京極夏彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
一番目のみ★4 白波に「どろぼう」とルビがアリ、白浪五人男を思い浮かべる。なるほどなるほど。ネット辞書を引いてみた。しら‐なみ【白波/白▽浪】 1 泡立って白く見える波。 2 《「後漢書」霊帝紀から。黄巾の乱の残党で、略奪をはたらいた白波賊(はくはぞく)を訓読みしたもの》盗賊。どろぼう。しらなみの【白波の】[枕]「白波」との関連から、「いちしろし」「よる」「かへる」などにかかる。「―いちしろく出でぬ人の知るべく」〈万・三〇二三〉しらなみもの【白浪物】盗賊を主人公とした歌舞伎・講談などの総称。「白浪五人男」など。幕末期に流行し、河竹黙阿弥はその代表的作者。白浪狂言。三国志にも出てくる黄巾党が語源とは。面白いことだ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ箱根山連続僧侶殺人事件シリーズの最終巻。
幼女性愛趣味、男色趣味、そして近親相姦と、バリエーション豊かすぎる人物たちが登場し、それぞれ己が「アブノーマル」であると苦悩したあげく、悲劇が起こるお話でした。
何がノーマルで何がアブノーマルかは、自分の頭でこれが正しいという基準・枠を決めてしまって、その「檻」のなかに己を置こうとするから人はあがくことになるんだろうけれど、まぁ確かにこれは仕方のないことだよね。
人や知的な思考を持てる動物は皆、自分で自分を目に見えない檻に入れてしまっているんだろうな。
逆に檻に入っていることで楽になることもあるんだと思いました。
規律があったほうが、決断すべき選択肢は狭まるからね。
それは思考の範囲に枠をはめることになるし、案外それによって楽になることもある…と。
まぁ、ある意味狭い檻(お寺)のなかでの鬱屈した人間関係と近親相姦のなれのはてが、今回の事件の核だったみたいです。
長いわりには、内容はそれほどでもない。
京極さんが禅宗についての自分の研究を小説という形でまとめておきたかったのかな?
……なんて感想は厳しいでしょうか?(笑)
でも、禅の歴史については詳しくなれたよ。
日本に存在する禅はすべて南宗禅の流れで、北宗禅は早くに断絶して日本には入って来ていないとするのが通説だとか。
道教色の強い南宗禅は「頓悟禅(とんごぜん)」と呼ばれ、人は本来鏡のような心を持っていて、それが何かをきっかけに表に出てくるのを悟りとする。
それに対して儒教色が強い北宗禅は「漸悟禅(ぜんごぜん)」と呼ばれ、一生かけて少しずつ原石を磨くように悟りに近づいていこうとするもの。
奥が深いねぇ! -
Posted by ブクログ
憑き物落しの陰陽師:京極堂さんが活躍するシリーズの第1弾『姑獲鳥の夏』に出てきた幼女性愛趣味の小児科医(失踪中)が箱根のお寺の土牢に幽閉されていました。
しかも、彼は僧侶としてさんざん修行をしたにもかかわらず、お寺の境内で出逢いった年端もいかない娘さんを凌辱し、おかしくなっているらしい。
なんかさ~。
お寺における男色趣味のお話も出てくるし、世の男性ってのは、この「欲」に関しては本当にどうしようもないほど苦労するものなの?
女性やお子ちゃまはそのへんの「抑えがたい欲求」のことはわかんないからさ。
案外、大人の男性読者さんたちのほうが、このお話に出てくるお坊さんたちの「業」について理解できるものなのかなぁ?
いずれにしても、本人も自分の性癖に苦しんでいるとは言え、こんなヤツに襲われたり、場合によっては身籠らせられちゃった少女さんたちが不憫でならないよ。
1人の性犯罪者が世に放たれていることで、ものすごい数の被害者が出るって報告書を読んだことがあるんだけど、本当にそのとおりなのかもね。
この巻では10年以上前に起こった箱根裕福一家殺害放火事件の重要参考人(これまたお坊さん)も出て来たし、シリーズのメインキャラクターたちも出そろったし、最終巻が楽しみだな。
しかし、宗教とか修行って何なのかな…っていろいろ考えさせられるお話だね。
己を高めるって、本当に難しいことなんだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
箱根のお坊さん連続殺人事件の分冊第2巻。
山中に現れる振袖姿のお嬢ちゃんの謎も気になる。
しかし、京極さんのお話はいろいろとためになるなぁ!
十牛圖とか、サンプルまで載っていて良かったです♪
黒い牛さんが途中から白い牛さんになるとか、いろいろ考えたらこれだけで何日も楽しめそうです。
前々から禅には興味があったので、今回のお話はそのあたりの歴史とかにも詳しくなれて嬉しい。
禅寺には福井の永平寺さんをはじめ、各派の有名寺さんにはそれなりに行っているし…ね。
物語は、京極堂さんがこの巻の最後あたりで話に絡んできて、これからどうなるかな~って感じでした。
なんだか宇治にある黄檗宗の萬福寺さんに行きたくなってきたなぁ。
あのあたりは美味しいパン屋さんも多いんだよね!