山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
坂本竜馬、新撰組、篤姫など、大河ドラマやその他の媒体で有名な幕末の人物ですが、この作品の主人公もそのひとりである。
「清水の次郎長」こと、山本長五郎が主人公の作品である。
ご存知、森の石松や大政、小政ら次郎長一家も揃い踏みである。
かといって、任侠の切った張ったの時代小説とせず、しっかりと主人公のバックボーンからを丁寧に書き、なぜこの人物が没後100年近くたって尚、慕われる人物像であるかが納得できる歴史小説として仕上がっていると思う。
さすが山本一力!と膝を叩いてしまう感である。
幕末を語る上で必ず出るキーワード、勤王、佐幕。
そのような区別などせず、義理と人情で同時代を生きた男。
清水の次 -
Posted by ブクログ
父の本です。何気なく読み出したら止まらず…
多分夜の10時くらいから読み出したのですがこませの十郎捕り物前まで一気に読んでしまいました。
山本一力氏の本は何度か読んでいたのでこの方の本なら、と安心して読み始めました。何せ面白かったのが渡世人らしくない主人公音次郎が初めての旅で失敗だらけで苦労を重ねる所が。何事も最初に経験するときって思うように行かないよなあ、と言う親近感がもてました。それが経験を重ねることにより、本来性質として備えている音次郎の性格のまっすぐさと器量の深さが発揮されあっという間に一冊終わってしまいました。
出来れば江戸までの帰り道中もつぶさに書いて欲しかった…きっと珍道