宇江佐真理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ蝦夷松前藩の移封(お国替え)から帰封までの19年間の、
浪人となった松前藩士の江戸での暮らしを書いた作品。
長崎での交易などは、比較的華やかに作品にされるかと
思うのですが、北国ものって、北国人の特性なのか
あまり主張満々で作品になかなか上ってこない印象。
そんな北国事情の歴史動向を下敷きにしながらも、
本作品は江戸の裏店暮らしでまっとうに生きようとする
下町の人らの関わり合いをえがいていて飽きません。
結末としては、多少の無常観が尾を引きますが、
終わりの数行の、現代にも通じる、
長く生きてつらい思いをのみこみながら前に進んだ後に
見える、ささやかともいえる暮らしややり取りに
息づいてい -
Posted by ブクログ
髪結い師でありながら、八丁堀の同心・不破友之進の部下として活躍する伊三次。そして男勝りの深川芸者・文吉とのさっぱりした愛情。そして不破・いなみの夫婦などの魅力的な人物に溢れ、読後の爽快感は格別です。いずれも言葉は荒っぽいのですが、それが一層江戸情緒を引き立てているように思います。登場する罪を犯してしまう人たちも弱さをもった愛するべき人たちとして描かれています。悪人は全く登場しないかのようです。特に文吉の先輩おなみの不幸を描いた「暁の雲」章。不破の隣家の奥方ゆきの火事好きからの事件を描いた「赤い闇」章など、ユーモアもありながら哀しみを感じさせ素晴らしい章です。山本周五郎、藤沢周平などの系譜に繋が