山本一力のレビュー一覧

  • 湯どうふ牡丹雪 長兵衛天眼帳
    私はこの作者さんと相性がよい。読みやすいし、ハッピーだし、ちょっと狡くて正義感が強い。悪い奴は許さないし、でも手加減もする。
    こんな人になりたいし、こんな人生がいいな。
  • たすけ鍼 立夏の水菓子
    毎度ながら読後の思いは変わらず、かような先生に診ていただけたならばどんなにありがたいことか。今抱えている我が神経痛も、染谷先生ならば根っこから除いてくださるんだろう。オマケに人生相談にも乗り、ときに為政家とも繋がって悪を断ち、力強く救済していただけるのですよ。あの神の手にかかれば、鼻持ちならぬ商人だ...続きを読む
  • だいこん
    これもいただいた本
    こっちはよかった!!
    時代物はあんまり読まなかったけど
    帯にあるように、凛とした主人公でした
  • たすけ鍼 天神参り
    今作はスーパー鍼灸師染谷氏、の娘と息子の話
    特に息子の話が面白かったです。師匠から、小人は縁に気づかず、中人は縁を活かせず、大人は袖すり合う縁も縁とする、と書いた半紙を渡されます。妹からの指摘もあり自分に欠けていたものに徐々に気付く勘四郎。この先の話も楽しみです
  • 銀しゃり 新装版
     ある交流サイトで紹介されていて気になり読んでみたのが『銀しゃり』。初めての山本一力作品である。江戸の時代や街での人情もあるが、食小説としても完成度の高い小説。江戸深川が舞台。主人公の新吉は、親方から受け継いだ柿こけら鮨の伝統と味を守り、三ツ木鮨を営む。その新吉を応援する旗本勘定方の小西秋之助が自ら...続きを読む
  • 早刷り岩次郎 新装版
    安政の地震と大火ののち、画期的な瓦版「早刷り」を世に届けようと立ち上がった釜田屋岩次郎。知恵と度胸と職人魂で瓦版作りに命を賭ける男の物語。胸のすく長編時代小説。
  • 湯どうふ牡丹雪 長兵衛天眼帳
    江戸の「粋」と「人情」は、素晴らしい‼️登場人物たちは、男も女も魅力的だ。中には、悪人も情けないやつも出てくるけど、何か、ちょっと、可愛げがあると言うか、救いようがあって、ホッコリさせられる。
  • たすけ鍼 天神参り
    山本一力の「たすけ鍼」シリーズの続編ですが、鍼灸師の染谷と元芸者の太郎夫婦の助け合いをベースに今回は、その娘が芸者を継ぐ修行を経たのちに父親の鍼灸師を継ぐことにしたところからスタートして、親子の関係から師匠と弟子の関係へと移っていく姿や息子も登場し、後半は、娘と息子の結婚へと話が移行していき、本作も...続きを読む
  • 早刷り岩次郎 新装版
    山本一力さんの作品に登場する人は、単に「清廉潔白」というのではなくて、「清濁併せ呑む」人間の「大きさ」を感じるのが好きだ。この岩次郎も、言論の自由を守るために、人品甚だしく劣るような商売敵さえも取り込んでしまう「懐の深さ」が凄い。
  • 研ぎ師太吉(新潮文庫)
    山本一力が安二郎の仕事に批判的な職人たちをヒーローとして描いたのは、現代社会に蔓延している職人の手抜きに警鐘を鳴らすためだったのではないだろうか
    料理人の道具を手入れする太吉は、裏方の職人である。著者が、Spotlightを浴びる花形職人ではなく、地味な裏方を主人公に選んだのは、職人の本質が、研ぎ師...続きを読む
  • はぐれ牡丹
    両替商の跡取り娘だった一乃は、料亭の跡取り息子だった鉄幹と駆け落ちして、所帯を構えてから足掛け5年、鉄幹は寺子屋の師匠を、一乃は棒手振をやって、裏店にしっかり根を張り、貧しくても幸せな日々を過ごしてきた
  • 蒼龍
    表題作の『蒼龍』含む5つの短編が収録。いずれも江戸時代を生きる市井の職人、商人、武士たちが主人公。
    読者に想像させる大胆な終わり方が印象的。

    『のぼりうなぎ』・・・職人が大店の手代に転職して四苦八苦する話。現代でもありそうな話である。
    『筋わかれ』・・・現代のビジネスでも通じそうな、商人の話。
    ...続きを読む
  • はぐれ牡丹
    読みやすいので、あっという間に読み終わる。主人公の一乃の語りは、何を言っているのかはわからず、周りの人たちに助けられながら、まんまと人助けを成功する。そしてみんながハッピーエンド。読んでいてスカッとして、ぱーんも牡丹の花火があがるのも気持ち良い。
  • ひむろ飛脚
    さすがの山本一力らしい人情作品で、江戸時代の加賀藩の氷献上を飛脚が行っている行事が、昨今の地球温暖化ではないですが、暖冬の影響で氷が献上できない危機を物を運ぶ飛脚が中心となっているものの、まわりの人たちもそれを実現するために尽力するという展開が山本一力ワールド全開で楽しめました!
    やはり江戸時代の人...続きを読む
  • 銀しゃり 新装版
    2023.10.02
    人にモノを食べさせることにこれだけ真剣になれるのがうらやましい。その狂気ともいえる熱意が人を呼ぶ、幸運を招くのではなかろうか。
  • 紅けむり
    山本一力さんは、人情噺も良いけれど、こういう「アクション物」(?)にも、独特の味があって面白い。この作品には、史実に基づいたもののような迫力がある。
  • 長兵衛天眼帳
    山本一力さんの作品には、「人情物」と、この作品のような「知恵比べ物(?)」とがある。僕は、後者の方が好きだ。「勝者」が「敗者」を一方的に叩きのめすのではなく、両者に暖かい目を向けているところが、素晴らしい。
  • 損料屋喜八郎始末控え 牛天神
    この作品は、世の中には、根っからの悪人は存在しない、ということを信じたい、という山本一力さんの思いが込められているような気がする。ただ、今回も、大失敗だったのは、この作品が、このシリーズの4作目だったことだ。前の3作を読んでない!
  • あかね空

    終わり良ければ….….

    この作家さんの話を読んだのは、2作目だと思う。1作目の話は、何か淡々とした説明口調で、面白みに欠ける話だったので、2作目を手に取るのに、随分時がかかってしまった。確か、何かの賞を取った話だと思い、読んでみた。やっぱり、ちょっと説明的な所は多い気がしたけれど、登場人物達と一緒に、泣いたり笑ったり怒った...続きを読む
  • 落語小説集 子別れ
    落語というのは、文学作品として観ても、充分、後世に遺すべきものだと思う。落語は、生粋の話芸だけど、こういうふうに小説で読むと、また違った味があると思った。山本一力さんだからだろう。