山本一力のレビュー一覧

  • 損料屋喜八郎始末控え 牛天神

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    いつの間にか、悪だくみをしていた伊勢屋が喜八郎に協力して人のために働く関係になっていたのに驚く。第2話の「つけのぼせ」とそれ以降の妻籠屋の深川への趣意返しに対する攻防が感動的だった。
    江戸屋仲居頭のすずよが言った「見ぬもの清し」の心が、シンプルでありながら大事なことを見誤らない極意だと強く思った。

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    2026年01月17日
  • 損料屋喜八郎始末控え 赤絵の桜

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    喜八郎の粋な男振りと深川の人情が相まって、心温まりながらスッキリした読後感になる。チャキチャキ江戸っ子の人と付き合うには、分かりやすい反面、粋とする基準が分からないと気難しいだろうなと思う。

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    2026年01月17日
  • 道三堀のさくら

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    三部作の長編でしたが、深川の水売りの龍太郎を主人公に水売りの元締めである親分の虎吉が器量の大きさで立身出世する話から、龍太郎の許嫁である蕎麦屋の娘の蕎麦屋が鰹節の大店が近くに蕎麦屋を出すということで葛藤する姿や最後はその大店の息子に許嫁が思いを寄せ、龍太郎との恋仲にすきま風が吹くのですが、最後は龍太郎がそんな切ない許嫁との関係よりも、水売りとしてのプライドを取り戻して、己の仕事に愚直に向き合う姿が爽快でした!
    どう展開していくのだろうか?とハラハラしながら読み進めていきましたが、最後の終わり方が、個人的にはなかなか良かったと思います!

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    2018年02月15日
  • かんじき飛脚(新潮文庫)

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    長編でしたが、老中松平定信の陰謀から加賀藩の内室が病床にあることを知れるとまずい状況に陥り、それを打開するために加賀から病の特効薬である密丸を江戸に取り寄せるために、総勢16人の飛脚が大雪、荒波、刺客に立ち向かいながら奮闘して、密丸を江戸まで運び届ける様が良かったです!
    飛脚たちの粋な様や絆、飛脚を愛して支える女性陣が清々しく描かれてました。
    また龍虎という激痛の特効薬に悶絶する姿も面白かったです。

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    2018年01月27日
  • 辰巳八景(新潮文庫)

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    山本一力の真骨頂とも言える深川を舞台とした時代物短編8編集でした。8編を八景とタイトルでかけているのも粋な感じです。
    どの短編も素朴な人情話なのですが、それぞれ違ったテイストで面白かったですね!
    最初の忠臣蔵の末後を取り扱った話が特に良かったです!

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    2018年01月19日
  • 峠越え

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    今年最初の読破本は昨年後半からはまっている山本一力の時代小説でした!
    本作は、深川の女衒の主人公新三郎が、仕事の不始末で借金を負い、その返済の旅に出たところ江の島で壷振りのおりゅうと出会い、江の島神社の裸弁天を江戸で出開帳することで借金返済することを思案し、紆余曲折ありながらも2人で出開帳を大成功させ借金返済と堅気に戻ることに成功するという話までかと思いきや、続きがあり、女衒の親分である土岐蔵と4人のてきやの元締めとひょんなことから久能山参詣に一緒に行くことになり、新三郎とおりゅうが旅の差配を請負うことになるのですが、この旅を通して土岐蔵と4人の元締めの気風の良さと旅で出会った粋な人たちとの出会いが新三郎とおりゅうを人間として成長させることになる展開が良かったですね!
    文中に出てきた、
    小人は縁に気づかず。
    中人は縁を生かせず。
    大人は袖すり合う縁でも縁とする。
    というフレーズが年初で心にしみました!

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    2018年01月07日
  • だいこん

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    幼い頃から両親を敬い、類まれなる商才を身に付けていった主人公つばきが、ひたむきに努力し、若くして「だいこん」という今で言う大衆食堂の商いを大きくしていく姿を描いた長編でしたが、さすがの山本一力作品だけあって、まわりの粋な人たちの支えや人の目効きをする際の深い洞察力が特に良かったですね!
    己の恋愛は脇に置いて、商いに人生をひたむきに掛けるつばきの姿が悲しき孤高の天才のようで胸にしみましたね!
    最後の知恵を使い、志を捨てず、ひたむきに汗を流せば、道は拓ける、人が力を貸してくれるという言葉が、この物語の真理を巧みについた言葉だと深く感銘を受けました!

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    2017年12月19日
  • ジョン・マン 6 順風編

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    アカデミーで日本人として初の2等航海士の免許を得て
    クジラの乱獲で大西洋では、需要を満たすクジラが得られずに
    船の造船も資本家が出費を渋るようになっていた。
    そんなおり、日本との通商条約締結を目論む米国の情勢にも
    影響され、万次郎はフランクリン号にのることになった。
    太平洋への航海だ。
    アカデミーの友人ジムの協力で、太平洋の航海日誌を見ることが
    できた万次郎は凪に備えて、日本の浜で知った「浄水器」をつくり、
    船に装備した。このことで、いつも綺麗な水を飲むことができた。
    航海の途中船長が病に。。。

    ますます面白いシリーズ。次回が待たれる。

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    2017年12月08日
  • 大川わたり

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    なんだこの山本さんらしくも無い、いい加減なエンディングは。最初はそう思いましたね。でも更に見事にひっくり返してくれました。ちょっと出来すぎですけどね。
    1994年に書かれた最初の長編だそうです。随分荒っぽいところも感じられます。例えば腕の良い大工の銀二が、借金を抱えた身で、乞われたとは言え給金の下がる呉服屋の手代になる必然性は有りません。でも、まあそういうところは無視しましょう。
    そういえば、このストーリーは先日読んだ"蒼竜"の中の"のぼりうなぎ"に似てますね。こちらは腕の良い指物師が呉服屋の手代になる話でしたけど。
    何はともあれ、山本さんの読後感の良さは、このような初期の作品から現れています。

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    2017年10月30日
  • 梅咲きぬ

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    山本一力作品ではたびたび登場する深川老舗料理店の江戸屋の女将秀弥を中心とした話で、よく登場する三代目から四代目に代替わりするための女将としての心構えを伝授する姿やそれを着実に受け継いでいく四代目の女将として成長していく姿が良かったです!
    四代目の父親が誰なのか?は、結局謎なままでしたが・・・

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    2017年10月28日
  • 辰巳八景(新潮文庫)

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    江戸の庶民、職を持った人たちを中心にその暮らし、人との関わりを8つの短編にした作品。江戸っ子らしい気っ風の良さと、最後に主人公が気づく新たな発見は、読んでいて清々しい。2017.10.19

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    2017年10月19日
  • ワシントンハイツの旋風

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    山本一力作品では珍しい東京オリンピック時代を駆け抜けた青春ストーリーでした。
    高知での幼少期から始まり、東京に移住し住み込み新聞配達時代の生活に移り、最終的には旅行代理店の会社員として海外業務を経験する成長ストーリーですが、そこの成長に合わせ、いろいろな女性関係が絡んでくるという、なかなか面白い話でした。
    でも、やはり山本一力作品は現代作品よりは江戸時代作品のほうが個人的には好きですね!

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    2017年10月03日
  • いっぽん桜(新潮文庫)

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    花にまつわる人情話短編4編の構成でしたが、どの作品も人情味にあふれた話で良かったですね!
    また今回は夫婦を交えた家族の絆というのも良かったです!
    山本一力作品は江戸時代の作者の生誕地の土佐と江戸深川を舞台にした人情作品が主ですが、さすがの作風で、どの作品も、主人公がまわりの人達に支えられながら成長していく粋な話にどんどんはまっていっております。

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    2017年09月21日
  • お神酒徳利―深川駕籠

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    山本一力の深川駕籠シリーズの2作目ですが、本作も主人公の駕籠かきの新太郎と尚平の息の合ったコンビの活躍を中心に、いろいろな事件が起きますが、下町の義理人情全開の内容で、粋な人間模様の展開が本当に清々しく、読んでいて爽快になる作品でした!
    今回は博徒の芳三郎親分の器量と存在感も際立ってました!
    早速、続編にいってみます!

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    2017年09月02日
  • まとい大名

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    江戸っ子火消し達の、粋な生き様が清々しいです。
    終盤の、江戸中の火消衆が一丸となって御城の火事の消火に臨む場面は、心が熱くなりました。

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    2017年08月26日
  • あかね空

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    第126回直木賞受賞作です。
    全体としてとても読みやすいまとまっている時代小説でした。

    1762年のある日
    江戸深川蛤町の長屋に住む桶屋の娘おふみは、
    長屋に引っ越すつもりで京都から来た若者、永吉と知り合います。
    永吉は京都南禅寺前の豆腐の老舗「平野屋」で修業を積んだ
    豆腐職人でした。
    平野屋の豆腐を江戸でも売ろうとしてやって来たのです。
    借りた店舗で「京や」と名付けた豆腐屋を始めます。
    永吉の作る京風豆腐は江戸豆腐とは、味も大きさも違っています。
    江戸豆腐に慣れた人々には京風は馴染めないようで
    なかなか庶民に受け入れてもらえません。
    そんなとき、商売仇である、豆腐売りの嘉次郎から
    品質がいいし味もいい豆腐だから、
    永代寺や老舗料亭に売り込むといいと、こっそり教えられて
    売上も上がって行くようになりました。
    忙しくなって、永吉はおふみにも手伝ってもらううちに
    いつしか2人は夫婦となります。
    そして、栄太郎、悟郎、おきみという3人の子宝にも恵まれますが、
    子供の入れ替えのように、
    おふみの両親が急死し、おふみはすっかり気落ちしてしまいます。

    1部では、「京や」のなりたち、
    2部では、「京や」の後継者たちのその後
    京都から体一つで上京し、築いた豆腐店を舞台に
    夫婦の絆やすれ違い、家族としてのまとまりの難しさが
    江戸情緒豊かに描かれていました。
    家族は団結しなければ、いけない。
    少しのほころびから崩壊も招くのだなと思いました。
    母の愛も度が過ぎないのが一番のようです。

    読後、おいしい豆腐が食べたくなり、
    舞台となった地域、門前仲町をまた訪ねたくなりました。

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    2017年11月09日
  • 損料屋喜八郎始末控え 赤絵の桜

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    ネタバレ

    損料屋喜八郎始末控え・2

    「逃げ水」と「初雪だるま」の“ドッキリ”2作品が好きです。
    笠倉屋も、なかなかやるじゃん。と思ってしまいました。
    伊勢屋は、喜八郎の“好敵手”みたいなポジションに収まりつつありますね。
    前作ではムカついていた、政八の“お子様おっさん”ぶりもなんだか可愛く思えてきました(笑)。

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    2017年08月13日
  • 損料屋喜八郎始末控え

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    ネタバレ

    喜八郎がカッコいい。
    危なっかしい米屋政八を手助けする為、大手の札差たち(主に伊勢屋)と息詰まる頭脳戦を繰り広げるのですが、いつも冷静で隙がないクセに、江戸屋の女将に対してはなかなかグイグイいけないところがまた良いです。
    そして、ラストの富岡八幡宮本祭で、驟雨の中で神輿に紛れての捕縛(?)シーンは圧巻。思わず頭の中でスローモーションで映像化してしまいました。
    当時の江戸っ子たちの粋な姿も魅力です。

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    2017年08月13日
  • 深川駕籠

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    山本一力の江戸深川作品の真骨頂的な作品ですね!本作は、深川駕籠かきの新太郎と尚平コンビを主人公に下町の粋な義理人情に厚い深川の人間模様が爽快です!
    また山本深川作品の損料屋喜八郎なども登場させるなど、他の作品のキャラも随所に惜しみなく登場させるところが、またいいですね!早速、本作の続編もいってみます!

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    2017年08月07日
  • はぐれ牡丹

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    江戸を舞台とした粋な話しの作者の真骨頂な作品で面白かったです。主人公の一乃はお家柄は良いものの、その性格から長屋の生活を選ぶのですが、一乃を中心に親子や家族の絆や一乃の人柄にふれ粋に感じた義理人情の下町風情の作風にすっかりはまりこみました!
    山本一力の作品は、あからさまな見た目はやくざな悪者は逆に粋に感じる良い人柄のような描き方で、金融に絡む真の悪者との対比の描き方が爽快な感じですね!
    これからも読み進めていきたいと思います!

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    2017年08月02日