山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
金沢から江戸まで通常5日間を冬場に7日間(475km)で走り抜き、奥方の特効薬「密丸」という薬を運ぶ金沢前田家の飛脚を松平定信の命で御庭番が食い止めるという単純な小説だ。その根底は隠された大名の秘密を暴き公正で正当化させようとしたことにつながる。物語は、飛脚が道中で出会う人情味溢れる出来事はなかなか面白く、さらに雪降る冬の寒さの中で起こる意外な出来事にも驚きを隠せない。人間味、暖かさ、情など巧みに表現されている。この小説の時代背景は田沼意次の賄賂政治から松平定信の節約倹約政治「棄捐令」による武士を含めた庶民の政局不安になる時代だ。現代、相変わらず政府はバラマキ政策を断行しており、一向に無くなら
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Posted by ブクログ
ネタバレ江戸の人情もの短編集。心意気的なものを中心に据える話が多かった印象。
人物の背景描写が多く最初少しくどく感じたが、それが後々の理解につながることもあったので、ああこういうノリなんだなと思った。
個人的には色々な人の想いが集まって、2度橋がかけられる「佃町の晴嵐」が好みだった。
見舞金で橋を架ける決断をした先生もそうだが、その話を聞いた人々が寄り集まって色々と手助けする辺りの流れがいい。
橋がかけられるまで名前を伏せていた人たちは、絶対にその場にいたはずで、さぞ意地悪い顔をしながら驚愕している先生を眺めていたんだろうな、などと思った。 -