山本一力のレビュー一覧
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山本一力の作品では、真ん中くらいの好み。
まず設定が面白く、読み始めから引き込まれた。
展開も含めて面白いのだが、エンディングはどうなんでしょう?もう少し厚みがあってもいいのではと思った。Posted by ブクログ -
気を抜くと、ひとの身体の芯に忍び込むいやな雨だ 大横川の川面を、降り続いている雨が叩いている。闇に包まれた川が、強い雨音を立てていた 手にした匕首を何度も上下に振った。刃が揺れて土間を朝日が走り回っていたPosted by ブクログ
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江戸人情物語。昔の時代は、近所付き合いとか仕事かける情熱も、何か親近感が湧いてくる。現代も、こういった人情を大切にしたいと思う作品で良かった。心の中がポカポカする作品。Posted by ブクログ
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棒手振を生業とする娘が、大枚の入った財布をひろい、行きがかり上自身番小屋に届けることに。そこで、得体のしれない大金の取り調べから、いつのまにやら身の上話の茶飲み話に。
大店の矜持と、おいしいお茶の入れ方、ですか。
ザックリいうと。Posted by ブクログ -
短編5編。オール讀物新人賞受賞作でもある表題作『蒼龍』は作品単体で魅力的であるが、著者の投影(解説によれば)である事を知れば、その凄味はいや増す。選者をして『このひとが新人賞に応募し、私が原稿料をもらう違いは何か』といわしめたエピソードは惹きつけられた。Posted by ブクログ
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未曾有の不景気に見舞われた寛政の江戸。大店「特撰堂」の次男・裕治郎は実家を離れ、美味くて安い弁当屋を始める。客を思い、取引相手に真を尽くす裕治郎の商いは普請場の職人の評判をとり、火消しを走らせ、武家と町人を結び、やがて途方もなく大きく育ってゆく―経済は人情が動かす!傑作時代長編。Posted by ブクログ
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「損料屋」の重要登場人物である、料亭江戸屋の魅力的美人女将秀弥さんの成長譚。
先代女将をはじめとする周囲の人物に育てられ、歴代女将に恥じない才能を開花させる過程が、心地よい文章で描かれています。
心のノートに留め置きたい、珠玉の金言格言的セリフが多々あります。Posted by ブクログ -
主役は誰で、何者なんだぁ???と思いつつ読んだら、
今回は材木関係の達人たちのお話でした。
相変わらず面白い、江戸時代の「お仕事小説」。
流通の仕組みなんかも、よくわかります。
しかし、鼠小僧にまつわるエピソードは、かならずしも必要ないのでは?
などと思ってしまいました。Posted by ブクログ -
味の記憶と書いて、味憶(みおく)と読む。なるほど。
食エッセイの命とも言える、たべものの表現が素晴らしい。
読む時間に気をつけないと、おなかがへって困る。いや、そのほうがいいんだけれど、でもやっぱり困る。
普通、昔たべたものの記憶は美化されていて、今同じものをたべるとがっかりすることが多いと思う...続きを読むPosted by ブクログ -
損料屋喜八郎シリーズよりもカジュアルな内容。キャラがそれぞれきちんと立ってる物語はやはり読んでて楽しい。商人や町人の心意気を存分に楽しめて飽きの来ない良作。Posted by ブクログ