山本一力のレビュー一覧
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今年最初の読破本は昨年後半からはまっている山本一力の時代小説でした!
本作は、深川の女衒の主人公新三郎が、仕事の不始末で借金を負い、その返済の旅に出たところ江の島で壷振りのおりゅうと出会い、江の島神社の裸弁天を江戸で出開帳することで借金返済することを思案し、紆余曲折ありながらも2人で出開帳を大成功させ借金返済と堅気に戻ることに成功するという話までかと思いきや、続きがあり、女衒の親分である土岐蔵と4人のてきやの元締めとひょんなことから久能山参詣に一緒に行くことになり、新三郎とおりゅうが旅の差配を請負うことになるのですが、この旅を通して土岐蔵と4人の元締めの気風の良さと旅で出会った粋な人たちとの出会いが新三郎とおりゅうを人間として成長させることになる展開が良かったですね!
文中に出てきた、
小人は縁に気づかず。
中人は縁を生かせず。
大人は袖すり合う縁でも縁とする。
というフレーズが年初で心にしみました! -
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幼い頃から両親を敬い、類まれなる商才を身に付けていった主人公つばきが、ひたむきに努力し、若くして「だいこん」という今で言う大衆食堂の商いを大きくしていく姿を描いた長編でしたが、さすがの山本一力作品だけあって、まわりの粋な人たちの支えや人の目効きをする際の深い洞察力が特に良かったですね!
己の恋愛は脇に置いて、商いに人生をひたむきに掛けるつばきの姿が悲しき孤高の天才のようで胸にしみましたね!
最後の知恵を使い、志を捨てず、ひたむきに汗を流せば、道は拓ける、人が力を貸してくれるという言葉が、この物語の真理を巧みについた言葉だと深く感銘を受けました! -
Posted by ブクログ
アカデミーで日本人として初の2等航海士の免許を得て
クジラの乱獲で大西洋では、需要を満たすクジラが得られずに
船の造船も資本家が出費を渋るようになっていた。
そんなおり、日本との通商条約締結を目論む米国の情勢にも
影響され、万次郎はフランクリン号にのることになった。
太平洋への航海だ。
アカデミーの友人ジムの協力で、太平洋の航海日誌を見ることが
できた万次郎は凪に備えて、日本の浜で知った「浄水器」をつくり、
船に装備した。このことで、いつも綺麗な水を飲むことができた。
航海の途中船長が病に。。。
ますます面白いシリーズ。次回が待たれる。 -
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なんだこの山本さんらしくも無い、いい加減なエンディングは。最初はそう思いましたね。でも更に見事にひっくり返してくれました。ちょっと出来すぎですけどね。
1994年に書かれた最初の長編だそうです。随分荒っぽいところも感じられます。例えば腕の良い大工の銀二が、借金を抱えた身で、乞われたとは言え給金の下がる呉服屋の手代になる必然性は有りません。でも、まあそういうところは無視しましょう。
そういえば、このストーリーは先日読んだ"蒼竜"の中の"のぼりうなぎ"に似てますね。こちらは腕の良い指物師が呉服屋の手代になる話でしたけど。
何はともあれ、山本さんの読後感の良さは、このような初期の作品から現れています。
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第126回直木賞受賞作です。
全体としてとても読みやすいまとまっている時代小説でした。
1762年のある日
江戸深川蛤町の長屋に住む桶屋の娘おふみは、
長屋に引っ越すつもりで京都から来た若者、永吉と知り合います。
永吉は京都南禅寺前の豆腐の老舗「平野屋」で修業を積んだ
豆腐職人でした。
平野屋の豆腐を江戸でも売ろうとしてやって来たのです。
借りた店舗で「京や」と名付けた豆腐屋を始めます。
永吉の作る京風豆腐は江戸豆腐とは、味も大きさも違っています。
江戸豆腐に慣れた人々には京風は馴染めないようで
なかなか庶民に受け入れてもらえません。
そんなとき、商売仇である、豆腐売りの嘉次郎から
品質がいいし味もいい豆腐だから、
永代寺や老舗料亭に売り込むといいと、こっそり教えられて
売上も上がって行くようになりました。
忙しくなって、永吉はおふみにも手伝ってもらううちに
いつしか2人は夫婦となります。
そして、栄太郎、悟郎、おきみという3人の子宝にも恵まれますが、
子供の入れ替えのように、
おふみの両親が急死し、おふみはすっかり気落ちしてしまいます。
1部では、「京や」のなりたち、
2部では、「京や」の後継者たちのその後
京都から体一つで上京し、築いた豆腐店を舞台に
夫婦の絆やすれ違い、家族としてのまとまりの難しさが
江戸情緒豊かに描かれていました。
家族は団結しなければ、いけない。
少しのほころびから崩壊も招くのだなと思いました。
母の愛も度が過ぎないのが一番のようです。
読後、おいしい豆腐が食べたくなり、
舞台となった地域、門前仲町をまた訪ねたくなりました。