山本一力のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
お兄さんと弟の、凛としただけど愛に満ちあふれた兄弟愛にほろり。主人公の姑たる男の職人気質にくらり。そして、彼らの作る握り飯の描写にゴクリ・・・食いたい!その握り飯食いたい!!
ただ、登場人物が多過ぎて話しがやや発散している気がするのと(物覚え悪くて、登場人物の名前が全部覚えられないわ・・)、あんな弁当で経済効果が上がるのだろうか・・メシ代に金が必要になるんだし、他の買い物控えたりするんじゃないの?とか。まあ、「アベノミクスを奨励してるんじゃないの?」なんて、うがった見方しちゃたからかもしれませんが。
「経済は生き物」ということは、ちゃんと実感出来る書き方だったと思います。 -
Posted by ブクログ
この人の時代物って巧いんだなあああやっぱり! 派手な物語ではないけどね、心に響く人情や粋な姿が本当にイイ! これはデビュー作を含む本だから、作者のキャリアが浅いうちに書いたものだと思うのだけど、とてもそうとは思えない落ち着いた雰囲気がいい。
特にお気に入りなのが以下の3話。
「のぼりうなぎ」:両方の立場が解るのよ。ただ、もうつらい。これはつらい。でも変わるんだな、という希望が覗く最後はね温かい。
「節わかれ」:粋な話! 単純に面白いし気持ちがいい!
「菜の花のかんざし」:切ない…! 武士としての己と父親としての自分の間で揺れ動くのが、切ない。
面白かった。 -
Posted by ブクログ
深川の料亭「江戸屋」の女将、母から娘へ温かく、時に厳しく器量・粋・覚悟を学びながら立派な女将に成長していく人情物語。
「つらいときは、好きなだけ泣きなはれ。足るだけ泣いてもよろし。そやけど、自分が可哀相やいうて、あわれむことだけはあきまへんえ。それは毒や。つろうて泣くのと、あわれむのとは違いますよってな。」
「つらいことと向き合うからといって自分を憐れんではなりません、それを始めるといつまで経っても抜け出ることがかなわなくなります。」
「質素とみすぼらしさは別のことです。」・・・
ちょっと出来過ぎ感があるが、生き方の勉強になる。
山本作品ではかなり好きな部類。
山本作品は8代吉宗から10代