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Posted by ブクログ
読後感の爽やかな小説です。これは登場人物の人柄によるものでしょう。それぞれが才気に満ち、人に温かく、矜持を胸に凛とした生き方をしています。その魅力に周りが引き込まれてゆき、大きな力となり企画が実現した時、人々の心に感動の波がひろがる。今回、四人衆が広目(広告)しようとした土佐の酒『司牡丹』は現存する酒です。どうやら作者・山本一力氏はけっして媚を売ることなく人の心を捉えていく主人公たちに、自分の出身地の酒『司牡丹』のもつ「剛直な辛口でいながら、ふっとひとの和みをいざなう旨さ」を重ね合わせたようです。
司牡丹酒造の酒は私も何度も飲んだことがあります。キリッとした辛口で切れ味鋭くいくら飲んでも飲み飽きない、飲めば飲むほどに旨味が増してくるような酒です。豪快な飲みっぷりで知られる土佐の酒とはこのようなものかといつも感心します。この本は小説として素晴らしいだけでなく日本酒ファンにはたまらない一冊です。いや、この本を読めばふだん日本酒を飲まない人もきっと飲んでみたくなるはず。それほど山本一力氏の『司牡丹』に対する思い入れが感じられる一冊でした。
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