京極夏彦のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
原作既読。幾周回完読。
コミカライズされていたのは知っていたけれど、食指を躊躇っていたというか何と言うか…
丁寧に描かれているし、絵柄がピッタリだし、これは食わず嫌いの大損だったかと。
原作同様、作画者様の絵に、関口さんには苛つかされたし、京極堂さんには圧倒させられたし、榎木津さんには呆気に取られたしw
続刊も愉しみ。 -
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あれ?読んだことある?と思ったら、前回期限内に読み切れず1度返却をしていました。
今回の語り部は弥蔵さんという元人斬りが、文明開花に取り残され寿命を待つと言いながらも、弔堂と関わる中で、徐々に心を開いていっています。
その都度の登場人物は歴史に名を残している御仁ばかりで、Wikipediaでついつい調べながら読んでいました。
前作と空いているので定かではないのですが、弔堂と客が長く対話するスタイルはではなく、弥蔵が弔堂に案内する前に色々と話を聞いている感じで、少し弔堂の影が薄い感じでした。
それにしても、しほる君も弔堂も年齢不詳です。
次作はまた期間が空いてしまうと思うと待ち遠しいです。 -
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京極夏彦の和風ミステリー『狂骨の夢』、分冊文庫版の中巻。
逗子湾に"金色に光る髑髏"が浮かんでいるとの複数の目撃情報が上がる「金色髑髏事件」と、その後、逗子海岸で発見される身元不明の生首。葉山の二子山山中で、集団自殺を果たしたと思われる、純白の死に装束を着た男5人と女5人の遺体が発見される「二子山集団自殺事件」。そして、老小説家・宇田川が殺害され、妻・朱美が容疑者として逮捕される。
「二子山集団自殺事件」で自殺した身元不明者の捜査をする刑事・木場。宇田川が殺害される直前、朱美の先夫殺しの告白と、それが原因と思われる神経症について、彼から相談を受けていた小説家・関口。牧師・白丘から、"髑髏"にまつわる過去の不可思議な体験について聞かされた、己自身も"髑髏"にまつわる夢に悩む元精神神経科医・降旗。再び訪れた逗子で、警察に連行される朱美の姿を目撃する遊民・伊佐間。逗子近辺で発生している奇妙な事件に三者三様、間接的に関わる者達。彼らが集う先は示し合わさずとも同じ、眩暈坂の上にある古本屋―――「京極堂」。
一見して関係性を見出すことが難しい過去・現在の事件。それら全てが連関していると結論付ける京極堂。果たしてその真相とは―――。 -
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【2023年108冊目】
百鬼夜行シリーズでお馴染み、京極堂こと中禅寺秋彦の妹である敦子と、「絡新婦の理」で初出した女子高生、呉美由紀を中心とした3つのお話。合わせて文庫本で1000頁超えなので、それぞれのお話が短編集とは言えません。本体もサイコロみたいに分厚い。
鬼、河童、天狗をモチーフにした怪異譚。多々良先生なんかも出てくるので、なかなかに豪華。敦子さんの、「ああ、京極堂の妹だなぁ」と思わせる語り口と、美由紀ちゃんの読者を代弁するような説教が胸に刺さります。
特に「天狗」の話は男尊女卑をテーマにもしているのですが、なかなかに読んでて辛かった。いや、どのお話に出てくる人も、殺されるべき理由なんでないんですけどね。 -
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ネタバレ今までなら、利吉が語り手になっていたと思う。でも、今回は利吉→弥蔵→弔堂で、語り手は弥蔵。
弥蔵は、明らかに「何者でもないもの」ではなくて、誰…弥蔵さん誰なの…と気になって気になって…他の人のはなしがいまいち頭に入らず。もう一回読もうかな…
最後の弥蔵のはなし、「改めなくちゃ、良くならねえ」という言葉が刺さって泣いた。
改良…改めて良くすること。間違っていたから、改めなくちゃならない。改良、改善。たしかに、毎日何かをより良くしなきゃならないと、聞かされている気がする。「いま」を、全部間違いだと否定している気がする。その先には何があるんだろう。
弥蔵の一冊はないまま終わった。終わり方としてはちょっと物足りない… -
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ネタバレ歴史小説として読みました。
『書楼弔堂』シリーズ三冊目ですね。
時代は明治三十年後半。
この時代になると馴染みの人物が次々出てくるので、かなり面白さも増していきます。
シリーズの一作目からは、少し趣か歴史に片寄っているように思います。
ですから、京極さんとしては、かねてから描きたかった人物に焦点を当てた作品のように感じました。
魑魅魍魎、怪奇、妖怪、あやかしは、まったく出てきません。
講談のようでもあり、落語のような出足の綴りで六話の短篇連作作品です。
物語を引っ張るのは弥蔵と利吉。掛け合いで時代背景を浮かびあがらせます。
弥蔵は『弔堂』の近くの甘酒屋の設定ですが、かなりの影がある人物(実は凄腕の剣客だった)で、維新時のトラウマに囚われている。本作では無名の人物のように扱われるが、実は大変な歴史的人物であることが、最後に明かされる。
主要な人物は、徳富蘇峰、岡本綺堂、宮本骸骨、竹久夢二、寺田寅彦、齋藤一(新撰組)。
それぞれの人物のエピソードは、私も数々の本で周知の事実もありますが、物語の展開はさすが京極ワールドですね。
文章の巧みな誘導で、厭きさせません。そこは、ちょっとそこまで時代を語るか?、と思う場面もありますが、語らせたらこんなものでは済まないところの五〇二ページです。
このシリーズどこまで続くのか楽しみです。 -
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京極夏彦の和風ミステリー、「百鬼夜行シリーズ」の3作目。引き続き、取り扱いに良い分冊版。
逗子を訪れた遊民・伊佐間一成。牧師・白丘亮一の下に身を寄せる元精神神経科医・降旗弘。そして小説家・関口巽。三者三様に知らされる、朱美という女の不可思議な告白。「死んだはずの先夫が家にやって来る。首を切り落として殺しても何度も何度も―――。」謎を解く鍵となるのは、朱美の先夫・佐田申義が首無し死体で発見された、未だ犯人と"首"が見つかっていない過去の事件。この事件の犯人が彼女で、彼女の不可思議な体験は抑圧された記憶が見せる幻覚なのか―――。
まだまだ物語は始まったばかり。 -
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書物で解き明かす歴史ミステリーですね。
「書楼弔堂」シリーズ二冊目ですね。
短篇連作の六話の物語です。
明治の三十年代初頭の歴史ミステリーです。
京極さんの作品としては、妖怪も魑魅魍魎も出てきません。
むしろ、京極さんの作品の原点回帰とも言えるかも知れません。人はなぜ「怪奇」を模索するのか。理路整然と語ります。また、関わりの有る人物を中心に物語が綴られています。
今回は、全編に天馬塔子(架空の人物)と松岡國男(後の柳田國男)が物語の牽引役になっています。
塔子は、女学校を卒業するが、祖父の男尊女卑に反発しながら、明治の旧弊に悩みながら「弔堂」を避難場所にします。
松岡國男も、自分は何を目指せばよいか、試行錯誤で、「弔堂」を灯台のように訪れます。
明治の三十年代初頭、魅力有る作家達や、歴史人物が登場しますから、興味はつきません。
田山花袋、平塚らいてう、乃木希典、勝海舟等々、書物も外国の作品も登場します。
時代を語り、事変を語り、この時代の魅力と京極さんの想いもうかがい知れます。
とにかく興味の尽きない、ページを捲る手が止まりません。
三冊目も出ていますので、読んでみたいですね。 -
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明治二十年代、書楼弔堂に訪れた人が本を買っていく物語
登場人物は実在した後の偉人や、京極の他作品と関係のある人、架空の人物等様々
シリーズ1作目
コネで煙草製造販売業に就くも、風邪を結核と怪しんで休職して別居に移り住んだ男 高遠
元幕臣の嫡男であるものの、元服後は御一新があったために武士としての矜持もない
父親の遺産があるため、食いつなぐ分には普通に生活できる
風邪が治った後もダラダラと別居を続け、近所を散策していたときに書楼弔堂に邂逅する
「世界で一冊しかない自分だけの本」を求める店主が、いつの間にか集まった書籍を弔うために本を売っているという
そんな弔堂に訪れる人々の悩み
店主はそんなお客にどんな本を勧めるのか?
主な登場人物は高遠と他二人ぐらい
元僧侶である弔堂の主人
弔堂の丁稚 撓(しほる)は見た目は美童だが口が達者
他は店に訪れるお客
「後巷説百物語」の「風の神」からおよそ十五年後という舞台設定で
最後まで読めば、あのシリーズとの繋がりも……
史実を踏まえて虚構を愉しむ物語ではあるけれども
どこまでが史実なのか、歴史に詳しくない私にとっては判別が難しい
読み終わった後に調べてみて、そんなエピソードや後に判明した齟齬など、実際に存在する事を知る
・臨終
月岡芳年
最後の浮世絵師といわれる人物
主に残虐怪奇な無残絵が有名らしい
シリーズ開始初っ端に産女を出してくるあたりが京極なりのファンサービスかな
・発心
泉鏡花
デビュー当時の筆名が畠芋之助というのは本当のようだ
ただ、なぜそんな名前にしたのかは不明
本名からして耽美を感じるのに、何故にそんな芋っぽい名前にしたのかという不思議
・方便
井上円了
京極ファンからしたらこの人の名前はよく聞く
本人としては、怪力乱神を否定するために様々な怪異情報を収集していたけど、その網羅性と分類の適切さにより妖怪学の始祖とされている
となると、画図百鬼夜行がその本というのも納得
由良の関係者が登場するのも京極ファンとして嬉しい
巷説百物語シリーズ「風の神」、百鬼夜行シリーズ「陰摩羅鬼の瑕」を繋ぐシリーズだというのがよくわかる
・贖罪
ジョン万次郎
中濱といわれてもピンとこないけど、その来歴の違和感から想像すると該当者はそうなりますよね
そしてメインは岡田以蔵
岡田以蔵は明治になる前に処刑されたはずだけど
ジョン万次郎の護衛をしていたという記述も残っているという矛盾が基になっている
井上円了のときにも出てきた勝海舟の図らいと人となり
生きている人優先という考え
岡田以蔵は「生きている」人ですからねぇ
・闕如
巌谷小波
少年少女向けの「こがね丸」を発表した事で、児童文学の先駆者とされているようだけど、浅学の身のため聞き覚えがない
実は今で言うオタク的な収集癖があったともされるようだ
確かに、自分の好きな書籍のこだわりや執着の仕方が現代のオタクに通じるものがある
・未完
中禅寺輔
これまで実在の人物を出してきて、ここにきて百鬼夜行シリーズの中禅寺の祖父を出してくるとは
流石は京極先生、やってくれる!
物語としては、相変わらず暇な日々を過していた高遠が撓に頼まれて本の買い取りを手伝うことになる
その買い取り先が中野にある神社で、宮司をしているのは中禅寺輔だった
中禅寺輔は中禅寺秋彦の祖父なのですね
輔は父である洲斎が亡くなり、神社を嗣ぐため、妻と生まれたばかりの息子を残して一人実家に戻る
今は神社を継ぐために神職の勉強や修行をしているところ
買い取って欲しいという大量の本は洲斎が懇意にしていた戯作者菅丘李山の遺族から譲り受けたもの
菅丘李山は「巷説百物語」主人公の山岡百介の筆名
輔は神職を嗣ぐ決意をしたものの、陰陽師の在り方には否定的
所詮ペテン師の類いなのではないかという疑問
「迷信、まやかしは不要で滑稽なもの」と思っている
まぁ、この疑問に対しては今作でも随所で語られている言葉や百鬼夜行シリーズで京極堂が語る言葉が答えなのではなかろうか
「言葉は普く呪文。文字が記された紙は呪符。凡ての本は、移ろい行く過去を封じ込めた、呪物でございます」
「書き記してあるいんふぉるめーしょんにだけ価値があると思うなら、本など要りはしないのです。何方か詳しくご存じの方に話を聞けば、それで済んでしまう話でございましょう。墓は石塊、その下にあるのは骨片。そんなものに意味も価値もございますまい。石塊や骨片に価値を見出すのは、墓に参る人なのでございます。本も同じです。本は内容に価値があるのではなく、読むと云う行いに因って、読む人の中に何かが立ち上がる――そちらの方に価値があるのでございます」
「心は、現世にはない。ないからと云って、心がない訳ではない。心はございます。“ない”けれど、“ある”のです」「“ない”ものを“ある”としなければ、私共は立ち行きません」
京極堂の憑き物落としにしても、実際はどうあれ、本人がそう思っているものというのが重要なんだよなぁ
思い込みにより、「ない」ものを「ある」ものとしながら、「ある」ものを「ない」とする事もできる
何とも哲学的ですなぁ
あと、この物語の一番大事なところは、人それぞれ人生の一冊に出会うまで探し続けるというところでしょうか
「本当に大切な本は、現世の一生を生きるのと同じ程の別の生を与えてくれるのでございますよ。ですから、その大切な本に巡り合うまで、人は探し続けるのです」
私もそこそこな冊数を読んできているけれども、果たして人生の一冊に出会っているのだろうか?
名刺代わりの10冊に挙げる事ができる作品はいくつかあるけど、その1冊あれば十分という本にはまだ出会えていない
というか、今後も出会える気がしないんだがなぁ……
もう、書楼弔堂に行くしかないっすねw
それにしても、巷説百物語シリーズと百鬼夜行シリーズを繋ぐ重要なシリーズとは最初に読んだときは驚いたなぁ
さらに、出版社が「どすこい」「南極(人)」を出している集英社というねギャップがありすぎでしょw
それにしても中禅寺秋彦は祖父に育てられたんだっけ?
で、敦子さんは奥さんの実家という、兄妹で別々の家で育てられたという
この辺の事情は明らかになってないんだけど、今後ちゃんと明かされるときが来るんだろうか? -
Posted by ブクログ
シリーズ(文庫化済み)最新巻♫
「続〜」「西〜」「前〜」「後〜」で完結だと思っていただけに、1〜2年前に本作の存在を知った時には小躍りしたい位に喜んで、首を長くして文庫化を待ったものだった♫
さて、舞台は遠野。
京極ファン皆の大好きなあの男ではないものの、彼と同じ匂いのする男達の仕掛けの数々は皆、胸のすく解決をもたらしてくれ、最後まで楽しく読み進められた。
そして最終編。例の北林藩も絡んだ大掛かりな仕掛けの始末には あの男 も関わってきていて・・・
いいねえ、とてもいい。
★4つ、9ポイント。
2023.06.03.新
次作も連載中だとのこと。楽しみ♫
ただし「了〜」というのが寂しいかな。
世界観を読み切ってしまうのが寂しくて読まずにいた
「西〜」も、そろそろ流石に読もうかな。 -
Posted by ブクログ
探書をめぐる明治初期の物語ですね。
まことさんの本棚レビューを見て、とても気になり直ぐに買い求めましたが、面白過ぎて読むのに時間がかかりました。
とにかく、ワクワクしながら堪能しました。
まことさん、ありがとうございます。
連作短編の六篇の探書です。
京極さんの本は、これが初読みです。
魑魅魍魎、怪奇、妖怪小説のイメージが強い方なのかなと、勝手に思い込んで敬遠していましたが、この本は違います。
確かに、その類いの話は出てきますが、「人は何故、怪を好むか?」の理路整然とした、京極さんのポリシーがよくわかる内容になっています。
近代文学に興味があって、三十才頃にこの時代の随筆を中心に読み漁った事があります。歴史小説や時代小説も同時にかなり読んだ年齢でした。
私の読んだ知識と(頭が悪いので、うろ覚えですが?)、かなりリンクして、京極堂さんの軽快でいて、知的な語りに魅力されながら、酔うように読み進めました。
京極堂さん、人気の秘密は色々あるように思いますが、なんとなくファンの気持ちがわかるような気がします。
まだ、一冊目なので、このシリーズを続けて読んでみたいですね。
京極堂さんの他の作品とリンクしている登場人物や事変がありますが、あまり気にせずに読めますから、まずはこのシリーズを探書してみたいです。 -
Posted by ブクログ
久々の京極夏彦!!!
堪能しました。あーーさすがの京極夏彦さんです!期待したとーり、楽しませてもらいました!!!
以前に比べると四字熟語が減ったかな?笑
そんな感想から、会話がとにかく面白く、ふと赤川次郎のミステリーを連想しそうになるものの、京極夏彦のほうが、リズムがいい。
会話のリズムと、言葉のチョイスが秀逸で、話しを前に進みつつ、軽快に解決に導くヒントが、みんなのそれぞれの言動から拾って導かれている感じが読んでて気持ちいい!!!!!!
たまに、関係ない話もあるんだけど、そんな話に惑わされずになんとかゴールに辿り着けた暁には、思わずニヤリとさせられます。
なんだろ、ほんと気楽に読めて楽しめる妖怪ミステリー。カッパ。
京極夏彦ならではです!!!!おススメ!
一気読み必須!