山本一力のレビュー一覧

  • 深川駕籠
    江戸深川の駕籠かき職人の物語と聞いて、市井人情モノかと思いきや…いや、実際そうでもあるのだが…意外にもアスリート小説の類。

    バイアスロン(走って泳ぐ)的なアスリートストーリーがあり、そこに努力・友情・勝利というどこぞの少年週刊誌的なテーマに加えて、粋やらいなせやら男っぷりやらと、威勢の良さが読ませ...続きを読む
  • たすけ鍼 天神参り
    このたびは染谷先生の「たすけ鍼」炸裂というより、息・勘四郎と娘・いまりのもどかしい縁結びがお話の中心でございました。なにせあの先生と太郎さんのお子様たちですのでねぇ、そりゃあ聡いことは言うに及ばずですよ。ところが、恋沙汰となると多少は抜けてた方がよろしいようで。おもんばかるばかりでは好機を失する。検...続きを読む
  • 深川駕籠
    辻駕籠かきの新太郎と尚平。

    深川への帰りに、雑司が谷へ八ツ時までに駆けてくれと頼まれる。

    しかし、帰りのために断ると「歩き駕籠」だと嗤われたため、新太郎達は髷を賭けて走り始める...


    続編も出ているとのことで、楽しみ。
  • ずんずん!
    読み終えたぁ。現代版の山本一力さんってどうなるかなって考えたけど取り越し苦労 まるで長屋のある江戸時代を思い浮かべる出来栄えですね。無骨な一本気の、ズンズンと読む事出来た。牛乳は好きで毎日飲むけど、ビン牛乳がこれほどの効果あるとは考えたことがないよ、もうあるもんだとしか思えないって事=誤り シジミ売...続きを読む
  • 落語小説集 芝浜
    いやぁ合うねえ合ったねぇ。山本一力さんと落語とが徒然なるままに。落ちがちゃんと生きてた、しっかりした語り口だからかなこんな読み易いって思わなかったし、誰とは言わずに噺家のそのものでした。お題の芝浜に惹かれて読もうと思ったけど、確かにそうですね。なんなら詳しく街の情景とか棒手振りからお店者になった親方...続きを読む
  • ジョン・マン 1 波濤編

    同時並行

    土佐国の人 万次郎とアメリカの捕鯨船の話が同時進行で進んでゆく第一巻である。同時並行という記述方式はややもすると話が混同されやすいが、本書はアメリカと日本というかけ離れた舞台なので混同することはなく、大変に面白く読めた。まだまだ序盤であるが次巻以降が気になる。
  • 固結び 損料屋喜八郎始末控え
    終わっちまった。いつもより穏やかな一編一編に心沸き立つでもなく淡々と「固結び」へ。二人を祝う気持ちは諸々の登場人物らと同じだが、もう次は無いのだと心沈む。
  • 深川駕籠 クリ粥
    読後感とても気持ち良い小説。不思議なのは、通常の小説と違って、後から後から重要人物が出てくるんだけど、違和感というか不自然な感じが全然ないこと。最近の流行りは、伏線張りまくって後で回収という流れだけど、これは全く逆。それなのに、納得感がある。相当の書き手と見た。
  • たすけ鍼
    この作品も、素晴らしい!山本一力さんの作品に登場する人は、男も女も、筋が通っていて、気分がスッとする。みんな、市井の人間で、偉い人じゃないところが、また良い。
  • カズサビーチ(新潮文庫)
    1845年にクーパー船長率いる米国捕鯨船仲間と、鳥島付近で遭難し、助けられた日本人22人の物語。自分達の食糧枯渇や鎖国日本の攻撃の可能性があるにもかかわらず助けた米国人一味の懐の深さと優しさ、一方、鎖国状態の極めて難しい時代背景にあった日本が、厚情には厚情で応える判断をした役人達、当時の人間ドラマと...続きを読む
  • 欅しぐれ 新装版
    凄いモノを読んでしまった❗読んでいる途中から背筋がゾクゾクするし、涙が出てくるしで、やっぱり良いなあ、書物を読むということは。感動というのは言葉にならないもんですね❗
  • 欅しぐれ 新装版
    出版された当初に読み、
    「こんな店で働きたい‼️」と切実に思った。
    あれから随分と時は流れたが、未だに夢、また夢でそんな働き口とは出会っていない。
    経営者になりたいと思う方。夢でもいいから目指してほしい。
  • 花だいこん
    江戸時代大工の安治の生きざま仕事一途薬種問屋の看板作りに心を燃やし縁で知り合いになった仲間と共に命を賭けて奇跡を起こす。さらには三太郎と真之介とが双子だったとは!まだ語り尽くしていないように感じるのは小生だけかなそれは著者の思惑?
  • つばき
    内容(「BOOK」データベースより)
    つばきは、深川に移り住み、浅草で繁盛していた一膳飯屋「だいこん」を開業した。評判は上々だが、「出る杭は打たれる」とばかりに、商売繁盛を快く思わない者もいた。廻漕問屋「木島屋」から、弁当を百個こしらえてほしいという大口の注文を受けたのだが…。浅草とは仕来りの違う深...続きを読む
  • 損料屋喜八郎始末控え 赤絵の桜
    とにかく面白かった!最後の方を読み進めるうちになんとなーく結末がわかってくるけれども、それをはるかに超越した多幸感にあふれるラストは最高すぎる。そして伊勢屋も政八もいい人になってきている感じ。全く趣旨は違うが、読み終えてなんとなく鬼平犯科帳の「密偵たちの宴」を思い出した。
  • あかね空
    4.6
    江戸の人情物語、最高。
    いちいち泣けるし、いちいち腹立つし、いちいち嬉しい。そんな感情移入ができる小説が私はだいすきだ。
  • 固結び 損料屋喜八郎始末控え
    山本一力の最新作は、損料屋喜八郎シリーズの続編でした!
    短編7編という構成でしたが、喜八郎と町民たちとの絆や人間力が存分に発揮されているさすがの内容で非常に面白かったです!
    やきもきした末に、ようやく喜八郎と老舗料亭の秀弥が結ばれたのは、今後の展開も含めて非常に楽しみになりました!
  • 決戦!忠臣蔵
    もしかしたら歴史小説を初めて読んだのは忠臣蔵だったかもしれない。
    何作か読んだと思うけど、久しぶりのこの忠臣蔵はアンソロジーで、様々な視点で7人の歴史小説家が書いています。

    葉室麟『鬼の影』
    朝井まかて『妻の一分』
    夢枕獏『首無し幽霊』
    長浦京『冥土の契り』
    梶よう子『雪の橋』
    諸田玲子『与五郎の...続きを読む
  • ジョン・マン 1 波濤編
    ジョン・マンの生い立ち。その数奇な運命。ただすごいとしか言いようがない。たった12歳で村を出てカツオ船に乗り難破する。命からがら鳥島に辿り着く・・
  • 深川駕籠 クリ粥
    山本一力の深川を舞台にした時代小説は、さすがに面白いですね!深川の長屋に住む駕籠舁きの新太郎と尚平を主人公としたシリーズものですが、今回は、クリ粥となおしの桜の2編というか1つの物語です。今回は、長屋で慎ましく暮らしていた鉄蔵の亡くなる前に最後にクリ粥を食べたいという望みを叶えるべく新太郎と尚平が奮...続きを読む