京極夏彦のレビュー一覧
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京極夏彦先生の「百鬼夜行シリーズ」の第2作目『魍魎の匣』を完全コミックス化した作品。柚木加奈子と楠本頼子、2人の女学生は夜の湖を見るために駅に赴く。
しかし加奈子は列車に轢かれてしまう。その現場に居合わせた刑事・木場は、まるで銀幕を見ているかのような、思いがけない出会いを果たす。それが「もうりょう」の憑いた奇妙な事件の幕開けだった。
作画の志水アキ先生のイラストが秀逸。
美しいものは限りなく美しく、醜いものはこの上なく醜く描いている。原作の雰囲気やキャラクターの描写が忠実でかなり完成度が高い。原作を知らない人にも、原作を読んだことがある人にもオススメ。
現在、4巻まで発売中となっている。
早く -
Posted by ブクログ
京極堂シリーズは『魍魎の匣』が好きで好きで堪らなくて何度も読んでいましたが、
そのせいかこの『狂骨の夢』は学生時代に一度読んだだけだったんです。
けれど読み返したら面白いことなんの。
さすがに上中下巻のため4日間もかかってしまいましたが、特に下巻は一瞬でした。
以下抜粋。
『
「だから夫は、きっと約束が守れなかったことを気にしていたのです。そんな酷い目に遭っている間もずっと、私のことを気に懸けていてくれたんでしょう。だから」
待たせたな、朱美。
「でも私は――そんな夫の声が聞き分けられなかった」
』
推理を楽しむというより、絡まりあった伏線と事件を解いていくことを楽しむ小説。
伸義と父親、 -
Posted by ブクログ
後編である塗仏の宴(宴の始末)も同時にレビューで。
あ、推理小説物というカテゴリは抜きにしての感想で。
これまでの京極堂シリーズに登場してきた人物が次々に登場しては同時多発的に発生する事件に巻き込まれ、繋がりがまったく見えないそれらが繋がりを持って、見事に収束していく様はこれまでのシリーズと比較するとボリュームもその複雑さも屈指の構成でした。
やっぱり衝撃的だったのは「宴の支度」のラストです。
どちらかというと描写的な「静」の部分が多く占められているこれまでと違って、「静」と「動」のシチュエーションがバランスよくまとまってて、作品自体の規模(支度と始末合わせて1000P超)の割に中弛 -
Posted by ブクログ
後編である塗仏の宴(宴の始末)も同時にレビューで。
あ、推理小説物というカテゴリは抜きにしての感想で。
これまでの京極堂シリーズに登場してきた人物が次々に登場しては同時多発的に発生する事件に巻き込まれ、繋がりがまったく見えないそれらが繋がりを持って、見事に収束していく様はこれまでのシリーズと比較するとボリュームもその複雑さも屈指の構成でした。
やっぱり衝撃的だったのは「宴の支度」のラストです。
どちらかというと描写的な「静」の部分が多く占められているこれまでと違って、「静」と「動」のシチュエーションがバランスよくまとまってて、作品自体の規模(支度と始末合わせて1000P超)の割に中弛