京極夏彦のレビュー一覧
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三冊合本版。だったらこの厚さでも普通かと騙されそうになるのだが、一冊ずつでもそれなりの長さなので、結局はかなり読み応えがあるのだった。「鬼」:意外性はまずまず。妖怪談義がやや薄めだと感じられるのは、『魍魎の匣』でもいくらか鬼談義があったからか。『ヒトごろし』とも関わりがあるようなので、そちらも読みたくなる。「河童」:のっけから河童談義で嬉しい。『塗仏の宴』のひょうすべ談義ともつながる。話としてはまずまず。「天狗」:これが一番好きかもしれない。美弥子の再登場は嬉しい。天狗談義は薄めで、専門家の講義が欲しかったところ。美弥子の言葉が小気味良く、読む手を進めさせてくれる。話としてもまずまず。そして自
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ネタバレ素晴らしく不快で、他人事とは思えない一冊だった。
殺された女性・アサミのことを関係者に聞き回るケンヤがメインとなり語られる短編連作形式。
しかし、どの関係者もアサミの話をするはずが、結局は自分のことばかりを語り、自分の都合のいい解釈で彼女を(他者を)語る。
建前と本音、他人を自分の物差しで測ってしまう人間の深い汚さと醜さが、容赦なく露わになっていく。
読んでいてとても不快なのに、同時に自分の内側をえぐられているような恐ろしさがあった。
人間の嫌な部分をこれほど容赦なく、しかし的確に突きつけてくる京極さんの筆力に圧倒された。
また、巻末の辻村深月さんの解説も素晴らしかった。
私が感じたことを丁寧 -
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ネタバレ素人が分かるはずもない圧倒的な知識量で完敗としか言いようがない結末。しかしながら憤懣なく納得しての幕引きなので心地よい。ただ、ちょっとそれはSFにならないか?って現象があったのはいただけないが事情が事情だけに目を瞑るとするか。それにしても誰も報われない空しさ、これこそ檻に囚われてしまったが故。それぞれの殺人現場がすべて禅なる教えによるものとはどうやってこんな資料引っ張ってきたんと感心するばかりで、この『鉄鼠の檻』は禅宗を知りたい人は物語付きで学べますって宣伝したらいいんではないでしょうか。
いつものメンバーが襲い掛かる恐怖がなかった分緊張感なく所々クスクス笑いながら読めたシリーズで一番ライトな -
Posted by ブクログ
時は文明開化の明治10年。四人の若者が怪事件に悩み、一白翁の許を訪れる。翁は若者等の話を聞き、若い頃に自ら遭遇した同じような怪事件を語り始める……。それは、江戸の昔にあった暗がりに潜む妖かし達、そしてそれを駆使する薄闇に巣喰う小悪党達の物語。しかし文明開化の今、かつての暗がりは追い払われ、そこを栖とする妖怪も小悪党達も居場所を失い消えてしまった……語る翁の口調ににじむ懐旧と愛惜の念いが切ない。毎作品違った語りの枠組みを採用するという京極さんの戦略のため、今作は明治の今とかつての江戸の双方を語るという複雑さゆえに、又市やおぎん、治平達小悪党が全面に出てこず、少し寂しい。それでも、京極氏の文章はお