山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山本一力作品としては珍しい歴史上の人物を扱った作品で戦国武将で有名な四国の長宗我部元親の家臣の波川玄蕃を主人公に扱った話で、どこまでが史実に基づいているのかは不明ですが、本作では、波川玄蕃という人格的にも知将としても素晴らしい才覚のある武将であったが、その人望と才覚ゆえに主君である元親に妬まれたあげく、言いがかりで切腹を命じられ、それを甘んじて受け入れたにも関わらず、その後、波川一族が元親によって殲滅されられるという悲劇的な内容になっております。
この話だけ見れば元親という武将は肝の小さい男だったのだと思いますが、果たして真実はいかに? -
Posted by ブクログ
山本一力の小説にたびたび登場する土佐の鯨組をメインとした話でしたが、内容的には粋な鯨組や土佐藩の面々が格好良くて面白かったです!
黒船来襲と鯨組との奇妙な関連性を描いた展開でしたが、後半は黒船と命名された仇敵のマッコウクジラとの死闘が良く、また死闘を演じながらも鯨を敬う鯨組の姿勢も素晴らしかったですし、またその敬意に鯨が応えるところが小説らしくて面白かったです!
また鯨を敬い、足るを知りながら鯨との死闘を繰り広げる土佐の鯨組の姿勢を見ると、このような相手への敬意を払わずに乱獲に走る連中や短絡的に捕鯨反対を訴える人たちにこそ、このような姿勢を学んで欲しいと思うのでした! -
Posted by ブクログ
最近流行りの、料理人を主人公とした時代小説の先鞭をつけた『だいこん』の続編。
浅草から深川に店を移した一膳飯屋の女主人つばきは、大口注文の騙りに遭うが、深川の人々の人情ある手助けもあり、店はますます繁盛。
幕府による寛政の改革の不況時も、更なる困難な状況も、誰かしらの助けですんなり乗り越えるられるのは、主人公に対する著者の暖かい思いがあるからなのだろう。
書中語られる「難儀なときこそ、ひとの値打ちが分かる」「こんなときこそうろたえるな」
「たとえつらい日が続くことになっても、明けない夜はない」等は、著者の不遇時代に体得した経験知だろう。
このシリーズ、第三部『花だいこん』があるそうで、ぜひ読み