京極夏彦のレビュー一覧
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【2023年108冊目】
百鬼夜行シリーズでお馴染み、京極堂こと中禅寺秋彦の妹である敦子と、「絡新婦の理」で初出した女子高生、呉美由紀を中心とした3つのお話。合わせて文庫本で1000頁超えなので、それぞれのお話が短編集とは言えません。本体もサイコロみたいに分厚い。
鬼、河童、天狗をモチーフにした怪異譚。多々良先生なんかも出てくるので、なかなかに豪華。敦子さんの、「ああ、京極堂の妹だなぁ」と思わせる語り口と、美由紀ちゃんの読者を代弁するような説教が胸に刺さります。
特に「天狗」の話は男尊女卑をテーマにもしているのですが、なかなかに読んでて辛かった。いや、どのお話に出てくる人も、殺されるべき理 -
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ネタバレ今までなら、利吉が語り手になっていたと思う。でも、今回は利吉→弥蔵→弔堂で、語り手は弥蔵。
弥蔵は、明らかに「何者でもないもの」ではなくて、誰…弥蔵さん誰なの…と気になって気になって…他の人のはなしがいまいち頭に入らず。もう一回読もうかな…
最後の弥蔵のはなし、「改めなくちゃ、良くならねえ」という言葉が刺さって泣いた。
改良…改めて良くすること。間違っていたから、改めなくちゃならない。改良、改善。たしかに、毎日何かをより良くしなきゃならないと、聞かされている気がする。「いま」を、全部間違いだと否定している気がする。その先には何があるんだろう。
弥蔵の一冊はないまま終わった。終わり方としてはちょ -
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ネタバレ歴史小説として読みました。
『書楼弔堂』シリーズ三冊目ですね。
時代は明治三十年後半。
この時代になると馴染みの人物が次々出てくるので、かなり面白さも増していきます。
シリーズの一作目からは、少し趣か歴史に片寄っているように思います。
ですから、京極さんとしては、かねてから描きたかった人物に焦点を当てた作品のように感じました。
魑魅魍魎、怪奇、妖怪、あやかしは、まったく出てきません。
講談のようでもあり、落語のような出足の綴りで六話の短篇連作作品です。
物語を引っ張るのは弥蔵と利吉。掛け合いで時代背景を浮かびあがらせます。
弥蔵は『弔堂』の近くの甘酒屋の設定ですが、かなりの影がある人物(実は凄 -
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京極夏彦の和風ミステリー、「百鬼夜行シリーズ」の3作目。引き続き、取り扱いに良い分冊版。
逗子を訪れた遊民・伊佐間一成。牧師・白丘亮一の下に身を寄せる元精神神経科医・降旗弘。そして小説家・関口巽。三者三様に知らされる、朱美という女の不可思議な告白。「死んだはずの先夫が家にやって来る。首を切り落として殺しても何度も何度も―――。」謎を解く鍵となるのは、朱美の先夫・佐田申義が首無し死体で発見された、未だ犯人と"首"が見つかっていない過去の事件。この事件の犯人が彼女で、彼女の不可思議な体験は抑圧された記憶が見せる幻覚なのか―――。
まだまだ物語は始まったばかり。 -
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書物で解き明かす歴史ミステリーですね。
「書楼弔堂」シリーズ二冊目ですね。
短篇連作の六話の物語です。
明治の三十年代初頭の歴史ミステリーです。
京極さんの作品としては、妖怪も魑魅魍魎も出てきません。
むしろ、京極さんの作品の原点回帰とも言えるかも知れません。人はなぜ「怪奇」を模索するのか。理路整然と語ります。また、関わりの有る人物を中心に物語が綴られています。
今回は、全編に天馬塔子(架空の人物)と松岡國男(後の柳田國男)が物語の牽引役になっています。
塔子は、女学校を卒業するが、祖父の男尊女卑に反発しながら、明治の旧弊に悩みながら「弔堂」を避難場所にします。
松岡國男も、自分は何を目指 -
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明治二十年代、書楼弔堂に訪れた人が本を買っていく物語
登場人物は実在した後の偉人や、京極の他作品と関係のある人、架空の人物等様々
シリーズ1作目
コネで煙草製造販売業に就くも、風邪を結核と怪しんで休職して別居に移り住んだ男 高遠
元幕臣の嫡男であるものの、元服後は御一新があったために武士としての矜持もない
父親の遺産があるため、食いつなぐ分には普通に生活できる
風邪が治った後もダラダラと別居を続け、近所を散策していたときに書楼弔堂に邂逅する
「世界で一冊しかない自分だけの本」を求める店主が、いつの間にか集まった書籍を弔うために本を売っているという
そんな弔堂に訪れる人々の悩み
店主はそんな -
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一見、不可解な事件を、小悪党の御行一味があやかしに見立てて鮮やかに決着させる。変幻自在な語り口で物語を紡ぐ著者の筆が冴え渡っています。
江戸時代末期の天保年間。怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男・小股潜りの又市、垢抜けた女・山猫廻しのおぎん、初老の商人・事触れの治平、そして、何やら顔色の悪い僧・円海。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが…。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れていく…。
「小豆洗い/白蔵主/舞首/芝右衛門狸/塩の長司/ -
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シリーズ(文庫化済み)最新巻♫
「続〜」「西〜」「前〜」「後〜」で完結だと思っていただけに、1〜2年前に本作の存在を知った時には小躍りしたい位に喜んで、首を長くして文庫化を待ったものだった♫
さて、舞台は遠野。
京極ファン皆の大好きなあの男ではないものの、彼と同じ匂いのする男達の仕掛けの数々は皆、胸のすく解決をもたらしてくれ、最後まで楽しく読み進められた。
そして最終編。例の北林藩も絡んだ大掛かりな仕掛けの始末には あの男 も関わってきていて・・・
いいねえ、とてもいい。
★4つ、9ポイント。
2023.06.03.新
次作も連載中だとのこと。楽しみ♫
ただし「了〜」というのが寂しい -
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探書をめぐる明治初期の物語ですね。
まことさんの本棚レビューを見て、とても気になり直ぐに買い求めましたが、面白過ぎて読むのに時間がかかりました。
とにかく、ワクワクしながら堪能しました。
まことさん、ありがとうございます。
連作短編の六篇の探書です。
京極さんの本は、これが初読みです。
魑魅魍魎、怪奇、妖怪小説のイメージが強い方なのかなと、勝手に思い込んで敬遠していましたが、この本は違います。
確かに、その類いの話は出てきますが、「人は何故、怪を好むか?」の理路整然とした、京極さんのポリシーがよくわかる内容になっています。
近代文学に興味があって、三十才頃にこの時代の随筆を中心に読み漁った -
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久々の京極夏彦!!!
堪能しました。あーーさすがの京極夏彦さんです!期待したとーり、楽しませてもらいました!!!
以前に比べると四字熟語が減ったかな?笑
そんな感想から、会話がとにかく面白く、ふと赤川次郎のミステリーを連想しそうになるものの、京極夏彦のほうが、リズムがいい。
会話のリズムと、言葉のチョイスが秀逸で、話しを前に進みつつ、軽快に解決に導くヒントが、みんなのそれぞれの言動から拾って導かれている感じが読んでて気持ちいい!!!!!!
たまに、関係ない話もあるんだけど、そんな話に惑わされずになんとかゴールに辿り着けた暁には、思わずニヤリとさせられます。
なんだろ、ほんと気楽に読めて