山本一力のレビュー一覧
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『だいこん』、『つばき』に続くシリーズ三作目。
棄捐令の発令により、かつてない不景気の江戸の町。
ご多分に漏れず、仕事が減っていた大工の安治は、ある日薬種問屋〈蓬莱屋〉が看板の思案を募集している事を知り、“巨大提灯”というアイデアで応募しようと乗り出しますが・・・。
前二作は、つばきと彼女が営む一膳飯屋〈だいこん〉の話でしたが、今回はつばきの父親・安治がメインの物語です。
因みに、つばきは〈だいこん〉を知人のおてるに譲り、商いから身を引いて両親と同居している状況なので、今作では脇役という感じです。
さて、薬種問屋の看板コンペに安治と共に挑むのは、旧知の渡世人・弐蔵親分と、講釈師で絵心のある -
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『だいこん』の続編。
浅草から深川に移転し、新たに一膳飯屋〈だいこん〉(二代目)をオープンしたつばき。
習慣や仕来たりもわからない新しい町で、旧知の渡世人・“閻魔堂の弐蔵”に何かと教えてもらいつつ、深川に馴染もうと奮闘する日々です。
そんなつばきに、深川でも名の通った廻漕問屋から大口の注文が舞い込みますが・・・。
相変わらず、料理やお弁当のメニューに関してのアイディアは冴えているつばきですが、まだ年齢が若いということもあってか、経営者としての未熟さが目立った印象です。
気っ風が良くてストレートなのが、つばきの長所ではあるのですが、今回はそれが裏目に出て自身の思い込みで突っ走ってしまい、大切 -
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久々の山本一力さん。
飯炊きの技と抜きん出た商才を持ったつばきが、若くして一膳飯屋〈だいこん〉を切り盛りする、成長と家族の物語です。
主人公・つばきは、三姉妹の長女。腕のいい大工の父・安治が博打で多額の借金を負ってしまい、一家は苦しい生活を強いられます。
ある時、炊き出しの手伝いをしたのを機に、飯炊きの才能を見出されたつばきは、9歳にして火の見番小屋の賄い係を担当することになります。
同じく賄いをしていた、つばきの母・みのぶは娘の飯炊きだけではない商才にも気づき、ゆくゆくはつばきに飯屋を開かせたいと思うようになりますが・・・。
結構なヴォリュームで、読み応えガッツリの人情噺でした。
序章 -
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Posted by ブクログ
古伊万里の里と、江戸を結んで陰謀がひそかに進んでいく、それぞれ江戸の日本橋のお店と佐賀の有田、皿山の町とそれぞれで進んでいく事件?出来事が大きくつながっていく。
ものすごく描写が細かい。江戸の町や、景色、人々の暮らしなどがとても細かく描写され、目の前に映像が浮かぶようです。
一方で、そちらに割かれ過ぎて、物語に入りづらいところも感じていました。
やがて隠密が入ってくるんですが、長く織り上げてきた物語が、意外に終わりがお粗末というか。。。え。。。って感じでした。
用意周到に準備している感じの隠密だったのになんかお粗末な終わりだな。。という正直消化不良っぽい終わり方でしたね。。。