京極夏彦のレビュー一覧

  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

    Posted by ブクログ

    メモしておくのを忘れてしまったので、正確な言葉ではないけれど

    本とは、既に死んでいるものである。


    言葉は道具でしかないのだから、重いも軽いもなく、
    ワードやエクセルを自在に使える使えないの違いみたいなものじゃないのかな。
    早くて便利で確実だけど、淡白かもしれない。
    どんな言葉を遣っても
    そこに、強い意思や深い思考があるかどうか
    自分でその言葉を遣おうとして遣ったのか
    受け手に対して、適切に遣っているのか
    そういうことが大事なんじゃないかなあ。

    道具に慣れてしまうことはあるけど、
    時々振り返ってみよう。

    つづく。

    0
    2019年12月09日
  • 後巷説百物語

    Posted by ブクログ

    お話の筋や仕掛けやあれやこれやは好きなんだけど、与次郎達4人の会話に苛々してしまって、読み進めるのに苦労してしまった。
    でも好きですよ。
    由良家の発端を知れるところが良い。
    あと、和田智弁ね。
    又市はスーパースターであり元凶でもある‥。

    百介さんは、又市さん(達)のことが本当に、好きで好きでたまらなかったのね‥。
    なんだか切なくなってしまった。
    それ以外のことは重さも厚みもない、そういう体験をしてしまったら、仕方ないのかな。
    小夜さんを託されて良かったね、百介さん。

    0
    2019年11月29日
  • 絡新婦の理(1)

    購入済み

    相変わらず凄い

    今昔百鬼拾遺三作を読むにあたり、呉美由紀ちゃんの出てくる原作を読み直したかったのだけど、時間が無いので漫画でおさらい。
    志水先生の画力と構成力は相変わらず素晴らしいです。ただ絵にするとキツイ描写が結構あるんですよね…
    内容かなり忘れていたのでおさらいには丁度良かったです。
    でも改めて原作読みたくなってしまいました(笑)

    0
    2019年11月26日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

    Posted by ブクログ

    ことばと本、ひと、それぞれか生かし生かされ、作用できることとできないこと。俯瞰して感じられる一冊でした。

    0
    2019年11月19日
  • 続巷説百物語

    Posted by ブクログ

    決して嫌いではないんだけど、読み進めるのに少し躊躇する。
    百介が切ないのと、仕掛けが大き過ぎて何が何やら‥。
    もう小悪党じゃないじゃん、何だってできるじゃん、みたいなね。
    あと、野鉄砲で百介の兄が「昼も夜もなかろう」的なことを最後に言うのが好きだったんだけど、いつまでもふらふらはできないのね‥と切なくなる。

    0
    2019年11月14日
  • 遠野物語remix 付・遠野物語

    Posted by ブクログ

    昨日まで東北を旅行していました。最後の訪問地が遠野です。その前に遠野物語を読もうと思いました。
    最初に手にしたのが青空文庫。しかしなかなか読みづらく。たどり着いたのがこの本でした。

    原文を単に口語体に変換するだけでなく、本来なら注釈とすべき内容を本文内に上手く取り込むことによって、平易で読みやすくなっています。さらに説話の順番を入れ替えて括ることによって、頭に入りやすく工夫されています。
    後ろには柳田さんの原文も付いています。入門編ともいうべき京極さんの文章を読んだ後にこちらを読むと、原文が削ぎ取られたような名文である事が良く判ります。

    ところで実際に訪れた遠野。
    卯子酉様とか五百羅漢、コ

    0
    2019年11月11日
  • 旧談

    Posted by ブクログ

    江戸時代の随筆「耳嚢」から取った怪談風の話をリライトした作品集。怖い話というのはあまり無いのだけど、併記されている原文を読むと当時の社会情報まで伝わってくるようで面白かった。

    0
    2019年10月20日
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急

    Posted by ブクログ

    日本から霊などがいなくなり、妖怪が人々の目に見えるようになるお話
    「この世に不思議な事など何もない」と言い、実物の妖怪を出してこなかった京極夏彦がとうとう人の目に見える形で妖怪を登場させるというのに驚く
    豆富小僧は妖怪として登場してたけど、そんな概念としての存在ではなく、デジタルデータすら書き換えて映像記録にも残る
    妖怪が見えるようになるカラクリに関してはキーアイテムの存在こそフィクションだけど、理屈としてはまぁ妥当なものなのかな?

    ただまぁ、最後まで読めばいつも通りなんだけどね
    やってくれるぜ京極……


    作家さん達が実際の名前で登場するし、妖怪だけでなくフィクションのキャラクターが色々出

    0
    2019年10月17日
  • 前巷説百物語

    Posted by ブクログ

    シリーズ第四弾。

    今回は、小股潜りの又市がまだ若いころの物語です。ある事件をきっかけに、裏稼業を引き受けている「ゑんま屋」の仕事を請け負うことになった又市は、ひとが死んでしまうような解決策を嫌うという青臭い正義感にこだわろうとしながら、身に降りかかってくるさまざまな事件に対処します。

    連作短編なのですが、クライマックスには、『続巷説百物語』で最終的に決着がつけられることになる祇右衛門との最初の対決が配されており、そこへ向かってしだいにストーリーが盛り上がっていくにつれて、又市の苦悩が深まっていく様子がていねいにえがかれており、読者を物語にぐいぐい引っぱり込んでいきます。

    0
    2019年10月14日
  • 百鬼夜行 陰(全)【電子百鬼夜行】

    Posted by ブクログ

    「何か」に触れて呆気なく壊れてしまう人達の物語。
    関口くんの壊れっぷりは悦に入っているなあ。
    でも、雪絵さんも京極堂もいるんだもんなあ。
    羨ましい。
    京極堂シリーズを読むと、戦争の影響力の強さがわかる。
    経済やら体制やらの変化ではなく、戦争によって生まれる些細な綻びが、人や物事を歪めてしまう。
    だから戦争はない方が良いのだ、というお門違いの感想。

    0
    2019年10月08日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

    Posted by ブクログ

    登場する人物やら舞台設定やらでちょっと堅苦しく感じはしたもののいやー面白い面白い。百鬼夜行シリーズとの繋がりもあるし京極夏彦ファンは読んで損はしないなぁ。

    0
    2019年10月05日
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし

    Posted by ブクログ

    説明回、って感じ?
    達磨さんは豆腐小僧に説明しているようで、私達に説明しているのだー。
    構造もキャラクターも馬鹿馬鹿しいんだけど、そもそも妖怪は馬鹿馬鹿しいものなので。
    豆腐小僧は可愛いなあっていう、ただそれだけ。
    そう言えば映画になったね‥見に行ったよ‥。
    京極さんが豆腐小僧に掛ける謎の熱い思いが感じられて、良きかな。

    0
    2019年09月17日
  • 嗤う伊右衛門

    Posted by ブクログ

    岩と伊右衛門の実直さは美しい。
    でも、梅の狡さも嫌いになれない。
    少しずつ皆がすれ違い、波紋を作っていくのだなあ。
    又市が後手に回りすぎだよ!と思ったけれど、そうじゃなきゃ四谷怪談にならないので、仕方ない。哀しいね。

    0
    2019年09月10日
  • 遠野物語remix

    Posted by ブクログ

    遠野に伝わる数々の伝説の情景が脳裏に色濃く浮かび上がってくる。
    原風景への憧憬もさることながら、このような話を伝える語り部たちがどれほど残っているのだろうと、少し寂しくなる。

    0
    2019年09月09日
  • 数えずの井戸

    Posted by ブクログ

    数えるから、足りなくなる――。暗く冷たい井戸の端で、「菊」は何を見たのか。それは、はなかくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す!

    不器用さゆえか奉公先を幾度も追われた末、旗本青山家に雇われた美しい娘、菊。何かが欠けているような焦燥感に追われ続ける青山家当主、播磨。冷たく暗い井戸の縁で、彼らは凄惨な事件に巻き込まれる。以来、菊の亡霊は夜な夜な井戸より涌き出でて、一枚二枚と皿を数える。皿は必ず―欠けている。足りぬから。欠けているから。永遠に満たされぬから。無間地獄にとらわれた菊の哀しき真実を静謐な筆致で語り直す

    0
    2019年09月01日
  • 文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前作がすべて伏線で、今回まるっと回収で心地よかったです。

    長寿と毒を合わせた発想が面白すぎます。時間の流れの感覚を変えることで、他者よりも長く生きると勘違いさせる、それを魅力的に見せるってのが凄かったです。

    0
    2019年08月30日
  • 百鬼夜行 陰(全)【電子百鬼夜行】

    Posted by ブクログ

    姑獲鳥の夏から塗仏の宴までのサイドストーリー十篇。
    1番好きなのは煙に取り憑かれた男を描く『煙々羅』。男の壊れっぷりがたまらない不気味な怪作。『小袖の手』では、柚木加菜子の存在感の強さに改めて魅了される。『鬼一口』はルーガルーにも繋がってるのが嬉しいし、鬼についての薀蓄が面白い、なにより久保竣公のキャラは本当に蠱惑的。

    0
    2019年08月19日
  • 鬼談

    Posted by ブクログ

    鬼、さまざま。
    最後の最後で「ううっ」となる怖さ。
    よく考えると怖いけど、よく考えなくても怖い。

    0
    2019年08月12日
  • 前巷説百物語

    Posted by ブクログ

    再読。青臭い又市さんがすごく良いです。ここから小右衛門とおぎんと同じ道に入って行ったのだな。旧鼠はこわい話だった。ただの人なんでもない人たちでも集団になると1つの化け物になってしまう。山崎さんは最後までカッコよかった。さてシリーズ最後の西はどんな話だったかな?

    0
    2019年07月16日
  • 狂骨の夢(1)【電子百鬼夜行】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    榎木津さんと木場さんの子供時代にワクワク。

    降旗が神経学を学んでいく中で自分の導き出した己の姿を信じたくなかったというのは、想像以上に辛いことなのだろうと思う。なんとなく分かる気がした。

    これから関口含めたいつものメンバーが物語に関与していくのが楽しみです。

    0
    2019年07月02日