京極夏彦のレビュー一覧

  • 眩談

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    とても好きな世界観だった。
    他のシリーズも読んでみたいと思う。
    京極夏彦さん、初めて読んだが、読みやすい文章と描写。トイレの神様の話がとても想像できた。
    大学の時の知り合いの実家が汲み取り式の便所だったことを思い出した。その上に洋式の便座は備え付けてあるが、下を見ると真っ暗で、トイレ自体も自宅の外にあったであろう場所に屋根をつけてあり、電球も一つで、暗くて何も見えなかった。窓もついていたけど、開けられていたことはないし、ドアも引っ掛けるだけの簡易的な鍵。なのにほぼ外にある。
    その子の家に遊びに行った時はギリギリまでトイレを我慢していたのと、お尻を浮かせて座らないように用を足したこと、コンビニに

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    2024年05月23日
  • 鬼談

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    たまたま行った書店をぶらついていたら平積みされていた本書が目に留まり購入した。
    私とって久しぶりの京極夏彦。
    さすがである。文が上手い、世界観に心惹かれる。
    最近本はほぼネットでしか購入しなかったけれどやはり本屋さんはいいなと実感した。
    あの時これを手に取らなければ読む事は無かっただろう。
    この何とも言い難い世界に漂う快感は味わえなかっただろう。

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    2024年05月14日
  • 西巷説百物語

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    靄船の林蔵が暗躍する作品集。
    今までのシリーズとはまたスタイルが異なり、彼らに丸め込まれる側の視点で物語が進むから、林蔵も脇役的な登場の仕方をするから、展開が読めなくて先が気になる作り。この視点のこともあって、怪異のイメージ(解像度)はやや、弱め。
    読んでいて思っていたのは、喪黒福造の上方・妖怪版的読み口だなぁ、と。

    最後の一編は、今までのシリーズと本作を結びつける重要作で、これによって本作がスピンオフでなく「本編」の中にしっかり配置される作品となる。

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    2024年05月10日
  • 西巷説百物語

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    ネタバレ

    巷説百物語シリーズの第五段なのかな?

    小股潜りの又一の悪友、靄船の林蔵が活躍する全7話の痛快時代劇。

    林蔵の他、
    祭文語りの文作、
    六道屋の柳次、
    七変化のお龍
    という仲間達も個性的で楽しい。

    今回、又一さんは出ないのか〜って思いながら読み進めると…

    最後のお話は、巷説百物語シリーズでお馴染みのキャラが総動員される。

    御燈の小右衛門
    戯作者の山岡百助
    そして又一

    あー他も早く読まないと
    次は遠巷説だな

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    2024年04月27日
  • 狂骨の夢(3)【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    シリーズ3作目。
    逗子の海岸での出会いが、抒情的。にしてもちろん怪奇。
    前作でちょろっと出てきた伊佐間一成が、またとぼけた雰囲気で好ましい。
    さらに焦点となる宇多川朱美の、キップのいい口調がさらに好ましい。
    そしてキリスト教会の、降旗弘および白丘亮一の屈託。
    フロイトへの拘泥は自分にとっても他人事ではなく、息が詰まるようだった。
    そのうえ密教やら髑髏やら……むしろある程度知識を得た中年になって読んでよかった。
    ボルヘス「円環の廃墟」や、折口信夫「死者の書」の、"受肉叶ったパターン"を知っているからこそ、後半のおぞましさを逆から想像することができた。
    京極堂が降旗へ投げた言葉

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    2024年04月17日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    人間は言葉に縛られて生きているんだなと感じた。
    京極さんの小説が好きなので、ついでで手を出してみた。

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    2024年04月16日
  • 書楼弔堂 待宵

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    相変わらず歴史から物理まで幅広い会話が進み、また今回は憑き物落としの感もあり楽しく読む事が出来ました。
    そして、最後の龍馬に繋がる流れには驚かされます。ここは是非読んでお楽しみ下さい。

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    2024年04月11日
  • 死ねばいいのに

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    京極夏彦の話題作、「死ねばいいのに」。タイトルが衝撃的だけれど、主人公?のケンヤの素朴な問いかによって登場人物たちが問い詰められていくのと合わせて、読者もえぐられていく、そんな作品。ヤクザ、陰湿的な嫌がらせをする女性、うだつの上がらない男性社員から警察、弁護士まで人間誰しも弱みがあり、素朴な問いかけに反論することができない。それを超えていたのが、、、。
    ライトな小説ながら読ませる力は強力でさすが京極夏彦という感じ。

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    2024年04月06日
  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    ・江戸川乱歩「押絵と旅する男」っぽい印象から、こんなに遠くまで連れてきてもらって、また押絵に戻してもらって、凄い旅だった。
    ・前半の百合描写にときめいたからこそ、後半、……。
    ・人形愛者ピグマリオニストとしては、正直たまらん……。みっしりと……。
    ・冴えない中年としても、たまらん読後感……。
    ・宗教家・霊能者・超能力者・占い師の境界、そしてペテン師の定義。ご講義拝聴賛嘆いたしました。

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    2024年04月04日
  • 書楼弔堂 待宵

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    箸休めにサクッと読んだ。
    毎回思うけど、読む度に弔堂へ行きたくなる。
    人は自分の人生のある部分に後悔し、それについて抱え込むように悩み、苦しむ。
    人間の業でもあり当然だと思うけど、今回はより強くそこにスポットを当てているように感じた。
    どう向き合って解消し、消化して、また新たな明るい方向へ己の人生の舵を切るか?
    辛く苦しい時に読むとより共感性を帯びる優しい一冊。
    次の新刊も楽しみです。

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    2024年03月19日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    京極夏彦さんの作品(本書は”小説”ではないとはいえ)を読んだ記憶は、10年以上前まで遡ることになります。
    デビュー作である『姑獲鳥の夏』に衝撃を受けてから、『魍魎の匣』、『狂骨の夢』と順調?に読み進めていたのですが、”抜群に面白いけど、読むのにパワーが必要”
    と感じて、ちょっと間を空けようと思っていたら、10年以上もご無沙汰することになりました。

    さて、「本書は、2019年7月27日に一般公募の15~19歳の聴講生50名を対象に行われた特別授業を元に構成された。」と2ページ目に書かれていますが、それもあってか、非常に分かりやすい文章で書かれています。
    しかし、その内容自体は社会経験を積んでき

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    2024年03月10日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    京極夏彦氏の作品としてはありえない薄さの本。
    内容は講義を文字起こししたものなため薄くても仕方は無いのだが、その講義の中に出てくる本のお締め方に1ミリも無駄にしないという考えがあり、まるでそのために薄い本を作ったのかと錯覚してしまう。

    京極夏彦氏による、世間を生きるにあたっての言葉の使い方や考え方などをゆるーく書いた本。
    口語調(文字起こし)なため読みやすく、薄さも相まってご飯の待ち時間などには読み終わってしまうが、読後の満足感はしっかりと京極夏彦「感」を残してくれる良い本だと思う。
    なんとなくの京極夏彦雰囲気を味わいたいが、どれもこれも鈍器サイズで躊躇している方にはおすすめかもしれない。

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    2024年03月02日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    リアル京極堂じゃないか。
    聴講生の方が羨ましい。
    そして何と言ってもタイトルが良い。
    結局は自分次第ってことだな。
    言葉の捉え方や抽象概念、人生訓など多岐にわたる講義内容が本当に面白い。
    全141頁なんて、あっという間。
    この薄さで人の心を動かすところが凄いな。
    ちょっと泣きそうになったわ。

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    2024年02月12日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

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    ネタバレ

    ほんタメのあかりんが年末年始に読みたいシリーズであげていた。
    すごーく分厚くて、言葉も難しくて、
    時代背景に慣れるのにも一苦労だったけど、
    その人のための人生の一冊を勧めてくれる弔堂の主人と、出てくる偉人たちのやりとり、思想や言葉にであうことができて、すごく心に響くところも多い。
    日本という国の歴史や、偉人の人生をのぞかせてもらっているような、そんな気持ちになった。
    難しいけど、よみすすめたい!ってなって
    最後までなんとか読み切ることができました。
    歴史に精通している人だと、さらに興味深く読めるのかもしれない。
    わたしは好きだけど、にわかだったから、難しかったな。
    岡田以蔵の話や、言葉や心のな

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    2024年02月03日
  • 京極夏彦講演集 「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし

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    読んだら忘れてくれと言うものだから、務めて立ち止まらず読み進めるようにしてみた。とは言っても、妖怪との距離のとり方というか、妖怪を見る視点のようなものがとても面白くて結局あれこれ考えてしまったけれど笑

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    2024年01月21日
  • 文庫版 オジいサン

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    年末に本屋に寄ったら目についた、
    京極夏彦の文庫本。

    なんともゆるいタイトル、
    紙粘土のお爺さん、フォントの文字も気が抜けていて装丁がどことなくかわいらしい。

    鵺の碑で久しぶりに骨のある京極本を堪能したから、こんどはいかにも軽そうなのを読むか…、と手に取った。

    公団アパートでかれこれ40年一人暮らしをしている、72歳6ヶ月の益子徳一さんの1週間のとある時間を、端折ったり飛ばしたりせずにその時間のままツラツラと書き記すスタイルの小説。

    基本的に徳一さんのモノローグで話がすすむので、最後まで特になんのイベントも起きない。

    何日か前に「オジいサン」と呼びかけられたその記憶を、起き抜けに徳一

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    2024年01月15日
  • 今昔百鬼拾遺 月 【電子百鬼夜行】

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    よ、読み切りましたー!
    何という達成感!
    収録作が3編とは思えない読み応えたっぷりのボリュームといつもと違う事件の幕引きのやり方に大満足。

    実は鵼の碑が発売される前に百鬼夜行シリーズを全部読破しておいて、発売と同時に鵼を読もう!とかざっくりとしたスケジュールを立てていたのですがまぁ予定通りに進まず遂には年が明けてしまいましたがやっとここまで辿り着きました。

    この話は百鬼夜行シリーズではありながら本編のメインとなる登場人物がほぼほぼ出てこないという少し異質なお話だと思います。
    京極堂の代わりに事件に挑むのは敦子と「絡新婦の理」に出てきていた美由紀ちゃんの2人。
    いやーここで美由紀ちゃんにまた

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    2024年01月10日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    京極さんのお人柄のわかる本で、これまで小説にしか興味がなかったけど、人としても好きだな〜と思ってしまった。薄くて簡単に読める。

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    2024年01月08日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

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    少し前に読んだ『破曉』の続編『炎昼』。
    時代の変わり目。
    そんな時であるからこそ、人は、これまで自分が信じてきた道を疑ったり、新たな扉を開くために踠いたりするのだろうな。
    今回も、迷える人々が弔堂へ足を踏み入れる。
    語り手は"天馬塔子"。

    「探書 漆 事件」
    芙蓉の花がお化けに見えるという塔子。
    「人は時に、ないものを見たりするのですよ」
    という松岡の台詞。
    それらを前振りにして、言葉は"まじない"のようなものだという弔堂の話へと移行してゆく。
    「語るも記すも、呪術にございます」

    印象深かった台詞。
    「文字は言葉を封じ込めるための記号でございます。」

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    2023年12月28日
  • 百鬼夜行 陰(全)【電子百鬼夜行】

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    百鬼夜行シリーズの登場人物達による語られなかった物語……と言えばいいのでしょうか。

    この本で扱われているのは本編には登場しているものの彼ら、彼女ら目線で描かれることがなかった人達の物語。
    1人だけ「あれ?この人どこで登場してたっけ?」ってなった人がいたのですが調べてみたら京極堂シリーズ外の作品なんですね、その作品はまだ読んだことがないんだよなぁ、そりゃあ出会えていないわけだ。

    いや、実はこの話京極堂シリーズを読み始めてすぐにちらっと読んだことがあったんです。
    あったんですけど、その時は登場人物もよく分からないし何が書いてあるんだろう?と思ってすぐに読むのを中断しちゃったんですよね……それは

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    2023年12月21日