京極夏彦のレビュー一覧
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約六年ぶりのシリーズ第三弾。
古今東西の書物が集う、主曰く“書物の墓場”・〈書楼弔堂〉を巡る“探書”譚、連作六話の構成となっております。
待っていました。この京極ワールド独特の雰囲気、“うん、これこれ!”という感じです。
今回の狂言回しは、〈弔堂〉に行く途中の坂にある甘酒屋の老爺・“弥蔵”さん。
幕末の血なまぐさい記憶を引きずりながら、世捨て人のように暮らしている弥蔵さんの元を訪れた(迷い込んだ)人々を、図らずも〈弔堂〉に案内することになるという流れです。
“京極本あるある”で、例によって分厚い本書ですが、ほぼ台詞という構成なので、割とスラスラ読めます。
〈弔堂〉を訪れるお客たちは錚々たる -
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ネタバレ個人的にツボにはまった表現を抜粋しただけですが、この著者の表現には毎回笑わせられたり、刺されたりします。あと、独自のキャラ設定は、京極堂シリーズにも共通します。
"お子ちゃまだと美緒は威張った。
「そしてあたしは、転んでも泣かずに笑うタイプだから。反省はするけど成長はしない。前には進むがどっちが前だか判らない。頭脳は明晰だが性根はバカなの。だから、まあ、変でおかしい!」"
“雛子がタイミングを合わせて走り抜けてくれるかどうかだ。まあ、抜けたところですぐに追いつかれるのだろうが、たとえそれが焼け石に水であったとしても、水くらいは掛けたくなる心境だった。"
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ネタバレ【あらすじ】
14歳の楠本頼子は、憧れの同級生柚木加菜子と親しくなり、ある日二人で湖を見に出かける。しかし加菜子は、駅のプラットフォームから転落し瀕死の重傷を負う。加菜子を轢いた列車に偶然乗車していた東京警視庁の木場修太郎は、加菜子が運ばれた病院で恋焦がれていた元女優美波絹子と出会う。加菜子の姉である絹子(本名陽子)は、加菜子を絶対に死なせないと宣言し、巨大な箱のような「美馬坂近代医学研究所」へ加菜子を移送する。その後陽子のもとに加菜子の誘拐予告状が届き、警察による厳重な警備にも関わらず、加菜子は忽然と姿を消す。一方作家の関口巽は、カストリ雑誌の編集者鳥口守彦とともに連続バラバラ殺人事件と穢れ -
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久しぶりに京極夏彦を読みたくなったけど、長編は読み切れる気がしなくてこちらの短編集。「嘘」にまつわる短編集で、三津田信三のシリーズのように、著者がそのまま体験したことのある話のような体で書かれている。
最初からこの話は嘘、と言われているから拍子抜けする部分もあり、でも本当に嘘だか分からないとか、どこからどこまでが嘘かわからないというのは逆に不気味で良かった。
一番怖かったのは「ベンチ」の仏壇破壊おじさんかなあ。キンゴロー様の話も好みだった。
きっちりと創作された怪談の、因果関係が明確になるタイプの話も好きだけど、この短編集は実話怪談の「腑に落ちなさ」がある。わけが分からない、意味が分からない、 -
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ネタバレ【2023年14冊目】
「死ねばいいのに」
ともすれば、ものすごい悪口である。悪意100%である。タイトルにもなっているこの言葉は、物語の章が変わる度に必ず発せられる言葉だ。けれど、それを発するケンヤという男は何も相手を不快にさせようと思って言っているのではない。
死んだ女、鹿島亜佐美について何一つ知らないから教えてくれと、話を聞きに行くケンヤの先々には様々な相手がいる。不倫相手、隣人、ヤクザ、実の母親、警察官――亜佐美の話を聞きに行っているのに、なぜか彼らは自分のことばかり話すのだ。だからケンヤは話を聞いた上で結論付ける。
死ねばいいのにと。
言われた相手は皆一様な反応を見せる。だが、 -
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遠野物語に載っていない逸話集「遠野物語拾遺」を京極夏彦が再編集したもの
柳田国男の原著「遠野物語拾遺」も併載
遠野での怪異や行われている風習なども多数載っている
逸話の順番が入れ替えられていて、原著では気づきにくい逸話同士の関係などが京極夏彦の解釈として描かれている
訳の仕方や補足で付け加えられている情報など、京極っぽいものを感じる
遠野物語との関係性や出版に至った経緯などの説明も併記されている
個人的に面白かったのは
・餅を食べたいが故に交換条件で色々してくれる「何か」
・子供が仏像で遊んでいたのを注意したら、「折角遊んでいたのに」と夢枕に出てくる神仏
この辺は物語の定番と違った -
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ネタバレ・12月19日に読みはじめ、28日に読み終えました。
・いやすごボリューム。積読を消化するのに飽きてきて(これだから溜まり続けるのでは?)フォロワからおすすめしてもらった本①です。京極夏彦は初めて!本屋さんで背見たときは笑った。京極夏彦だ。分厚すぎる。持っていった美容室で「聖書ですか?」って言われた。京極夏彦です。
・おもしろかった! ゴリゴリのSFとミステリ…… こういう章ごとに別々の視点で描かれるやつは(今作だとふたり)、ふたりの状況が交わるところが気持ちええよなあ。
・死にかけるような目に遭っても、殺すか殺されるかの状況から抜け出したとしても、特に変わりなく生活が続くのはうっす -
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真実は
さまざまな怪奇現象。迷信や言い伝えによって翻弄させられてしまうも中尊寺先生によって不思議なものは何もない、と解決に導かれる。推理していく過程が面白い。合間に出てくるプリンアラモードやクッキーが美味しそうでした。リラックスには漫画の中でも甘味ですね。
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ネタバレ【2022年57冊目】
救いようがない厭さで溢れた小説である。
初っ端の「厭な子供」からして大層不快な気持ちになり、その気持ちから逃れようとページを進めてみても、どんどんと厭な短編が押し寄せてくる。その内に深谷なるキャラクターがどの話にも出てくることに気づき、「ははーん、こいつが何かしらの根源なのだな」と思うに至る。
のに、深谷、何にも悪くないのである。
深谷どころか、登場人物全員何をしたんだよと言いたくなるような目に遭う。直接的な被害を受けないのは厭な上司亀井くらいだ。
そのことさえも何とも厭なストーリーである。
解説では古今東西の厭な小説がひたすら紹介されている。解説というか、終始 -
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原作がそのまま絵になったよう
原作を読んだときに頭の中でぼんやりイメージしていた光景がくっきりと目の前に浮かび上がってきたような感じがする。原作で読み落としていた部分がコミックを読むことによって再認識できたところもあった。
たださすがに原作の古文を用いた幽玄な雰囲気の完全な再現は困難であった。 -
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京極夏彦の名作ミステリー『魍魎の匣』、分冊文庫版の中巻。
柚木加奈子の失踪事件を追う刑事・木場。大財閥・柴田家のエージェントである弁護士の増岡から、遺産相続者である加奈子を探し出して欲しいとの依頼を受ける探偵・榎木津。「連続バラバラ事件」の被害者が「御筥様」の信者という共通点を見出し、「御筥様」の実態に探りを入れる雑誌記者・鳥口。いつの間にか巻き込まれていく(笑)作家・関口。そして、彼らがもたらす情報等を基に、真相へと辿る道を作り上げる安楽椅子探偵(多分)、「京極堂」こと中禅寺秋彦。
同時進行で発生する不可解な事件たちが徐々に結びつき、これらの事件の中心にいる"何者か"に