山本一力のレビュー一覧
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幕末維新の時代に、通訳者として活躍した、ジョン・万次郎。
その万次郎を主人公にした歴史小説シリーズの第1巻です。
第1巻ではまず、幼少時代を過ごした土佐国中ノ浜での万次郎の生活、そして後に、漂流した彼を救うことになる、米国捕鯨船の出航に向けた準備のシーンが、交互に描かれていきます。
貧しく、また周りの漁師たちの厳しい仕打ちにさらされながら生活する少年、万次郎。
しかし、視力と機転の良さで、初出航する新造漁船に乗ることになります。
いっぽう、米国国民の生活に広く広まった鯨油。
その鯨油を取る捕鯨船は、東海岸ニューベッドフォードの花形産業として描かれています。
なかでも、優秀な船長に率いら -
Posted by ブクログ
出張に出ると、移動時間に必ずしも仕事出来るわけでもない。ホリデーシーズン、ド満席のエコノミーでMacBook開くのも一苦労、ここは諦めて(?)溜まった本の消化に費やそうかと。こう言うときは安定感有るのが良い、と言うわけで毎度お馴染み山本一力作品。どうも話がうまく運びすぎるきらいも多い山本作品、しかも最初は今ひとつ乗りきらないな、と思いながら読み進めていくのだけれど、後半になるにつれて安定感が出て盛り上がる。本来は冒頭の一章の短編ものだったのが、続編要望で延びていった話と思われ、途中ダレるところもあるんだけど、そう言う安定感はさすが山本作品だなあ。
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Posted by ブクログ
ほうき星って・・・彗星のことです。
天保6年、76年に一度現れるほうき星が江戸の空に輝きました。
凶運を連れてくると思われるほうき星が江戸・深川の空を流れたその夜、
気鋭の絵師・黄泉と、日本橋の鰹節問屋の娘・さくら夫婦の間に、
玉のような女の子さちが生まれました。
さちの住む深川のご近所の鮮魚や「うお金」のまゆみは
さくらと同い年で気があっていました。
まゆみの子供乾太郎と善次郎の兄弟も
さちを本当の妹のようにかわいがり、
何かあったら手を差し伸べる、ほほえましいご近所さんです。
母・さくらの実家は日本橋の鰹節問屋。
少なからず繁盛している商人で、
さちにとっては、祖母にあたるこよりと伯