京極夏彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ★4.5。
うーーん、良かった!終盤、弥蔵の畳み掛け方がヒトでなしのラストのようというか、絶妙な緊張感があって良かったなぁ。途中まで弥蔵さんは新選組だと思ってたし、なんだったら斎藤一か??とかも思ってたけど、ある意味時代の立役者でもあり、名も無き人殺しでもあるってその立ち位置が、いやーうん、好きだなー。斎藤さんがサクッと出てきたのは新選組オタとしては非常に嬉しい。ヒトごろしとのリンクも勝手に感じちゃうしね。龍馬暗殺の当たりとかどんな感じで書かれてたっけかな。
2冊目の炎昼の塔子さん視点が割とたるくて読みづらかったんだけど、弥蔵さんは読み進めやすかったな。ちらっと出てくる松岡さんもとい柳田さんにはにやっとしちゃったな。利吉には大泉洋みを感じたしいいキャラだからまた出て欲しい!龍典さんの武家疑惑とか出てきてたし、続きも楽しみだなー。でも暁→昼→宵ってなってるから、次夜とかでラストなんだろうか。寂しい反面、そろそろ鵺何とかしてくれ感もあるが笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長いこと読みたいと思って、ようやく読めました。
思った以上に素朴。
例えば『今昔物語』や『宇治拾遺物語』の方が、体裁を整えようという意図が見えるほど。
ここまで、語り手の話す通りを記録するというのは、逆に難しいのかもしれない。
そこに自分の視点を加えないという、強い意志がないと無理だろう。
その分読み手としては、話が前後していたり、伝わりにくかったりするところも多かったらしく、京極夏彦がそれを整理して読みやすく書き直したのが本書。
怪異には河童とかヤマハハと名がついたものもあれば、ただ「不思議な話」として残されているものもある。
その怪異のおかげで家が栄えた人もいれば、没落した人もいれば、何の変化もなかった人もいるというのが却ってリアル。
その不思議な話も、2~3年前の出来事から、せいぜい曾祖父あたりの昔の話なので、実感が伴っているものが多い反面、不思議な出来事に対する諦念もあり、というのが正直なところなのだろう。
赤い顔の大きな河童というのは、日本に漂流して山奥に追いやられた外国人なのかなあと思った。
目が不思議な色をしているなどと書かれているし、言葉は通じないみたいだし。
遠野は山奥にあるけれども、実は城下町で、交通の要衝でもあり、栄えていたというのは知らなかった。
旧家がいくつもあり、それらは「大同」と呼ばれている。
先祖が大同元年に甲斐の国から移ってきたからなのだそうだ。
大同というのは、坂上田村麻呂の時代。
甲斐の国というのは、領主である南部家の本国。
この二つの系統の伝説がまじりあったのかもしれないと、柳田國男は考えた。
興味深い。
遠野には蓮台野(でんでらの)という変わった地名がある。
どうしても「デンデラリュウ」を思い出してしまうけど、あれは九州のわらべ歌だし、関係があるのか、関係がないのか、気になるところ。
蓮台(でんでら)野とは、60を超えた老人が追われていくところ。
「出ん出ら」の響きとは無関係とは思えないけど。
蓮台野の南側に星谷という地名があり、そこには「蝦夷(えぞ)屋敷」と呼ばれる遺構があったり、「蝦夷銭」と呼ばれる土で作った銭のようなものが出土されたりしている。
土地柄、蝦夷(えみし)と呼びそうなものなのに、蝦夷(えぞ)と呼ぶのも、いわくありげで興味深い。