京極夏彦のレビュー一覧

  • 死ねばいいのに

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    ネタバレ

    死んだ女の、上司隣人彼氏母親警察…
    「アサミの事を教えて」と尋ねてきた男に語られる話

    死人に口無しという言葉のリアリティをひしひしと感じ、恐ろしくなった。

    面白いのが、読んでいて犯人は誰なんだ?と推理するような気持ちにあまりならないところ。
    京極夏彦ワールドに引き込まれるというか、場面を追って、言葉を咀嚼して行くうちにどんどん物語が進んでいく。
    この感覚が好きなのだと、思いだした。

    この世の分かりきったことなどないと意識しながら生きていこうと思う。
    ケンヤが俺はバカだからなどと何回も口にする度に、何を口に出しても自分を否定されない免罪符を得ているのではないかと考えてしまった私は、もう既に

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    2024年07月13日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    再読
    連続殺人鬼が誰かも気になりぐんぐんと読み進めてしまう
    事件の中の登場人物の描写がわかりやすくいつもの京極堂シリーズより断然読みやすい
    このシリーズ、また続けて欲しい

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    2024年07月08日
  • 了巷説百物語

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    ネタバレ

     シリーズ第1作『巷説百物語』が刊行されたのは1999年。それから25年後の2024年、『続』『後』『前』『西』『遠』と続いてきたシリーズの完結編『了巷説百物語』が刊行された。1100p超えで税抜4000円。固定ファンしか買わないとは思うが…。

     『巷説百物語』刊行当時から、シリーズ全作を追ってきたが、本作は既刊作品に張られた伏線を一気に回収するという趣向である。キーパーソン、キーワードはある程度思い出せたものの、さすがに記憶は薄れている。まあとにかく、読み進める。

     語り部は、本作がシリーズ初登場の人物、稲荷藤兵衛。狐狩りを生業とするが、〈洞観屋〉という裏渡世を持つ。ある日、藤兵衛は老中

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    2024年06月30日
  • 嗤う伊右衛門

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    四谷怪談の面々に、京極夏彦さんの思う人となりを与え、四世鶴屋南北「東海道四谷怪談」とはまた違った感じの怪談作品になっていて、面白く読めた。こちらの伊右衛門と岩の関係性の方が好きかも。
    それぞれの表からは見えない心の中が、各章で垣間見れるところも作品の深さを感じる。江戸という地と時代、日常の中に闇と暗黙の決まりごとと裏腹の曖昧さが共存し、今日までその闇がこっそりと続いているようにふと思った。
    言い回しが本格的なので、少し読みづらい。
    [大衆演劇の芝居演目となっていたので、読んでみた。どんな芝居だったのかは観れず。]

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    2024年06月29日
  • 巷説百物語

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    ものすごーく、久々に。
    了のためにシリーズ再読。


    いやー、改めて面白いの一言に尽きる。
    憑き物落としとはまた違った味わい深さで。

    どれを読んでも、全てが終わった後の読後感がとても好きだ。
    仕掛けが分かった爽快感もありつつ、その裏にある無常さ…寂寥感がなんともたまらない。

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    2024年06月27日
  • 絡新婦の理(4)【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    4/4
    冒頭に示された情景が実は……という超絶技巧。
    そして素晴らしい舞台。実に好み。
    なのはいいが、ちょっと印象に残ったし、おそらく本作の核心にも関連する、ちょっとした記述が、以下。
     (以下引用)
    中禅寺は空かさず、
    「馬鹿なことを云うな増岡さん。彼女達をそうさせているのは、我我男じゃあないか」
     と云った。増岡は勿怪顔になる。
    「君は――女性崇拝者(フェミニスト)なのか?」
    「勿論僕は女権拡張論者(フェミニスト)ですよ」
     中禅寺の回答に増岡は、人は見掛けによらぬな、と云って納得したが、二人の会話の間には少なからず齟齬があるように益田には思えた。
     (引用以上)
    怪異を愉しむ手つきが決し

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    2024年06月06日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    思ったより内容が河童だった

    冒頭の上品な女子高生たちの河童談義が面白くて、かわいい。そのあとの益田くんのおちゃらけ語りがうざいオッサンに感じられるのは、計算通りなのか計算外なのか。
    令和にもなると、人のいない集落などは人里からずいぶん離れてしまったようだが、戦後数年という時代では存外にたどり着けるところにあるのだな、と思った。
    河童とは?と古くから知っている馴染みの妖怪の存在を改めて考えた。
    ミステリー部分ももちろんの面白さ。
    でも、ついつい河童の越し方に思い巡らせてしまうのも、計算どおりなのかどうか、京極夏彦先生に訊いてみたい。

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    2024年05月21日
  • 眩談

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    とても好きな世界観だった。
    他のシリーズも読んでみたいと思う。
    京極夏彦さん、初めて読んだが、読みやすい文章と描写。トイレの神様の話がとても想像できた。
    大学の時の知り合いの実家が汲み取り式の便所だったことを思い出した。その上に洋式の便座は備え付けてあるが、下を見ると真っ暗で、トイレ自体も自宅の外にあったであろう場所に屋根をつけてあり、電球も一つで、暗くて何も見えなかった。窓もついていたけど、開けられていたことはないし、ドアも引っ掛けるだけの簡易的な鍵。なのにほぼ外にある。
    その子の家に遊びに行った時はギリギリまでトイレを我慢していたのと、お尻を浮かせて座らないように用を足したこと、コンビニに

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    2024年05月23日
  • 鬼談

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    たまたま行った書店をぶらついていたら平積みされていた本書が目に留まり購入した。
    私とって久しぶりの京極夏彦。
    さすがである。文が上手い、世界観に心惹かれる。
    最近本はほぼネットでしか購入しなかったけれどやはり本屋さんはいいなと実感した。
    あの時これを手に取らなければ読む事は無かっただろう。
    この何とも言い難い世界に漂う快感は味わえなかっただろう。

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    2024年05月14日
  • 西巷説百物語

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    靄船の林蔵が暗躍する作品集。
    今までのシリーズとはまたスタイルが異なり、彼らに丸め込まれる側の視点で物語が進むから、林蔵も脇役的な登場の仕方をするから、展開が読めなくて先が気になる作り。この視点のこともあって、怪異のイメージ(解像度)はやや、弱め。
    読んでいて思っていたのは、喪黒福造の上方・妖怪版的読み口だなぁ、と。

    最後の一編は、今までのシリーズと本作を結びつける重要作で、これによって本作がスピンオフでなく「本編」の中にしっかり配置される作品となる。

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    2024年05月10日
  • 西巷説百物語

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    ネタバレ

    巷説百物語シリーズの第五段なのかな?

    小股潜りの又一の悪友、靄船の林蔵が活躍する全7話の痛快時代劇。

    林蔵の他、
    祭文語りの文作、
    六道屋の柳次、
    七変化のお龍
    という仲間達も個性的で楽しい。

    今回、又一さんは出ないのか〜って思いながら読み進めると…

    最後のお話は、巷説百物語シリーズでお馴染みのキャラが総動員される。

    御燈の小右衛門
    戯作者の山岡百助
    そして又一

    あー他も早く読まないと
    次は遠巷説だな

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    2024年04月27日
  • 狂骨の夢(3)【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    シリーズ3作目。
    逗子の海岸での出会いが、抒情的。にしてもちろん怪奇。
    前作でちょろっと出てきた伊佐間一成が、またとぼけた雰囲気で好ましい。
    さらに焦点となる宇多川朱美の、キップのいい口調がさらに好ましい。
    そしてキリスト教会の、降旗弘および白丘亮一の屈託。
    フロイトへの拘泥は自分にとっても他人事ではなく、息が詰まるようだった。
    そのうえ密教やら髑髏やら……むしろある程度知識を得た中年になって読んでよかった。
    ボルヘス「円環の廃墟」や、折口信夫「死者の書」の、"受肉叶ったパターン"を知っているからこそ、後半のおぞましさを逆から想像することができた。
    京極堂が降旗へ投げた言葉

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    2024年04月17日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    人間は言葉に縛られて生きているんだなと感じた。
    京極さんの小説が好きなので、ついでで手を出してみた。

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    2024年04月16日
  • 書楼弔堂 待宵

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    相変わらず歴史から物理まで幅広い会話が進み、また今回は憑き物落としの感もあり楽しく読む事が出来ました。
    そして、最後の龍馬に繋がる流れには驚かされます。ここは是非読んでお楽しみ下さい。

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    2024年04月11日
  • 死ねばいいのに

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    京極夏彦の話題作、「死ねばいいのに」。タイトルが衝撃的だけれど、主人公?のケンヤの素朴な問いかによって登場人物たちが問い詰められていくのと合わせて、読者もえぐられていく、そんな作品。ヤクザ、陰湿的な嫌がらせをする女性、うだつの上がらない男性社員から警察、弁護士まで人間誰しも弱みがあり、素朴な問いかけに反論することができない。それを超えていたのが、、、。
    ライトな小説ながら読ませる力は強力でさすが京極夏彦という感じ。

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    2024年04月06日
  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    ・江戸川乱歩「押絵と旅する男」っぽい印象から、こんなに遠くまで連れてきてもらって、また押絵に戻してもらって、凄い旅だった。
    ・前半の百合描写にときめいたからこそ、後半、……。
    ・人形愛者ピグマリオニストとしては、正直たまらん……。みっしりと……。
    ・冴えない中年としても、たまらん読後感……。
    ・宗教家・霊能者・超能力者・占い師の境界、そしてペテン師の定義。ご講義拝聴賛嘆いたしました。

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    2024年04月04日
  • 書楼弔堂 待宵

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    箸休めにサクッと読んだ。
    毎回思うけど、読む度に弔堂へ行きたくなる。
    人は自分の人生のある部分に後悔し、それについて抱え込むように悩み、苦しむ。
    人間の業でもあり当然だと思うけど、今回はより強くそこにスポットを当てているように感じた。
    どう向き合って解消し、消化して、また新たな明るい方向へ己の人生の舵を切るか?
    辛く苦しい時に読むとより共感性を帯びる優しい一冊。
    次の新刊も楽しみです。

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    2024年03月19日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    京極夏彦さんの作品(本書は”小説”ではないとはいえ)を読んだ記憶は、10年以上前まで遡ることになります。
    デビュー作である『姑獲鳥の夏』に衝撃を受けてから、『魍魎の匣』、『狂骨の夢』と順調?に読み進めていたのですが、”抜群に面白いけど、読むのにパワーが必要”
    と感じて、ちょっと間を空けようと思っていたら、10年以上もご無沙汰することになりました。

    さて、「本書は、2019年7月27日に一般公募の15~19歳の聴講生50名を対象に行われた特別授業を元に構成された。」と2ページ目に書かれていますが、それもあってか、非常に分かりやすい文章で書かれています。
    しかし、その内容自体は社会経験を積んでき

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    2024年03月10日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    京極夏彦氏の作品としてはありえない薄さの本。
    内容は講義を文字起こししたものなため薄くても仕方は無いのだが、その講義の中に出てくる本のお締め方に1ミリも無駄にしないという考えがあり、まるでそのために薄い本を作ったのかと錯覚してしまう。

    京極夏彦氏による、世間を生きるにあたっての言葉の使い方や考え方などをゆるーく書いた本。
    口語調(文字起こし)なため読みやすく、薄さも相まってご飯の待ち時間などには読み終わってしまうが、読後の満足感はしっかりと京極夏彦「感」を残してくれる良い本だと思う。
    なんとなくの京極夏彦雰囲気を味わいたいが、どれもこれも鈍器サイズで躊躇している方にはおすすめかもしれない。

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    2024年03月02日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    リアル京極堂じゃないか。
    聴講生の方が羨ましい。
    そして何と言ってもタイトルが良い。
    結局は自分次第ってことだな。
    言葉の捉え方や抽象概念、人生訓など多岐にわたる講義内容が本当に面白い。
    全141頁なんて、あっという間。
    この薄さで人の心を動かすところが凄いな。
    ちょっと泣きそうになったわ。

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    2024年02月12日