京極夏彦のレビュー一覧
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しょろうとむらいどう はぎょう
明治25年 病気療養明けの高遠は、店さきに「弔」(とむらい)を掲げる異様な書舗(ほんや)に出会う
書物を弔う、書物を成仏させるには、本当の持ち主を見つけるしかないという。
人生に本は一冊あればいいのだそう。
ただその一冊に巡り合わせうことが叶わないから、何冊も何冊も読む羽目になる。
人は掛け替えのない一冊を探して本を読む。
読んでも読んでも見付からぬ気がするから読み漁るのだという。
探し求める人に店の主人が本を引き合わせていく物語集。
有名人が〈探書〉に訪れるんだけど、最初は誰だかわからなくて、読んでる途中から、これはもしかしてあの人?となる瞬間があって面白かった。
続編もあるようなので機会があれば読んでみたいと思う。
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ネタバレ書楼弔堂 待宵
久々の京極本。すでに2冊出ていると知らず、最新のものを読みました。
京極堂シリーズに出てくる京極堂のような本屋の主が明治期の著名人に助言するというシリーズもの。
近くに住んでいる幕臣あがりの甘酒屋のおやじが主人公で、そこに出入りする酒屋の息子が狂言回し。
おやじの過去がちりばめられながら、物語は進み、最後におやじの昔がつまびらかになるという仕組み。
なかなか余韻のある物語が多く、さかのぼって読んでみようかなという気になりました。
竹蔵も最近目が弱くなってきて、500ページを超える本は難儀でしたが、そこそこ楽しめました。
竹蔵 -
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ネタバレ「怖い」とは何か、というお話。今までの氏の話からすると「なんだかわからないから怖い」「得体が知れないから怖い」という感じが多かった気がするのです。しかし今回は人が「怖い」と思う要因を片っ端から潰していって、なにも怖いことはない、それでも「怖いものは怖い」んだという話でした。なにを怖いと思うかは人それぞれで、なにもなくても怖いこともある。理由なんてない、でも怖い。その怖さは誰も否定出来るものではない。確かにあるのは「怖いんです」という感情、それだけ。私個人としては、不思議なことなどなにもないけど、確かなものもなにもない、この曖昧な世界が一番怖いなと思いました。
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最後まで読み進めて思ったのは、解釈が難しいし多岐に渡るだろうということ。
タイトルが「猿」なのだから、物語の主題は猿なのだと思うのだが。表紙も角度を変えて見てみると、ドアップの猿の顔が浮かび上がってくる、面白い装丁だ。
語り手の祐美は、病んだパートナーと共に暮らしている。性格も面倒なそのパートナーを残していくのが不安ながらも、祐美は岡山の僻地にある、百歳で亡くなった曾祖母の遺産である土地を見学するために出かけて行く。
小さい頃にあったきりの又従姉妹・芽衣と共に、曾祖母の財産を管理しているという怪しげな弁護士に会う。
パートナーの猿にまつわる妄言、芽衣とあった喫茶店での不気味な描写、怪しげな弁護士、謎多き曽祖母の住んでいた土地、終始「不安」な祐美の心情。
様々な場面で様々な「怖い」を描写している。
ラストは解釈が難しく首を捻ったが…
この物語では、怖さとはなんぞや、というのを、様々な話、様々な舞台、様々な人生から考え、語られる。
怖いって、何?というのが主題なのかなぁと思った。
それが祐美にとっては特に猿なのではないか、と。
怖いという認識について、作中で登場人物たちが語る場面は冗長とも感じられるが、本書で描きたかったことを語るには必要だったのかなぁと。
その点で、良かったなぁ、と。
最後の一文は、私はなるほどと思った。 -
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【2026年95冊目】
狐狩りである稲荷藤兵衛の裏の顔は、洞観屋――嘘を見透かす生業である。そんな藤兵衛の元に、国の改革を妨げる要因である一行について探るよう依頼が入る。相手の正体がわからないまま、藤兵衛は源助、お玉なる二人とともに探りを入れ始めるが…巷説百物語シリーズ最終弾。
最終弾にふさわしい、というか、まあこれくらいはあるよな、と思っていた厚みでした。1,100ページ超え、本を見た友人には「背表紙が悲鳴を上げている声が聞こえる」と言われましたが、ちゃんと耐えてくれました。すごいぞ角川!
さて、物語です。今作の主人公は初出の洞観屋、稲荷藤兵衛。しかも又市たちのことを探るよう言いつけられて、「敵」として化物遣いたちを探るという構図。これまで又市側についていた読者としては至極複雑な気分になりつつ、「はて、帯にあった拝み屋はいつ出てくるのかしら」なんて思いながら読み進めました。
三者の立場が入り混じって、本丸にどんどんと迫っていきますが、読め進めるほどに浮かんでくるのは「過去作読み直しとけば良かった〜!」という後悔です。もちろん楽しめましたが、過去作から連続だったらより楽しめたはず。しくりました。というか、こんなに登場人物増えてたっけ?という驚きも。
シリーズ終わっちゃったかぁという寂しさと、また最初から読まなきゃというワクワク感を同時に味あわせてくれる一冊でした。 -
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ネタバレ包帯男の包帯は覆面と手袋の上から巻いていた。覆面と手袋と共に着脱できる。
名塚君、大人のふりしてバーに通っていた。バーのママ似一目ぼれ。
隣の客が零した料理で、父の服が汚れてしまった。考え抜いた末、連続強盗犯をつかまえて、その時に汚れたということにしようと思った。
黒い覆面と手袋で暗闇では透明人間に見えた。
②怖い絵
西高二年の九重香織。
品評会。香織は個性的な絵を飾る。
フック。家で絵をかけるのに使ってた。
外出てから、カバン忘れた、と香織は戻る。
九重さんの絵、なくなってる。
絵を持って降りていった人はいない。
栞奈推理。盗んだのは香織。
絵の下にもう一つ絵があった。
自分が父の賄賂によって受賞していると勘違いしていた。
→絵画の事件はミステリ的にバレバレかな。包帯の事件の方がまだいい。