山本一力のレビュー一覧

  • おたふく
    時代小説ではあるんだけど、実質はビジネス・経済系の小説。『ザ・ゴール』とか『もしドラ』なんかに近い雰囲気。
    不景気の時代に起業で社会を変えていく話なので、今の時代だからこそ学ぶことが多い内容だった。
    並行する話が多いため内容が散漫になってしまう点と、主人公が自動的に成功していくように見える点がやや不...続きを読む
  • いかだ満月
    山本一力の作品では、真ん中くらいの好み。
    まず設定が面白く、読み始めから引き込まれた。
    展開も含めて面白いのだが、エンディングはどうなんでしょう?もう少し厚みがあってもいいのではと思った。
  • 大川わたり
    良くも悪くもTHE山本一力という小説
    比較的ストーリーに山がなくあっさり展開してしまうことがおおいが、本作品は展開があって面白かった。
    でも再読はないかな。
  • たすけ鍼
    気を抜くと、ひとの身体の芯に忍び込むいやな雨だ 大横川の川面を、降り続いている雨が叩いている。闇に包まれた川が、強い雨音を立てていた 手にした匕首を何度も上下に振った。刃が揺れて土間を朝日が走り回っていた 
  • たまゆらに
    最近、江戸の庶民をテーマにした小説に興味があります。
    なかなか面白かった。ドラマ化するなら朋乃は榮倉奈々かな?
  • まとい大名
    江戸人情物語。昔の時代は、近所付き合いとか仕事かける情熱も、何か親近感が湧いてくる。現代も、こういった人情を大切にしたいと思う作品で良かった。心の中がポカポカする作品。
  • だいこん
    賭博の借銭で家庭を極貧に陥らせ、酒癖が悪い男。それでも大工の腕は確かで、人助けでは命を顧みない。主人公のつばきはもちろん魅力的なんだけれど 、この親父に惚れちまう。仲士に鳶に棒手振、己の腕一本を頼って 出づらで暮らす男たちを粋に描写するのが一力流だ。 渡世人の紳助、改め弐蔵、この男もまた悪玉のようで...続きを読む
  • たまゆらに
    2時間ドラマに仕立てあげたらよさそうな話だね。裁判物に近いような。どう始末をつけるのか知りたくてぐんぐん読む手が早くなった。落ちのよしあしはともかく。そうそう、やたらにお茶の入れ方だのなんだのと繰り返しでてくるけど、庶民がそうそうよいお茶ばかり飲んでいるとは思えないのだ。お茶って贅沢品でもあったと思...続きを読む
  • たまゆらに
    棒手振を生業とする娘が、大枚の入った財布をひろい、行きがかり上自身番小屋に届けることに。そこで、得体のしれない大金の取り調べから、いつのまにやら身の上話の茶飲み話に。

    大店の矜持と、おいしいお茶の入れ方、ですか。
    ザックリいうと。
  • 蒼龍
    短編5編。オール讀物新人賞受賞作でもある表題作『蒼龍』は作品単体で魅力的であるが、著者の投影(解説によれば)である事を知れば、その凄味はいや増す。選者をして『このひとが新人賞に応募し、私が原稿料をもらう違いは何か』といわしめたエピソードは惹きつけられた。
  • おたふく
    未曾有の不景気に見舞われた寛政の江戸。大店「特撰堂」の次男・裕治郎は実家を離れ、美味くて安い弁当屋を始める。客を思い、取引相手に真を尽くす裕治郎の商いは普請場の職人の評判をとり、火消しを走らせ、武家と町人を結び、やがて途方もなく大きく育ってゆく―経済は人情が動かす!傑作時代長編。
  • 梅咲きぬ
    「損料屋」の重要登場人物である、料亭江戸屋の魅力的美人女将秀弥さんの成長譚。

    先代女将をはじめとする周囲の人物に育てられ、歴代女将に恥じない才能を開花させる過程が、心地よい文章で描かれています。

    心のノートに留め置きたい、珠玉の金言格言的セリフが多々あります。
  • いかだ満月
    主役は誰で、何者なんだぁ???と思いつつ読んだら、
    今回は材木関係の達人たちのお話でした。

    相変わらず面白い、江戸時代の「お仕事小説」。
    流通の仕組みなんかも、よくわかります。

    しかし、鼠小僧にまつわるエピソードは、かならずしも必要ないのでは?
    などと思ってしまいました。
  • 家族力
    三度の結婚、二億の借金、浮気、倒産、嘘…さまざまな失敗をしてきた山本一力さんの自伝、エッセイ。

    私は何度もくじけそうになった。そのときに支えてくれたのは、何よりも家内が示してくれた完全なる信頼である。「おとうさんの小説が一番面白いから」

    この苦しさから逃げ出したい。人が寝静まった夜中に原稿を書き...続きを読む
  • おたふく
    父が大好きなのだが私は初めての山本一力。帯の文句についつい惹かれて買った安くてうまい江戸の経済小説。
    松平定信によって棄損令が交付された江戸が舞台。武士の金策相手たる札差が一斉に貸し渋りを始めたことで一気に景気が冷え込んだ時期、妻と二人家を出た有力廻船問屋の次男坊・裕次郎が江戸の職人相手の弁当販売業...続きを読む
  • 味憶めぐり 伝えたい本寸法の味
    味の記憶と書いて、味憶(みおく)と読む。なるほど。

    食エッセイの命とも言える、たべものの表現が素晴らしい。
    読む時間に気をつけないと、おなかがへって困る。いや、そのほうがいいんだけれど、でもやっぱり困る。

    普通、昔たべたものの記憶は美化されていて、今同じものをたべるとがっかりすることが多いと思う...続きを読む
  • 損料屋喜八郎始末控え 粗茶を一服
    一話完結的な第一作とは異なり長編の体。一話一話ビシッと仕置(解決)されていく一作目の方が斬れ味良かった。
  • 損料屋喜八郎始末控え 赤絵の桜
    損料屋喜八郎シリーズ第2段。前作の方が重厚さがあって良かったかな。伊勢屋がどんどんいい味出してきてる。
  • 深川黄表紙掛取り帖
    損料屋喜八郎シリーズよりもカジュアルな内容。キャラがそれぞれきちんと立ってる物語はやはり読んでて楽しい。商人や町人の心意気を存分に楽しめて飽きの来ない良作。
  • だいこん
    江戸の人情もの。
    人と人のつながりがはっきりと出来上がっていて、
    現代にはないのかもしれないこの世界が少しうらやましかったり。
    まぁ実際はこうトントンとはいかないのだろうけど
    それでもなんかさわやかな気持ちになれる作品だったので満足。
    そしてこの店すごく行ってみたいし働いてみたい。

    これを読んで朝...続きを読む