山本一力のレビュー一覧

  • ほうき星 下

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    さちの成人になった後の展開ですが、立派な絵師になったかたわら、祖母との約束で珊瑚商を行う覚悟を決めたり、結婚するかどうかなど、取捨選択をどうするか?意思決定をしなければならず、さちの揺れる女心であったり、それを支える深川や土佐の粋な人たちとの交流が、さすがの山本一力ワールドで良かったです!
    やっぱり人間は、困った時はお互い様という、互いのことを尊重しながら助け合いの精神が大事だということをつくづく感じました!
    最後は、さちが一番大切なものが何かに気付き、その気持ちが叶って良かったです!

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    2018年08月08日
  • 龍馬奔る 土佐の勇

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    坂本龍馬と中岡慎太郎を土佐出身の著者が魂を込めて描く。河田小龍の才能を評価し龍馬の学問指南役につけ、様々な知識をあたえ、作品の最後には「ジョン・マン」と出会う。

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    2018年08月02日
  • ほうき星 上

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    まさに山本一力の深川を舞台にした江戸時代物小説の真骨頂と言える作品ですね!
    深川ともう1つ山本一力の故郷である土佐の話も絡めて主人公のさちを中心に、さちの不遇な幼少期の境遇を親戚家族や深川の心優しい粋な人たちが皆で支えて、その気持ちをしっかりと汲みとったさちが大人としても人間としても成長していく様が秀逸でした!まだ本作は上巻なので、下巻でどのような展開になっていくのかが楽しみです!

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    2018年07月25日
  • いすゞ鳴る

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    伊勢参りが結ぶ2組の縁が結んだ先に見える景色とは?という物語で、江戸の豪商伊勢屋が大地震からの復興を願い伊勢参りに出向く一行と、土佐の鯨漁師の一行が、土佐の鯨不漁を打破するためには、江戸から伊勢参りでくる一行の中の子供がカギだという予言に従い、その子供 朝太を中心とした展開になっていきます!
    朝太の子供らしい真っすぐな姿勢と、それを支える大人たちの粋な姿が最高でした!

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    2018年07月07日
  • たすけ鍼

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    本作は、凄腕鍼灸師である染谷を主人公に、そこは山本一力作品らしく深川の義理人情を中心とした染谷の腕と身分に惑わされず誰でも同等に扱う姿勢に人柄に惚れた人たちとの交流をふまえ、まわりの人たちにも良い影響を与えていくというほっこりとした物語に仕上がっており、面白かったです!
    「金儲けと人助けは仲のよくない間柄」というのは、なかなか深い真理でした。

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    2018年06月04日
  • 研ぎ師太吉(新潮文庫)

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    主人公の研ぎ師である太吉を中心に、いつもの太吉の実直な仕事っぷりと人柄に惹かれ、いろいろな人に支えられながら生活していたのですが、そんな中、とある殺人事件に巻き込まれ、人助けのために真相究明に挑み、見事真相究明にいたるという姿が爽快でした!
    見事な山本一力ワールド全開な作品で最高でした!

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    2018年05月30日
  • まとい大名

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    山本一力の真骨頂とも言える下町の粋な人たちの人情ストーリーですが、本作は火消しを扱った作品で、己の命と引き換えに町を救った英雄である火消しの父を持つ鉄太郎が、いろいろな人たちの支えを得ながら、粋を学びながら人間として成長していく姿が最高でしたね!
    火消しに命をかける男たちの姿が、まさに炎のように熱くて良かったです!

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    2018年03月23日
  • つばき

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    最近流行りの、料理人を主人公とした時代小説の先鞭をつけた『だいこん』の続編。
    浅草から深川に店を移した一膳飯屋の女主人つばきは、大口注文の騙りに遭うが、深川の人々の人情ある手助けもあり、店はますます繁盛。
    幕府による寛政の改革の不況時も、更なる困難な状況も、誰かしらの助けですんなり乗り越えるられるのは、主人公に対する著者の暖かい思いがあるからなのだろう。
    書中語られる「難儀なときこそ、ひとの値打ちが分かる」「こんなときこそうろたえるな」
    「たとえつらい日が続くことになっても、明けない夜はない」等は、著者の不遇時代に体得した経験知だろう。
    このシリーズ、第三部『花だいこん』があるそうで、ぜひ読み

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    2018年03月13日
  • 背負い富士

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    山本一力の描く清水の次郎長は、さすがに粋で格好いい男でしたね!親友の音吉や兄弟との絆、子分の大政、小政、そして森の石松との信頼関係が清々しく描かれてました!
    特に終盤の石松の仇打ちの場面は良かったですね!
    清水の次郎長の人間力にがぜん興味がわきました!

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    2018年03月03日
  • 道三堀のさくら

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    三部作の長編でしたが、深川の水売りの龍太郎を主人公に水売りの元締めである親分の虎吉が器量の大きさで立身出世する話から、龍太郎の許嫁である蕎麦屋の娘の蕎麦屋が鰹節の大店が近くに蕎麦屋を出すということで葛藤する姿や最後はその大店の息子に許嫁が思いを寄せ、龍太郎との恋仲にすきま風が吹くのですが、最後は龍太郎がそんな切ない許嫁との関係よりも、水売りとしてのプライドを取り戻して、己の仕事に愚直に向き合う姿が爽快でした!
    どう展開していくのだろうか?とハラハラしながら読み進めていきましたが、最後の終わり方が、個人的にはなかなか良かったと思います!

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    2018年02月15日
  • かんじき飛脚(新潮文庫)

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    長編でしたが、老中松平定信の陰謀から加賀藩の内室が病床にあることを知れるとまずい状況に陥り、それを打開するために加賀から病の特効薬である密丸を江戸に取り寄せるために、総勢16人の飛脚が大雪、荒波、刺客に立ち向かいながら奮闘して、密丸を江戸まで運び届ける様が良かったです!
    飛脚たちの粋な様や絆、飛脚を愛して支える女性陣が清々しく描かれてました。
    また龍虎という激痛の特効薬に悶絶する姿も面白かったです。

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    2018年01月27日
  • 辰巳八景(新潮文庫)

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    山本一力の真骨頂とも言える深川を舞台とした時代物短編8編集でした。8編を八景とタイトルでかけているのも粋な感じです。
    どの短編も素朴な人情話なのですが、それぞれ違ったテイストで面白かったですね!
    最初の忠臣蔵の末後を取り扱った話が特に良かったです!

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    2018年01月19日
  • 峠越え

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    今年最初の読破本は昨年後半からはまっている山本一力の時代小説でした!
    本作は、深川の女衒の主人公新三郎が、仕事の不始末で借金を負い、その返済の旅に出たところ江の島で壷振りのおりゅうと出会い、江の島神社の裸弁天を江戸で出開帳することで借金返済することを思案し、紆余曲折ありながらも2人で出開帳を大成功させ借金返済と堅気に戻ることに成功するという話までかと思いきや、続きがあり、女衒の親分である土岐蔵と4人のてきやの元締めとひょんなことから久能山参詣に一緒に行くことになり、新三郎とおりゅうが旅の差配を請負うことになるのですが、この旅を通して土岐蔵と4人の元締めの気風の良さと旅で出会った粋な人たちとの出

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    2018年01月07日
  • だいこん

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    幼い頃から両親を敬い、類まれなる商才を身に付けていった主人公つばきが、ひたむきに努力し、若くして「だいこん」という今で言う大衆食堂の商いを大きくしていく姿を描いた長編でしたが、さすがの山本一力作品だけあって、まわりの粋な人たちの支えや人の目効きをする際の深い洞察力が特に良かったですね!
    己の恋愛は脇に置いて、商いに人生をひたむきに掛けるつばきの姿が悲しき孤高の天才のようで胸にしみましたね!
    最後の知恵を使い、志を捨てず、ひたむきに汗を流せば、道は拓ける、人が力を貸してくれるという言葉が、この物語の真理を巧みについた言葉だと深く感銘を受けました!

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    2017年12月19日
  • ジョン・マン 6 順風編

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    アカデミーで日本人として初の2等航海士の免許を得て
    クジラの乱獲で大西洋では、需要を満たすクジラが得られずに
    船の造船も資本家が出費を渋るようになっていた。
    そんなおり、日本との通商条約締結を目論む米国の情勢にも
    影響され、万次郎はフランクリン号にのることになった。
    太平洋への航海だ。
    アカデミーの友人ジムの協力で、太平洋の航海日誌を見ることが
    できた万次郎は凪に備えて、日本の浜で知った「浄水器」をつくり、
    船に装備した。このことで、いつも綺麗な水を飲むことができた。
    航海の途中船長が病に。。。

    ますます面白いシリーズ。次回が待たれる。

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    2017年12月08日
  • 大川わたり

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    なんだこの山本さんらしくも無い、いい加減なエンディングは。最初はそう思いましたね。でも更に見事にひっくり返してくれました。ちょっと出来すぎですけどね。
    1994年に書かれた最初の長編だそうです。随分荒っぽいところも感じられます。例えば腕の良い大工の銀二が、借金を抱えた身で、乞われたとは言え給金の下がる呉服屋の手代になる必然性は有りません。でも、まあそういうところは無視しましょう。
    そういえば、このストーリーは先日読んだ"蒼竜"の中の"のぼりうなぎ"に似てますね。こちらは腕の良い指物師が呉服屋の手代になる話でしたけど。
    何はともあれ、山本さんの読後感

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    2017年10月30日
  • 梅咲きぬ

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    山本一力作品ではたびたび登場する深川老舗料理店の江戸屋の女将秀弥を中心とした話で、よく登場する三代目から四代目に代替わりするための女将としての心構えを伝授する姿やそれを着実に受け継いでいく四代目の女将として成長していく姿が良かったです!
    四代目の父親が誰なのか?は、結局謎なままでしたが・・・

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    2017年10月28日
  • 辰巳八景(新潮文庫)

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    江戸の庶民、職を持った人たちを中心にその暮らし、人との関わりを8つの短編にした作品。江戸っ子らしい気っ風の良さと、最後に主人公が気づく新たな発見は、読んでいて清々しい。2017.10.19

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    2017年10月19日
  • ワシントンハイツの旋風

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    山本一力作品では珍しい東京オリンピック時代を駆け抜けた青春ストーリーでした。
    高知での幼少期から始まり、東京に移住し住み込み新聞配達時代の生活に移り、最終的には旅行代理店の会社員として海外業務を経験する成長ストーリーですが、そこの成長に合わせ、いろいろな女性関係が絡んでくるという、なかなか面白い話でした。
    でも、やはり山本一力作品は現代作品よりは江戸時代作品のほうが個人的には好きですね!

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    2017年10月03日
  • いっぽん桜(新潮文庫)

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    花にまつわる人情話短編4編の構成でしたが、どの作品も人情味にあふれた話で良かったですね!
    また今回は夫婦を交えた家族の絆というのも良かったです!
    山本一力作品は江戸時代の作者の生誕地の土佐と江戸深川を舞台にした人情作品が主ですが、さすがの作風で、どの作品も、主人公がまわりの人達に支えられながら成長していく粋な話にどんどんはまっていっております。

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    2017年09月21日