シリーズ2作目。鍼灸師の染谷の治療が神がかってきた。
●衣替え
嫌われる検校の毛むくじゃらの12才の娘をお灸で治療。何度かの治療で毛もスッキリと快癒。お灸にこんな効果があるのか、初めて知りました。
●居眠り初め
大晦日の宴会で10人の川並の内、半数が腹痛。鍼灸で快癒。手伝いの染谷の娘も父親を改め
...続きを読むて尊敬する。
●正徳の湯
向かいに住む親友の漢方医昭年の腰の具合が悪く、箱根行きを勧める。旅立った親友夫婦が恋しくなり、染谷夫婦も箱根へ行く。宿の客の歩き方が体に悪いと忠告し、歩き方を教える。
●にんじん船
箱根から戻る途中で川崎宿に投宿。そこで見たのは、怪しいにんじん畑。偽の高麗人参かと思ったら、どうも違うよう。この経緯が読んでも今ひとつ分かりにくい。
●つぶ餡こし餡
染谷の妻の太郎が広めた菓子屋の話し。娘がひさしぶりに持ってきたお菓子に異変を感じた染谷夫婦。訪れて見ると腰を痛めている上に、偽の高麗人参の薬で雁字搦めに。助けようとした染谷につれない菓子屋の夫婦。酷い仕打ちで追い払われる。読んでいて菓子屋に怒りを覚える。
●立夏の水菓子
大店に見込まれた菓子屋は、またも染谷につれない素振り。ところがこの大店も偽高麗人参で窮地に立たされ、菓子屋の主人の意見で染谷を頼ることに。
短編集に珍しく朝鮮人参で3作も繋がっていた。驚異的な治療法だけでなく、人間の器の大きさを持って事件を解決する染谷はスーパーマンのよう。深川一の芸者が惚れて結婚するのも分かる気がする。