京極夏彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ・12月19日に読みはじめ、28日に読み終えました。
・いやすごボリューム。積読を消化するのに飽きてきて(これだから溜まり続けるのでは?)フォロワからおすすめしてもらった本①です。京極夏彦は初めて!本屋さんで背見たときは笑った。京極夏彦だ。分厚すぎる。持っていった美容室で「聖書ですか?」って言われた。京極夏彦です。
・おもしろかった! ゴリゴリのSFとミステリ…… こういう章ごとに別々の視点で描かれるやつは(今作だとふたり)、ふたりの状況が交わるところが気持ちええよなあ。
・死にかけるような目に遭っても、殺すか殺されるかの状況から抜け出したとしても、特に変わりなく生活が続くのはうっすらとおそろしい。私は、なんらかの事件が起こって色々巻き込まれても、それでも生活は続く……というような作品が好きなのですが(『まほろ駅前多田便利軒』とか。)、これに関しては「ちょっとは変わってくれよ」と思った。
・でも記録が全てで、その記録も簡単に書き換えられちゃうようなものだってことを読んできて知ってるから、がっかりというか……残念な気持ちにはならなかった。まあ、そうなっちゃうよな…… というどうしようもなさ。
・でもそのへんの生活に根ざしてる根幹がガバガバシステムなのにな~んにも変わらないの怖すぎか!? 鈴木敬太郎というひとりの老人が死んだところで世界がひっくり返るわけではない、というのも表しているんだろうけども。
・記録にあることがほんとう、記録にないことはなかったことになる彼女たちの世界で、葉月たちが巻き込まれた事件も経験もなかったことになってしまうけど、きっともう葉月たちの前に歩未は現れなくて、その不在だけが事件の証拠になるんだろうなと思った。
・テーマ?というか物語の芯に「狼」があったからか、葉月視点でも静枝視点でもにおいを嗅ぎ取るシーンがよく描写されてたなあ。今作で「狼」は歩未だったけど、きっと誰しも狼になり得るんだろうなと思う。すごく月並みな感想だ。
・美緒もけっこうえげつない殺傷してたもんなあ。美緒、かなり好き。ティーンの天才キャラは見た目にそぐわない頭脳明晰さと見た目通りの情緒のギャップがたまらんよなあ……
・歩未が太陽の位置で方角をわかってたこと、すごすぎる。私は地図があったとて全然読めない。Google Mapでさえ真反対に行こうとする……
・あと、私は……つくづくミステリを読むのが下手だな……と思った。この作品はミステリ要素もアリ!って感じだったから別に読むのがたいへんとかじゃなかったんだけど、事件の真相を自分で考える…… みたいなこと全然できなかった。
・もともと登場人物の人間関係や感情の行く先を読むのが好きだから、読書中の自分は考える媒体じゃなくて感じる媒体になってるんだよな。たぶんこれのせい。ミステリをミステリとして楽しめないの。
・だから苦手なわけじゃないんだけど、ミステリメインの作品は本来の楽しみ方ができてないような気がする……!!となってしまう!! まあ…… それぞれの楽しみ方でいいんでしょうが……
・私は葉月たちの世界とたぶんかなり相性いいだろうなと思った。記録が大好きなので。個人的な日記を8年くらい続けているし、人に見せても良い日記は2年くらい書いてる。こういうふうに、読んだ本の記録もしてるしね……
・なんで記録するのかっていうと、単純に生活を振り返るのが好きっていうのもあるし、その日あったこと感じたことを書いておかないとその日の自分/この本を読んで思ったことがなくなっちゃうような気がするっていうのもあるからで、「瞬間」と「一日」の違いはあるけどまさに本の中で葉月が感じてたようなものに近い。
・だからもし、2-3年前くらいの日記が書き換わったとしても、私は書き換わってる方を信頼するだろうなと思った。日記は完全に「私」が書いてるからっていうのもあるが。
・自分では100%読まないような本だったので新鮮ですごく楽しかった! 人に勧めてもらうのは良い。
・なんだか続編がありそうな感じなので、近いうちに読みたい。アニメ映画もあるそうな。映像映えするだろうな~。 -
無料版購入済み
真実は
さまざまな怪奇現象。迷信や言い伝えによって翻弄させられてしまうも中尊寺先生によって不思議なものは何もない、と解決に導かれる。推理していく過程が面白い。合間に出てくるプリンアラモードやクッキーが美味しそうでした。リラックスには漫画の中でも甘味ですね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ【2022年57冊目】
救いようがない厭さで溢れた小説である。
初っ端の「厭な子供」からして大層不快な気持ちになり、その気持ちから逃れようとページを進めてみても、どんどんと厭な短編が押し寄せてくる。その内に深谷なるキャラクターがどの話にも出てくることに気づき、「ははーん、こいつが何かしらの根源なのだな」と思うに至る。
のに、深谷、何にも悪くないのである。
深谷どころか、登場人物全員何をしたんだよと言いたくなるような目に遭う。直接的な被害を受けないのは厭な上司亀井くらいだ。
そのことさえも何とも厭なストーリーである。
解説では古今東西の厭な小説がひたすら紹介されている。解説というか、終始本の紹介に徹していて、なんとも解説の仕立てまでもが厭なものとなっている。なんで不快な思いをした後に、更なる厭な小説を紹介されなくてはならないのか。
と思いながらも、きっと気になって手をつけてしまうのだと思う。
厭だ。
初読:2012年11月1日以前 -
購入済み
原作がそのまま絵になったよう
原作を読んだときに頭の中でぼんやりイメージしていた光景がくっきりと目の前に浮かび上がってきたような感じがする。原作で読み落としていた部分がコミックを読むことによって再認識できたところもあった。
たださすがに原作の古文を用いた幽玄な雰囲気の完全な再現は困難であった。 -
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京極夏彦の名作ミステリー『魍魎の匣』、分冊文庫版の中巻。
柚木加奈子の失踪事件を追う刑事・木場。大財閥・柴田家のエージェントである弁護士の増岡から、遺産相続者である加奈子を探し出して欲しいとの依頼を受ける探偵・榎木津。「連続バラバラ事件」の被害者が「御筥様」の信者という共通点を見出し、「御筥様」の実態に探りを入れる雑誌記者・鳥口。いつの間にか巻き込まれていく(笑)作家・関口。そして、彼らがもたらす情報等を基に、真相へと辿る道を作り上げる安楽椅子探偵(多分)、「京極堂」こと中禅寺秋彦。
同時進行で発生する不可解な事件たちが徐々に結びつき、これらの事件の中心にいる"何者か"に迫ってゆく―――。
次々と明らかとなっていく事件の裏表・・・と、無論基本的にはシリアスで、出る笑いと言えば引き攣ったものくらいなのだが、榎木津と関口の「御亀様」の件は普通に笑ってしまった。全般、榎木津がフリーダムすぎて笑えるのよ(実際に関わったら殴り倒したくなるだろうが)。
次巻が最終巻。失踪した加奈子の行方は果たして―――。 -
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京極夏彦の和風ミステリー、「百鬼夜行シリーズ」の2作目。分厚過ぎて文庫本が"匣"型になってしまったことで有名(?)な本作、『魍魎の匣』を手に取ってみた。(手に取ったのは、取り扱いに良い分冊版。)
中央線武蔵小金井駅で発生した人身事故。重傷を負いながらも一命を取り留めた女学生・柚木加奈子。「加奈子を――死なせはしません」、加奈子の姉・美波絹子、もとい柚木陽子は決然と言い、加奈子を森の中に佇む正方形をした異様な建物「美馬坂近代医学研究所」へ運び込む。警察によって過剰な程の警備体制が敷かれる謎の研究所。そんな中、身動きが取れないはずの加奈子が研究所から姿を消してしまい―――。
その素性に謎を秘める加奈子。加奈子の転落事故に居合わせた、彼女との"運命的な関係"を妄信する同級生の頼子。突然引退して世間から姿を消していた元女優で加奈子の姉である陽子。そして、陽子が加奈子を託した「美馬坂近代医学研究所」の所長・美馬坂幸四郎。彼らの秘められた関係を明かすための鍵は、同時期に発生する「連続バラバラ事件」と、その被害者を繋ぐ「穢封じ御筥様」と呼ばれる宗教集団なのか。まだまだ物語は始まったばかり―――。 -
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なんとなく知っているつもりだった四谷怪談だが、本書を読んで、案外と知らないことに気付いた。鶴屋南北の『東海道四谷怪談』など読んでないから、それも当然なのだが、案外と登場人物も多い、込み入った話なのだね。だから、どの辺りが南北から受け継いだ部分でと言った考察はできかねるのだが、伊右衛門と岩のキャラクターが、南北版とは大きく変わっていることぐらいは分かる。もっとも巻末の解説によると、岩のキャラクターは、南北が下敷きにした事件に取材した実録小説に多くを負っていると言うからおもしろい。
お互いに愛し合っているのに相手に伝わらないという、不器用過ぎる二人の悲劇を、同じようにわずかな齟齬が積み重なって生まれた悲喜劇が取り囲む。 -
購入済み
画力
画力がすごく高いので、安心して読めます。これは原作の小説では表現できない面ですね。特に女の子キャラが良いです。みんな可愛いのに、しっかりと描き分けもできていて凄い。ただ、その代わり男キャラの肩幅が狭くみんなヒョロヒョロなのか気になりました。