山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
江戸時代の豆腐屋を描いた物語。
店をやるために京から1人でやってきた永吉と、その妻のおきみ。
そして子供達までを描いた親子2代の物語。
最初は江戸で認められないお豆腐を売るために奮闘する夫婦の物語が、
商売のお話がメインで、お豆腐屋さんというセレクトも含めて楽しく読んでいたが、
やはりこの物語の主題は子供たちが生まれてから。
それまで仲の良かった夫婦には明らかに溝が生まれ、子供たちも心身ともに成長をしていく中で
やがて自我が芽生えて、しっかりと生きている。
家族を思いやるからこそ、相手とすれ違い、時にはぶつかることもある。
だけど、家族だからこそわかることや、家族だからこそ作れるものだ