山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お伊勢参りを巡るファンタジー。敵役の出てこないロード・オブ・ザ・リングのようなお話。他の作品で取り上げられていた水売りや両替屋さん、一膳飯屋、火消し人足など、山本作品でおなじみの江戸の職業がいろいろ出てきて風俗がわかって面白い。短編連作の方が良かったのでは?!とも思う。伊勢屋隠居と大工の棟梁との絆や、鯨組と公儀のお役人とのやりとりの妙などは読みごたえがあるのに対して、御師(おんし)という伊勢参りの指南役がどれほど敬われていたか、その人らのぬきんでた資質、不思議な跡目の継ぎ方、選ばれし子供<朝太>という主題になるとなんだか軽々しく、いつもの丁寧な時代もの人情ものというより、大きな資本で華々しく製作されたけどやや大雑把な感じの大型映画のような様相を呈してきて、やや拍子抜け。それでも個々の人物の描き方は丁寧で楽しかったので★は4つ。
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Posted by ブクログ
読後感の爽やかな小説です。これは登場人物の人柄によるものでしょう。それぞれが才気に満ち、人に温かく、矜持を胸に凛とした生き方をしています。その魅力に周りが引き込まれてゆき、大きな力となり企画が実現した時、人々の心に感動の波がひろがる。今回、四人衆が広目(広告)しようとした土佐の酒『司牡丹』は現存する酒です。どうやら作者・山本一力氏はけっして媚を売ることなく人の心を捉えていく主人公たちに、自分の出身地の酒『司牡丹』のもつ「剛直な辛口でいながら、ふっとひとの和みをいざなう旨さ」を重ね合わせたようです。
司牡丹酒造の酒は私も何度も飲んだことがあります。キリッとした辛口で切れ味鋭くいくら飲んでも飲み飽きない、飲めば飲むほどに旨味が増してくるような酒です。豪快な飲みっぷりで知られる土佐の酒とはこのようなものかといつも感心します。この本は小説として素晴らしいだけでなく日本酒ファンにはたまらない一冊です。いや、この本を読めばふだん日本酒を飲まない人もきっと飲んでみたくなるはず。それほど山本一力氏の『司牡丹』に対する思い入れが感じられる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
イライラをいつのまにか人のせいに
している主人公
でも、人間って気がつかないこと多い
自分に都合の悪い事を言う人間を恨み
先のことを保証できなくても、自分の
感情の命ずるまま行動してしまう
ばくちで20両の借金を負った銀次は
腕のいい大工
しかし、利息の取立てに窮して知人を
賭場に紹介し、破滅に追い込んだ
悔やんだ銀次は親分に、大工としての
腕で返済をしたいと申し込むが、そこ
で制約を言い渡される
大川を越えて深川に来るのは、20両
の借金を返済するときのみにしろ!
自分で生きる世界を狭くした制約の中
生き抜く決意・・・
本当に山本先生の作品は、人間ドラマ
が厳しくもすがすがしいです
読むべし!