山本一力のレビュー一覧

  • だいこん
    結婚よりも仕事に生きた一人の女性の物語。
    人づきあいの基本がすべて詰まっていると思います。
    ただ、江戸っ子の言葉は読みにくく慣れるまで時間がかかりました。
    読んでる最中から無性にイワシの煮付けが食べたくなります。
  • ワシントンハイツの旋風
    時代小説 人情小説の 著者の
    「自伝」的 小説・・・エッセイとしても捉える事ができる

    人のドラマの中に
    物語の 綴り手の核がある

    早い時期に この作品を読んだおかげで
    山本一力作品が 更に 身近に感じる事が
    出来るようになった
  • だいこん
    昔の江戸にご飯を炊いたら右にでる者はいないと言われた一人の娘がいました。この物語はその娘が経営する一膳飯屋の成功物語です。
    フィクションであることは分かっているのですが、なんとも飲食店の経営指南書に見えてしまうから不思議です。飲食業としての誇りと意地が入り混じって、涙なしでは読むことは出来ません。
  • 辰巳八景(新潮文庫)
    江戸深川を舞台にした市井時代小説です。「辰巳」とは江戸深川のこと。深川は江戸城の辰巳の方角(東南)にあたるからです。山本一力氏が長唄『巽(辰巳)八景』に材を得て紡いだ八篇の物語です。八編とも極上の物語です。それぞれ味わいが深く、私は一篇読み終えるごとにしばらく心地よい余韻に浸りました。中でも「永代寺...続きを読む
  • だいこん
    テンポが良く、ぐいぐいと引き込まれる。登場人物の描写にもリアリティがあり、後味もいい良作。読み終わって見て、あらためて文庫本の厚さに驚く。そのくらい長さを感じさせない勢いの良さがある。
  • 梅咲きぬ
    母が送ってくれた本を入院中に読みました。
    時代小説をちゃんと読むのはそのときが初めてで、最初は慣れない名前や年号にとまどったものの、すんなり物語の世界に入れました。
    簡単に真似できないけれど、学ぶところがいっぱいです。深川の人たちの助け合い精神や心意気、羨ましいです。
    おっしゃんが福松さんに言う最後...続きを読む
  • 道三堀のさくら
    山本一力先生の作品にはずれなし!
    一本筋のとおった男を描かせたら最高!
    深川は堀と材木の街ですが、井戸を
    掘っても塩っ辛いため、水売りが生活に
    必要でした・・・そんな水売りの話です

    でも、女心ってわかんねぇ!
  • 大川わたり
    山本一力さんの作品はどの作品も人情物で物語の中に引き込まれます。

    主人公・銀次の1度は失敗したものの真面目な人柄、だからこそ彼を取り巻く人達の温かい協力…

    山本一力さんの作品を読むと江戸にタイムスリップしたくなります(笑)

    最後の大芝居は大どんでん返しで面白かったです。
  • かんじき飛脚(新潮文庫)
    足自慢の飛脚さん.メールや携帯が飛び交い,荷物なんてあっという間に届く現代では,考えられない時間の過ごし方がはらはらする.
    書店で平積みになってて,偶然手に取り,山本一力を初めて知った作品.
  • 蒼龍
    読もうかなぁ・・・やめようかなぁ・・・と迷いに迷った末に読んだ一冊。

    純粋に、感動した。
    特に「菜の花のかんざし」と「蒼龍」は普通に泣いた。
    「菜の花のかんざし」とか飛行機の中で泣いた(笑)
    それで分かったことは、私は夫婦ものに弱い。
    っていうか家族ものに弱い。

    「菜の花のかんざし」は、絶対にハ...続きを読む
  • 損料屋喜八郎始末控え
    巨利をむさぼる札差、借金にあえぐ御家人。これをたすける為に幕府は借金棒引き令を出すが…どこまでも強かな札差相手に損料屋が知恵を絞る短編集。最初は強欲な札差をやっつけるのが痛快だが、札差にも札差の立場があり、そちらからの視点も入ってくるのが公平だと感心する。何しろ元はといえば借金踏み倒す幕府の方が泥棒...続きを読む
  • かんじき飛脚(新潮文庫)
    一力先生の作品の中で最も好きな作品。
    ダイナミックで読者を飽きさせず
    涙がホロリ。ほほえみもチラリ。
    柴錬作品を彷彿とさせます。
  • 損料屋喜八郎始末控え
    自分にとっての初の山本一力作品。他の作品と通ずる深川を中心とした鯔背なオトコたちと彼らを支えるオンナたちの世界にハマりました。剣の腕に頼らず頭脳戦で繰り広げられる話は今まで自分が読んできた時代小説とは一線を画すもので、この部分だけでも読み応えがあります。また池波正太郎的に劇中の食に関する部分もリアル...続きを読む
  • 大川わたり
    出てくる人物がみんな超かっこよくて、はまります。
    魅力的な江戸の世界。
    土地勘がある永代周辺なのが余計にはまる。
  • 深川黄表紙掛取り帖
    江戸の町、今風に言うとイベント屋とか広告関係みたいな集団の痛快な活躍を描いた話。シリーズ化されたらいいのになって感じさせるような未練が残った。 もっと読みたい! 今度はどんな仕掛けをするの?みたいな…。
    TVの時代劇もいいかげん、印籠とか刀を振り回すだけの”お約束芝居”はやめて本作のような頭脳で事を...続きを読む
  • 大川わたり
    小説の舞台となる地域の地図がついている事がまずうれしかった。長編小説といっても、この小説のように何年かにわたる息の長い話を書くのが、山本一力は巧いなと思う。
  • 蒼龍
    山本一力は経済小説なのだと思った。時代が違うから通貨単位こそ違うが、細かい計算がたくさん出てくる。仕事で上手くいかないことがあっても、辛抱強く続けたり思い切った変化に取り組むことで、少しは、または大いに報われることもある。でもそれはゴールではなく、また先へ続く出発点でもある。
    これが現代小説ならこん...続きを読む
  • いっぽん桜(新潮文庫)
    4話の短編小説集。江戸時代の話だが、仕事の内容も現代に通じるものがあるし、人間関係の機微も同じだなあと思う。あかね空もそうだったが、表紙の題字もよい。
  • 損料屋喜八郎始末控え
    山本一力のあかね空の前の作品。
    損料屋、札差という初めて聞く職業とともに江戸時代の町人文化に触れられる快作!
    喜八郎のかっこよさとともに、秋山、奉行という見守り、そして責任を引き受けるという上司のカッコヨサ・・・。
  • あかね空
    人って難しいですね。血を分けた家族ですらすれ違うんですもんね。 でもね、人って素晴らしいですね。
    読んでて最後は胸が暖かくなりました。