山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イライラをいつのまにか人のせいに
している主人公
でも、人間って気がつかないこと多い
自分に都合の悪い事を言う人間を恨み
先のことを保証できなくても、自分の
感情の命ずるまま行動してしまう
ばくちで20両の借金を負った銀次は
腕のいい大工
しかし、利息の取立てに窮して知人を
賭場に紹介し、破滅に追い込んだ
悔やんだ銀次は親分に、大工としての
腕で返済をしたいと申し込むが、そこ
で制約を言い渡される
大川を越えて深川に来るのは、20両
の借金を返済するときのみにしろ!
自分で生きる世界を狭くした制約の中
生き抜く決意・・・
本当に山本先生の作品は、人間ドラマ
が厳しくもすがすがしいです
読むべ -
Posted by ブクログ
主人公の娘・玉枝は利発な子だ。その玉枝が尊敬しあこがれる母・秀弥の言葉や振るまいを一生懸命理解しようとする。いくら利発な子とはいえ子どもは子ども、理解できないこともあるがそれでも母を女将と敬い従う。女将の言動の意味を理解しようとする。母・秀弥は娘・玉枝をいずれは四代目女将となれるよう厳しく躾ける。全て娘の将来を思ってのことだ。作者は親の愛とは、子どものしつけとはどうあるべきか、人としての生き方は如何にあるべきかを物語を通じて読者に問いかける。老舗女将として矜持を持って凛として生きる母娘の姿に清々しい感動を覚えた。道理をわきまえた人を見るのは気持ちが良い。ましてその相手が子供であれば尚更のことで
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Posted by ブクログ
清水の次郎長、森の石松、大政、小政。尊敬される親分と一家だったということは知っているけど、それ以上はまったく知らない実在した渡世人たち。ひとり明治の時代にまで生き残った幼馴染の音吉(この人はフィクションかも)が、銀座からやってきた洋品店の伊藤を聞き役に、次郎長と己の人生を振り返る、というお話。写真も映像もテレビもインターネットも無く(当然ですが)、人の噂が情報源だった時代、だからこそ悪い評判を立てられたら終わりで、それで昔の人は後ろ指を指されるようなことはしちゃならねぇ、と自分を律していたのでしょうか。情報が取れないから自分が直接親しんで信頼している人が「この人なら」と薦めるのを頭から信じるし
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Posted by ブクログ
江戸時代、深川の老舗料亭の女将とその娘の物語。こんな物語が大好きだ。大店の4代目女将となる娘を一人前の後継者とするべく厳しく育てる母。その思いを深く理解し幼いながらもその才気を見せる娘。二人を支え師となる踊りの師匠夫婦。女の器量とか不景気だからこその大店のあり方とか、すっぱりと筋が通っていて気持ちがいい。店が大きくなるとそれだけそれを続けることが大変になる。昨年世間をにぎわせた某料亭は大店という事に何かを忘れ利益さえ上がればいいと慢心してしまった。女将はどんな教育を受けたのだろう。この人の書く時代小説の主人公はきっと胸を張って生きていいる感じがとても読んでいていい。