の末端の枝のような生であろうと、1本の木を構成する大切な1部。」という言葉が残る。

     大部分の人は無名だ。だけど、失った時に、二度と会えないとわかった時に哀しみに気づく。その笑顔が、その声がどれほど大切であったかを。


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    2024年11月22日
  • 昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    不破龍之進ときいとの間に長男が生まれ、伊三次一家も祝いのムードに包まれる。松前藩の屋敷に勤める龍之進の妹の茜は、嫡男の良昌に見初められ、側室に望まれていた。伊三次の息子、伊与太に思いを寄せる茜は、その申し出をかわしていたが、良昌の体調が刻一刻と悪くなっていくことに心を痛める。一方、伊与太は良い師匠に恵まれたものの、才気溢れる絵を描く弟弟子から批判され、自らの才能に悩んでいた。思い詰めた彼は、師匠と親交のある当代一の絵師、葛飾北斎のもとを訪れる――。人生の岐路を迎える息子や弟子に、伊三次は何を伝えられるのか。大人気捕物帖シリーズ第13弾。

    令和6年10月27日

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    2024年10月29日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    デビュー二十年! 大人気シリーズ第十一弾

    伊与太が秘かに憧れて、絵にも描いていた女が死んだ。しかし葬式の直後、彼女の夫は別の女と遊んでいた……。江戸の人情を円熟の筆致で伝えてくれる大人気シリーズ第十一弾!

    令和6年10月14日~16日

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    2024年10月17日
  • 大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ

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    ネタバレ

    料理茶屋の主人、清兵衛は、隠居を機に死の恐怖に取り憑かれるが、霊感のある幼馴染、甚助に救われる。その甚助に誘われ、怪異を語り合う「話の会」に参加するようになると、徐々に元気を取り戻していく。ところが、会の参加者が一人、また一人と、怪異と死に近付いて行ってしまい‥。

    最初は、登場人物たちが百物語を語っていく短編集かなと思っていたら、違った。実際に見聞きしたことを語り、その考察を参加者たちで重ねる。語られる怪異に派手な怖さはないものの、じわじわ、そろそろと、こちらの心に忍び寄ってくる。
    清兵衛と甚助、幼馴染同士の、くだけているけど信頼し合っているのが伝わるやり取りが、一服の清涼剤だ。

    会の参加

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    2024年10月09日
  • 甘露梅 新装版~お針子おとせ吉原春秋~

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    吉原の風雅な情景と色恋の悲哀が見事なコントラストとなり、物語世界に惹き込まれました…!

    旦那の死や息子の結婚を機に吉原の遊郭でお針子となった「おとせ」を主人公に、吉原の美しい四季折々のなかで繰り広げられる様々な恋愛模様を描いた短編集。

    吉原の年功行事には驚かされると同時に当時の華やかさを感じました。
    例えば、巻頭の「仲ノ町•夜桜」では桜の木が葉桜になる前に根こそぎ刈り取り、また季節がきたら植え直すという吉原の習わしが出てきます。
    なんて贅沢な…と思ってしまいますが、その絢爛さが作中の悲恋をより際立たせ、それぞれの話を魅力的にしています。

    個人的にはそれが極まる「くくり猿」が好きで、江戸の

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    2024年10月05日
  • 今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    江戸の大火で住み慣れた家を失ってから十年。伊三次とお文は新たに女の子を授かっていた。ささやかな幸せをかみしめながら暮らすふたりの気がかりは、絵師の修業のために家を離れた息子の伊与太と、二十七にもなって独り身のままでいる不破龍之進の行く末。龍之進は勤めにも身が入らず、料理茶屋に入り浸っているという…。

    令和6年10月3日~5日

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    2024年10月05日
  • 雷桜 新装版

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    ネタバレ

    合縁奇縁という言葉あるが、気心が合わない環境にいるなかで気持ちの合う人と結ばれるのは微笑ましい。そしてそれが淡く哀しいラストになるのが好きな自分としては本作はとても良かったです…!

    本作のメインは山育ちの平民である遊と将軍の御子である斉道のラブストーリー。
    遊も斉道も尋常の男女ではないが、それ以上にどちらも環境に対して不服を抱いてる点でも共通している。

    遊は赤子の頃に誘拐され、自由奔放な山暮らしをしていた。そこから実の親のいる人里に戻り、山暮らしとは違う環境で周囲から浮き、社会の習わしや周りからの奇異の視線に窮屈さを感じている。
    その一方、将軍十七男で将軍の実子であることを証明しようとする

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    2024年09月29日
  • 黒く塗れ 髪結い伊三次捕物余話

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    内容(ブックデータベースより)

    日本橋佐内町で夫婦水入らずで暮らす伊三次とお文。稼業の髪結いと捕物に明け暮れる中、やがてお文が出産の日を迎えた。

    令和6年9月13日~16日

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    2024年09月16日
  • 大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ

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    不思議を語り合う『話の会』に幼馴染の甚助に誘われて参加するようになった料理茶屋の隠居平野屋清兵衛。
    怪異についてははっきり怪談とは言わず不思議を語るというスタンスなのは参加者全員が妙に死に近い場所にいるからだったのかと読み終わってからめちゃくちゃ納得した。
    誰が引き金だったのかとかはっきりは分からないけど、執着についての物語だったんやなぁと理解した。生と死についての執着。あまりにも江戸時代の隠居が早すぎて80歳から年金と比較してしまうけど、現代じゃないホラー小説もなかなかおもしろかったです!

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    2024年09月14日
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし

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    ネタバレ

    久しぶりの時代小説〜
    知らない言葉などを引きながら読むのもまた楽しみの一つです。
    心があったかくなる人柄のいいキャラクターに癒されました。最後私も忠右衛門がどこかで生きている!という思いを捨てる事ができないまま本を閉じました!

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    2024年07月22日
  • ひょうたん 新装版

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    古道具屋の主人・音松と女房のお鈴。ガラクタ同様の品物を売り、細々と暮らしている。
    困っている人をほっとけない2人の店には色んな人々が集まってくる。古道具屋に持ち込まれる訳ありの品物をきっかけに事件がおこる。
    人を信じ、騙され、赦し、助けて助けられと江戸の人情物語だ。江戸の市井の人間模様や生活ぶりが温かく細かく書かれていて読みやすい。
    6話が収録されていて、悲しい話もあったがどれも興味深く読めた。
    最近、宇江佐真理の新装版が次々と刊行されているので、読んでない方はこれを機会に是非読んでみては?

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    2024年07月15日
  • あやめ横丁の人々

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    ネタバレ

    2024/7/6
    侍は嫁もらって女の子は生涯独身のまま火事で死んだんか。
    って結末だけ書くとなんやそれ!やねんけど、読後感はそれだけじゃないんよ。
    やりきれない感じもあるし、仕方ないという諦めもあるけど、あっぱれな感じさえあるのよ。
    もらった嫁がいいしな。
    あのまま親分の跡を継ぐのかと思ったし、その方が物語としてハッピーなんだけど簡単に終わらせないとこが小憎らしいよな。

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    2024年07月14日
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話

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    作者の宇江佐真理さんの環境の変化もあり、優しい雰囲気が増しています。

    あやめを丹精することが生きがいの老婆が、庭で頭を打って亡くなってしまう。彼女の部屋から高価な持ち物が消えていることを不審に思った息子は、伊三次に調査を依頼する。暗い過去を持つ、花屋の直次郎が疑われるが……。(「あやめ供養」)
    伊三次の弟子、九兵衛に縁談が持ち上がる。相手は九兵衛の父親が働く魚屋「魚佐」の娘だが、これがかなり癖のあるお嬢さんだった。(「赤い花」)
    浮気性で有名な和菓子屋の若旦那は、何度も女房を替えているが、別れた女房が次々と行方知れずになるとの噂があった。このことを聞いた伊三次は同心の不破友之進に相談する。

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    2024年07月07日
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―

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    ネタバレ

    目次
    ・落ち葉踏み締める
    ・雪まろげ
    ・紅唐桟
    ・こぎん
    ・鬼
    ・再びの秋

    古手屋というのは、今でいう古着屋。
    江戸時代の庶民は、今よりもはるかに古着に対する抵抗がなかったので、それほど儲かる商売ではないにしても、食うには困らなそう。
    そして、古手屋のかたわら、同心の手下でもある。

    面白いのは、普通の時代小説では、同心、岡っ引き、下っ引きは、心をひとつにして事件の真相解明に奔走するのだけど、この喜十は、っていうか、同心の上遠野(かどの)平蔵が、ケチでしみったれで人の心を逆なでにする発言を多発する男で、喜十は必ずしも上遠野に絶対的な信頼を置いていない。
    しょっちゅう心の中で悪態をついている。

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    2024年06月28日