山本一力のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この人の時代物って巧いんだなあああやっぱり! 派手な物語ではないけどね、心に響く人情や粋な姿が本当にイイ! これはデビュー作を含む本だから、作者のキャリアが浅いうちに書いたものだと思うのだけど、とてもそうとは思えない落ち着いた雰囲気がいい。
特にお気に入りなのが以下の3話。
「のぼりうなぎ」:両方の立場が解るのよ。ただ、もうつらい。これはつらい。でも変わるんだな、という希望が覗く最後はね温かい。
「節わかれ」:粋な話! 単純に面白いし気持ちがいい!
「菜の花のかんざし」:切ない…! 武士としての己と父親としての自分の間で揺れ動くのが、切ない。
面白かった。 -
Posted by ブクログ
深川の料亭「江戸屋」の女将、母から娘へ温かく、時に厳しく器量・粋・覚悟を学びながら立派な女将に成長していく人情物語。
「つらいときは、好きなだけ泣きなはれ。足るだけ泣いてもよろし。そやけど、自分が可哀相やいうて、あわれむことだけはあきまへんえ。それは毒や。つろうて泣くのと、あわれむのとは違いますよってな。」
「つらいことと向き合うからといって自分を憐れんではなりません、それを始めるといつまで経っても抜け出ることがかなわなくなります。」
「質素とみすぼらしさは別のことです。」・・・
ちょっと出来過ぎ感があるが、生き方の勉強になる。
山本作品ではかなり好きな部類。
山本作品は8代吉宗から10代 -
Posted by ブクログ
坂本竜馬、新撰組、篤姫など、大河ドラマやその他の媒体で有名な幕末の人物ですが、この作品の主人公もそのひとりである。
「清水の次郎長」こと、山本長五郎が主人公の作品である。
ご存知、森の石松や大政、小政ら次郎長一家も揃い踏みである。
かといって、任侠の切った張ったの時代小説とせず、しっかりと主人公のバックボーンからを丁寧に書き、なぜこの人物が没後100年近くたって尚、慕われる人物像であるかが納得できる歴史小説として仕上がっていると思う。
さすが山本一力!と膝を叩いてしまう感である。
幕末を語る上で必ず出るキーワード、勤王、佐幕。
そのような区別などせず、義理と人情で同時代を生きた男。
清水の次